フロントミッション2(セカンド)とは、1995年に発売されたSRPG『フロントミッション』(以下、1ST)と世界観を同一とする続編(『ガンハザード』は外伝扱い)として、1997年にプレイステーションで発売されたソフトである。
概要
「最前線、ふたたび炎上す。」
シリーズ初のPS作品ということで、戦闘シーンのヴァンツァーなどは3Dで描かれるようになった。 また、本作より導入された「APシステム」は、改良を重ねながらその後のシリーズに継承されていく。
衝撃的な展開で話題となった1STのインパクトこそないものの、「何が間違っていて、何が正しいのか」をテーマに敵味方様々な登場人物が織り成す群像劇はファンの人気も根強い。
一方でロード時間の長さ、それに追い打ちをかけるようにスキップ不可の戦闘デモ、経験値が有限であることによるキャラ育成の難しさなどからやや敷居の高いゲームとなっている。
戦闘デモに関してはその後発売されたヒストリー版以降はスキップ機能が搭載されていること、またロード時間に関してはアーカイブ版をPSP(PS3ではほとんど改善しないらしい)に落とすことにより半分程度まで短縮可能である。
あらすじ
ああ 母よ 美しき光の国よ
聞こえるだろうか?
私の言葉が 木々の声が
2102年、貧困に喘ぐOCUアロルデシュ人民共和国で軍事クーデターが勃発。
ヴェン・マッカージェ中佐を首謀者とする「アロルデシュ革命軍」はOCU軍駐留基地や政府施設を占拠、OCUからの独立を求める声明を発表した。
OCU海防軍リミアン基地に所属するアッシュ達は革命軍の襲撃から辛くも脱出、国外脱出を目指して革命軍と戦いを繰り広げる。
元はアロルデシュ軍に属してたアッシュとその仲間達、捕らわれの身となったグリフ、クーデターに複雑な想いを抱くバーグ運輸の父娘、密かに国内に潜入した軍情報部、諜報機関のエージェント、そしてヴェンと革命軍。
敵味方さまざまな願いや思惑が交錯するなか、やがてこのクーデターの裏で蠢く陰謀が明らかとなる。
OCUアロルデシュ人民共和国
アロルデシュとはベンガル語で「光の国」という意味であり、現在のバングラデシュがOCU加盟後に国名変更した国家である。
かつて農業国であったアロルデシュはOCUにより工業国家として作り替えられ、一時的に発展する。 しかしその後、景気低迷によりOCU企業はアロルデシュから撤退する。
OCUに使い潰された後に残ったのは大量の失業者、無数の廃工場、そして汚された空と大地であった。
貧困に苦しむアロルデシュは経済援助の代償としてOCUへ正式加盟するが……
登場人物
OCU海防軍総海部第31上陸機動大隊「マディ・オッターズ」
アッシュ・ファルーク
本編の主人公。
真面目で仲間思い、責任感が強いゆえに悩み深き男。
元々アロルデシュ軍にいたが、4年前に除隊。経緯は不明だがヴェンとは何か因縁がある様子。
その後OCU軍に入隊、祖国に派遣される。
母国の荒廃に目を背け続けてきたが、戦いを通して自分の過去、そして故郷と向き合うことになる。
ジョイス・S・ホイットフィールド
アッシュの同僚で親友。
女性問題でやらかしてアロルデシュに飛ばされた問題児だが、サリバシュの娘リラに本気で惹かれていく。
根は真面目でいい奴。
エイミア・マッカラム
エイミア先生。
元々航空パイロットだったが前線勤務を嫌い、アロルデシュでの陸上勤務を志願……したものの
クーデター勃発により否応なしに最前線で戦う羽目に。
なんか巻き込まれ体質。
グリフ・バーナム
アッシュ達の上司でマディ・オッターズ隊長。
日本人の妻と子がおり、ヴァンツァーの機体に愛妻(Kasumi)の名前を付けている。
仲間思いでアッシュ達とは親友のような間柄。
OCU陸防軍第89機動大隊「ダル・スタッグス」
トマス・ノーランド
陽気で豪快、世の中の酸いも甘いも知っている歴戦の古参兵。
型破りな経歴ゆえに出世からは遠ざかっているが、物事の善悪の区別は彼なりにつけており、
仲間や部下からの信頼は極めて厚い。
ロッキー・アーミテジ
オーストラリアと東南アジア人のハーフで、寡黙でクールなイケメン。
主人公に自分の名前を入れてはいけないと言われるのは彼のせい。
ロズウェル・タラーナ
ヘタレキャラで顔芸の持ち主。言葉遣いが妙に丁寧で女ったらし。
実戦では結構策士。
自称イタリア国籍だが、本当は日本国籍。
OCU陸防軍情報部
リーザ・スタンリー
情報部所属の大尉。
ある極秘任務を受け、サユリとともにアロルデシュに潜入。
クールでドライな言動の奥底に正義感を秘めている人。リーザ姫。
サユリ・ミツヅカ(三塚さゆり)
リーザの部下で友人。
お子ちゃまな外見と言動、そしてときどき無鉄砲な行動に出るけど結果オーライ。
一兵卒でありながら功績により少尉に昇進&情報部に引き抜かれるほどの実力者。
バーグ運輸(バーグショミティ)
サリバシュ・ラブラ
「バーグ運輸」の社長にして「バーグショミティ」と呼ばれる国際的密輸組織のボスとして有名なオヤジ。
OCUに公然と刃向かう姿勢からアロルデシュ国内では英雄視されている。
亡き親友の息子であるヴェンを我が子のように育ててきたが、国民一人ひとりの手による革命を願うサリバシュと、武力による独立を志したヴェンはやがて対立することになった。
エース
サリバシュ護衛部隊の隊長。
思考レベル0なのを見かねたサリバシュの命令によりエイミア先生に特訓される。
リラ・ラブラ
サリバシュの一人娘で、父親の秘書を務める。憂いを帯びた美少女。
幼なじみであるヴェンに想いを寄せている。
8歳のころから乗っているヴァンツァーの腕は素人顔負け。
アロルデシュ軍(アロルデシュ革命軍)
ヴェン・マッカージェ
クーデターの首謀者とされるアロルデシュ陸軍中佐。
真面目で誠実、根は情熱家の26歳。
貧困に喘ぐ祖国を幼少から見続け、「誰かが立ち上がらなければいけない」という信念を抱き、革命を決行する。
祖国をOCUの支配から解放すること、そして他のどの国にも頼らず自立する理想を夢見ている。
パスワードは好きな詩人の名前。
物語の中心人物にして、本作のテーマ「何が間違っていて、何が正しいのか」を象徴する存在。
メイラン・マルダ
格闘美少女メイランちゃん。
アロルデシュ陸軍大尉36歳、ふっくらしたおじさん。
ヴェンの腹心であり中佐LOVE勢彼に心酔、その思想に共鳴している。
だがその想いゆえに、ヴェンの願いとかけ離れていく革命を許せず、やがてある行動に出る。
ゴーシュ・グィアンダ
アロルデシュ陸海空軍総司令長官。
クーデター発生により人質として捕らえられているとされているが……
その他
パイク・A・ライシャワー
OCUの情報機関・CIU(CISU)の凄腕エージェント。
白スーツ&ソフト帽という服装で飄々と戦場を駆け巡る30歳。
クーデターの裏に潜む、ある陰謀を探るためアロルデシュに潜入する。
コーディ・ホッファ
闘技場の覆面チャンピオンにして情報屋の女性。
旧知の仲であるサユリと行動を共にすることとなる。
見た目通りの豪快な言動の一方で、仲間を思いやる心の機敏も持ち合わせている。
アンドリュー・F・ホードマン
アホードマン。
革命軍に捕まった捕虜救出のため、アロルデシュに派遣された陸防軍大佐。
嫌な上司要素の塊のような制服組エリート。
実 戦 経 験 皆 無 。
ドミンゴ・カイアット
元OCU軍所属、現在は傭兵。トマスの旧友。
アロルデシュには「捕虜救出作戦のコンサルタント」として派遣された。
再登場した頃には存在を忘れかける。
フランツ・ヘンシェル
「インターゲーン」なる組織を名乗り、クーデターの裏で暗躍する胡散臭い男。
グレニー
ロイド
余談
フロントミッション2発売当時、本編の軍事蜂起描写に関してバングラデシュからスクウェアに抗議があったそうです。
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関連項目
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