共和党(アメリカ)単語

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きょうわとう　-　 Rep ublican Party
共和党

基本情報
公用語名称	Rep ublican Party
国・地域	アメリカ合衆国
本部所在地	ワシントンD.C.
成立年月日	1854年
国際組織	国際民主連盟
シンボル	赤、象
Twitter	GOP

共和党（Rep ublican party）とは、アメリカ合衆国の政党の一つである。

概要

民主党とともに二大政党制を形成している。リベラルの立場を取る民主党に対し、こちらは保守主義の立場をとっている。

奴隷制度拡大に反対する勢力が結集して、1854年に結成された。1860年、同党所属であるエイブラハム・リンカーンを大統領に当選させてからは急激に勢力を発展させてきた。当初は保護貿易・奴隷解放などの進歩的な政策が多かったが、民主党が左傾化するにつれて次第に右傾化していった。

軍隊出身者、兵器産業、エネルギー産業、キリスト教保守派（福音派）を主な支持基盤としている。

別称はGOPで、「ジーオーピー」と読む。Grand Old Party（偉大な歴史ある政党）の頭文字をとった。TwitterなどのSNSにおけるアカウント名はどれもGOPになっている。
　

主な支持者

共和党は軍事予算の拡充に余念が無いので、軍隊関係者や兵器産業に支持される傾向がある。

アメリカ合衆国の内陸部は、これといった産業がないド田舎の州ばかりである。そういった州は、アメリカ合衆国大統領選挙になると共和党支持に回る事が非常に多い。ああいうド田舎に住む人たちにとって有力な就職先は軍隊であるので、軍隊の予算を確保しようとする共和党を支持することになる。

アメリカ合衆国において、軍人の社会的地位は高く、軍隊関係者は様々な面で優遇されている。軍出身者というだけでローンを組みやすくなるし、軍出身者を優先的に雇用する企業も数多い。軍隊で数年間勤めて除隊した青年に対して、大学が学費などを全て免除することも珍しくない。ごく普通のレストランでも軍人に対する割引制度を実施している。

このため、貧しい家に生まれたアメリカ人にとっては、高校を卒業してから軍隊に入り、数年勤めてから予備役になり、予備役の身分のまま学費がタダの大学に入って卒業し、そして軍出身者を優先雇用する企業に就職する、というのが、1つの理想的な人生設計である。

貧しい家の出身者を軍隊で救済する社会システムを強く支持するのが共和党なので、貧困地域での共和党の支持率が高い。

軍事にとって石油企業などのエネルギー産業はまさに基幹である。このため共和党は石油企業などエネルギー産業からの支持を受けることが多い。

共和党は銃規制に対して強硬に反対することが多い。そのため、全米ライフル協会（NRA）が有力な支持基盤である。

キリスト教保守派の福音派を支持層としている。福音派は宗教別人口の約4分の1を占め、とても数が多い。
　

シンボル

赤がイメージカラー。2000年アメリカ合衆国大統領選挙の際、テレビ全国ネットワークの報道番組において共和党候補が勝った州を赤に塗り、民主党候補が勝った州を青に塗った。ここから、共和党のイメージカラーが赤になった。

アメリカ合衆国大統領選挙において共和党を支持する傾向が強い州を「赤い州」と呼ぶ。

象がマスコット・キャラ（画像）。

1874年11月3日に中間選挙が行われ、下院で民主党が躍進して多数派を占めた。風刺漫画家のトーマス・ナストは熱心な共和党員だったので、共和党のだらしなさに腹を立てた。

トーマス・ナストは、4日後の11月7日に、新聞上で、ライオンの皮を被ったロバにびびって逃げ惑う象の絵を描いた。このときの絵は「Third Term Panic（3期目の困惑）」という題で、このページに掲載されている。

逃げ惑う象は共和党のことで、ロバは民主党のことで、ライオンの皮とは「共和党のユリシーズ・グラント大統領が慣例を破って3期目を目指すだろうという噂」のことである。大統領が3期目を目指すということは、初代大統領ワシントンですらやろうとしなかったことで、ローマ帝国のシーザーのような帝政主義・権力の私物化（シーザリズム）と見なされていた。「グラント大統領が3期目を目指すかもしれないだって？それは、悪いことだ。ならば、共和党を支持するのを止めよう」という心理が働き、共和党員が支持を止めることが続出して、共和党は下院で敗北した。

あの風刺画の元ネタは、イソップ寓話の「The Ass in the Lion's Skin（ライオンの皮を被ったロバ）」である。この寓話は、ライオンの皮を被ったロバ（ass）が皆を驚かせて楽しむというお話である。いくつかのウェブサイトで、日本語に訳されている（お話1、お話2）。

共和党を象とする絵は、1874年11月7日以前にも、誰かの手によって描かれていたらしい（記事）。しかし、共和党を象として扱うことを流行らせたのは、トーマス・ナストであると言える。

トーマス・ナストによって風刺されていた共和党は、面白がって象を党のシンボルとし始めた。そして、現在に至っている。
　　

政策

軍隊を重視するのが特徴である。大規模な軍備拡張を行うのは共和党政権であると相場が決まっている。ロナルド・レーガン政権の軍拡でソ連を封じ込め、父ブッシュ政権と息子ブッシュ政権はイラクに対して宣戦布告し、ドナルド・トランプ政権は宇宙軍の再創設などを敢行した。

軍事予算を増やして、兵器産業へ国家予算を回し、景気を刺激するのが得意である。戦闘機1つ作るだけでも膨大な部品を作ることになり、周辺産業への波及効果は計り知れない。

ロナルド・レーガンは「強いアメリカ（Strong America）」を標語にしたし、ドナルド・トランプは「アメリカを再び偉大にしよう（Make America Great Again）」を標語にした。「強い」とか「偉大な」という言葉が好きな政党である。

エネルギーをしっかり自給することは、軍事的優位を保つ上でとても大事なことである。このため、自国の石油産業の利益をしっかり確保することを優先する傾向があり、環境保護に対しては後ろ向きな傾向がある。

共和党の政治家は、温暖化懐疑論を述べることが多い。「温暖化していること自体、疑わしい」とか、「人類の活動が気候変動をもたらしているとは思えない。太陽の活動の変化が気候変動をもたらしているのではないか」などというのが、温暖化懐疑論である。石油産業を保護したいので、温暖化懐疑論に傾倒しやすい。

選挙の際の共和党は、キリスト教保守派の福音派を頼るのが、いつもの姿である。福音派は聖書の教えを忠実に守ろうとするので、共和党もその通りの政策を実行に移す。妊娠中絶に反対したり、性的マイノリティ（LGBT）への保護を打ち切ったりする。

旧約聖書の一番最初には創世記がある。そこでは、絶対神が生命を創るシーンが描写され、さらには絶対神が生物に対して「産めよ、増えよ、地に満ちよ」と命ずるシーンが描写される。このため、敬虔なキリスト教徒は、生殖や生命誕生を「神に命じられた神聖な現象」と感じる傾向があり、妊娠中絶や生殖を否定する性的マイノリティ（LGBT）を「神の御命令を無視していて、とんでもない」と感じる傾向にある。

そのほか、銃規制に反対したり、移民受け入れに反対したりする。
　　

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