Plague Inc.とは、Ndemic Creationsが制作しているiOS、Android及びWindows Phone向けの携帯ゲームである。2012年にリリースされた。日本語版の副題は「伝染病株式会社」。
2014年にはPC版として「Plague Inc: Evolved」も出ている。こちらはSteamなどで購入できる。また2015年にはXbox One版もリリースされている。
概要
大抵アウトブレイクが主題となるゲームでは、プレイヤーはウイルスやら病原菌やらの蔓延を阻止するのが目的となる(バイオハザードなど)。しかし本作はその蔓延をさらに助長することによって、基本的には人類を滅亡させることを目的とするなんとも物騒な内容となっている。世紀末どころの話ではない。
なお、本記事の記事名は半角スペースやピリオドを省略した「PlagueInc」となっているが、正式名称は「Plague Inc.」のようである(Evolvedの方は公式表記でもピリオドが付いたりつかなかったりあやふや)。ニコニコ動画でのタグは本記事名通りの「PlagueInc」、正式名称「Plague_Inc.」、PC版の「PlagueInc:Evolved」の3種類で分散しており統一されていない。
Plague+Inc PlagueInc動画を探す際にそれぞれで検索しよう。
ゲームの進め方
前準備
まず最初に伝染病タイプ(後述)を選ぶことになる。基本的に7種の中から一つを選ぶことになるが、順にアンロックされていく形になるため最初は「バクテリア」しか選べない。
難易度はEasy、Normal、Hard、超Hardが用意されているが、実質的な難易度自体は使用する病原体によって大きく変わってくる。しかしNormal以上でないと次の伝染病がアンロックされないため、Normalを選んでおくのが無難である。なお、全病原体をHardでクリアすると「チート」が使えるようになる。
次に病原体に名前を付ける。別に何を付けようと勝手だが、雰囲気を出したいなら怖い名前、まがまがしい名前の方がいいだろう。かわいい名前にするとゲームの雰囲気との落差でかなりシュールなことになる。「釘宮病」や「中二病」で人類を滅亡させようとするのは誰もが通る道。
最後に遺伝コードの挿入である。全部で5つスロットがあり、ここにお好みの遺伝コードを入れることが出来る。遺伝コードを挿入することによって、病原体に特殊な能力を付与することが出来る。これも難易度に大きく響くことがあるため慎重に選ぼう。特にウイルスに関しては、変異を抑えるか、変異に必要なDNAポイントが増えないコードを入れておかないと非常に難しい。これで前準備は終わりである。
本編
まず感染開始国を選ぶ。世界地図が出てくるのでその中から選ぶ。それぞれ国には特徴があり、例えば日本は「空港」「港湾」「裕福」「都会的」「安定した気候」となる。感染開始国は「空港や港湾のある貧しい国」を選ぶのがセオリーで、「裕福」な日本は向かない。選ぶならみんな大好きエジプトである。また、その後の感染でも大きくかかわるパラメータとなる。
感染を拡大していく際、必ずネックになるのが離島国家。国内で蔓延しにくいのは別として、日本のように空港も港湾も発達しているような先進国は割と感染しやすい。しかし、マダガスカルやグリーンランドのようなへんぴな場所はまずそこまで病原体を持っていくのに苦労する。「ラスボス」とまで言われるグリーンランドは港湾が一つしかなく、船もたまにしか行き来しない。早い段階で水質汚染2と寒さ耐性2を取得しておかなけらばならない。
ゲームクリアには病原体を進化させて強化していくことになるが、この進化には「DNAポイント」なるものが必要になる。これは感染が広がると同時に増えていくもので、時々出てくる「オレンジバブル」、新たな国に感染すると出てくる「レッドバブル」を割ると加算される。残量には十分気を付けよう。
さらに進化には大きく分けて「感染」「症状」「能力」の3つがあり、「感染」はどのルートを経由して感染するか、「症状」は感染した際、どのような症状が出るかを進化で選ぶことになる。「能力」では薬剤耐性や寒暖耐性を取得できるほか、それぞれの病原体独自の特殊能力が用意されていたりする。これらは画面下部にある「病気」タブで見ることが出来る。
画面下部に情報テーブルがあるので、そこで非感染者と感染者、そして死者の確認ができる。通常は全体の情報が出てくるが、特定の国を選択するとその国の情報を見ることが出来る。
病原体一覧
通常の伝染病
バクテリア
最初から選べる病原体。良くも悪くも癖がなく、環境耐性が強いのが特徴。Hardでも割と簡単にクリアできる。
バクテリアを攻略することで選択可能になる。ウイルス系全体に言える特徴だが、イレギュラーな変異が多く、勝手に様々な症状を取得していく。こいつがかなりくせもので、序盤で人間に見つかり特効薬が作られ撃退されるということになりかねないため注意が必要である。さらには固有能力として「ウィルス不安定度」があり、ただでさえ不安定なウイルスをさらに不安定にする。初心者は使わない方がいい。
逆に変異での感染力や致死性の上昇に頼ることで症状に使うDNAポイントを節約し、発見を物ともせず滅亡させていくプレイも可能。
その場合は能力は勿論取得した上で、変異しやすい動物での感染を優先するべき。ダメ押しに変異率を上げる遺伝コード(ダーヴィン主義者)もあると尚良し。
真菌
ウィルスを攻略することで選択可能になる。胞子が長距離移動ができない為、感染能力を進化させることが重要になる。固有能力は「胞子破裂」。ランダムで1つの非感染国に伝染する。6度胞子破裂を選択すると、「胞子爆発」という複数の非感染国に伝染させることのできる能力が出現する。離島攻略の要である。最大まで強化した際の能力「胞子強化」まで行けば定期的に伝染するようになるが、能力の消費DNAを増えないようにする遺伝コード(パソステイシス)が無いと使用は困難。
真菌を攻略することで選択可能になる。DNAポイントが溜まりづらい為、バブルタッチでのポイント入手が重要になる。固有能力は「共生」。危険度を減少させることによって病原体の発見を遅らせることができる。進化すると危険度の減少に加え、伝染速度が上昇する。
プリオン
パラサイトを攻略することで選択可能になる。自己進化のスピードが遅く、発見されにくい。固有能力は「神経萎縮」。Cure開発の速度が低下する。
プリオンを攻略することで選択可能になる。研究所から逃げ出したという設定の為、開始直後にCureの開発が始まる。(開発者がナノウイルス自滅用のコードを送信しているという設定)
固有能力の「コード断片妨害」系と「過激分子安定化」系は、いずれもCure開発の妨害をする能力。最後まで進化させると前者は「一時的に感染力が大幅上昇、終了後に感染力ダウン」、後者は「一時的にCure開発を停滞、終了後に感染力上昇」となる。
ナノウィルスを攻略することで選択可能になる。時間経過と共に致死性が上昇していく為、何もしなければ全人類への感染を終える前に感染者が全滅する危険性が高い。反面、全人類への感染までコントロールできれば固有能力だけで大量虐殺が可能。固有能力は複数あり、「遺伝子圧縮」は致死性の上昇率を減少させる。「改変遺伝子無力化」は現在の致死性を減少させる。「核酸中和」は致死性をリセットする。これらを全て進化させると「破壊遺伝子解放」が出現、「世界にハルマゲドンを解き放つ」の説明通り致死性が最大値となる。
特殊な伝染病
通常伝染病タイプ全てをHard以上の難易度でクリアすることで選択可能となる。
宿主の脳に寄生し、人間を操るという設定のため症状によっては危険度を下げることが可能。
これには全人類を滅亡させる方法の他、症状の左側のルートを経由することで症状「超越」を取得し「全人類を支配する」という特殊クリアがある。
シナリオモードではサンタと協力して人類を幸せにする。本作の萌えキャラ要員。
脳食い虫をHardでクリアすることで選択可能となる。早い話が「Tウイルス」である。感染し次第即ゾンビ、というわけではなく、ゾンビ化するには症状タブにある「細胞変性蘇生」を進化させる必要がある。ゾンビ化すると同時に選択可能な能力が多数出現する為、DNAポイントのやりくりも重要になっていく。ちなみに特効薬でもゾンビは直せないようなので、Cureが100%になっても残ったゾンビで非感染者を滅亡させれば勝利となる。
この病原体を選んだ時のみ、Cureの他にZCOMという対ゾンビ部隊が出現する。多くの実績解除に関わる病原体でもある。ゾンビとはいえ、やたらイケメンなエージェントや人のようなゴリラは出てこないし、進化次第ではゾンビの知能が猿インフル並に上がるので心配しなくとも勝ち目はある。
通常伝染病7つの他、脳食い虫とネクロアウィルスをHardでクリアすると選択可能となる。映画『猿の惑星: 創世記』とのコラボレーションによって生まれた病原菌。人間への感染は通常通りだが、「猿神経創世記」を進化させることで世界中の猿が知能に目覚めてコロニーを作成し、移動・襲撃・DNAポイント生成を行えるようになる。
敵対組織として猿を消費したCure研究を行う「Gen-Sys研究所」とコロニーを爆撃してくる「無人偵察機」が存在する。前者は能力「大暴れ」での襲撃、後者は能力「トラベル」での移動が有効。
基本的には感染した猿を全世界に広める→「ヒト化ブリッジ」で人間へ伝染→症状を悪化させて人類滅亡の流れが有効。ウイルス系列のため変異の多さにだけは要注意。
この病原体のみ、知能に目覚めたサルの数も表示される他に人類が多少生き残っていても特殊勝利になるケースが有る。
現世に目覚めたヴァンパイアを操って伝染病を広める。
能力によってヴァンパイアは隠れ家を生成してDNAポイントを生成、国境を超えて移動、隠れ家へワープ、人類を襲撃してDNAポイント獲得などの様々な能力を得られる。
症状「影の祝福」でヴァンパイアの感染能力を解放しない限り、病原体は発生しない(=Cureも開発されない)という変わった仕様となっている。
感染者は「影の下僕」でCUREの効くゾンビのような存在にしたり、「ヴァンパイアの目覚め」で致死させながら低確率でヴァンパイアを生み出すことが可能。
敵対組織は対ヴァンパイアの「テンプル騎士団」とCure開発の「WHO研究所」(+隠れ家潰しの「無人偵察機」)。どれも能力「血の憤怒」による襲撃で破壊可能。ただし「テンプル騎士団」は自動回復する耐久値がある上に、ヴァンパイアにもダメージを与えてくるので一筋縄ではいかない。
所属する国が裕福であるほど、かつ最後に残った騎士団ほど強力になっていくので潰す順番は慎重に選ぶ必要がある。
ちなみにCure100%となるとヴァンパイア自身も普通の人間以下に弱体化するのでネクロアウイルスと違ってほぼ敗北が確定する。
関連動画
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関連項目
関連リンク
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