WBC2006とは、2006年3月3日から3月30日に行われた野球の国別世界一を決める世界選手権大会である。
概要
| 出場チーム | |
|---|---|
| A組 | |
| B組 | |
| C組 | |
| D組 | |
ワールドベースボールクラシックの一番最初の大会。最初は2005年3月に開催される予定だったが、日本野球機構と韓国野球委員会がMLB機構主催に難色を示したため1年延期された。
中国、チャイニーズタイペイ、日本、韓国、カナダ、メキシコ、南アフリカ共和国、アメリカ合衆国、キューバ、オランダ、パナマ、プエルトリコ、オーストラリア、ドミニカ共和国、イタリア、ベネズエラとMLB機構が選抜した16ヶ国が参加。チャイニーズタイペイは当初は台湾だったが、中国からの圧力の影響でチャイニーズタイペイに変更された。4チーム4組のリーグに分かれて第1ラウンドを競った。
日本は王貞治監督の下、「王ジャパン」として初優勝を目指す。メジャーリーガーのイチロー、大塚晶則が参加表明。他には松井秀喜、井口資仁も参加を要望していたが辞退している。2005年12月5日にMLB機構はメジャーリーガーが177名出場に合意したことを発表した。ただしランディ・ジョンソン、ホルヘ・ポサダなど所属球団が怪我を恐れたために出場しなかったメジャーリーガーも多かった。
ルール
- 投手については球数制限が設けられていて、50球以上投げた場合、次の登板は中4日となる。第1ラウンドは65球、第2次ラウンドは80球、準決勝・決勝は95球となる。
- 1次・2次のリーグ戦で順位が並んだ場合、自責点による得失点差、直接対決で勝ったか、コイントスなどで順位が決まる。
- 延長14回までで、引き分け時の再試合は行われない。
結果
第1ラウンド
上位2チームが第2ラウンドに進出する。日本は第1ラウンドA組に入り、2勝1敗で第2ラウンドに進出した。
A組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 3-2 | 2-0 | 10-1 | 3 | 0 | 15 | 3 | |
| 2 | 2-3 | - | 14-3 | 18-2 | 2 | 1 | 34 | 8 | |
| 3 | 0-2 | 3-14 | - | 12-3 | 1 | 2 | 15 | 19 | |
| 4 | 1-10 | 2-18 | 3-12 | - | 0 | 3 | 6 | 40 |
B組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 0-2 | 9-1 | 10-4 | 2 | 1 | 19 | 7 | |
| 2 | 2-0 | - | 6-8 | 17-0 | 2 | 1 | 25 | 8 | |
| 3 | 1-9 | 8-6 | - | 11-8 | 2 | 1 | 20 | 23 | |
| 4 | 4-10 | 0-17 | 8-11 | - | 0 | 3 | 12 | 38 |
メキシコ、アメリカ合衆国、カナダが2勝1敗で並んでいたが、失点が多かったカナダが敗退した。
C組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 12-2 | 8-3 | 2-1 | 3 | 0 | 22 | 6 | |
| 2 | 2-12 | - | 11-2 | 8-6 | 2 | 1 | 21 | 20 | |
| 3 | 3-8 | 2-11 | - | 10-0 | 1 | 2 | 15 | 19 | |
| 4 | 1-2 | 6-8 | 0-10 | - | 0 | 3 | 7 | 20 |
D組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 11-5 | 8-3 | 6-4 | 3 | 0 | 25 | 12 | |
| 2 | 5-11 | - | 6-0 | 2-0 | 2 | 1 | 13 | 11 | |
| 3 | 3-8 | 0-6 | - | 10-0 | 1 | 2 | 13 | 14 | |
| 4 | 4-6 | 0-2 | 0-10 | - | 0 | 3 | 4 | 18 |
第2ラウンド
A組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 2-1 | 7-3 | 2-1 | 3 | 0 | 11 | 5 | |
| 2 | 1-2 | - | 3-4 | 6-1 | 1 | 2 | 10 | 7 | |
| 3 | 3-7 | 4-3 | - | 1-2 | 1 | 2 | 8 | 12 | |
| 4 | 1-2 | 1-6 | 2-1 | - | 1 | 2 | 4 | 9 |
第2ラウンドA組での日本対アメリカ(エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム)でのデービッドソン審判員による判定問題が起きた。日本対アメリカの8回表に、日本側攻撃で西岡剛がタッチアップを行った際、二塁塁審がセーフとしていたところ、球審のボブ・デービッドソンによって覆された。この試合は3-4で敗れた。アメリカのメディアでもひどい判定だと批判されている。
問題のシーン
同じくA組のメキシコ対アメリカでもデービッドソンが審判を担当し、メキシコ選手が放った本塁打が二塁打に覆される判定を下したことによりメキシコ選手たちが奮闘し、2-1で勝利。日本、アメリカ、メキシコは1勝2敗で並んでいたが、チーム間の失点率が低かったことにより日本はまさかの準決勝進出となる。
B組
| 順位 | チーム | 勝 | 敗 | 得点 | 失点 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | - | 7-3 | 2-1 | 1-7 | 2 | 1 | 10 | 11 | |
| 2 | 3-7 | - | 7-2 | 4-3 | 2 | 1 | 14 | 12 | |
| 3 | 1-2 | 2-7 | - | 6-0 | 1 | 2 | 9 | 9 | |
| 4 | 7-1 | 3-4 | 0-6 | - | 1 | 2 | 10 | 11 |
ドミニカ共和国とキューバが2勝1敗で並んでいたが、試合でドミニカがキューバに勝っていたことからドミニカが1位となった。
決勝トーナメント
| 準決勝 | 決勝 | 優勝 |
|---|---|---|
日本
準決勝では韓国と対戦。ここまで韓国に2連敗していたが、代打で出場した福留孝介が2ランホームランを打って先制。この時の実況は生き返れ福留!と叫ばれていた。福留のホームランをきっかけに猛攻で5点を先制し、6-0で下し、決勝に進出した。
キューバ
準決勝ではメジャーリーガーのいるドミニカ共和国と対戦。6回にユリエスキ・グリエルがエラーしたことでドミニカが先制したが、7回にグリエルがヒットで出塁すると内野ゴロで同点に追いつくと、3-1で逆転に成功。2点リードを守り切り、決勝に進出した。
決勝戦
日本対キューバ。キューバの先発ビショアンデリ・オデリンは制球が定まらず、四球と死球で日本が2点を先制。今江敏晃がセンター前にタイムリーヒットを放ち、1回表に4点を先制した。日本の先発、松坂大輔はエドゥアルド・パレにホームランを浴びて1点を返された後は抑えて、4回1失点の好投でマウンドを降りた。8回裏に藤田宗一がフレデリク・セペダに2ランホームランを浴び、6-5と1点差となる。9回表にはイチローのライト前ヒットで二塁走者の川﨑宗則が捕手のタッチを搔い潜って7点目を獲得。神の右手と称された。さらに福留のタイムリー、小笠原道大の犠牲フライで10-5の5点差とした。9回裏のマウンドには大塚晶則が上がり、1点を献上したが二者連続でゲームセット。10-6でキューバを倒し、初代王者に輝いた。
日本のスコア
| リーグ | 日付 | 対戦相手 | 結果 | 場所 |
|---|---|---|---|---|
| 1次リーグ | 3月3日 | ○18-2 | 東京ドーム | |
| 3月4日 | ○14-3 | |||
| 3月5日 | ●2-3 | |||
| 2次リーグ | 3月12日 | ●3-4× | エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム | |
| 3月14日 | ○6-1 | |||
| 3月15日 | ●1-2 | |||
| 準決勝 | 3月18日 | ○6-0 | ペトコ・パーク | |
| 決勝 | 3月20日 | ○10-6 |
大百科に記事のある出場選手一覧
| ア行 | カ行 | サ行 |
|---|---|---|
| タ行 | ナ行 | ハ行 |
| マ行 | ヤ行 | ラ行 |
| ワ行 | ||
表彰
| MVP | |||
|---|---|---|---|
| ポジション | 選手名 | 国 | 所属球団 |
| 投手 | 松坂大輔 | 西武ライオンズ | |
| ベストナイン | |||
| ポジション | 選手名 | 国 | 所属球団 |
| 投手 | 松坂大輔 | 西武ライオンズ | |
| ヤデル・マルティ | ロス・レオネス・インダストリアレス | ||
| 朴賛浩 | サンディエゴ・パドレス | ||
| 捕手 | 里崎智也 | 千葉ロッテマリーンズ | |
| 一塁手 | 李承燁 | 読売ジャイアンツ | |
| 二塁手 | ユリエスキ・グリエル | ガジョス・デ・サンクティ・スピリトゥス | |
| 三塁手 | エイドリアン・ベルトレ | シアトル・マリナーズ | |
| 遊撃手 | デレク・ジーター | ニューヨーク・ヤンキース | |
| 外野手 | イチロー | シアトル・マリナーズ | |
| 李鍾範 | 起亜タイガース | ||
| ケン・グリフィー・ジュニア | シンシナティ・レッズ | ||
| 指名打者 | ヨアンディ・ガルロボ | ココドゥリロス・デ・マタンサス | |
個人賞
| 名前 | 国 | 成績 | 所属球団 | |
|---|---|---|---|---|
| 最多勝 | 松坂大輔 | 3勝 | 西武ライオンズ | |
| 最多投球 | 上原浩治 | 17回 | 読売ジャイアンツ | |
| 最多奪三振 | 上原浩治 | 16奪三振 | 読売ジャイアンツ | |
| 最多安打 | 松中信彦 | 13安打 | 福岡ソフトバンクホークス | |
| 最多本塁打 | 李承燁 | 5本 | 千葉ロッテマリーンズ | |
| 最多盗塁 | 西岡剛 | 5盗塁 | 千葉ロッテマリーンズ |
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関連項目
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