WBC2017単語

54件
ワールドベースボールクラシックニセンジュウナナ
6.1千文字の記事
  • 0
  • 0pt
掲示板へ

WBC2017とは、2017年3月6日から3月22日に行われた野球世界一を決める世界選手権大会である。

概要

出場チーム
A組 大韓民国 韓国 / オランダ オランダ
チャイニーズタイペイ チャイニーズタイペイ / イスラエル イスラエル
B組 日本 日本 / キューバ キューバ
中国 中国 / オーストラリア オーストラリア
C組 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 / ドミニカ共和国 ドミニカ共和国
カナダ カナダ /  コロンビア
D組 ベネズエラ ベネズエラ / プエルトリコ プエルトリコ
イタリア イタリア / メキシコ メキシコ

ワールドベースボールクラシックの第4回の大会。

前年の2016年に第3回から引き続き予選ラウンドが4ラウンド開催。WBC2013にて予選免除となった12ヶを含め、16ヶによって争われた。この大会で観客動員数が初めて100万人を突破した。

日本2013WBC後に就任した小久保裕紀監督の下、2大会ぶりの優勝した。

しかし、日本人メジャーリーガー青木宣親以外出場辞退。本大会全体の玉として注された大谷翔平や、正捕手としてされていた嶋基宏ロースター発表後に出場辞退を表明した。特に大谷の辞退は、小久保監督に辞退の連絡が行き届いていないなど、多くの混乱・憶測を招く事態となった。メンバー選出では、前回大会からは野手若返り化が進んだ。NPB/MLB史上初、2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人2016年本塁打王打点王の二冠を獲得した筒香嘉智2015年シーズン最多安打記録更新した秋山翔吾、さらには広島の25年ぶりの優勝に貢献した田中広輔菊池涼介鈴木誠也巨人の正捕手に定着した小林誠司など、若い野手が代表に選出された。

本大会前の強化試合を初めて負け越すなど、2年前のに開催された2015WBSCプレミア12での失敗もあり、今大会は史上初の2次ラウンド敗退ないし1次ラウンドでの敗退もあるのではないかとのも上がっていた。しかし、1次ラウンドは史上初の全勝、2次ラウンドも全勝を決め、6戦全勝にて決勝ラウンドに進出する。

結果

準決勝・決勝

準決勝 決勝 優勝
オランダ オランダ 3 プエルトリコ プエルトリコ 0 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
プエルトリコ プエルトリコ 4
日本 日本 1 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 8
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 2

準決勝は2大会ぶりの顔合わせとなった日本アメリカだったが、日本打線菊池涼介ソロホームランのみ沈黙し1-2で敗戦。日本は2大会連続でベスト4敗退となり、アメリカは初めて決勝に進出した。

オランダプエルトリコは延長11回に及ぶ死闘となったが、プエルトリコタイブレークを制して決勝に進出。

決勝戦ではアメリカは8点を取ったのに対してプエルトリコは0点、これがプエルトリコ一の敗戦となり、アメリカが初優勝を飾った。

日本のスコア

リーグ 日付 対戦相手 結果 場所
1次ラウンド 3月7日 キューバ キューバ ○11-6 東京ドーム
3月8日 オーストラリア オーストラリア ○4-1
3月10日 中国 中国 7-1
2次ラウンド 3月8日 オランダ オランダ ○8-6 東京ドーム
3月10日 キューバ キューバ ○8-5
3月12日 イスラエル イスラエル ○8-3
準決勝 3月17日 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 ●1-2 ドジャー・スタジアム

出来事

「指名投手枠」の導入

この大会からは「投手」が導入された。MLB所属の投手チーム側から契約シーズン前に投球制限が掛けられている都合上、1次ラウンドから決勝まで帯同し、を背負った戦いの中全力投球の登板を重ねる際の故障リスクを考えた場合、辞退を要望されるケースが多い。ただ、例えば「決勝ラウンドの準決勝だけなら登板OK」という条件付きの招集ならばOKという妥協案を球団側から引き出し、大会の盛り上げの一助になればという思惑もあってか、導入された。

  • チームは本登録メンバー28名のほか、「予備登録投手」10名を登録する。
  • 28名中、1名ないし2名を「投手」とし、「予備登録投手」との入れ替えを可にする。
  • 入れ替えは次のラウンドに進出したタイミングで行い、それぞれ2名まで可

他にも故障した場合はリスト外からも選手の入れ替えができた。日本チームの場合、小久保監督は「制度を利用する気はない」と明言。一応システム上、平野佳寿投手になっており、大瀬良大地澤村拓一山崎康晃ら10名が予備登録投手として登録されていた。

野球新興国の躍進と強豪国の落日

今大会も、予選を勝ち上がり進出してきた初出場が大会に大きなインパクトを残した。

イスラエルは、前回大会出場のブラジルを予選で下し出場。両ユダヤ人などのユダヤマイナーリーガーで構成されたチームは、WBC全体の開幕戦となった韓国戦を2-1の接戦で制すと、内のプロアマ組織の対立でボイコット者が続出したものの前回大会2次ラウンド進出のチャイニーズ・タイペイ(台湾)やベスト4のオランダ相手に3連勝。さらに2次ラウンド開幕戦のキューバ戦も勝利し、破の4連勝を飾るなど大会に旋を巻き起こした。その後オランダ日本に敗れ2次ラウンド敗退となったが、クローザー役をに務めていたジョシュ・ザイドがオールWBCチームに選出された。


コロンビアは、パナマスペインと言った本大会出場経験のあるを下し出場。ドミニカ共和国アメリカカナダと同じ組に入れられる無理ゲーを強いられたが、あにはからんや、カナダ相手に大会初勝利を飾る。初戦のアメリカ戦と、最終戦ドミニカ共和国戦ではそれぞれ延長にもつれ込む大熱戦を繰り広げ、敗れはしたものの次回大会の予選免除を見事勝ち取った。


一方で、これまで「強豪国」とされていたの不振も立った。

その最たる例が韓国。前回大会はまさかの1次ラウンド敗退となったものの、直近のプロ参加際大会であるプレミア12では初代王者にき、今回は韓国初のドーム球場・高尺スカイドームを引っさげ1次ラウンドの開催権を取得。秋信守や姜正浩などメジャーリーガー呉昇桓以外(直前でKBOに復帰した李大浩も居るが)辞退という不安要素はあったもののオランダとともに2次ラウンド進出は確実なものと思われてきた。しかし、初戦のイスラエル戦でまさかの敗戦を喫すると、続くオランダ戦にも敗れ、々に2大会連続の1次ラウンド敗退が決定。最終戦ライバル台湾と予選行きを賭けた一戦をするハメになり、なんとか延長で勝ちをもぎ取ったものの、ただでさえ大統領スキャンダルで揉めに揉めている内を活気付けることはできなかった(も勝とうが勝てまいが、正直WBCどころではなかったようだが)。

失点率をめぐる順位の混乱

1次ラウンドD組(メキシコハリスコ)にて、「失点率」をめぐり順位の確定が二転三転する事態が発生した。

D組はプエルトリコが3勝0敗で1位通過。残り12位通過)を、イタリアベネズエラメキシコの3カが1勝2敗同士で争う形になった。この場合、今大会のルールではこのように順位を定める。 

3チームが1勝2敗で並んだ場合は、当該3チーム間の対戦にて1イニングあたりの失点率が一番高いチームを最下位とし、残り2チームにてプレーオフを実施する。なお、イニング数には不全なイニング(partial innings)も含める。

さて試合前、メキシコエドガー・ゴンザレス監督は、「ベネズエラに2点差以上つければプレーオフに進出できる」と大会側から伝えられていた。試合は11-9メキシコベネズエラ勝利し、その情報が伝えられていたメキシコナインは大喜び。もが起死回生の状況からプレーオフに進出し、イタリアと最後の1を争う…はずだった。

イニング数 失点 失点率(失点数/イニング数)
イタリア 19 20 1.05
メキシコ 18 19 1.06
ベネズエラ 19 21 1.11

ところが、その30分後、WBC公式サイト明日の試合予定にあったイタリアメキシコプレーオフTBD(未定)に変更、そしてイタリアベネズエラに変更 されたのであった。当然メキシコ側は困惑、激怒する。「なぜなんだ。お前らがそう言ったから俺達が進出じゃないのか」と。

実は大会側が失点率の計算をミスっていたのだ。というのも、D組のすでに行われたイタリアメキシコ戦で、メキシコは9回裏に4点リードをひっくり返されてサヨナラ負けしているのだが、その9回裏の間アウトを一つも取れていない。これを野球記録上に当てはめると、メキシコイタリア戦で獲得したアウトの数は24であり、つまり3アウトで割ると8イニング。正確には8回と0/3イニングなのである。

ここで「全なイニング(partial innings)も含める」の問題が発生する。この「不全なイニング」は、「イニング途中の1アウト(○回1/3)や2アウト(○回2/3)」であり、「イニング途中の0アウト(○回0/3)ではない」。なぜなら、8回終了して9回が始まる前と同じ状況も、9回がスタートしてアウトが1つも取れていない状態も、同じ8回0/3だからだ。

よって、メキシコのイニング数が1イニング減ることとなり、失点率の計算はこうなる。

イニング数 失点 失点率(失点数/イニング数)
イタリア 19 20 1.05
メキシコ 17 19 1.12
ベネズエラ 19 21 1.11

もちろん、メキシコにとって到底納得できない話だ。エドガー・ゴンザレス監督は5回もWBC運営電話をかけたがなしのつぶて。エドガー将のエイドリアン・ゴンザレスLAD)は「WBCには二度と出ない。クソみたいな大会からおさらばできて清々している。運営リトルリーグワールドシリーズ以下」とブチギレ。自身のtwitterアカウントからWBC公式アカウントに怒りのリプライを飛ばしまくる事態になった。

さらにこの後行われたプレーオフベネズエラが制して2次ラウンドに進み、メキシコは予選行きの憂きにあってしまったこともあって、好ゲームの続出した大会にを差す出来事となってしまった。

観客によるホームラン性飛球のキャッチ

本大会では2試合にて「観客によるホームラン性飛球のキャッチ」が発生した。

1試合は1次ラウンドプールB(東京)の日本キューバ戦。4回に日本山田哲人レフトスタンドホームラン性の当たりを飛ばすが、フェンス手前でグラブを伸ばした少年に取られ、ホームランからビデオ判定を経て二塁打に訂正される。松田宣浩の生還が認められ1点は入ったが、ボールをキャッチした少年ネット上で炎上する騒ぎとなった。山田はこの件を受け、「気にしていない。またグラブを持って応援しに来てほしい」とコメントした。

2試合は2次ラウンドプールF(サンディエゴ)のプエルトリコドミニカ戦。2回、ドミニカネルソン・クルーズプエルトリコ先発オーランド・ロマンからセンター最深部へ飛球を放つ。これをフェンス手前に手を伸ばした男性二の腕に当たり、そのまま捕球。ビデオ判定に持ち込まれ、結果本塁打として認められた。さらにこの試合はこれにとどまらず、4回にプエルトリコエディ・ロサリオが放った打球が同じくセンター最深部へ飛んでいき、ワンバウンドにて手を伸ばした観客に捕球され、エンタイトルツーベースとなった。なんとこの打球を捕球した男性は、2回にクルーズ本塁打をキャッチした男性と同一人物。単純計算にて32万4900分の1という奇跡を起こした男性は、彼の息子ゲットしたボールを1つずつ手にして、記念撮をしたそうだ(出典exit)。

大百科に記事のある出場選手一覧

ア行 カ行 サ行
タ行 ナ行 ハ行
マ行 ヤ行 ラ行
ワ行
  • --

表彰

MVP
ポジション 選手名 所属球団
投手 マーカス・ストローマン アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 トロント・ブルージェイズ
ベストナイン
ポジション 選手名 所属球団
投手 千賀滉大 日本 日本 福岡ソフトバンクホークス
マーカス・ストローマン アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 トロント・ブルージェイズ
ジョシュ・ゼイド イスラエル イスラエル セントルイス・カージナルス
捕手 ヤディアー・モリーナ プエルトリコ プエルトリコ セントルイス・カージナルス
一塁手 エリック・ホズマー アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 カンザスシティ・ロイヤルズ
二塁手 ハビアー・バエズ プエルトリコ プエルトリコ シカゴ・カブス
三塁手 カルロス・コレア プエルトリコ プエルトリコ ヒューストン・アストロズ
遊撃手 フランシスコ・リンドーア プエルトリコ プエルトリコ クリーブランド・インディアンス
外野手 ウラディミール・バレンティン オランダ オランダ 東京ヤクルトスワローズ
グレゴリー・ポランコ ドミニカ共和国 ドミニカ共和国 ピッツバーグ・パイレーツ
クリスチャン・イエリッチ アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 マイアミ・マーリンズ
指名打者 カルロス・ベルトラン プエルトリコ プエルトリコ ヒューストン・アストロズ

個人賞

名前 成績 所属球団
最多勝 ダニー・ダフィー

セスルー
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国

プエルトリコ プエルトリコ
2勝 カンザスシティ・ロイヤルズ

ニューヨーク・メッツ
最多投球回 菅野智之 日本 日本 15回 読売ジャイアンツ
最多奪三振 マーカス・ストローマン アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 15個 トロント・ブルージェイズ
最多安打 ウラディミール・バレンティン オランダ オランダ 16安打 東京ヤクルトスワローズ
最多本塁打 ウラディミール・バレンティン オランダ オランダ 4本 東京ヤクルトスワローズ
最多盗塁 ハビアー・バエズ プエルトリコ プエルトリコ 4盗塁 シカゴ・カブス

関連項目

関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

【スポンサーリンク】

  • 0
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

WBC2017

まだ掲示板に書き込みがありません…以下のようなことを書き込んでもらえると嬉しいでーす!

  • 記事を編集した人の応援(応援されると喜びます)
  • 記事に追加して欲しい動画・商品・記述についての情報提供(具体的だと嬉しいです)
  • WBC2017についての雑談(ダラダラとゆるい感じで)

書き込みを行うには、ニコニコのアカウントが必要です!


ニコニコニューストピックス