WBC2023とは、2023年3月8日から3月21日に行われた野球の国別世界一を決める世界選手権大会である。
概要
出場チーム | |
---|---|
A組 | キューバ / イタリア / オランダ パナマ / チャイニーズタイペイ |
B組 | 日本 / オーストラリア / 韓国 チェコ / 中国 |
C組 | アメリカ合衆国 / メキシコ / コロンビア カナダ / イギリス |
D組 | プエルトリコ / ベネズエラ / ドミニカ共和国 イスラエル / ニカラグア |
本来は2021年に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期。2023年の開催となった。この年から本選出場枠が16チームから20チームに拡大された。第4回まであった第2ラウンドは廃止され、第1ラウンド終了後から決勝トーナメントが行われる。
栗山英樹監督の下、2009年以来の優勝を目指す。日本はダルビッシュ有、大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚と言ったメジャーリーガーが参加表明。さらに2022年に56本塁打を記録し最年少で三冠王を受賞した村上宗隆、2年連続投手タイトル四冠の山本由伸らも代表入り。母親が日本人籍のため日本代表として参加できるラーズ・ヌートバーも代表入りし、チームメイトにたっちゃんとして親しまれる。しかし鈴木誠也は大会直前に負傷のため辞退となった。栗林良吏も代表入りしていたが、登板することはないまま腰を負傷し、指名投手枠に入っていた山﨑颯一郎がロースターに入った。
2月10日に出場する20チームの最終ロースターが発表されたが、総勢186名のメジャーリーガーが参加することになった。
日本は第1ラウンドを4戦全勝し、準々決勝に進出した。
結果
決勝トーナメント
準々決勝 | 準決勝 | 決勝 | 優勝 |
---|---|---|---|
オーストラリア 3 | キューバ 2 | アメリカ合衆国 2 | 日本 |
キューバ 4 | |||
アメリカ合衆国 9 | アメリカ合衆国 14 | ||
ベネズエラ 7 | |||
イタリア 3 | 日本 6x | 日本 3 | |
日本 9 | |||
プエルトリコ 4 | メキシコ 5 | ||
メキシコ 5 |
アメリカ合衆国
準決勝のベネズエラ戦では7回まで5-7と劣勢だったが、8回にトレイ・ターナーが逆転満塁ホームランを放って9-7と一気に逆転。9回をライアン・プレスリーが締めて準決勝進出。
準決勝のキューバ戦ではキューバに1点を先制されたが、裏で前年ナショナルリーグMVPのポール・ゴールドシュミットが2ラン逆転ホームランを放つ。その後はトレイ・ターナーが2本塁打、セドリック・マリンズが1本塁打と一発攻勢で圧倒し、決勝進出となった。
日本
準々決勝では大谷翔平が先発し、4.2回を2失点と好投。岡本和真が1本塁打5打点と活躍し、イタリアを9-3でくだした。
準決勝ではベスト4に初めて進出したメキシコと対戦。佐々木朗希が先制3ランホームランを打たれたが、吉田正尚が同点3ランホームランを放つ。その後メキシコに3-5と勝ち越されたが、最終回で大谷が初球を打って二塁打、吉田が四球を選んで周東佑京が代走に入る。ここまで不振に陥っていた村上宗隆がセンター越えタイムリーを放ち、周東がホームインしてサヨナラ勝ち。日本が決勝戦に進出した。
決勝戦
日本対アメリカ合衆国。アメリカは2回表にトレイ・ターナーが先制ホームランを放つが、2回裏に村上宗隆が同点ホームラン、ラーズ・ヌートバーのゴロで2点をとって逆転。4回裏に岡本和真がソロホームランを放って2点差としたが、8回表にダルビッシュ有がカイル・シュワーバーにソロホームランを打たれ1点差となる。9回のマウンドには大谷翔平が上がり、15球で締めくくって第2回、14年ぶりの世界一を奪還した。
初出場勢
イギリスはヨーロッパ予選を3連勝で予選通過。本選ではC組に入る。3月11日のアメリカ戦で2-6、3月12日のカナダ戦で8-18で敗れたが、3月13日のコロンビア戦では7-5でWBC本選初勝利。グレアム・スプレーカーが勝利投手となった。C組で4位に入ったため、第6回大会には予選なしで出場できるようになった。出塁時に紅茶を飲む仕草をするパフォーマンス、ホームランを打ってホームインする前にチームメイトから王冠とローブが与えられるイギリス流のパフォーマンスを行った。
チェコはヨーロッパ予選で初戦はスペインに敗れたが、敗者復活戦から3連勝し予選を2位で通過。本選ではB組に入り、3月10日の中国戦でWBC本選初勝利。3月11日に日本と対戦する。佐々木朗希の162km/hの直球がウィリー・エスカラの左膝に直撃してしまうトラブルが起き、エスカラは悶絶していたが、ダッシュで出塁して観客を沸かせた。チェコは2-10で日本に敗戦したが、選手たちはダグアウトから出てきて日本の選手とスタンドの観客に祝福の拍手を行い、称賛する声が上がった。大谷翔平もオンドジェイ・サトリアと撮影し、「Respect」とSNSに投稿した。後日佐々木はチェコ代表に死球のお詫びも兼ねてロッテのお菓子を差し入れした。B組で4位に入ったため、第6回大会には予選なしで出場できることになった。
ニカラグアはパナマ予選でブラジルに敗れ、敗者復活戦から3連勝し予選を2位で通過。本選ではD組に入る。D組では4連敗し予選から出直しとなったが、デュケ・ハーバートはドミニカ戦でフアン・ソト、フリオ・ロドリゲス、ラファエル・デバースから三振を奪い、デトロイト・タイガースとマイナー契約に至った。
キューバについて
キューバの選手は亡命をしてまでアメリカ合衆国などに渡り、MLB球団と契約していた。これまで第4回大会までMLB選手がキューバ代表として出場したことはなかった。
この事態に手を打つため、キューバは2022年3月16日に亡命選手で組織されたキューバプロ野球選手協会(ACPBP)を立ち上げるが、キューバ野球連盟(FCB)はこれを批判。2022年12月7日にFCBはアメリカ合衆国連邦政府の許可が要ると通達され、12月24日にキューバ代表として出場することを許可されたことを発表された。これにより、MLBで出場経験があるヨアン・モンカダ、ヨエニス・セスペデス、ルイス・ロベルトらが代表入りした。
A組全チームが2勝2敗だったが、失点率が最も低い0.42だったため1位通過。準々決勝でオーストラリアに4-3で勝利し、2006年(第1回)以来の準決勝進出となった。
スコア
リーグ | 日付 | 対戦相手 | 結果 | 場所 |
---|---|---|---|---|
第1ラウンド | 3月9日 | 中国 | ○8-1 | 東京ドーム |
3月10日 | 韓国 | ○13-4 | ||
3月11日 | チェコ | ○10-2 | ||
3月12日 | オーストラリア | ○7-1 | ||
準々決勝 | 3月16日 | イタリア | ○9-3 | 東京ドーム |
準決勝 | 3月20日 | メキシコ | ○6x-5 | ローンデポ・パーク |
決勝 | 3月21日 | アメリカ合衆国 | 3-2 |
大百科に記事のある出場選手一覧
ア行 | カ行 | サ行 |
---|---|---|
タ行 | ナ行 | ハ行 |
マ行 | ヤ行 | ラ行 |
ワ行 | ||
|
表彰
MVP | |||
---|---|---|---|
ポジション | 選手名 | 国 | 所属球団 |
投手 | 大谷翔平 | 日本 | ロサンゼルス・エンゼルス |
ベストナイン | |||
ポジション | 選手名 | 国 | 所属球団 |
投手 | 大谷翔平 | 日本 | ロサンゼルス・エンゼルス |
ミゲル・ロメロ | キューバ | ||
パトリック・サンドバル | メキシコ | ロサンゼルス・エンゼルス | |
捕手 | サルバドール・ペレス | ベネズエラ | カンザスシティ・ロイヤルズ |
一塁手 | 張育成 | チャイニーズタイペイ | ボストン・レッドソックス |
二塁手 | ハビアー・バエズ | プエルトリコ | デトロイト・タイガース |
三塁手 | ヨアン・モンカダ | キューバ | シカゴ・ホワイトソックス |
遊撃手 | トレイ・ターナー | アメリカ合衆国 | フィラデルフィア・フィリーズ |
外野手 | ランディ・アロサレーナ | メキシコ | タンパベイ・レイズ |
マイク・トラウト | アメリカ合衆国 | ロサンゼルス・エンゼルス | |
吉田正尚 | 日本 | ボストン・レッドソックス | |
指名打者 | 大谷翔平 | 日本 | ロサンゼルス・エンゼルス |
個人賞
名前 | 国 | 成績 | 所属球団 | |
---|---|---|---|---|
最多勝 | 大谷翔平 ジョジョ・ロメロ ミゲル・ロメロ ホセ・ルイーズ アダム・ウェインライト |
日本 メキシコ キューバ ベネズエラ アメリカ合衆国 |
2勝 | ロサンゼルス・エンゼルス セントルイス・カージナルス オークランド・アスレチックス傘下 シカゴ・ホワイトソックス セントルイス・カージナルス |
最多投球回 | 大谷翔平 | 日本 | 9.2回 | ロサンゼルス・エンゼルス |
最多奪三振 | ミゲル・ロメロ | キューバ | 13奪三振 | オークランド・アスレチックス傘下 |
最多安打 | ノーラン・アレナド ムーキー・ベッツ ジョーイ・メネセス ヨアン・モンカダ 大谷翔平 |
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 メキシコ キューバ 日本 |
10安打 | セントルイス・カージナルス サンディエゴ・パドレス ワシントン・ナショナルズ シカゴ・ホワイトソックス ロサンゼルス・エンゼルス |
最多本塁打 | トレイ・ターナー | アメリカ合衆国 | 5本 | フィラデルフィア・フィリーズ |
最多盗塁 | チャベス・ヤング |
キューバ |
5盗塁 | ピッツバーグ・パイレーツ傘下 |
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 0
- 0pt