コパノリッキーとは、2010年生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
日本競馬史上最多記録となるGI級競走11勝の記録を現在も保持している。馬主は「Dr.コパ」こと小林祥晃。
主な勝ち鞍
2013年:兵庫チャンピオンシップ(JpnII)
2014年:フェブラリーステークス(GI)、かしわ記念(JpnI)、JBCクラシック(JpnI)
2015年:フェブラリーステークス(GI)、JBCクラシック(JpnI)、東海ステークス(GII)
2016年:かしわ記念(JpnI)、帝王賞(JpnI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)
2017年:かしわ記念(JpnI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)、東京大賞典(GI)
この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘については 「コパノリッキー(ウマ娘)」を参照して下さい。 |
概要
~3歳
父ゴールドアリュール、母コパノニキータ、母父ティンバーカントリーという血統。父は自身、産駒ともダートで活躍する異色のSS産駒。母は22戦3勝。露骨なまでにダート血統だが、近親には芝GIIを3勝したサンライズペガサスがいたりする。
デビュー当時はそれほど期待されていたわけではなく、新馬戦は8番人気の8着だった。しかし続く未勝利戦を8番人気に反発するように5馬身差で圧勝すると、続く条件戦も5馬身差で勝利。ヒヤシンスSの3着を挟み伏竜Sで辛勝すると、兵庫チャンピオンシップでは2着ベストウォーリアに6馬身差をつけ大楽勝。重賞初勝利を挙げる。気をよくした陣営は前例に学ばずダービー参戦を表明するが、間もなく骨折が判明し休養。同年秋には復帰するがオープン特別を2戦していずれも惨敗し、勢いを失ったまま3歳シーズンを終える。
4歳
4歳初戦、陣営はフェブラリーステークス挑戦を決定。1/2の抽選を突破し、どうにか出走にこぎつける。しかし単勝オッズは272.1倍、ぶっちぎりの最低人気。ホッコータルマエ、ベルシャザール、ニホンピロアワーズなど実績馬が揃ったメンバーの中で、ここ2戦いいところのないリッキーに人気が集まらないのも無理はない。かつて完封したベストウォーリアが単勝7.0倍(3番人気)であったことをみても、どれだけ期待されていなかったがよくわかる。しかし、このレースでコパノリッキーは観衆の度肝を抜く。
五分のスタートからダッシュよく先行すると、逃げ馬は深追いせず2番手を確保。ゆったりしたペースの中を気分よく追走する。抜群の手応えで直線に入ると、力尽きたエーシントップをかわして最内に入り加速。直後にはホッコータルマエが迫り、外からはベルシャザールが一気の末脚を伸ばしてきたが一向に差が詰まる気配もない。ホッコータルマエがどうにか半馬身差まで詰め寄った時、コパノリッキー鞍上の田辺裕信は既に右手を握りしめていた。
まさかの優勝。東京競馬場の観衆はポカーン。それもそのはず、最低人気馬が平地GIを勝つのはサンドピアリス、ダイタクヤマトに次ぎ3頭目。単勝27210円はそのサンドピアリスが勝ったエリザベス女王杯に次ぎGI史上2番目の高配当だったのである。騎手の田辺裕信は13年目で初のGI制覇。そもそも田辺は、フェブラリーステークスではコパノリッキーと同厩のGI馬テスタマッタに騎乗する予定だったのだが、テスタマッタが直前に屈腱炎で引退したために予定が空き、この馬が回ってきたのである。GI馬であるテスタマッタが出走していれば当然コパノリッキーは出走できなかったわけで、なんとも幸運な勝利でもあった。
かつての調子を取り戻したコパノリッキーは続いてかしわ記念に出走。1番人気はワンダーアキュートに譲ったが、中団から3,4コーナーでひと捲りして進出し先行集団を一掃し快勝。帝王賞では圧倒的1番人気に推されたが、初の2000mが響いたか、あるいは不良馬場が響いたか、今度はワンダーアキュートに捉えられ2着に敗れる。
夏場は休養し、盛岡競馬場のJBCクラシックに直行。前走と同じ2000mの重馬場だったためか3番人気にとどまるが、外枠から楽に先手を奪うと、直線では上がり2位タイの脚で後続を突き放し圧勝。これで新装開店のチャンピオンズカップはもらったも同然・・・かと思いきや、出負けして中団からになると、直線でさっぱり伸びずまさかの12着。初めてホッコータルマエに敗れると、続く東京大賞典もホッコータルマエの前になすすべなく4馬身差の完敗。最優秀ダート馬も持っていかれてしまった。
5歳
2015年は東海ステークスから始動。鞍上に武豊を迎える。このレースは当然のごとく4馬身差の圧勝。意気揚々とフェブラリーステークスに出走する。ホッコータルマエの回避はあったが粒が揃ったメンツの中にあっても、コパノリッキーは明らかに1頭突き抜けた存在であり、圧倒的1番人気に支持される。1年前は最低人気だった馬が1番人気なのだから競馬とは何が起こるやらわからないものである。
レースはスタートで逃げるとみられていたコーリンベリーが出遅れる波乱の幕開け。コパノリッキーも若干出負けはしたが、武豊が押して先行。1頭を前に行かせ2番手につける。速くなったり遅くなったりの変則的なペースの中でも折り合いをつけ、逃げ馬の外で4コーナーを回ると、あとは前年と同じ競馬。残り400mで逃げ馬を競り落とすと息の長い末脚を伸ばす。最後はまたも半馬身差まで詰め寄られるが振り切ってゴールイン。フェブラリーステークス史上初の連覇を成し遂げた。その後はかしわ記念出走を予定していたがまたも骨折が判明し休養。
休養明け、GII日本テレビ盃で復帰するがサウンドトゥルーに10馬身ちぎり捨てられ3着。しかしJBCクラシック@大井競馬場では逃げて上がり2位という強いコパノリッキーが復活。サウンドトゥルー以下を置き去りにして逃げ切りJBCクラシック連覇を果たす。前年敗れたチャンピオンズCに1番人気で乗り込むが、先行馬がほぼ壊滅するハイペースではどうにもならず、直線でホッコータルマエもろとも差し馬に飲み込まれ7着。東京大賞典では9歳馬ワンダーアキュートにすらかわされ4着。フェブラリーSを勝ったことで最優秀ダート馬は受賞したが、なんとも後味の悪い終わり方になってしまった。
6歳
2016年は前哨戦をパスし、3連覇を目指してフェブラリーステークスに直行。しかしノンコノユメなどの新興勢力に押されて4番人気まで評価を落とす。レースはテンの速い馬に追いつけず中団からになり、直線でも一切バテず伸びずの7着。3連覇の夢は儚く散った。新星が次々と誕生し、コパノとホッコーの二強時代は終わったか…と思いきや、かしわ記念では2番手から直線で伸びに伸び、ノンコノユメやモーニンを完封。前残りとはいえ、非常に強い競馬でGI6勝目を手にした。さらに帝王賞はホッコータルマエ、ノンコノユメ、サウンドトゥルーと現在のダート戦線の主役が集結したが苦も無くぶっちぎり3馬身差で圧勝。なんか前より強くなっている気がする…。秋は米国遠征も予定されていたが体調が整わず断念。
秋の初戦は初めての出走となったマイルチャンピオンシップ南部杯。鞍上は4歳時の主戦田辺騎手に戻り、いつもより面子の揃った中を危なげなく1馬身3/4差で快勝。1分33秒5という衝撃的コースレコードのおまけつきでGI8勝目を挙げた。ホッコータルマエを追いかけてJBCクラシック@川崎競馬場に出走するが、春までの相棒・武豊騎乗のアウォーディーに潰され5着。チャンピオンズカップにはクリストフ・ルメールを鞍上に迎えるが、ハイペースに巻き込まれてスタミナが尽き13着。この馬はチャンピオンズカップに呪われているのか?東京大賞典はリーディング騎手戸崎圭太を鞍上に逃げの手を打つがあっさりと後退し5着。またも勢いを失ってしまう。
7歳
2017年もフェブラリーSから始動。武豊が鞍上に復帰しいつもの先行策を取るが、直線で何の手応えもなく失速し、自己最悪の14着。この時ばかりは誰もが「もうダメなのか?」と感じた。
一休みして迎えたかしわ記念。2勝を挙げている得意な舞台だったが、安定勢力ベストウォーリアに1番人気を奪われてしまう。しかも1番枠からまさかの出遅れ。久々に中団からのレースとなってしまう。しかし、馬群がバラけて揉まれなかったことが幸いしたか、リズムよく追走。3角で大外からマクリを仕掛けて前に取り付くと、1頭次元の違う脚で突き抜け快勝。かしわ記念連覇となる3勝目を挙げた。
帝王賞は関節炎で回避し、夏を休養にあててマイルCS南部杯に直行。1年ぶりに田辺の手綱に戻ると、3番手から進出して直線で後続をあっさり抜き去り4馬身差の圧勝。一足先に引退した宿敵ホッコータルマエに並ぶGI10勝目を挙げる。
次のレースには連覇の経験があるJBCクラシックではなく初の1200mとなるJBCスプリント@大井競馬場を選択。鞍上には2年連続地方リーディングの森泰斗を迎える。本番はゲートで立ち遅れたが強引に前に押し出し、直線で先行馬をねじ伏せ一度は先頭に立つ。しかしインで巧く立ち回ったニシケンモノノフに最後の最後で差され2着に敗れてしまう。
続くチャンピオンズカップでは、出走全馬が重賞馬とメンバーがそろった上に過去3年このレースで惨敗していることが響いたか、オッズの差こそないが9番人気とかなり人気を落とす。しかし4回目の今回は抜群のスタートを決めて先手を奪い、スローに落とす理想的な競馬。直線もギリギリまで粘りを見せるが、自身を徹底マークしていたテイエムジンソクに最後にかわされた上、外からゴールドドリームにまとめてなで斬りにされ3着。4度目にして自己最高の結果を残したが、GI11勝目はまたもお預けとなった。
引退レースに臨んだ東京大賞典。ここにもケイティブレイブ、サウンドトゥルー、アポロケンタッキー、インカンテーションなど実績馬や勢いのある馬が揃い、コパノリッキーは割れたオッズの中で3番人気に支持される。
本番、外枠ながら上手くゲートを出て先手を奪い、マイペースの逃げに持ち込む。前半1000mは61秒3。後ろにもそれほどプレッシャーをかけられていない…もうコパノの勝ちパターンであった。
4角で後続を引き付け、直線で一気にギアを入れると、ついてきた1番人気ケイティブレイブはあっという間に置き去り。外からサウンドトゥルーが上がり最速の末脚で追ってきたが、その3馬身前で悠々とゴールイン。見事な逃げ切りで有終の美を飾り、ホッコータルマエを抜いて史上最多のGI級競走11勝目を挙げた。東京大賞典は4度目の挑戦にして初制覇であった。このレースを最後に引退した。
2017年に父ゴールドアリュールが死亡したこともあって後継種牡馬として期待がかかり、2018年、2019年ともに満口になっている。
血統表
ゴールドアリュール 1999 栗毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ニキーヤ 1993 鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
special | |||
Reluctant Guest | Hostage | ||
Vaguely Royal | |||
コパノニキータ 2001 栗毛 FNo.1-o |
*ティンバーカントリー 1992 栗毛 |
Woodman | Mr. Prospector |
*プレイメイト | |||
Fall Aspen | Pretense | ||
Change Water | |||
ニホンピロローズ 1996 栗毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
ウェディングブーケ | *リアルシャダイ | ||
*アリーウイン | |||
競走馬の4代血統表 |
産駒成績
産駒は2021年からデビュー。まだ地方重賞の勝ち馬しか出てないが、2020年産のセブンカラーズ(母ウイニフレッド・母父スペシャルウィークの牝馬)が東海ダービーを制しており、今後に期待が持てる。
また、2024年伏竜ステークス勝ち馬のテーオーパスワード(母テーオーレイチェル、母父キングカメハメハ)がケンタッキーダービーに出走し、5着に入っている。
関連動画
実力の片鱗
これがダート王者
ゲートが上手くいかないと、こうなる
関連コミュニティ
関連項目
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