ステイフーリッシュ(Stay Foolish)とは、2015年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
栗東・矢作芳人厩舎所属、千歳市・社台ファーム生産。馬主は(有)社台レースホース。
馬名意味は「常識に囚われるな。Appleの創始者スティーブ・ジョブズのスピーチから」。
主な勝ち鞍
2018年:京都新聞杯(GⅡ)
2022年:レッドシーターフハンデキャップ(GⅢ) ドバイゴールドカップ(
GⅡ)
父ステイゴールド、母カウアイレーン、母父キングカメハメハという血統。
父のステイゴールドは善戦馬(個性馬)として知られ引退レースの香港ヴァーズで初のGⅠ勝利を挙げた。種牡馬としてはオルフェーヴル、ゴールドシップ、オジュウチョウサン等など数々の名馬を輩出。
母のカウアイレーンは現役時代18戦5勝、クイーンS3着などの実績がある。母父キングカメハメハは現役時代NHKマイルC、日本ダービーの変則二冠馬であり、父としてはアパパネ、ロードカナロア、ホッコータルマエらを、母父としてはインディチャンプ、デアリングタクト等こちらも数多くの名馬を輩出している。
2015年2月22日、社台ファームにて誕生。その後一口馬主である社台レースホースの所有馬となり、一口125万円×40口、総額5000万円で募集された。
競走年齢に達し、栗東の矢作芳人厩舎へと入厩。フットワークの大きさと操縦性の高さの評価が高かったようである。
デビューは12月の中京2歳新馬(芝・2000m)、鞍上は中谷雄太。アイスバブルが圧倒的な人気を集める中単勝5.2倍の2番人気。レースは中段でレースを進めると直線で一気に抜け出し2着アイスバブルに2馬身半差をつけ楽勝しデビュー戦勝利。
次走はこの年GⅠに昇格したホープフルステークスに決定。勝てばデビューから史上最速GⅠ勝利馬となるこのレースでは中段後方でレースを進め最終直線ではタイムフライヤーについていく形で追走、良い脚を見せるも届ききらずに3着に終わる。
年明け初戦はGⅢ共同通信杯。ホープフルSでの好走が評価され2番人気に推されたものの見せ場はなく10着に惨敗。
少し間隔を開けて次走は日本ダービーの前哨戦、京都新聞杯(GⅡ)。鞍上は中谷の予定だったが前月の落馬負傷のため、藤岡佑介に乗り替わり。レースはメイショウテッコンがハイペースで逃げる中、少し離れた2番手でレースを進めると最終直線で抜け出しそのまま押し切って重賞初勝利。この勝利でステイゴールド産駒は13年連続受賞勝利(JRA歴代3位)、更に通算重賞勝利数93勝でもノーザンテースト産駒の92勝を上回った(JRA歴代6位)。
だが、鞍上を横山典弘に替えて挑んだ日本ダービーでは見せ場を作れず10着。休養を挟み続く神戸新聞杯では5着、菊花賞11着に終わる。この年最終戦となったチャレンジカップでは初の古馬混合ながら3着と好走した。
クラシックタイトルは取れなかったものの、前哨戦の京都新聞杯の勝利や混合重賞での好走など、GⅠ勝利を期待される一頭となった。
だが、ここから勝てそうでなかなか勝てないもどかしい戦いが始まった。
2019年初戦の中山金杯2着、続く京都記念でも2着と2戦連続2着で迎えたGⅠ大阪杯。だがこのレースでは14頭中13着と惨敗。
次走の鳴尾記念では3着と持ち直し、夏競馬の函館記念でも3着と復調したものの、続く札幌記念は9着と大敗。少し間を空け11月には福島記念3着と持ち直したが、前年好走したチャレンジカップでは10着と再び大敗しこの年の戦いを終える。
2019年は8戦で2着3回、3着2回、着外3回。
2020年はアメリカジョッキークラブカップから始動。このレースではゴール直前でブラストワンピースにかわされ惜しくも2着。続く京都記念はクロノジェネシス、カレンブーケドールに次ぐ3着と好走するも、2年連続出走となった大阪杯では9着と再び大敗。
目黒記念3着の後に休養を挟み参戦したオールカマーでも3着、京都大賞典では5着に敗れた。このレースの後に骨折が判明し2020年シーズンの戦いを終えた。
2020年は6戦で2着1回、3着3回、5着1回、着外1回。
年が明け2021年、骨折が癒えての復帰戦のAJCCでは4着、続く京都記念では直線一旦抜け出すもラヴズオンリーユーに差し切られ惜しくも2着と好走し、怪我からの復活を感じさせた。次走は日経賞を想定したもののフレグモーネを発症し出走回避。
休養の後ソダシやラヴズオンリーユーらの参戦で話題となっていた札幌記念に出走。しかしレース途中からズルズルと後退していき競走中止、心房細動と診断されたが幸いにも大事には至らなかった。
その後はオールカマー5着、京都大賞典7着、福島記念4着、初の海外遠征となった香港ヴァーズでは4コーナーでトップに立ったものの5着でこの年は終了。
2021年は7戦で2着1回、4着2回、5着2回、着外1回、競走中止1回。
ここまでの成績は29戦2勝[2-5-7-15]と、怪我を挟みながらも毎年重賞を何度も走っては好走すれど勝ちきれない善戦マンであった。
2022年初戦はこの年より国際GⅢに格付けされたサウジカップデーのレッドシーターフハンデキャップ(芝・3000m)に決定、前走に引き続き海外遠征となった。鞍上には20年のAJCC以来となるC.ルメールが騎乗することとなった。
出走メンバーは他にアイリッシュセントレジャー勝ち馬の Sonnyboyliston や前走 メイダンのリステッド競走で好走した Siskany らが人気を集める中、菊花賞以来の3000m、初の斤量60kg、長らく勝ちから遠ざかっていると言った点が影響したか8番人気[1]の穴馬扱いであった。
レースではスタートでハナを奪うとそのまま先頭でレースを進めていき、最後の直線では他馬に迫られるどころか後続馬をどんどん引き離し2着馬 Sonnyboyliston に4 1/4馬身差をつける圧勝。実に3年9ヶ月ぶりの勝利を海外の地で挙げた。「常識に囚われるな」ってそういう…。
続いてドバイへ転戦し、3200mのドバイゴールドカップ(GⅡ)に参戦。鞍上は引き続きC.ルメール。このレース、断然の人気は5戦無敗、ゴドルフィンが所有するUAE調教馬 Manobo(マノーボ)だった。
スローペースの中、内に構える先行策でレースを進めたステイフーリッシュ。直線、残り200m手前で逃げる先頭を捕らえて抜け出そうとしたとき、横に猛然と伸びてくるゴドルフィンの青い勝負服があった。断然人気の Manobo である。
そのまま押し切らんと脚を伸ばす Manobo に、ステイフーリッシュは果敢に食らいついていく。
残り100m。あの青い勝負服に父親の血が騒いだのか、最後のひと伸びで力強く抜け出したのはステイフーリッシュ! 驚異の勝負根性で一気に差し返し、半馬身差をつけてゴール板に飛び込んだ。
無敗馬をねじ伏せ7歳にして海外重賞を連勝。しかも断然人気のゴドルフィン所有馬を打ち破るという、父ステイゴールドの血の運命としか思えない勝利である。
続いては一度帰国して、宝塚記念に凱旋出走。鞍上は坂井瑠星。超豪華メンバーの中でどんな走りを見せるのか、また同じステゴ産駒の同期でゴドルフィン所有のアフリカンゴールドとの対決も注目された……が、パンサラッサとタイトルホルダーの作った常識外の超ハイペースの中では先行することもままならず後方からになり、そのまま特に見せ場はなく9着。一応アフゴ(16着)には特にどうということもなく勝った。
宝塚の後は再び海外遠征に向かい、フランスの地へ。凱旋門賞(G1)への前哨戦として8月のドーヴィル大賞典(G2、芝2500m)に出走。日本馬としては1969年のスピードシンボリ(10着)以来53年ぶりの同レース出走となった。鞍上はクリスチャン・デムーロ。登録時点ではハリケーンレーンなどの有力馬が名を連ねていたがほとんどが回避し、最終的にレースは5頭立てに(欧州ではよくあること)。トップハンデ60kgのステイフーリッシュは、1番人気のゴドルフィン所有馬Botanikに次ぐ2番人気。
レースは大外からハナを切って逃げに持ち込んだが、後ろからぴったりBotanikについてこられ、直線で差し切られて1と1/4馬身差の2着。とはいえBotanikの勝ちタイムは2秒近く更新するレースレコード。欧州の馬場で60kgを背負って2500mを逃げ、かわされてからも垂れずに食らいついて3着以下を突き放してのレコード演出は、凱旋門賞へ向けて充分に好内容と言っていいだろう。ゴドルフィンのBotanikに負けたのは、後ろにいて見えなかったせいで親父の血が騒がなかったのだろうか。
その後、凱旋門賞(G1)に出走。中団につけたが、上がっていくことはできず14着に沈んだ。
常識に囚われない馬ステイフーリッシュ。父の黄金の旅程をサウジからドバイへ、そしてこれからどこへ繋いで行くのだろうか期待されたが、左前繋靱帯炎を発症してしまい、矢作調教師から引退が発表された。今後は社台ファームで乗馬になる予定とのこと。
善戦続きでなかなか勝ちきれない姿や海外の地で輝く姿はどこか父ステイゴールドを彷彿とさせる。同期に同じ父で善戦マンとして人気だったエタリオウがおり、そのエタリオウが引退してからは新たに父の意思を継ぐものとして注目を浴びている。
スティッフェリオとは馬名が似ているだけでなく父が同じ、同じ勝負服(馬主)、体型・毛色も似ている、適性距離も中~長距離で同じレースに出走することもあったため区別がつかないと言われることもあった。
香港ヴァーズに出走した際、現地での馬名は「愚者眼界」と表記された。
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ゴールデンサッシュ 1988 栗毛 |
*ディクタス | Sanctus | |
Doronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
カウアイレーン 2006 黒鹿毛 FNo.5-g |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
*シルバーレーン 1985 黒鹿毛 |
Silver Hawk | Roberto | |
Gris Vitesse | |||
Strait Lane | Chieftain | ||
Level Sands |
クロス:Hail to Reason 4×5(9.38%)
掲示板
185 ななしのよっしん
2022/10/30(日) 10:28:22 ID: hi1jlvxNhL
g1勝って欲しかったけど気持ちもあるけど、去年まではパッとしない戦績だったのに今年から覚醒して世界を旅して最後は世界最高峰のレースに出走した。それだけでも充分にすごいこと。愚者は旅の果てに世界に至った。お疲れ様。
186 ななしのよっしん
2022/11/07(月) 16:10:18 ID: T7rTOs2hoJ
アウトブリードが狙いづらいから乗馬と考えるのが自然かなと
狙おうとしたらこんな無茶な配合しないといけなくなりそうだし
https://
(わかりやすく言うと父クロフネ、母父トウカイテイオーの肌馬探してきた)
ある程度のインブリードまでは織り込み済みにしないといけないとなるとその次の代でさらに配合相手が限られるわけで…
187 ななしのよっしん
2023/02/28(火) 14:43:39 ID: xPG7z1hCAs
母父が同じインディチャンプが
既に種牡馬になっていたのが痛いかも
あっちはG1馬でマイル路線の馬っていうのも
あるだろうけど
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/18(火) 15:00
最終更新:2025/02/18(火) 15:00
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