フィレンツェファイア (Firenze Fire)とは、2015年3月17日生まれのアメリカの競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2017年:シャンペンステークス(GI)、サンフォードステークス(GⅢ)
2018年:ドワイヤーステークス(GⅢ)、ギャラントボブステークス(GⅢ)
2020年:トゥルーノースステークス(GⅡ)、ヴォスバーグステークス(GⅡ)、ジェネラルジョージステークス(GⅢ)
2021年:トゥルーノースステークス(GⅡ)、ランハッピーステークス(GⅢ)
父Poseidon's Warrior、母My Every Wish、母父Langfuhrという血統。
父Poseidon's WarriorはGI1勝馬であり、2014年から新たに開場したフロリダの種牡馬繋養牧場において種付け料6500ドルで供用が開始された模様であるが、産駒の重賞勝ち馬は2024年12月現在、初年度産駒のフィレンツェファイアのみであるようだ。
母My Every Wishは2戦2着2回という戦績のアメリカの未勝利馬。1万6000ドルで取引されたようだが、ロンバルディ氏曰く、周りには繁殖牝馬に相応しくないとケチを付けられることが多かったらしい。
母父Langfuhr(ラングフール)はカナダのGI3勝馬で、産駒にアポロケンタッキーなどがいる。
フィレンツェファイアは、ミスターアモーレステーブル(Mr. Amore Stable)[1]のオーナーブリーダーであるロン・ロンバルディによってフロリダで生産され、所有されることとなった。
ロンバルディはイタリア系であり、同馬の名前もそこに由来しているようである。フローレンスファイアじゃなくてフィレンツェファイアだし。
ジェイソン・サーヴィス厩舎に入厩し、6月のダート[2]5ハロン戦でデビュー。アントニオ・ギャラード騎手を鞍上に4番人気で出走して、3馬身半差つけて快勝。Poseidon's Warrior産駒としても初勝利を決めた。
7月には6ハロンのサンフォードステークス(GⅢ)に出走。イラッド・オルティス・ジュニアを鞍上に迎え、レースでは一旦先頭に立つと他馬を振り切り、8頭中の7番人気ながら1馬身差をつけて番狂わせでの勝利を収めた。レース後にはもっと長い距離でも問題ないと調教師と騎手の意見が一致したという。
9月には7ハロンのホープフルステークス(GI)に参戦。8頭中の8番人気となったが結果は4着。調教師曰く風邪気味だったという。
更に10月には8ハロンのシャンペンステークス(GI)に出走。ここも7番人気であったが、後ろに下げてから追い上げ、Good Magic(グッドマジック)に半馬身差つけて勝利した。これがサーヴィス調教師にとっても初のGI制覇となった。
11月には8.5ハロンのブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(GI)に5番人気で出走したが、ここはGood Magicの7着に終わった。体調も微妙で馬場との相性も良く見えなかったとのことである。
3歳初戦は1月の8ハロン戦であるジェロームステークス。同年で第148回という歴史ある競争であるが、GIであった時代も過去となりこの年にはGⅢからリステッドに降格した挙句、更に寒波の影響で1月1日から13日に延期になっていた。開催は出来たもののぬかるんだ重馬場となる中で1番人気に支持され、マニー・フランコ騎手を鞍上にSeven Trumpetsに半馬身差つけて勝利した。
2月には9ハロンのウィザーズステークス(GⅢ)に出走。トレバー・マッカーシーを鞍上に3番人気に支持されると、レースではAvery Islandに2馬身差で敗れ2着。
3月には8ハロンのゴッサムステークス(GⅢ)にフランコ騎手鞍上で出走し2番人気に支持されたが結果は4着。
4月には、2017年にGIから降格された9ハロンのウッドメモリアルステークス(GⅡ)に出走して4番人気となったが、Vino Rosso(ヴィーノロッソ)の4着。因みにGI馬が出走した場合賞金総額が75万ドルから100万ドルに増額されるというルールのおかげで他陣営も得をしたとか。
対象の前哨戦に出まくって掲示板に毎回入った甲斐あって必要なポイントを稼ぐことに成功し、5月には念願の大競争、10ハロンのケンタッキーダービー(GI)[3]に出走。パコ・ロペスを鞍上に17番人気で11着となった。
2か月休養した後の7月には8ハロンのドワイヤーステークス(GⅢ)に出走。7頭出走の世代GⅢながら出走馬のレベルがそこそこ高いと評価される中、フィレンツェファイアはイラッド鞍上で2番人気に支持されたが、ここではなんと2着のSeven Trumpetsに9馬身差つけて圧勝した。
8月には、7ハロンのH・アレン・ジャーケンスメモリアルステークス(GI)に出走。2番人気に支持されたがPromises Fulfilled(プロミシズフルフィルド)、Seven Trumpetsに次ぐ3着。
9月には6ハロンのギャラントボブステークス(GⅢ)に出走。1番人気に支持され、穴馬Whereshetoldmetogoにクビ差まで迫られたものの勝利した[4]。
11月にはブリーダーズカップ・スプリントと天秤にかけた結果、8ハロンのブリーダーズカップ・ダートマイル(GI)に出走することを決定。3番人気に支持されたものの結果は4着となった。
3月には6ハロンのザクビーズスプリントステークスに出走してギャラード騎手鞍上で1番人気に支持されたが結果は3着。
5月には6ハロンのランハッピーステークスに出走。管理馬のマキシマムセキュリティがケンタッキーダービーで降着となったサーヴィス調教師を、勝利によって励ましたいと馬主が意気込みを語っていたが、イラッド鞍上で2番人気に支持され、結果は4馬身半以上付ける勝利となった。
6月には8ハロンのメトロポリタンハンデキャップ(GI)に出走し、3番人気に支持されたがMitole(ミトーリ)の5着。
7月には6ハロンのアルフレッド・G・ヴァンダービルトハンデキャップ(GI)に出走し、2番人気に支持されたが、ここもインペリアルヒント(Imperial Hint)の4着。
8月の7ハロンのフォアゴーステークス(GI)では、3番人気に支持されたが、Mitoleに3馬身差つけられて2着。
9月の6ハロンのヴォスバーグステークス(GI)では、4頭立てで2番人気に支持されたが、Imperial Hintにハナ差で敗れてここも2着。
11月には6ハロンのブリーダーズカップ・スプリント(GI)に出走。4番人気に支持され、結果はMitoleの5着[5]。
フォールハイウェイトハンデキャップ[6]を回避し、同月の6ハロン戦となるファビュラスストライクステークスに出走。1番人気に支持され、4馬身以上つけて快勝した。
12月には6ハロンのグレーブセンドステークスに出走。ホセ・レスカーノ騎手を鞍上に1番人気に支持されると、アタマ差で勝利した。
5歳初戦は2月に7ハロンのジェネラルジョージステークス(GⅢ)に出走し、イラッド鞍上で1馬身差に支持されて4馬身差での勝利。
ところがこの直後、なんと調教師のジェイソン・サーヴィス[7]が管理馬にドーピングを行っていたことが発覚し、マキシマムセキュリティら管理馬は60日間の出場停止処分となった。結果フィレンツェファイアもケリー・ブリーン厩舎[8]に移籍し、更に新型コロナ禍で競馬自体が中止になるなどしていたこともあり、次走は6月の7ハロン戦であるカーターハンデキャップ(GI)[9]となった。フランコ騎手鞍上で迎えたレースは、4番人気でVekoma(ヴェコマ)の4着となった。
同月には6.5ハロンのトゥルーノースステークス(GⅡ)にイラッド鞍上で出走すると、1番人気に支持され1馬身半差で勝利。
7月には6ハロンのアルフレッド・G・ヴァンダービルトハンデキャップ(GI)に出走し、3番人気に支持されたが、4頭中の4着に終わった。
8月の7ハロンのフォアゴーステークス(GI)では、ジュニオール・アルバラード鞍上で7番人気となったが、最下位11着と惨敗[10]。
更に9月には6ハロン戦で同年から降格[11]となったヴォスバーグステークス(GⅡ)に出走。レスカーノ騎手鞍上で2番人気に支持され、2馬身半差以上つけて勝利。
11月には6ハロンのブリーダーズカップ・スプリント(GI)に出走すると5番人気に支持され、結果はWhitmore[12]の3着。
12月にはシガーマイルハンデキャップを検討していたものの馬場状態から回避し、7ハロンのミスタープロスペクターステークス(GⅢ)に出走。イラッド鞍上で1番人気に支持されたが半馬身差で2着。
2015年生まれの同期のGI馬の多くが引退する中で、フィレンツェファイアにもケンタッキー州、フロリダ州、ニューヨーク州、メリーランド州、日本から種牡馬としてのオファーがあったようであるが、翌年も現役を続行することとなった。
6歳初戦は5月の6ハロン戦で前年から昇格した[13]ランハッピーステークス(GⅢ)。イラッド鞍上で1番人気に応え、2着に3馬身以上つけての勝利となった。
6月には6.5ハロンのトゥルーノースステークス(GⅡ)に出走。イラッド・オルティス・ジュニアが落馬したため、弟であるホセ・オルティスが鞍上となったが、1番人気に支持されるとここも1馬身半差で勝利した。
7月には7ハロンのジョン・A・ネルドステークス(GⅡ)に出走。イラッドを鞍上に1番人気に支持されたが、叩き合いの末Mind Control(マインドコントロール)にアタマ差で敗れて2着。
同月には6ハロンのアルフレッド・G・ヴァンダービルトハンデキャップ(GI)に出走し、ホセ鞍上で4番人気に支持されたが5着。
8月の7ハロンのフォアゴーステークス(GI)では、6番人気。レースは順調だったものの途中でフィレンツェファイアが一騎打ちとなったYaupon(ヤウポン)の手綱を咥えるなど謎の闘志を燃やした挙句に騎手もその対処に追われたこともあって、Yauponからアタマ差の2着。勝っていても降着になった可能性は指摘されているが。
10月には6ハロンのヴォスバーグステークス(GⅡ)に出走。イラッド鞍上で1番人気に支持されたが、結果は4馬身半差以上つけられての2着。
11月にはブリーダーズカップ出走としては5回目となる、6ハロンのブリーダーズカップ・スプリント(GI)に参戦。9頭中8番人気に支持され、結果は8着。
38戦14勝。結果的にGIこそ1勝のみであったが、堅実に走り続けた頑丈な馬といえよう。引退時点で賞金273万350ドルと、フロリダ産馬史上20番目に稼いだ馬になったとか。
ブリーダーズカップ前に日本のアロースタッドでの種牡馬入りが発表された。カリフォルニア州、ケンタッキー州、フロリダ州、ニューヨーク州、メリーランド州からのオファーもあった他、7歳での現役続行も検討したが、最も好条件であったためアロースタッドを選択したという。繁殖牝馬も用意していたため苦渋の決断ではあったが、契約として3頭分の種付けの権利は保有しているそうだ。
種付け料150万円で初年度2022年は91頭、2年目は93頭、3年目は80頭と一定数の種付け数を集めている。
2025年6月には産駒のルージュサウダージが、同年の新種牡馬産駒としてのJRA初勝利を2歳レコードで決めた。
| Poseidon's Warrior 2008 黒鹿毛 |
Speightstown 1998 栗毛 |
Gone West | Mr. Prospector |
| Secrettame | |||
| Silken Cat | Storm Cat | ||
| Silken Doll | |||
| Poised to Pounce 1991 鹿毛 |
Smarten | Cyane | |
| Smartaire | |||
| Lady Lyndy | Bold Favorite | ||
| Counterflight | |||
| My Every Wish 2009 鹿毛 FNo.2-f |
Langfuhr 1992 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
| Pas de Nom | |||
| Sweet Briar Too | Briartic | ||
| Prima Babu Gum | |||
| Mille Lacs 2002 鹿毛 |
Unbridled | Fappiano | |
| Gana Facil | |||
| With Every Wish | Lear Fan | ||
| Amo |
クロス:Mr. Prospector 4×5(9.38%)、Nearctic 5×5(6.25%)
掲示板
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最終更新:2025/12/14(日) 02:00
最終更新:2025/12/14(日) 02:00
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