宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。では、赤射プロセスをもう一度見てみよう。
「 赤射ぁッ!! 」
灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする。増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンに赤射蒸着されるのだ! by ナレーション
宇宙刑事シャリバンとは、1983年~1984年に、テレビ朝日系で放映された、東映製作の特撮テレビ番組、およびその作品のヒーローの名前である。
概要
宇宙刑事シリーズの二作目となる本作は、前作に比べ、よりハードかつシリアスな作風が特徴である。敵組織の作戦や怪人(魔怪獣)も、怪奇色が強く不気味なモノが多いが、その最たるものが軍師レイダーの存在で、彼のあまりの恐さにちびっ子が怖がり、視聴率が落ちたという逸話まである。しかしながら、前作以上に洗練されたアクションや、宇宙規模の壮大なストーリーで、低年齢層のみならず、大きなお友達の支持も多数獲得した。後のアニメ、特撮、さらにハリウッド映画にも影響を与えたと云われる作品で、宇宙刑事シリーズの最高傑作との声も高い。
ニコニコ動画では2014年2月19日から公式配信開始。以前から有名なFLASHネタはあったが、公式動画が配信されるようになってからは様々な世代が動画を視聴できるようになり盛り上がりを増している。バトルバースフォーメーションの部分では弁当屋コメの弾幕が流れるのが定番。
2012年1月2日から6月24日まで、YouTubeの東映チャンネルでもギャバンに続いて無料配信された。
主な登場人物
銀河連邦警察
- シャリバン(伊賀電)
- 本作の主人公。ギャバンの後任として、宇宙犯罪組織マドー壊滅のため銀河連邦警察より派遣された。前作の終盤にて、バッファローダブラーの襲撃を受け重傷を負ったところをギャバンに助けられ、バード星で治療を受けた後、宇宙刑事になった。(二週間ちょいくらいで。マジかよ!)若く熱い血潮を燃やして戦う熱血漢で、「太陽の息子」の名は伊達じゃない。当初は地球人と思われていたが、実は後にマドーによって滅ぼされたイガ星人の末裔であることが判明し、イガ星再興という大きな使命を背負うことになる。
- リリィ
- シャリバンのパートナーの女宇宙刑事。リリーではない。普段はグランドバースで留守番してることが多いが、時には各種の銃火器を用いてシャリバンを援護することも。
- ギャバン隊長
- 前作の主人公。今作では、前作の功績が讃えられて銀河パトロール隊隊長に就任している。その立場上あまり地球に来ず、シャリバンへ助言を与えるのが主な役目。最終回ではシャリバンとのダブル蒸着を披露し、ファンを沸かせた。出世したにもかかわらず相変わらず金がないらしい。宵越しの金は持たない主義なのか、宇宙刑事が薄給なのかは永遠の謎。
- コム長官
- 銀河連邦警察の最高責任者。治療のためバード星に送られた電の素質を見抜き、彼を宇宙刑事にした。
- マリーン
- 前作から引き続き登場するコム長官の秘書。シャリバンをサポートするため幾度か地球に来たこともある。
- ミミー
- ギャバンと共にマクーと戦ったコム長官の娘。銀河パトロール隊隊長となったギャバンをサポートしている。
地球人
- 大山小次郎
- 前作より登場するUFO専門のルポライター。電や鈴木モータースの面々とは仲がいい。
本作では超常現象にまで興味を広げているが、頻繁にマドーの事件に巻き込まれるのは相変わらずである。
活動に関しては成果が上がっておらず、ナレーションから「哀れな努力」と切って捨てられたことも。
- 鈴木勝平
- 電が普段働いている鈴木モータースの社長。前作に登場した藤豪介に比べると出番は少なかった。
- 鈴木千秋
- 鈴木家の長女。大学生で、電や小次郎とも親しい。
- 鈴木千恵
- 鈴木家の次女。落ち着いた雰囲気の小学5年生。
- 鈴木明
- 鈴木家の長男で末っ子。小学3年生の腕白坊主。
- 星野月子
- 前作より登場する、プラズマエネルギー装置・ホシノシステムを開発した星野博士の娘。
本作では幼稚園に勤めていたが、とある事件の後に宇宙刑事となるためバード星へ旅立った。
イガ星人
銀河系第17星雲の星・イガ星の民。イガ星は2000年前に超エネルギー結晶体「イガクリスタル」を狙ったマドーによって滅ぼされており、本編に登場する者はその末裔が殆どである。地球の奥伊賀島にもイガクリスタルと共にイガ星人が辿り着いている。作品後期には、マドーを倒しイガ星を復興するために「イガ戦士団」が結成された。
- みゆき
- 奥伊賀島に住むイガ星人の末裔。イガクリスタルを守るイガクリスタル親衛隊のリーダー格。同じく奥伊賀島の出身でイガ星人の末裔であるシャリバンと巡り会い共闘するも、イガクリスタルが危機を脱する際の影響により親衛隊と共に異次元へ飛ばされてしまう。
- ベル・ヘレン
- イガ星人の末裔。マドーに復讐するために弟のビリーと共に地球に来た女戦士。向こう見ずで気が強い。ビリーの死後は地球に残り、シャリバンの友人達とも親交を深めた。
- ベル・ビリー
- 姉のヘレンと共に地球に来た戦士で、姉同様に向こう見ずである。最初はシャリバンに対し懐疑的だったが、
危機を救われ考えを改める。後に魔怪獣からシャリバンを助けたが、ガイラー将軍の攻撃で命を落としてしまう。
- 聖なる者
- 危機に陥る電や異次元をさまようみゆき達を導く謎の存在。
オルガナイザー
マドー絶滅を願う自由主義者の集団。勇士の団結のために銀河星団の各惑星を歴訪している。
- リタ
- 金髪のロングヘアが特徴的な女戦士。本編に登場したオルガナイザーの中では中心人物のようである。
武器はビームガン。
- キース
- 尖った大きな耳を持つ大男。槍と怪力を武器にマドーと戦った。
- ムーア
- 小柄な男で、身長はキースの半分ほどしかない。戦闘の際には短剣を使っていた。
宇宙刑事シャリバン
伊賀電が「赤射(せきしゃ)」のコールを発する事で、グランドバースが太陽エネルギーを増幅、スパークさせる。これをソーラーメタルの粒子に変換、電送し、コンバットスーツを装着する。変身タイムは僅か0.001秒。スパークボンバー、シャリバンキックなどの格闘技、多機能光線銃クライムバスターなどの武器を使って戦うが、最大の武器はエネルギーを注入したレーザーブレードで敵を切り裂く「シャリバンクラッシュ」である。(太陽を背負って放つこの技は、特撮ヒーロー史上屈指のカッコよさである!)
また、シャリバンは各種のメカを使い分けて戦う。超次元戦闘母艦グランドバースはシャリバン達の活動拠点となる大型メカで、有事の際にはバトルバースフォーメーションと呼ばれる人型形態にチェンジし、グランドバスター、プラズマカノンで敵を迎え撃つ。(お弁当いかがっすか~)また、敵基地潜入などに力を発揮する高次元戦闘車シャリンガータンクとその搭載機モグリラン、幻夢界に突入する際に使われる超次元マシーンモトシャリアンなど、多彩なマシンを配備している。
メカニック
- 超次元戦闘母艦グランドバース
- 全長:410m、全幅:357.5m、重量:65000t
シャリバンの活動拠点である宇宙戦闘艦。シャリバンの地球地区赴任に伴い旅客船を急遽改造して作られた、という設定がある。巡航形態の他、戦闘時にはロボット形態である「バトルバースフォーメーション」に変形する。
主砲のプラズマカノンは、前作に登場したホシノスペースカノンを応用したものである。
バトルバースフォーメーションはその特徴的なフォルム(艦首が変形した前につきだした腰部、両の腰(プラズマカノン)に手を当てたポーズ)から、視聴者より「弁当売り」と呼ばれることが多く、ニコニコ動画で配信された際、登場時に必ず弾幕が生まれるほどで、さらにシャリバンを演じる渡洋史も「駅弁屋さんです」とコメントしている。ちなみに、このデザインに見慣れた渡にとっては可愛く見えるらしい。
- モトシャリアン
- 全長:2.5m、重量:320kg、最高速度:700km/h
シャリバン専用のバイク型マシン。飛行することができ、幻夢界への突入やサイコゾーンの突破も可能である。
モトシャリアンビームとモトシャリアンロケッターで武装している。
- シャリンガータンク
- 全長:37.5m、重量:3500t、最高速度:500km/h
グランドバースに格納されている超次元戦闘車。戦車ながら飛行可能で、上部の飛行メカ(Aメカ)と下部の地上メカ(Bメカ)に分離する機能「セパレート・フォーメーション」を有している。
武装はシャリンガービームとシャリンガーロケッター。
- モグリラン
- 全長:15m、重量:150t
シャリンガータンクBメカに搭載されているドリルタンク。機首のドリルは一基。
武器はレーザートーチとモグリランロケッター。
宇宙犯罪組織マドー
全銀河の支配を目論む犯罪組織。異次元空間「幻夢界」に浮かぶ幻夢城を拠点としている。
2000年前にイガクリスタルを手に入れるためイガ星を滅ぼしている。
幻夢界
「幻夢界とは、一種のホワイトホールである。ブラックホールに吸い込まれたおびただしい物質が原子分解して
逆噴射している、光と熱の渦巻く悪魔の空間である。」 by ナレーション
マドーの作り出す異次元空間。前作の魔空空間同様、内部は様々な様相を見せる。この空間内では魔怪獣は4倍のパワーを持つことができ、シャリバンを苦しめるが、やはり勝つことは出来ない。
構成員
- 魔王サイコ
- マドーの首領。巨大な電子頭脳を持っているほか、念動力や破壊光線などの。常に幻夢城広間の玉座に座っており、殆ど動かない。 かすれた声と抑揚のない喋り方が特徴的で、不気味な雰囲気を醸し出している。
- ドクターポルター
- マドーの最高指揮官。優秀な科学者であり、作戦に用いる装置などを自ら作成することもある。また魔王サイコの命で幻夢界発生マシーンの作動も担当する。
- ガイラー将軍
- マドーの戦闘指揮官。魔怪獣やファイトローを率いてシャリバンと戦う。戦闘シーンでは赤射システムのナレーション後に「抹殺!」のかけ声でファイトローをけしかけるのがお約束である。
放送当時からその独特な髪型が「魔法使いサリー」のサリーパパのようだと話題にされており、ニコニコでも視聴者から「パパ」の愛称で親しまれている。
- ミスアクマ
- 作戦を補佐する二人組の女スパイ。人間の女に変装し、人間社会に紛れ込み暗躍する。黒い方がミスアクマ1、ピンクの方がミスアクマ2である。
- 軍師レイダー
- 34話で幻夢城に現れマドーに協力を申し出た謎の男。死霊界から来たと自称し、エクトプラズムや幻影を操る。
浮遊するかのように移動、首が分離して相手に乗り移るといった能力、さらに演じる安藤三男氏の演技も相まって非常に不気味な存在であり、シャリバンや視聴者を恐怖させた。
- 魔怪獣
- 核酸細胞の分裂と結合により誕生する生命体。名称は「○○(モチーフ)ビースト」で、幹部達からは「ビースト」と呼ばれることも。数は多くないが言葉を話すものや人間に変身する個体も存在する。前作のダブルモンスター以上に動物以外をモチーフとした個体が多い。
- ファイトロー
- マドーの戦闘員。変身能力で作戦を補佐したり、斧やマシンガンなどを武器に戦闘を行う。人間には理解できない独特の鳴き声で会話しており、31話では字幕が表示された。
- 海坊主
- シャリバンを監視しているスキンヘッドの男。一切言葉を喋らず、出番も物陰からシャリバンを見ているのが数秒映る程度で、その全貌は謎に包まれている。
(ここからネタバレ)その正体は魔王サイコの分身・サイコラーである。サイコと命を分け合っており、もし片方が倒れてももう一方がエネルギーを与えることで復活することが出来る。戦闘能力はかなり高く、反旗を翻したレイダーを軽く葬り去った。(ここまでネタバレ)
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