難民(国際問題)とは、政治的その他の理由により母国を逃れた人々である。
本項目では一般的な用語としての難民について説明する。ニコニコで一般的に使われる日常系アニメの難民については「難民」の項目を参照。
政治的迫害、災害、戦争、極度の貧困、その他様々な理由で母国から脱出する人々のことをいう。有名なのはルワンダ内戦におけるルワンダ難民、アフガン戦争によるアフガニスタン難民、トルコのクルド人弾圧によるクルド人難民、シリア内戦やISILの侵攻によるシリア難民などの、戦争による難民である。
ただし国連が音頭をとった「難民条約」(1951)と「難民議定書」(1967)は、正規の「難民」を政治的な難民に限定している。英語のrefugeeでは犯罪者は含まないが政治犯は難民とされる。よりよい経済的な機会を求めて常住地を飛び出す流民は、国際法上の難民ではない。生活できないほどの貧困ではないがもっとお金が欲しいから出国という人は難民ではなく流民とか出稼ぎ労働者とか言われる。
もっとも、難民/流民がもともと住んでいた地域においてどんな政治的な迫害を受けていたのかを客観的に調査/裁定することは現実的には困難である。今日では「難民」を詐称する経済的流民が各地にあふれている[1]と見なす人もいる。
ちなみに日本は難民条約の批准国でありながら難民申請に対する認定数がとても少ないが(年によっては10人未満)、「条約の定義には『戦争(で迫害される人)』と書かれていないから戦争難民は条約難民ではない」という解釈を行政がしようと思えばできてしまう。これも一因のようだが、もっと根本的な理由がある(「日本の難民」の節で後述する)。
2014年末から現在にかけて、主にシリアやアフガニスタン、北アフリカ諸国などから欧州への大量の移民・難民が押し寄せており、ほとんどがシリアからドイツへ向かってくる難民であるが、偽装難民も多い。
2015年末にはドイツで難民による集団強姦事件などが頻発したが、メディアが報道しない自由の名のもとに報道規制を敷いており、人々の不満が高まっている。ただしこの集団強姦事件は、少女の作り話、デマだったことが確認されている[2]。
フランスでもパリで同時多発テロが発生したこともあり、移民排斥を唱える国民戦線が躍進するなど、急速に反動が来ている。
2016年に入ると、トルコとも連携し、徐々に送り返す方向に政策がシフトし始めている。
ミャンマー西部に住むロヒンギャ族が、周辺国に難民として流入して問題となっている。
イスラム教徒が大半のロヒンギャ族は、仏教徒が多数派を占めるミャンマー(ビルマ)国内で迫害の対象にされている。アウンサンスーチー氏の反応も鈍く、ロヒンギャ問題について積極的な発言は控えている。
ロヒンギャ難民の受け入れ国では、テロ組織の新たな構成員獲得源、資金を得るための道具にもなっている。
国連はロヒンギャを、「世界で最も迫害された少数民族」と見なしている。ちなみに、日本の群馬県館林市にはロヒンギャ族のコミュニティがある。
先述したように、日本は難民に対してかなり厳格な制度を敷いている。度々国際的な非難の対象となっている。
例えば、国際社会からの批判としては、BBCなどの海外メディアは「日本は経済規模に対し、あまりにも難民を受け入れていない」というものである。ただ日本の対応を肯定的に論じるメディアも多い。
また、こうした海外メディアの報道に対する現地の人(例えばBBCならイギリス人)が日本を擁護することもある。
1970年後半にはベトナム戦争で発生した、インドシナ難民(ボートピープル)を1万1000人受け入れた。ただしこの頃は日本は難民条約を批准しておらず、アメリカの政治的圧力が強まったという側面もある。2010年からは第三国定住を、アジアで初めて実施し、継続している。
とはいえ、これもかなり昔の話になっており、現在では肯定者・批判者共に、日本は「難民を受け入れない国」と認識されている。
しかし現実には、こうした日本の実態を詳しく調査しようとして入国管理局内部に取材をすると殆どの人が叩く材料が殆ど無くて、低い認定率も仕方がないと落胆して帰ってくる。
5000人中11人などと言った数字が独り歩きしているが、実際には「現場で認定に携わる身としてみれば、よくぞ5000人から11人を発掘したものだ、と思います」とさえ言う人もいるのである(→参照)。
5000人から11人は2014年で、2015年は7586人中27人と認定率が約2倍程度になっている。認定の人数そのものはばらつきはあるものの、数十人であることが多く、認定申請数のみが増えているデータがあり、これは難民制度の悪用者が母数を引き上げている。
2010年に民主党(現民進党)政権時代に難民申請してから半年で就労可能となる法改正を行い、難民の要件を満たさない申請が増加傾向になり、2015年にブローカー摘発後にこの法改正が広く知れ渡ったためである。そのため、繰り返し申請を行うなどの悪質なケースでは、就労・在留許可を行わないなどの運用の改善が行われた。
俗に「難民パスポート」と呼ばれ問題になっており、現在日本では見直しが測られているが、更に厳しくしているという的外れな批判も多い。
また、安倍首相も難民問題に対し「女性や高齢者の活躍、あるいは出生率を上げることが先」と断言し、国際社会の圧力に対して毅然とした態度をとっている。
その一方、日本政府は留学生として、今後5年間で150人を受け入れることを決定した。レバノンなど隣国に滞在する難民が対象である。
シリア難民に対し63人中3人のみを認定という厳しい制度を敷いている日本に対して、国際社会の批判とは裏腹にヨーロッパのインターネットでは日本に対する憧憬の書き込みが増えている。特にフランスの極右政党の国民戦線は露骨に日本の国籍・移民・難民制度に学べと演説する有様である。
欧米のインターネット(海外の反応)で書き込まれたとある欧米人の心の叫びである。
偽装難民とは虚偽の申請をして難民になりすますものである。下記は実際にあった日本の難民申請とその審査の様子である。
このように難民審査は厳格に行われている。またこれらの人を受け入れることは、難民保護の趣旨に反する。
また、かつては政治的迫害を受けていた可能性もあるが、現在はその恐れが無くなった場合もある。例としては、マオイストに殺される(ネパール)、内戦で命が危ない(スリランカなど)である。
日本には地理的な要因もある。シリアなどの中東からは距離的にも遠く(シリアとドイツの距離はシリアと日本の距離の3分の1程度)、また彼らの多くが目指す欧州とは真逆の方角であること。日本近海の日本海・太平洋は世界でも稀に見る荒海で更に遠く、難民船を出すのはほぼ自殺行為に近いこと(実際韓国から対馬海峡を通り九州に密入国しようとした官僚が荒海で遭難し、死亡している)、飛行機で来るような金銭に余裕のある人は、なおのこと飛行機で欧州を目指すことなどが挙げられる。要するに真っ当な難民が日本を目指す理由はほぼ無いため、日本に来るのは実際にはこうした偽装難民が多くなるのもある意味で当然である。
また人口密度も高く、全国土の7割が山地であるため、可住地面積あたりの人口密度は都市国家並とされており、単純に人がいっぱいという側面もある。さらに日本は習得困難な独自言語である日本語を公用語としており、英語・ヒンディー語・スペイン語といった世界的に話者の多い言語でもあまり通用しないという言語の壁もある。
日本は物価も高いため、日本で難民を1人養う金で隣国に逃れている難民や国内避難民10人が救えるとも言われている。金だけ出して受け入れないという批判は、まさに手段と目的が入れ替わった本末転倒の批判といえるだろう。
なおシリア難民が注目されるが、日本と比較的距離の近い国々の難民はあまり話題に上らない。ミャンマーのロヒンギャ、ブータンのネパール系ブータン人、中華人民共和国の少数民族(チベットやウイグルなど)などである。
また北朝鮮からの脱北者も難民であるが、これは同一民族である韓国が100%受け入れている。中華人民共和国やロシア連邦内での強制送還に関する人権問題はあるものの、難民受入自体の問題は発生していない。
日本ではトルコから来たクルド人難民を一人も受け入れていない。
難民とは政治的迫害から逃れてきた人々であるが、もしトルコのクルド人難民を受け入れてしまえば、トルコに政治的迫害があると認めることになってしまい、これでは日本とトルコの友好関係に傷がついてしまうからである。要するに日本政府はトルコ政府の側に立っている、ということである。ただしトルコ国内のクルド人は、自治権や公教育でのクルド語の禁止、クルド人旗の掲揚が禁止されていたりする。また2011年以降のエルドアン政権は、それまでの融和的政策を取りやめ、クルド人に対する締め付けを強化してきた。そしてISILに対抗する口実で、クルド人地区にも空爆を行う。これは政治的迫害と見なされる場合もある。クルド人が偽装難民とは、一概には言えない。
国際政治学者であり、『戦略論』を著したエドワード・ルトワックの言である。
彼の展開する逆説的論理を要約すると「戦争とは、平和をもたらすこと」である。これは戦争を肯定したものではなく、一旦戦争が始まった場合、その後の平和を維持するためには、交戦国同士が戦略を使い果たし、相互に甚大な被害を負うことで、戦争継続力を途絶えさせることが重要であるということである。
現代の国際情勢では人道主義を名目に各国が介入することが多々あるが、こうした介入は一時的な停戦を生むことにはなるものの双方間の不満は拭いきれず、その間に軍拡され、世論の後押しで再度紛争に突入する結果になる。第二次大戦のように徹底的に交戦した枢軸国は、不満は一部残るものの、一等国として国際社会に復帰して平和維持に取り組んでいることもその証左であるとも考えられる。
難民支援も、こうした各国の介入の一つであるとされる。難民キャンプは、受入国とは隔絶され、交戦国への一方的な鬱憤の溜まった状態が発生しやすい。受入国との関係で雇用が割り当てられず、難民支援により働かない大人たちはその子どもたちに交戦国への恨みを引き継ぎ、中途半端な知識が紛争に駆り立てられる。現に難民キャンプからゲリラやテロリストが生まれる発端となり(例:2001年のマケドニアにおけるアルバニア人難民)、戦争継続力を増加させていく。
当然こうしたことは全てではないが、こうした難民支援が現代の紛争長期化の一因とも考えられている。長期的な視点をみる場合、難民をどう扱う必要があるのかは国際問題の解決の緒になるかもしれない。
掲示板
709 ななしのよっしん
2024/10/27(日) 02:16:23 ID: UoGyVR3v5P
710 ななしのよっしん
2024/11/06(水) 20:24:59 ID: bz+t2W8vfk
>>708
その通り
自分も書いてから良く考えたらそうなるだろうと思ったw
711 ななしのよっしん
2024/12/12(木) 20:48:07 ID: kusCnftUQ6
シリア人難民受け入れ、独仏英など欧州約10カ国が停止へ
https://
ドイツやフランス、英国など欧州約10カ国がシリア人の難民申請受け入れや審査を一時停止する方針を発表した。「シリアの状況が流動的で審査が困難になった」のが主な理由だとしている。
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最終更新:2024/12/13(金) 16:00
最終更新:2024/12/13(金) 15:00
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