「勝つのは当然よ!なぜなら私がキングヘイローだから!」
キングヘイロー(ウマ娘)とは、「ウマ娘 プリティーダービー」の登場キャラクター。
実在の競走馬「キングヘイロー」をモチーフとするウマ娘である。CV:佐伯伊織
誕生日:4月28日 身長:159cm 体重:完璧 3サイズ:B85/W60/H85
「一流」であると万人に認められることを目指す、プライドの高いお嬢様。ウマ娘として、またデザイナーとして一流の母を持ち、いつか見返したいという愛憎混じりの反発心を抱いている。いつも取り巻きのウマ娘たちに囲まれ、キングコールを一身に浴びている。
目立ちたがり、かつ負けん気の強いお嬢様。「一流」という言葉に強くこだわり、自己顕示欲とプライドが高いが、周囲を見下しているわけではなく、友人や後輩に対しては非常に面倒見のいい一面もある。
偉大な母親を持つために周囲から「あの母親の娘」としてしか見られないことと、母親が自分の力を認めてくれないことへの反発心から、ウマ娘として一流の結果を残すことを目指すのだが……。
緑色の勝負服が鮮やか。スカートの飾りベルトには「K」「H」のイニシャルがあしらわれている。キングの母親は勝負服のデザイナーをしているが、彼女の勝負服は母のデザインしたものではない。私服は某エナジードリンクに見えるとよく言われる。
アニメ版第1期の放送開始を前にして60番目のウマ娘として登場が発表され、アニメ版にて初登場となった。アニメ版でスペシャルウィークを主人公として描くにあたって、同世代の主なライバルの中で唯一抜けていたキングヘイローを追加したいとTOHO animationの伊藤隼之介プロデューサーがCygamesに掛け合い、ウマ娘化が実現したそうである。
ファンからの愛称は「お嬢」。公式生放送で声優陣からもそう呼ばれていることが判明した。
トレセン学園に入学後、デビュー戦で三連勝。その勢いのままに上位のレースも席巻するかと思われたが、弥生賞3着、皐月賞2着といずれも惜敗に終わっている。主人公のスペシャルウィークらとは激しいレースを展開し、目立つ位置にはいるのだが、勝ちには見放されている。今度は日本ダービーに出走し、頂点を目指すも……。
クラシック戦線の後も天皇賞(秋)に出走したり、ジャパンカップで同期の面々とともにスペシャルウィークを応援したりと出番はあるものの、まあ、率直に言って全編を通してこれと言った見せ場はない。プロデューサー肝煎りでの登場という点を踏まえると意外なくらいに。
とはいえ端々でキングの気高さを感じさせるようには描かれている。アニメ版では他のモブウマ娘は最終直線で追い抜かれていくと「むーりー」と呻き声を上げて下がっていくが、キングはたとえ追い抜かれても「無理」と叫ぶことはなかった。
| スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ |
|---|---|---|---|---|
| 87 | 60 | 93 | 73 | 87 |
| バ場適性 | 芝 | A | ダート | G |
| 距離適性 | 短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 |
| A | B | B | C | |
| 脚質適性 | 逃げ | 先行 | 差し | 追込 |
| G | B | A | D | |
| 成長率 | パワー+20%、根性+10% | |||
サービス開始時から初期☆1[キング・オブ・エメラルド]が実装。☆3まで上げると専用勝負服になる。
何といっても目につくのは、史実であらゆる距離のG1を走り、どの距離でも掲示板入りを果たしていることに由来する、距離適性の満遍ない高さ。なお史実ではダートG1も走っているが、惨敗しているためかさすがにダート適性は全くない。
また、レースを冷静に運べた時に発動する固有スキルや逃げ適性Gと、なんとなく含みを感じなくもない設定が見られる。絶対福永のせいだ。
固有スキルの発動条件だが、検証が進んできている現在も正確なところがはっきりしていない。発動しやすい目安としてはレース中に一回も掛からず、かつ残り200mで5番手以下を満たすというところ。(『掛かっても発動した』『スタミナを切らさず、根性による速度維持に入らないことが条件』『賢さステータスが重要』など、情報はなお錯綜している)
発動条件にキツめの制約はあるものの、その分上昇量はかなり高くなっており、上手く決まればものすごい勢いで加速し、史実の高松宮記念のようなごぼう抜きを見せてくれる。
あと星2以下と星3以上のスキルは演出が全く違う。星3以上は心に何かこみあげてくるトレーナーもいるとか。
前述の通り距離適性は満遍なく高いが、史実で唯一勝利したG1が1200mの高松宮記念ということで、適性Aは短距離のみ。
しかし目標設定に関しても史実をしっかり反映した結果、最も得意な短距離の目標レースは2つしかなく、クラシック三冠も走ることになる(幸い、一番厳しい長距離の菊花賞は出走のみで済むが)。
まさに、『偉大な母の名前という呪縛を解き放ち、自分の本当の適性を見出していく』というドラマを彼女と共に乗り越えることとなる。その結果、中距離メインのウマ娘の目標に長距離があるだけで難易度が上がるこのゲームにおいて、全ての距離のレースに出て、なおかつ結果を出さなければならないというとんでもないハードルがトレーナーに課されることになる。メイクデビューを除く目標レースに全距離のレースが設定されているのは2021年5月現在キングヘイローだけである(メイクデビューも含めばマルゼンスキーも該当する)。
具体的な懸念材料を挙げると…
こうした要素により、そのシナリオ難易度はG1目標揃いの☆2や☆3と比べても比較にならないほど高く、初期実装組の中でも育成難度は間違いなく最難関の一角を占める。
対策としては…
…と、いずれにせよ課金なし・因子なし・経験なし・対策なしでは運ゲーですら突破困難な高い壁となるだろう。
クリアするのも一苦労、史実ばりの苦難が待ち受ける彼女であるが、何度敗れ、何度否定されても膝を屈することなく、泥臭くとも誇りを失うことなく、トレーナーとともに自分だけの〝一流〟の在り方を見つけ出していく育成シナリオの評価は非常に高い。その不屈ぶりに魅せられたトレーナーは多く、「泥まみれの勝負服が最も似合うウマ娘」というのがキング推しトレーナーの統一見解だろう。
高難易度に打ち勝ってクリアすれば、史実では1勝に終わったG1を最低でも3勝できる。欲を言えば、序盤の緩めの目標レースとなっている皐月賞・ダービー・菊花賞も勝ち取り、かつての主戦・福永祐一も前2020年に成した三冠の栄誉を彼女に与えてみてはいかがだろうか。必然的に、1200から3000まで勝てるウマ娘を目指すことになるが。
そして前述の通り、「三冠を獲ったのに高松宮記念で負けて育成終了」という悲劇を食らいがちな罠もあるが。
そして最終目標の秋天を突破した後、目標外のシニア級有馬記念に出ると特殊イベントがある。適性が一番低い長距離のレースなので普通のプレイだったらわざわざ行きたくないところだが、もしA以上に是正できてスタミナも備えていたらぜひ出てみよう。見事同世代のライバル全員を打ち破って有馬記念のセンターに立ったときには、真のエンディングとも呼べるイベントが待っている。
なお、彼女専用二つ名の獲得条件は「継承で合計GIを11勝以上したウマ娘の組み合わせを使用し、同世代のライバルであるスペシャルウィーク、セイウンスカイ、エルコンドルパサー、グラスワンダーのすべてに3回以上勝利する」ことで獲得できる。継承条件は史実での両親のGI勝利数からだろうか。
スペとスカイは目標にあるクラシック戦線で戦えるし、グラスも宝塚記念やジャパンカップ、有馬記念によく出てくるのでそう難しくないが、エルを倒せずに未達成に終わるケースが最も多い。目標レースでの確定出走を除くネームドキャラは「史実の勝ち鞍レース・代表的な出走レースによく出走してくる」という仕様があり、史実で海外路線を歩んだエルは対象が少ないので逃しやすいのである。共同通信杯、NHKマイルカップ、毎日王冠、ジャパンカップが該当するのでしっかり狙っていきたい。
黄金世代と呼ばれたライバルたちを圧倒し同世代の頂点に立った時、彼女にふさわしい「世代のキング」の称号が与えられるだろう。
2021年4月15日から27日にかけて開催された第2回レジェンドレースでは、スプリンターズステークスがフィーチャーされているが、その中でレジェンドウマ娘の1人目として登場。彼女は同レースで3着(1999年)・7着(2000年)であり、史実で当該レースに勝利していないレジェンドウマ娘は初となる。なぜ高松宮記念じゃないのか? 高松宮記念を勝っているウマ娘がキングとカレンチャンしかいないからだよ……。
かくして登場したレジェンドキングヘイローは、多くのトレーナーが意気揚々と送りこんだバクシンオーを凄まじい末脚であっという間に抜き去っていく、レジェンドの名に恥じない強さを見せつけた。まあ差しなので勝手にモブブロックを食らってバ群に沈没することもそれなりの確率で起こったが。
なお同レースではサクラバクシンオー自身が参戦しており、タイキシャトルかカレンチャン(いずれも☆3)がガチャで引けなかったプレイヤーは、キングヘイロー(☆1)がバクシンオー攻略ウマ娘として筆頭候補となった。
レジェンドレースの開催が発表された時点でこの事態は予想済みであったため、多くのプレイヤーが早いうちからキングヘイローの育成に挑み、上述の高難易度に悲鳴を上げることになった。
実際に登場したレジェンドバクシンオーは、作戦が先行なのにくわえてキングヘイローやタイキシャトルと比べて控えめなステータスとなっており、有情な設定になっていた(詳しくは本人の記事参照)。それでもキングで挑んでモブブロックを食らい打ち倒されるトレーナーは少なからず存在したが……。
本作ではウマ娘の誕生日に当該ウマ娘をホーム画面に設定すると、2種類の誕生日限定ボイスが聞ける。しかし、サービス開始後最初のキング誕生日となる2021年4月28日には、不運なことにサービス開始以来初となる当日0時~12時までの長時間メンテの予定が重なっていた。
運良くメンテ突入寸前にボイスを聞けたトレーナーもいたようだが、多くのトレーナーが昼12時のメンテ明けを待っていたところ、さらに3時間のメンテ延長。そうして15時にメンテが終了し、15時間待たされてようやく聞けたキングの誕生日ボイス、そのひとつが……。
「今日のキングの予定、ほぼフリーにしてあげたから。
私の特別な日、一緒に祝えることを喜ぶのね!」
何事もなければ、いつもの高飛車でキングらしい台詞でありつつも、せっかくの誕生日、いくらでも予定を入れられそうなのに1日予定を空けておいてくれるといういじらしさが可愛らしい台詞となるはずだった。しかしよりにもよってこの台詞に15時間のメンテが重なった結果、「誕生日の予定を1日空けておいたのに15時間放置されたキング」というなんだか可哀相なことになってしまったのであった……。
まあでも「そういう不憫なところもキングらしい」「学校の終わる時間まで放置されてしょんぼりしてたところにサプライズパーティーって展開もキングらしい」との声も。願わくは来年以降の誕生日はちゃんと日付が変わった瞬間から祝えることを祈るばかりである。






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キングヘイローがまとめて撫で切った!
※2000年 高松宮記念 東海テレビ植木圭一の実況より
キングヘイローは、父は80年代の欧州最強馬ダンシングブレーヴ、母はアメリカでG1を7勝したグッバイヘイローという、そこらの良血馬とは比べ物にならない世界的超良血馬である。当然、掛けられた期待は並大抵ではなかった。
そして悲運の超天才騎手・福永洋一の息子である福永祐一の騎乗でデビュー。良血に天才騎手の息子という絵に描いたような組み合わせは2歳(旧3歳)秋のデビューから3連勝。
しかしそこからは負け続きで、次の勝利を挙げるのは4歳時となる。そして何より、G1レースでは一向に勝てなかった。特に第65回日本ダービーでは、ダービー初騎乗であった福永が緊張から意図しない逃げを打つ失態を犯してしまい、14着の大敗。福永にとっても苦い思い出となった。10回のG1出走にもかかわらず勝ちはなく、その間に同世代ではスペシャルウィーク・グラスワンダー・エルコンドルパサーが覇を競い、超マイナー血統のセイウンスカイにはクラシック二冠をいずれも目の前でかっさらわれ、周囲からもかませのような扱いをされるようになった。
時は5歳馬となった2000年、福永に代わってベテランの柴田善臣騎手を鞍上に迎えて久しく、勝利自体から1年以上遠ざかっていた中で挑んだ高松宮記念。レース開始時には実況からも名を挙げるのを忘れられる状況だったが、大外からゴール際でぶち抜いてついに優勝。実に11度目の挑戦でのG1制覇となり、調教師が涙する感動のレースとなった。
この時、2着に入ったディヴァインライトに騎乗していたのは福永であり、自身が負けて一番悔しかったレースの一つに挙げる程であった。
この勝利までに彼はあらゆる路線に挑んだ。クラシック戦線で菊花賞(3000m)を走り、古馬以降は長距離路線こそ打ち切られたが、中距離から短距離を走り続け、果てはダートまで試され(惨敗)、結局栄光を掴んだ場所は1200m、高松宮記念だったのだ。ただし、実際のところこれをもって「適性は短距離だった」とは言い切れない。なにせ、菊花賞でも5着とそれなりの順位ではあったし、短距離に切り替えた途端に全てが上手く行ったわけでもなかったし。
その後は特筆すべき点はなく、テイエムオペラオーの劇的勝利の陰でさりげなく4着につけた2000年の有馬記念をもって引退・種牡馬入り。通算27戦6勝。最後まで故障せず3年走り続けたが、勝利したG1レースはやや格落ちの高松宮記念1つ。種付料は100万円前後と同期から差をつけられてしまうが、その分「手頃な種付料の丈夫な良血馬」として例年100頭を越える繁殖牝馬に恵まれ、活躍馬も中央・地方問わず多数輩出した。中でもカワカミプリンセス(父より先にウマ娘化された)はオークス・秋華賞を無敗で制し、ローレルゲレイロは高松宮記念で父子2代制覇を達成した。
それから時はさらに過ぎて2018年。
遂にやった!福永祐一 19回目のダービー!
※2018年 日本ダービー フジテレビ福原直英の実況より
キングヘイローが大負けした1998年ダービーがアニメ・ウマ娘によって蒸し返された年、そのレースで騎乗していた福永祐一が、第85回日本ダービーにてワグネリアンに騎乗し勝利。19回目の挑戦にして初のダービー制覇を成し遂げた。
福永騎手を祝福する声とともに、あの日のレースが再び話題となり、キングヘイローの名がSNSのトレンドに一躍上がることになった。
もしかすると、キングヘイローも陰ながら福永騎手を応援していたのかもしれない。
そんなかつての相棒のダービー制覇を見届けて安心したのか、2019年3月19日、老衰により24歳でこの世を去った。
自身が2000年に制覇した高松宮記念を5日後に控えての訃報である。
中の人である佐伯伊織もTwitterにて追悼文を発表。高松宮記念当日のウマ娘公式G1イラストも、追悼を兼ねてキングヘイローを登場させた。
そしてその高松宮記念では、「最後の奇跡」が起きたかのように、福永騎手が騎乗するミスターメロディが勝利した。
キングヘイローの産駒である牝馬ダイメイプリンセスもミルコ・デムーロの騎乗で出走した中でのサイン馬券。
ゴール後、福永騎手はキングヘイローの事が頭を過った様で、インタビューでも「キングヘイローが後押ししてくれたような感じになった」と、感慨深く語った。
父が落馬事故で生死の境を彷徨い騎手生命を絶たれたことで、父と同じ道を選ぶことを母に強く反対され、若手時代は何かと父と比較された福永騎手。ウマ娘のキングヘイローの母親との確執は、明らかにモチーフ馬の世界的良血という要素だけでなく、鞍上の福永騎手の物語も背負っている。
福永騎手が2020年に父も為しえなかった三冠ジョッキーの頂きを手にしたように、キングにも偉大な親の名前という呪縛を解き放ち、一流の名前を与えられるかは、トレーナーの手腕に託されている。
詳細は当該記事へ→キングヘイロー
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最終更新:2025/12/20(土) 05:00
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