ケモ夫人とは、同人作家の藤想氏による漫画作品、およびその漫画作品に登場するキャラクターである。
概要
同人サークル「抱っこなどのふれあい」代表である同人作家の藤想氏が、2021年10月28日にTwitter上に第1話を投稿したウェブ漫画作品である。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/kanon_pic/status/1453198323750297604
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/561273/status/1453200441185955841
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/kanon_pic/status/1453205423192883204
2021年10月27日に「こういうケモ夫人的な漫画を描こうかと思って」と立ち絵イラストとともに書き込んでから約丸1日後。「真面目にケモ夫人の漫画を考えたくなってきた」という別アカウントで書き込まれてから、わずか約20分後にはこの第1話が投稿された。即興的に一気に描き終えたものか?
第1話の内容は、獣人系の女性が帽子をかぶった謎の人物に長柄の斧(ポールアックス?)を渡されて戸惑っていたところ、「これで巨人を討伐してください」と言われてしまうという突然の展開から始まる。その言葉に驚愕した女性は「そ…そんな…わたし出来ないわ…」と困惑し、「ちょうちょしか捕まえたことないのよ…?」と言ってうなだれてしまうのだった。
タイトルコマも含めてたった6コマしかないこの漫画だったが、外見や口調などからにじみ出る「なんか育ちがよさそう」なおっとりしてしとやかそうな感じ、自信なさげに俯く儚げな振る舞い、あと外見がかわいい、などなどの点からTwitter上で色んな人の性癖に刺さって人気が沸騰。様々な人々によるファンアートが一気に描かれていったのだった。その後の戸惑った反応を見るに、これは藤想氏の予想を超えた人気ぶりであったようだ。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/gokurezi/status/1453643836798865410
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/YuukiRay/status/1453770598685941765
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/BiliBili_Drake/status/1454200719095910404
藤想氏はこういったファンアートについて大歓迎であると表明している。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/kanon_pic/status/1453361382582145030
なお、その後も第2話、第3話、それ以後……と続きの話が投稿されている。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/kanon_pic/status/1453689267280965634
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/kanon_pic/status/1453920318053965826
なお「ケモ婦人」は誤記。正しくは「ケモ夫人」。まあ彼女が婦人であることは間違いないと思われるが。
ちなみに「ケモ夫人」という言葉は、固有名詞と言うよりは動物系のキャラクターを指す言葉「ケモノ」の略称である「ケモ」と、他人の妻(人妻)の敬称である「夫人」を合わせたのみの言葉であり、キャラクターを端的に言い表しただけとも言える。
そのため、この作品以前にも「ケモ」と「夫人」を組み合わせて「ケモノであり夫人である」キャラクターを指すために使われた例は少数ながらあったようだ。例えばTwitter上で探すと、2021年3月にアニメ『名探偵ホームズ』のキャラクター「ハドソン夫人」こと「マリー・ハドソン」を指してこの言葉が使われていた例がある。
2021年12月4日に講談社アフタヌーンKCより書籍化されることが発表され、第1巻が2022年2月22日に発売されたが、売上不振により第4巻で終了した。5巻は藤想氏が同人誌で制作・販売している。
同日に音声作品「ASMRケモ夫人」が電撃G's magazineより同時発売。夫人のCVは皆口裕子が担当している。
2022年7月10日からはニコニコ静画でも公開された。内容はTwitter連載版と同じであるようだが、章ごとに区切り良くまとめられている。
登場キャラクター
- ケモ夫人
- 「そ…そんな…わたし出来ないわ…」「ちょうちょしか捕まえたことないのよ…?」
- 本作の主役。あるとき突然斧を渡され、巨人の討伐を依頼されてしまう。
- 鼻づら(いわゆるマズル)が長く伸びた獣人系の見た目をしているが、口はそのマズルの根元の方にあるなど、犬や狐や狼とも一風変わったなんとも言えない造形。「なんの獣人なんでしょうか?」という読者からの質問に対する藤想氏の回答によれば、「マズルが長くて口がマズルの付け根にあり、細長い耳がある動物じみた人妻、と認識しております。ムーミンに近いです。」とのこと[1]。
- 第3話でうたたねしている時に見ていた幼い頃の夢では、じいやのような人に「お嬢様~」「危ないですぞ~」と制止されつつ「あはは! あはは!」「い~え~い!」と天真爛漫にちょうちょを追いかけていた。これが実際にあったことの回想であれば、良家のお嬢様だったのかもしれない。
- タイトルがケモ夫人だし容姿も見るからにケモ夫人なのでほぼ全ての読者は彼女がケモ夫人であることを疑わなかったと思われるが、第12話においてケモ夫人は「わ、わたしはケモ夫人じゃありません…」と供述しており、ケモ夫人はケモ夫人では無かった可能性が浮上した。第139話で本名があることは明らかになったが、2022年5月22日に公開された作者インタビューでは「まだ秘密です」と回答している。
- 夫(名前不明)
- 「僕は君を死なせたくない…」「それだけなんだ」
- 第3話で「ケモ夫人がスマートフォンで話す相手」として割と普通に登場した。
- だがその後、スマートフォンを浮遊させてケモ夫人に語り掛け続けるなど、単に「電話の向こうにいるだけの人物」ではなくスマートフォンを依り代とした何かのような存在になっていく。
- ケモ夫人の楽観論を諫めたりするなど、冷静で落ち着いた性格であるようだ。
- ケモ夫人を死なせたくないと語る。だが巨人を殺そうとしているコレクトウッドに巨人の居場所を教えようとせず、あくまでケモ夫人に巨人を討伐させようとするといった一幕もあり、なにか事情があるようだ。
- 今は病気条約に対抗するために肉体をある装置に利用しており、代わりにスペアボディに入っている。
- ティンバーコレクトウッド
- 「I kill『俺が』」「giant『巨人を殺す』」
サングラスをかけた男。第5話で初登場。断片的な英語で会話する。巨人を見つけ出して討伐しようとしているようだ。「電話をかけた相手の場所を特定することが出来る」という特殊能力を持っているらしく、巨人の電話番号を知ろうとしている。 - ケモ夫人が夫と会話していたところ、突然夫が話していたスマートフォンを銃撃して半壊させながら登場するなど不穏な雰囲気を漂わせており、ケモ夫人は当初彼の事を恐れていた。だがその後ケモ夫人が怪物に襲われた際、彼が銃で怪物を撃ち抜いて救けてくれた。そのことでケモ夫人は彼に感謝(および、ときめき?)の念も抱くようになる。
- 夫は彼を「コレクトウッド」と呼んでおり、名前の区切りは「ティンバー」と「コレクトウッド」の間にあるらしい。
藤想氏の過去作品でも同じ名前・外見・能力で登場していたキャラクターである。 - フォックステール博士
- 「ウチは天才だァーーーッ!!」「ウワハハハハハハ!!」
- 巨人研究所の所長。第11話で初登場。高笑いしつつぬいぐるみを刃物で刺し続けるなど、ハイテンションでヤバめの人物。
- 見た目は少女のように見え、サイドテールの髪型。ワイシャツの上に白衣を羽織り、ネクタイを締めている。右眼はいわゆる「ぐるぐる目」で、左眼は空洞になっている[2]。キバ(八重歯?)がある。
- 「巨人ぶっ殺し計画」を進めており、その計画の最後のピースがケモ夫人らしい。ケモ夫人が巨人の皮膚サンプルにダメージを与えられるかの実験を楽しそうに開始するが、その最中に現れた『依頼人』に包丁(ナイフ?短刀?)のようなものを渡され、ケモ夫人と同様に「これで巨人を討伐してください」と依頼されてしまい、絶望して狼狽する。
- ケモ夫人が「博士ちゃん」と呼ぶと激昂しかけたが、「天才 最強 悪の科学者」とおだてると途端に機嫌がよくなるなど、情緒が子供っぽく不安定。
- 元々は藤想氏の別作品『FOX TAIL TNT』に登場予定として以前から公開されていたキャラクターであり、そちらでは「悪の天才科学者フォックステールちゃん」などと呼称されていた[3]。ただし当時のデザインとは細部が変化している(「フォックステールちゃん」は下半身がジャージ、左眼は空洞では無い、など)。いわゆる「スターシステム」ではなくてそのまま同一人物らしく、藤想氏曰く「フォックステールちゃんが色々あってフォックステール博士になります」とのこと[4]。
- 『ケモ夫人』での登場直後は下半身がコマ内に入っておらず、読者からあった「下の服はスカートですか?」という質問には藤想氏は「ズボンです」と答えていた[5]。しかしその後、下半身が二―ハイソックスになっているファンアートを目にして感銘を受けたことで一転、下半身ニーハイ解釈を採用した[6]。ただし「ジャージを着ることもある」とも[7]。
- 『依頼人』
- 「これで巨人を討伐してください」
- 第1話で登場しケモ夫人に斧を渡して巨人討伐を依頼した、帽子をかぶった謎の人物。
- 第1話時点は単なる話のとっかかりを作るだけのモブキャラクターだと思われていたが、第13話で再登場。
- 「空間を歪曲させるかのようにして突然出現する」「『依頼』の対象となった人物にしか姿が見えない」「『依頼』の対象になった人物は、逃げようとしても逃げられない」「『依頼人』が一度現れた場所は危険なので、大事な場所であっても放棄せざるを得ない」といった謎めいた設定が明かされた。
- また、法務局から大量に派遣されていることが明らかになった。
- その他の登場人物
- 巨人の指その1 怪異。任意の地点に大量の硬質化したハムスターを発生させる
- 巨人の指その2 怪異。周囲の相手を尊い気持ちで満たして心臓を破裂させる
- 第三関節級の超巨大指 物理的な戦闘能力しかない。ケモ夫人たちの共闘で撃破された。
- 犠牲者たち 毎回怪異の犠牲になるモブ達。おじさんが多いが女性もいる
- グリッジ博士 フォックステール博士の同僚。常識人
- ユエラオ研究員 裏切り者。真理器官を持っている。性別は不詳。
- 巨人の指と融合したものの夫人と一時的に共闘した。前から巨人と何か関係があるらしい。
- スペアダスト 聖域ホテルを守るもの。女性。首になってからはダンテ先生に師事している。
- ウーデン 聖域ホテルを守るもの。男性。首になってからはダンテ先生に師事している。
- メイズリーク弁護士 病気条約を何とかできる。夫とも知り合いらしい
- ダンテ先生 夫人に人間基盤と温度について教える。怪物形態を持ち性別不明
- メイズナース メイズリークの妹。人間基盤のキーを操作してハムスターを出せる。能力フェチ。
- スペダ 世界正義から派遣されたスナイパー。夫人になついていたのだが…
- アリス スペダの相棒でサイコパス。実は巨人であり、骨を巨大化する能力を使う。
- ミックスナッツ ケモ夫人の家のメイド。ケモ夫人が大好き。
ある実験を目撃して苦痛を笑いと感じるようになった。呪術の使い手で愚者の四肢などを使う。 - ベルトマン 法務局所属。助け合いを主張するカニバリスト。
- シュシュシカ 法務局所属。
- タクシー 法務局所属。大量虐殺者。
- エイプリル 鳥人間の少女。法務局に殺された。
- ツー 単眼の女性で法務大臣。ベルトマンの涙で塩ラーメンを作って本人に食わせた。
関連動画
関連静画
関連商品
サークル「抱っこなどのふれあい」のBOOTH(ピクシブ株式会社が運営するグッズ販売プラットフォーム)にて、アクリルフィギュアや単行本5巻の電子版などが販売されている。
関連リンク
- 藤想 (@kanon_pic) / Twitter (画像ツイート掲載用アカウント。『ケモ夫人』各話はこちらに投稿されている)
- 藤想 (@561273) / Twitter (本アカウント? こちらはマニアックな裏話、上記の画像用アカウントが玄関、として使い分けられているとのこと)
関連項目
脚注
- *藤想氏のツイートより
- *藤想氏のツイートより
- *藤想氏の物販サイトで販売されていたアクリルフィギュア、ツイッターに投稿されていたイラストや漫画①、②、③
- *藤想氏のツイートより
- *藤想氏のツイートより
- *藤想氏のツイートより
- *藤想氏のツイートより
- 12
- 0pt