「これに見えるはわが出身世界……年代にして2005年の頃だ」
「貴様に許されているのはこの中でただ1人の戦士に力を貸すことだけだ」
「ウルトラマグナス…」
「ただ1人を選ぶならば君をおいて他にない!」
トランスフォーマーコンボイの謎とは、1986年12月3日にタカラから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフトである。2008年6月10日より、Wiiのバーチャルコンソール(VC)でも配信されていた。このVCではゲーム開始時の点滅などが抑えられている。
概要
全10ステージから構成される横スクロール・縦スクロールのアクションゲーム。
誤解されがちだが、プレイヤーの操作する自機はタイトルにも出ている「コンボイ」ではなくウルトラマグナスである。肝心のコンボイは頭部のみの登場。
トランスフォーマーらしく、ロボット形態とトレーラー形態の2種類を使い分けてステージを進んでいくのだが、その理不尽な難易度から『たけしの挑戦状』や『いっき』などと並んでクソゲー界を代表する伝説のクソゲーとして有名である。
「ゲームセンターCX」の有野課長は初プレイ時わずか数秒でゲームオーバーになり、ゲームオーバー最速記録を更新してしまった事がある。
このゲームは、アメリカ主導の「トランスフォーマー」シリーズでありながら、日本でしか発売されなかった。この理由について、AVGNは語った。
と。
各ステージにある「R」「O」「D」「I」「M」「U」「S」のマークを全て集めた状態でクリアすると自機がロディマスコンボイとなり、ステージ1から始められるが、その難易度と7種類のマークを全て集める面倒臭さから、ロディマスコンボイの姿を拝むことの出来るプレイヤーは、ほんの一握りの暇人ゲーマーに限られる。
"TO DIE GAME !"
伝説のクソゲーの代名詞的存在の本作だが、有名なのは以下のような要素。
- オープニングで初っ端から赤・水色・黒と激しく光るポケモンフラッシュが襲ってくる
- 敵の弾が2×2の4ドットの白単色で、スタート地点をはじめ、背景のある場所では非常に見づらい(実はステージ2以降はそれほどでもない)
- 敵が小さく素早いので攻撃が当たりにくい。それに対して自機は大きく攻撃を受けやすい
- 攻撃を受けやすいにもかかわらず一発で即死(一応、取ると3発までキャンセルできるアイテムがあるにはある)
- すぐゲームオーバーになるのにコンティニューが隠しコマンド(公式攻略本に記載あり)
- ステージ9は決められたルートを通らないと入口までループしてしまいクリアできない
- コンドルやジェットロンやブリッツウィングがザコとして無限に出てくる(しかも体当たりはマグナスが絶対に負ける)
- それ以外のザコ敵は基本的にオリジナル。さらにステージボス最多登場はデストロンのエンブレム
- デストロンシップ(ネメシス)と合体兵士(メナゾール&ブルーティカス)とメガトロンとダイナザウラーが同じ大きさ
- コンボイの英表記が間違っている → ○CONVOY ×COMVOY
- 他に登場するサイバトロン戦士はバンブルのみ。しかも隠しキャラ
- ボーナスステージではカールおじさんみたいなのが天井からブロック(当たれば即死)を降らせてくる
- エンディングがローマ字で非常に格好悪い。その内容は
DESTORON GA ARATANA CHIKARA DE YORI KYOURYOKUNI YOMIGAETTA.
(デストロンが新たな力でより強力によみがえった)
…こんな感じ。
上記のように難易度を高める要素が多いが、敵の動きがそれなりに見切れることや(毎ステージラストのボス戦も上手くやれば1秒ほどでカタを付けられる場合も多い)、スコアによって自機残数が増える仕様であること、1ステージが短めかつ何周でもクリアできる仕様であることから、根気よくプレイしてステージやループのパターンを覚えれば短時間クリアは決して夢ではない(関連動画参照)。
※ だがステージ9の自力攻略は無理なので攻略サイトを見るように。断言するが絶対無理。
当時は現在ほどユーザーに優しくなく、もっと高難度・理不尽なゲームも多数存在したので、実のところ本作はまだ遊べる範囲のゲームであるとさえ言える。またトランスフォームをうまく駆使しなくては通れないパズル的要素があったり、ボタン押しの強弱によってジャンプの高さが細かくコントロールできたり、武器の速射レスポンスが意外と良かったりと、ギミックや操作性の面で割と見るべきところもある。
しかし、グラフィックに現れない数ドットの段差に引っ掛かると前進できず敵の餌食になったり、ジャンプ中の軌道コントロールができず飛行中の敵や落下点の敵を避ける事ができなかったりと、やはり難しい部類のゲームであることに変わりはなく、ノーコンティニューでクリアできるプレイヤーは十分尊敬に値する。
何より「ゲーム開始からゲームオーバーになるまでの時間」は、有野課長のプレイの通り、ファミコン史上でも最速レベル(一切ボタンを押さなければステージ1開始後2秒弱で死ねる)。このことが理不尽と言われた理由に間違いなく、思ったより難しくないことが伝わりにくい理由でもある。
国内であまり指摘されない(国外ではAVGNなどが指摘している)こととして、ロディマスコンボイのロボット形態&変形モーションがウルトラマグナスの時の色違いで済まされているという点が挙げられる(ちなみにタイミング良くポーズをかけるとロディマスカラーのトレーラーモードが拝めるが、これがパワードコンボイ(ダイアクロン時代のウルトラマグナス)に酷似している)。どうもロディマスやマグナスが何者かよくわかっていないようなレビューも少なくない…
「コンボイの謎」
当時日本では初代『トランスフォーマー』の放映が終わり、続編『トランスフォーマー2010』の放映が開始されていた。だがサイバトロン総司令官だったコンボイは「2010」の開始時点で既に死んでいる。
この経緯は『トランスフォーマー ザ・ムービー」という映画で語られているのだが、日本では何らかの事情で『ザ・ムービー』が公開されずに2010の放映が始まった。そのため、誰にコンボイが殺されたのかは当時の視聴者には謎だった。これこそが『コンボイの謎』である。
当時のタカラは「コンボイが死んだ」キャンペーンを展開、その一環として『コンボイの謎』が発売された、ということになっている。
このゲームの目的は「コンボイが誰に殺されたのか」を突き止める事にあるが、肝心の謎を解くためのヒントなどは苦労して普通にエンディングにたどり着いたとしてもゲーム中にほとんど見出す事は出来ない。
「コンボイの謎」の真相
当時の「コンボイが死んだ!」キャンペーンの内容は「コンボイが誰かに殺された!キミたちはその誰かをこのゲームの隠し面で探し当て、タカラにその名前を書いてハガキで送ってくれ!そうすれば抽選で日本で未発売の玩具をプレゼントしよう!」というものだったらしく、隠し面としてステージ8には「デストロンゾーン」が存在しており、そこに行き敵を倒すと「メガトロンの一枚絵」がセピア調で粗く表示される。だがそこにはメッセージも何もなく「果たしてこれが答えなのか」もわからない状態であった。
ぶっちゃけて言えば、コンボイはメガトロンと一騎打ちをした傷が元で死んだのでそれが正解なのだが、上でも言ったように粗くわかりづらいのと、そもそもこのゲーム自体が難しくステージ8まで辿りつけない・辿りつけても隠しを発見できなかったりして結局当時の人にも「ゲーム自体が謎」という認識になってしまったのであろう、そのままこのゲームは「謎のクソゲー」という扱いを受け、その認識は現在も変わらず今に至るのである。
謎については当時の雑誌等で多少補完されたようだ。結局その後『ザ・ムービー』は遅れて日本でも公開され、謎は万人に解明された。だが残念ながら現在は日本版DVDが長らく再販されず、プレミア化してしまっている。
「オルタニティ」
本作の設定は、意外なところで回収されることになる。玩具「オルタニティ」シリーズで、「メガトロン ダイヤモンドブラック」が「コンボイの謎の世界」の出身であることが玩具付属コミックで示唆されたのだ。
未来、超常の力を得たメガトロンが自らの過去に介入したことによって、この世界のデストロンは「理不尽な強さ」を与えられており、だがその現象は当時のメガトロン本人にとっても「謎」であったという。まさに「コンボイの謎」というゲームそのものが謎であり、その真相が語られるのに発売から実に23年の時を要したことになる。
「では始めるとしよう!!」
「死と苦しみに満ちたゲームをな…!」
新作
何をトチ狂ったのか2014年8月7日にAndroid用アプリとして新作「キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎」が配信開始された。
キュートランスフォーマーとはチョロQサイズにデフォルメされたトランスフォーマーであり、新作では彼らが活躍する。
ちなみにiOS版も同時配信の予定だっただが、なんとAppleからニセモノ判定を受けてリジェクトされてしまった。
現在再申請中だそうである。
関連動画
関連静画
関連チャンネル
関連項目
- 17
- 6100pt