ナバールとは、ファイアーエムブレムシリーズの『暗黒竜と光の剣』および『紋章の謎』、さらにそのリメイク作品に登場するキャラクターである。
概要
『暗黒竜と光の剣』および『紋章の謎』第1部で3章「デビルマウンテン」に登場。
「紅の剣士」の異名を持ち、必殺の剣『キルソード』を扱う凄腕の傭兵で狂気を秘めたクールな性格である。しかし、シーダで話しかけると女を切る剣は持っていないと刀を収め、あっさりと味方になる。シーダの大きな見せ場の一つなので、初めてFEをやる人はお忘れなく。
ゲームでは再現されていないが二刀流の使い手で、ファミコンの頃は(容量の問題で)裸に鎧という出で立ちだった。その後SFCの『紋章の謎』にておなじみの癖のない長髪にアジアンテイストの衣装を身に纏った姿になり(初期は紫・現在は赤がメインになっている)、DSで発売した『新・暗黒竜』では初期兵種が剣士となっている。
実は現在の長髪で線の細い容姿になったのはゲーム『暗黒竜と光の剣』発売後、エニックスの出版によるGファンタジーコミック連載の箱田真紀氏による執筆の逆輸入である(後述のオグマとのライバル関係も同氏の作品由来で任天堂と打ち合わせて出来た設定であることがコミックス版のコラムに描かれている)。
『紋章の謎』で同じマルス軍の傭兵のオグマとライバル設定がなされ、彼と戦いたい、決着をつけたいと思っていることが明かされた。『新・紋章の謎』では追加エピソードとしてオグマと戦うためにタリスを訪れたナバールの話が追加された。相変わらずシーダには頭が上がらない。
OVA版
ナバール=子安武人のイメージは本作が象徴的だが、同作以前のエニックスコミックスシリーズのドラマCD(箱田真紀版)でもナバールとして出演している。ちなみに子安氏本人は当時から大のFE好きで『紋章の謎』プレイ後、ナバールがお気に入りになったため自身で売り込みに行ったらしい。
ゲーム版と同じくデビルマウンテンを牛耳る山賊「サムシアン」に雇われており、彼の腕を試そうとした山賊の首領の部下数人をたやすくさばく所が見どころ。同作では過去に恋仲の女性を強盗に殺された経験があり、未だにその時の夢を見るなどの設定に厚みが出ている。惜しむらくは途中で制作打ち切られてしまったためイマイチ認知されていないという切ない事実がある。
その後・・・
それ故に以後も子安氏の「ナバールの役は譲れない」(意訳)との見解もあってか、以後の登場作品であるラジオドラマ版、『幻影異聞録#FE』『ファイアーエムブレムヒーローズ』でも引き続きナバールを熱演(例外は電撃CD文庫版の梁田清之氏のみ)『#FE』では直接オファーをしたと任天堂側からの公言がある。
特に『ヒーローズ』ではナバールに加えて『覚醒』のロンクー、『if』のゼロでも出ており(未登場だがファウダーも)、更に17年4月20日発売の『ファイアーエムブレムechoes』でもセーバーで出演が確定しており、現時点でファイアーエムブレムシリーズ全体で何と5役も演じている。これはシリーズぶっちぎりのトップ出演数…であったが2018年2月現在、担当キャラ数トップは間島淳司氏の8人(『蒼炎の軌跡』『暁の女神』から漆黒の騎士、サザ、シノン、ゼルギウス、『ヒーローズ』のジョルジュ、カレル、エルトシャン、オスカー)となり子安氏の出演数は2番目になった。
更に『ヒーローズ』完成時の「ファイアーエムブレムダイレクト」(ニンテンドーダイレクト)にてナレーションを担当し、ノリノリでヒーローズの召喚を楽しむ(ガチャでロンクーを入手した際には歓喜した)氏の声がこれでもかと流れた。
『ファイアーエムブレム無双』でも子安氏のボイスでNPCとして参戦。2018年2月15日より配信されたDLC『ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣パック』を購入するとプレイアブルキャラクターとなり使用可能になる。攻撃方法はキルソード+プレイヤーが装備させた剣による二刀流。絆会話も用意されている。
ユニット性能
原作
『暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』では剣歩兵としてオグマと並びマルス軍の主力を張れる強さを誇る。上級職の勇者にクラスチェンジするとさらに強さに磨きがかかる。
しかし、『新・暗黒竜と光の剣』では他のユニットにテコ入れが入ったことにより相対的に弱体化。兵種変更システムとの相性も悪く、強いとは言えなくなってしまった。
『新・紋章の謎』ではナバールにもテコ入れが入り、かつての強さを取り戻した。リメイク版両作では、兵種変更でソシアルナイトにすると低めの力と守備を補いやすい。
ファイアーエムブレムヒーローズ
紅の剣士
ロンクー同様速さに特化したステータス+キルソード装備なので奥義の回転率が良い。が、速さ以外のステータスがパッとせず、若干扱いづらいという点も共通している。
HPが一定以下で自分が追撃できる場合、連続攻撃になる「攻め立て」と周囲の敵の速さを下げる「速さの威嚇」を持つため、堅実に追撃をかましていける。
後に専用武器「紅の剣」が実装。効果はキルソードと同じ奥義カウント-1だが、特殊効果錬成をすることで「1ターン目開始時、奥義カウント-2」が追加で付与される。これを利用すれば「月光」等の奥義を出合い頭にぶっ放すことも可能になる。聖印に「奥義の鼓動」を持たせることで「烈風」等の範囲攻撃にも対応可能。惜しむらくは1ターン目以外は効果が発動しないため、「奥義の螺旋」や「始まりの鼓動」等何かしらのフォローがないと一発屋になりかねないということだが、これらのスキルの持ち主が皆激レアなのが欠点。
紅の忍者
レーヴァテイン、ツイハーク、リン&フロリーナ、カザハナと共に忍者版が実装。兵種は槍歩兵。
武器「忍の槍」は勇者武器同様自分から攻撃時2回攻撃となるが、勇者武器と異なり、ステータス補正が速さ+4、守備・魔防-4となっている。
ここに相手より速さが高ければ奥義カウント変動量+1かつダメージ+5の「柔剣4」に加え、敵の速さ・守備-3かつ速さ・守備のバフ無効の「速さ守備の凪」を持つため、通常版とほぼ同じステータスながら、通常版よりも高い攻撃性能になっている。
余談だが、槍を二刀流して戦う姿は忍者というよりも無双シリーズの武将といったほうがしっくり来そうな出で立ちではある。
ファイアーエムブレム無双
『ファイアーエムブレム無双』でもDLCにてプレイアブルキャラとして実装。兵種は傭兵→勇者。
速さは全キャラ中トップの値(Lv150時)を誇り、技もタクミに次ぐ2位。元より攻撃重視のリョウマを技・速さに振ったような能力で、リンと共通のモーションということもあり、殲滅能力に優れる。ただし守備魔防に関しては非常に低い値となるため、殺られる前に殺るスキル構成にするか、「大盾」などで耐久面をフォローしたいところ。
個人スキルはダブルでない時に与えるダメージが増加する「孤高」、専用武器は「倭刀」。
ナバールポジション
ファイアーエムブレムというゲームシリーズにおける剣士という職業のイメージを確立したキャラクターであり、以降の作品でも彼をモチーフとしたキャラクターが多数存在する。
『トラキア776』で彼を模した(と思われる)シヴァというキャラクターが登場し、プレイヤーから立ち位置のクリソツっぷりに「ナバールっぽい」と言われた。さらに『封印の剣』でルトガーというキャラも出ると、一気にシリーズにおけるキャラクターの属性として確立した。
- 敵に雇われている。
- キルソードを持っている。
- 職業が傭兵もしくは剣士である。あとイケメン。
- 女性の説得により仲間に加わる。
- 初登場時にシスター(杖使い)と盗賊とセットになっている。
- ライバル・競争相手としてオグマを模した傭兵キャラクターがいる。
これらの要素が重なるとそのキャラはナバールタイプ、ナバール系、キルソード剣士等と言われることが多い。
ナバールポジションと言われるキャラクター
- 『聖戦の系譜』:アイラ
- 女性ではあるものの長髪、美人、剣士、キルソードは持っていない(聖戦にはキルソードに相当する剣が存在しない)が必殺と言える流星剣の使い手といった要素からナバールポジションとするプレイヤーもいる。
- 『聖戦の系譜』:ジャムカ
- 長髪ではないがイケメン、剣士ではなく弓兵ではあるがキルソードの弓版なキラーボウを持ち、シスター(エーディン)・盗賊(デュー)とセットで登場といった要素はナバールのそれを意識した設計。
- 『聖戦の系譜』:シャナン
- 「剣聖」の称号を持ち、容姿はナバールに酷似、女性と共に自軍合流、ソードマスターという職種が該当する。
- しかし彼はイザーク王国の「王子」で主人公セリスとは幼馴染で兄同然、伝説の武器「神剣バルムンク」を持つ。
近年の基準だと『制圧しない(出来ない)ロード』と云ってもよく、『烈火の剣』のリンディスや『if』のリョウマに近いポジションと言えるためナバールポジションと考えないプレイヤーもいる。 - 『トラキア776』:シヴァ
- 序盤ではリフィス海賊団に、その後は山賊に雇われていた用心棒。キルソード持ちで、サフィの説得で寝返る。
- 『封印の剣』:ルトガー
- キルソード持ち、雇い主に幽閉されていたクラリーネを救出、その後彼女の説得で寝返る。服の意匠もナバールに近い。兵種の関係上多少ヘタレようとチート級に強い。
- 『烈火の剣』:ギィ
- キルソード持ち。ただ髪は結っていて性格も明るいためナバールポジションとは考えないプレイヤーもいる(その場合↓のカレルが挙げられることが多い)。
- 『烈火の剣』:カレル
- 「剣魔」の異名を持つ。キルソードよりも必殺率が高い「倭刀」を所持。時系列的には後になる前作『封印の剣』では終盤のお助けキャラとして登場。
- 『聖魔の光石』:ヨシュア
- キルソード持ちかつ女性(シスター含む)との支援会話もあるが、未熟な印象が強く『紋章の謎』のサムトーの要素もある。
- 『蒼炎の軌跡』『暁の女神』:ツイハーク
- 敵勢力からの説得→用心棒と『暗黒竜と光の剣』⇒『紋章の謎』時代のナバールの軌跡とほぼ同一。
- 『覚醒』:ロンクー
- 上記で記載ある通り、声が子安氏+不愛想で女性が苦手とまんまナバール。
- 『Echoes』:ディーン
- 盗賊王ギースに雇われていた凄腕の傭兵。ギース死亡時点で生存していた場合セリカと行動を共にすることとなる。リメイク元の外伝の時点で存在したキャラだがよりナバールっぽくなった。
- 『風花雪月』:フェリクス
- 公爵家の嫡子だが剣の求道者、不愛想、黒い長髪、ペガサスナイトと因縁があるなどナバールっぽい。
- 『エンゲージ』:カゲツ
- キルソード持ち+子安枠。イケメンだが性格は明るい。
パチモノ
関連項目
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- なし
兄弟記事
- アベル(ファイアーエムブレム)
- アラン(ファイアーエムブレム)
- エスト(ファイアーエムブレム)
- オグマ
- カイン(ファイアーエムブレム)
- カチュア(ファイアーエムブレム)
- カミュ(ファイアーエムブレム)
- ゴードン(ファイアーエムブレム)
- サジマジバーツ
- シーザ(ファイアーエムブレム)
- シーダ(ファイアーエムブレム)
- ジェイガン(アリティア騎士団)
- ジョルジュ(ファイアーエムブレム)
- チキ
- トーマス(ファイアーエムブレム)
- ドーガ(ファイアーエムブレム)
- ハーディン(ファイアーエムブレム)
- マチス(ファイアーエムブレム)
- パオラ(ファイアーエムブレム)
- ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣
- マリア(ファイアーエムブレム)
- マリク(ファイアーエムブレム)
- マルス(ファイアーエムブレム)
- ミネルバ(ファイアーエムブレム)
- ラディ(ファイアーエムブレム)
- リンダ(暗黒竜と光の剣)
- ロレンス(ファイアーエムブレム)
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