ハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタイン(Heinrike Prinzessin zu Sayn Wittgenstein)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズの登場人物である。通称「姫様」。
プロフィール
モデル
モデルはドイツ空軍の夜戦エース、ハインリヒ・プリンツ・ツー・ザイン=ウィトゲンシュタイン。
傑出したパイロットであったが完璧主義者に過ぎるきらいがあり、やや傲慢なところがあったと伝わる。1944年1月戦死、撃墜数83。
容姿・人柄
腰まで伸びた薄い金色の髪と翡翠色の勝気な瞳を持ち、魔法力の使用時にはティアラ型の魔導針を発現させる美しい少女。軍装は黒地に赤いアクセントの入った夜戦ウィッチ用のもの。
カールスラント皇室の係累でもある名門に生まれ「王女(プリンツェシン)」の世襲称号を許された由緒正しき貴族(ノーブル)で、一人称は「わらわ」、語尾に「じゃ」がつく古風な言い回しで話す姫君。世間知らずな点はあるものの、率先垂範、自分にも他人にも厳しく、諦めと妥協には縁がない完璧主義者で、その振る舞いは苛烈にして優雅。生まれながらの高いカリスマ性は部下を心酔させ、その信頼と忠誠は厚い。
「ウィトゲンシュタイン参上!この戦場はわらわがもらい受けた!」という決め台詞からもわかるように戦闘には積極的で、特に射撃と夜間探知に高い能力を持つ歴戦のナイトウィッチであり、その撃墜数は夜戦エースとして人類第3位(カールスラント第3位でもある)を誇る。
経歴
かつてカールスラントに居を移したオラーシャ貴族の末裔で、一族の中にはバルトランド王室への繋がりもある貴族の出。1941年、カールスラント空軍第2夜間戦闘航空団(NJG2)の一員としてバルバロッサ作戦に参加し、オラーシャ・ペテルブルグに駐留。当時の階級は中尉。この時、Ju88に換えてBf110G-4を与えられているが、初飛行で故障したため以後使用していない。
その後、大尉に昇進して第5夜間戦闘航空団第4飛行隊司令へ転出。ペテルブルグ駐留中の1943年6月24日夜には4機、7月24日夜には6機を連続で撃墜する戦果を賞され部隊名を第100夜間戦闘航空団第1飛行隊へ改称するが、直後に単身ロンドン防衛任務へと異動する。同年初秋、ハイデマリー・W・シュナウファーとともにヘルミーナ・ヨハンナ・ジークリンデ・レントのもとで擬似魔導針の研究に従事。1944年には少佐昇進とともに第2夜間戦闘航空団司令に任じられた。
ガリア解放後の1944年末、第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>結成時の戦闘隊長選任にあたり、前大戦以来のウィッチであるヘンリーケ・フォン・ビューロウ=ボートカンプ大佐の推挙によってエディタ・プリンツェシン・ツール・リッペ=ヴァイセンフェルト少佐とともに候補となる。結果、撃墜数の多かったハインリーケが選ばれ、前線を退いた名誉隊長である506JFW司令ロザリー・ド・エムリコート・ド・グリュンネ少佐の補佐として、成立時の事情から二分された506JFWのA部隊で戦闘隊長を務めることとなる。
506JFWでは、外にネウロイ、内にガリア政局をめぐり陰謀を巡らせる王党派という両面の敵に対処しつつも、1945年初秋のネウロイの渡河攻勢に対処。在任中には少佐に昇進し、次期隊長と目されている。
交友関係
506JFWでは、やや独善的で性格に癖があるという点で似ているらしいアドリアーナ・ヴィスコンティ大尉共々グリュンネ少佐を悩ませているとかいないとか。ヴィスコンティ大尉とはしばしば対立するいっぽう、後から着任した黒田那佳中尉にはどうやら懐かれている(貴族らしくない性格ゆえハインリーケからは若干引かれている)様子である。なお、那佳の使用しているBf109K-4はハインリーケの予備機として基地にあったもの。
またB部隊ともかなり仲が良くなく、時に獲物争いなどを演じることもある。しかし那佳が参加し506JFWが正式に結成された後は、部隊の置かれた不安定な立場も相まって(表面的にはともかく)実質的にはB部隊との連携を深めつつある。
整備員たちに対しては、妥協を許さない姿勢を示しつつも信賞必罰はきっちりする、といったことから熱狂的なファンが多いらしく、いわゆる「親衛隊」が形成されているという。
ナイトウィッチとしては魔導針による通信コミュニティを好まず孤高を保っていたものの、(一方的に)「心の友」だと思っている良きライバル、ハイデマリー・W・シュナウファーの影響もあり参加を検討中の模様。ちなみにハイデマリーには出会うたびに膨大な量のお菓子を寄贈しているとか。それを食べてるのは主にどこぞの天使だけど
登場
キャラ自体の初出は原作者・島田フミカネ氏の個人サイト。その後、同氏のTwitter上などで徐々に情報が拡充されていった。ストーリー媒体への初出は『ストライクウィッチーズ劇場版』で、グリュンネ少佐とともにわずかな台詞ながらゲスト登場。
その後はOVA「サン・トロンの雷鳴」Amazon限定版付属のドラマCDでほんの少し言及されたり、『「アルンヘムの橋」秘め歌コレクション』所収のボイスドラマでペリーヌと模擬戦を演じる、アニメ『ルミナスウィッチーズ』最終話でヴァージニア・ロバートソンからの発信を受けた世界のナイトウィッチのひとりとしてゲスト登場するなど、ところどころで登場している。
いっぽう、ノベル『ノーブルウィッチーズ』シリーズでは主役級の扱いで活躍を見せている。しだいに前線から身を引くロザリーに代わってA部隊の指揮を引き継ぎ、ガリアの護りに奮闘する。またコミック『ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲』では、ヘルミーナ・ヨハンナ・ジークリンデ・レントを主人公としたEPISODE.11-12で登場。擬似魔導針研究の様子やハイデマリーとの衝突と和解が描かれた。
ネット上での扱い
ネット上のウィッチーズファンからの愛称は「プリン姫」。由来は察しろ。
その初登場自体、わりと早期のものであり、他のウィッチと一線を画するキャラクター性を持つ「姫様」はファン中ではそれなりに名を知られているウィッチではあった。その後2012年の『SW劇場版』で予想外の登場を遂げ、台詞は僅かながら川澄綾子が声優を担当。その僅かな台詞のうちに「上がれるウィッチは全て上がれ!モタモタしてると飯抜きだ!」というものがあったが、この台詞、506JFW(A部隊)のグリュンネとハインリーケを除く全員が出撃した直後だったため、ハインリーケ自身が一番モタモタしているのではないかとファンの中で話題になった。
また、上述したように早い時期のキャラクターであるためか原作者の島田フミカネ氏もお気に入りらしく、ちょくちょく姫様の落書きをTwitterに上げている。それはそれはスースーしてたりチアガールだったりえっちじゃったり……グリュンネさんが巻き添えをくらうこともままある。
関連動画
どこかの別アニメを思わせる組み合わせで501st JFW.OAに登場。映画では見られなかった姫様口調が聞ける。あと「ナイトウィッチ」は「Knight Witch」では無いです川澄さん。
関連項目
- ストライクウィッチーズ
- ワールドウィッチーズ
- ノーブルウィッチーズ
- ストライクウィッチーズ劇場版
- ルミナスウィッチーズ
- ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲
- ストライクウィッチーズの関連項目一覧
- 帝政カールスラント
- 第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>
- ロザリー・ド・エムリコート・ド・グリュンネ - 司令(名誉隊長)
- アドリアーナ・ヴィスコンティ
- イザベル・デュ・モンソオ・ド・バーガンデール
- 黒田那佳
- カルラ・G・E・フォン・ローゼン(非正規メンバー)
- ジーナ・プレディ - B部隊戦闘隊長
- マリアン・E・カール
- ジェニファー・J・デ・ブランク
- カーラ・J・ルクシック
- 3
- 0pt