ビックリメンとは、『ビックリマン』を題材にしたアニメ作品である。
概要
シンエイ動画とビックリマンがちょうど周年を迎えるということで企画された、初めてアニメ化された『ビックリマン』から6作目にあたる新たな『ビックリマン』原作のアニメ作品。2023年4月1日に開催された「ビックリマンの日ファン感謝デー」で本作のディザームービーが公開したことで明らかとなった。一応、ビックリマンモチーフのアニメではあるのだが、本作ではこれまでのシールの世界観そのままではなく現代社会をベースとした世界観が特徴となっている。
制作に至った背景としては2013年からビックリマンの商品担当責任者である本原正明の経験とシンエイ動画側のアイディアが挙げられる。本原が商品担当に就任した当初はかつてのブームから一時期は社内でも「ビックリマンはもう終わりかな」という話も出ていたほど売上が低下しており、「ビックリマンを知らない世代の人たちが入ってくるには難しすぎるコンテンツである」ということに気づいた。というのも、実際にビックリマンについて学んでみたら「担当者の僕がこれだけ苦労するなら、普通の人たちはより難しいと感じるはずだ」ということを実感したことが始まり。そこで、様々なジャンルとのコラボを通じて認知度を回復させ、ビックリマンというブランドを「今の時代を生きるものにしたい」という思いと周年のタイミングが重なった結果であった。
制作スタッフは監督に『ゆるめいつ』や『上野さんは不器用』を手掛けた月見里智弘、シリーズ構成に『BanG Dream!』シリーズや『きんいろモザイク』、『ギヴン』などを手掛けた綾奈ゆにこを、劇中音楽に『みなみけ』などを担当した三澤康広を、キャラクター原案に『シャーマンキング』や『機巧童子ULTIMO』の作者でショタに定評がある武井宏之を迎え(メカニックデザインは『スーパーロボット大戦OG』などを手掛けた射尾卓弥と武井がそれぞれ担当している)、アニメーション実制作をレスプリが担当している。月見はブームを知る世代でありながら若い感性を持っていること、綾奈はキャラクターの緻密な作り込みやキャラクター間の繊細な関係性を描くのが得意であることから、武井は月見と綾奈の指名で、少年誌連載経験者ならではの王道感と若年層にも刺さるスタイリッシュな絵柄の持ち主であることが、二人のイメージに合致したので起用された。
本作ではビックリマンシールのブームが過熱し、現金以上の価値を持つようになっている現代日本が舞台となっており、シールの運搬には現金輸送車並みの厳重な警戒態勢を敷くなど、これでもかというぐらいに貴重なものとなっている。そのせいで三億円事件ならぬ「ビックリマンシール三億枚事件」という窃盗事件が発生した事例が出るほど。
そして、もう一つの特徴として若神子やヘッド、関連するキャラクターの因子を持つキャラクターが自身に関連するビックリマンシールを体に貼ることでシールをモチーフにしたメカと衣装を纏う天聖合神(天魔合神)を行う事ができるという点がある。決して憑依合体とかオーバーソウルではない。なお、天聖合神(天魔合神)を行う場合は直接肌にシールを貼り付け、かつ1枚につき1度しかできないというデメリットがある。しかも本作では若神子やヘッドなどの人気が高いこともあり貴重な1枚ということもあり、もったいなくて合神を躊躇うケースも…。もちろんシールを剥がせば合神が解除されるため、状況によってはうら若き男女の肌が顕になるというサービスシーンも存在する。
因子を持つキャラクターに関してはシールによって別の生物に変身したり、メイドン天使となる若神子については自身のメイドン天使のシールを貼ることで女体化することも可能(声優は変わらないが)。
ストーリー
ビックリマンシールを愛する者にとって、シールの価値は絶対。
輸送の際には現金輸送車ばりに厳重に運ばれ、
一年前には“ビックリマンシール三億枚事件”と呼ばれる窃盗事件も起こった。宅配バイトに励む高校生のヤマトは、ある日、シールを巡る戦いに巻き込まれる。
フェニックス店長のコンビニ・エンジェルマートはキラシールが出やすいことで有名で、
ビックリマンファンはもちろん、向かいのコンビニ・デビルストアを拠点とする者たちも狙っていた。
以上が公式サイトからの引用となる。敵対するのはかつてパンゲ編でクライシス化した若神子と悪魔のヘッドの因子を持つとされる人物だが、はたして…。
当初は学園モノとして企画されたが、「ビックリマンはもっと広い層を狙えるブランドなのに、学園モノにしたら小さくまとまってしまうのでは」という危惧から最終的にメインフィールドを日本人のほとんどが馴染みのあるコンビニに変更したという経緯がある。
登場人物
- ヤマト(CV:梶田大嗣)
ヤマト王子の因子を持つビックリ高校の1年生。普段は高校生活の傍ら、飼い猫であるクロのエサ代を稼ぐため、宅配バイトに精を出している。宅配のバイトは幼い頃の経験によるものがきっかけ。天聖合神をしなくても達急動のような高速移動が可能。だが、この健脚がきっかけで照光子からあることを頼まれたことから本作のバトルに巻き込まれることになる…。
本作では制作側から視聴者の目線に立ってほしいという意図からビックリマンに関してはなんとなく知っている程度の知識しか持ち合わせていない設定となっている。そのため、本作ではビックリマンの知識をジャックらの解説を受ける立場となっている。 - 牛若(CV:森嶋秀太)
牛若天子の因子を持つ十(つなし)高校の1年生。放課後は不届き者からビックリマンシールを守るという名目でエンジェルマート ビックリ野店でバイトしている。エンジェルマート側の参謀ポジションで何かと苦労が耐えない。結構ツンツンしているがもしかしたら…。
聖笛を扱うことができ、笛を奏でることで悪魔の因子を持つ者を暴くことができる。 - ジャック(CV:橘龍丸)
天子男ジャックの因子を持つドッキリ高校の1年生。ビックリマンオタクでベースが趣味。彼もエンジェルマート ビックリ野店でバイトしており、今どきの男子高校生らしい一面が強い。第3話ではそのベースの腕を活かした(?)キャラソンを披露。
武井のアイディアで元ネタをベースに今どきの男の子像をミックスしたデザインとなっている。 - フェニックス(CV:斉藤壮馬)
聖フェニックスの因子を持つエンジェルマート ビックリ野店の店長。いつも穏やかに微笑んで、怒ることは滅多にない。立場上、普段はヤマトらを見守るポジションだが、有事の際にはヘッドロココのシールで天聖合神を行い、戦闘に参加することもある。9話ではついに因縁の深い相手と対峙することに。 - マリス(CV:小西克幸) / マリア(CV:日笠陽子)
デビルストアのエリアマネージャーでビックリ野店を拠点に活動している。ビックリマンシールを集めているようだが、その目的は不明。オリジナルキャラと明記されていないが8話まで誰の因子をもつキャラなのかは明言されなかった。だが、9話にてサタンマリアの因子を持つ人物だと判明(同時に天魔合神で女性に変身することから小西と日笠による2人1役であることも明かされた)。
それでも8話までの間にアリババに対する態度がフッドやピーターと異なる点やシールを介して超念魔らしき力で動物や乗り物を操ったり、人を悪魔などに変化させる能力を披露していた点、何よりフェニックスへの視線や髪型等から正体を予想していた視聴者も存在していた。 - フッド(CV:阿座上洋平)
魯神フッドの因子を持つ17歳の少年。中国マフィアのボスの息子で利害関係の一致からデビルストア側に協力している。喧嘩っ早い性格で何かと暴力で解決するきらいがある。が、7話では家族や自身の父が牛耳るマフィア組織の危機を救うためにビックリマンのレアシールを欲していることが明かされた。 - ピーター(CV:榊原優希)
ピーター神子の因子を持つ聖ツァール学院の初等科五年生。そして本作のわからせ枠。ビックリマンには興味ないが、マリスのためにデビルストアに協力している。どうやらOPの様子からただならぬ背景があるようだが…。 - アリババ(CV:田丸篤志)
騎神アリババの因子を持つ19歳…なのだが、どう見てもヤマトらと同い年にしか見えない。天涯孤独の身だったところをマリスに拾われる。だが、アリババ因子と生い立ちのせいで己の運命に絶望しきっており、初登場の頃はろくに食べない、身投げするなどしていた。
アニメ登場当初は亀に姿を変えられたが、ヤマトに拾われてシールを剥がされた事で元に戻る。その後、デビルストア側の人物としてマリスの命令でスパイとして協力していたが、ヤマトの優しさに触れてマリスへの協力を拒むなど、人としての成長の兆しを見せ始める。現在は人として生きるうえでのリバビリも兼ねてヤマトの家に居候しながらエンジェルマートを手伝っている。 - 一本釣(CV:梅原裕一郎)
一本釣帝の因子を持つ漁師の青年でエンジェルマートの常連客。時折、鮮魚を差し入れにやって来るが成人ゆえにジャックらからおっさん呼ばわりされることも。また、天聖合神しなくても悪魔側の因子を持つものを釣り上げる釣り針を使うことができる。
やはり本作でも漁師不足に悩まされているようで、プールで漁師の良さを広めるべく子どもたちに釣り教室を開くことがある。また、何事にも全力で挑む性格…なのはいいが、ラクロス親睦試合に向けての練習では壁にめり込むレベルのシュートを打ち込むため、強制的にゴーリーにされた。 - 照光子(CV:市来光弘)
照光子の因子を持つビックリマン工場の営業課長。本作では唯一、メインキャラの中では普通の小太りのおっさんだが、心はイケメン。三億枚事件でビックリマンチョコごと奪われたトラックを運転していた一人で、現在は本業の傍らで事件について調べている。一人称は「ミラー照光子」の裏に書かれている「照生(しょうせい)」が採用されている。 - 十字架(CV:小倉唯)
ドッキリ高校の1年生でオアシスの妹。十字架天使の因子を持つが、姉であるオアシスの意向で本人には知らされていない。しかし、この因子を一度悪用されたことでおねショタのような展開を起こしてしまう。 - オアシス(CV:小林ゆう)
オアシス天如の因子を持つエンジェルマート ビックリ野店のパート店員。同じ店で働くジャックからは若干(?)恐れられている。そんな彼女も夫と子供がいるにもかかわらず、一本釣にお熱である様子。また、巻き込みたくないという理由で妹の十字架には因子のことを秘密にしている。 - カーン(CV:宝亀克寿)
シャーマンカーンの因子を持つビックリ高校に勤める美術の非常勤講師。ビックリマンのことを語りだすと長く語りだすヲタク特有の癖を持つ。そして、第8話では原作同様…。 - タカやん(CV:徳留慎乃佑)
本作オリジナルキャラクターでビックリ高校の1年生でヤマトのクラスメート。筋金入りのビックリマンおたくで、友達のヤマトに色々とビックリマンに関する知識を教えてくれる。 - デビル店長(CV:保村真)
デビルストア ビックリ野店の店長。バトルのことには気づいていないのだが、彼の場合はそれどころではない労基が怒り狂いかねないような労働環境下にいる。
スタッフ
- 原作:ロッテ
- 監督:月見里智弘
- シリーズ構成:綾奈ゆにこ
- キャラクター原案 / メカニック原案:武井宏之
- キャラクターデザイン:大和田彩乃
- メカニックデザイン:武井宏之、射尾卓弥
- 美術監督:田山修
- 色彩設計:のぼりはるこ
- 撮影監督:久保田淳
- 編集:松原理恵
- 音響監督:藤田亜紀子
- 音響制作:INSPIONエッジ
- 音楽:三澤康広
- 制作:シンエイ動画
- アニメーション制作:レスプリ
- 製作:ビックリメン製作委員会
主題歌
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関連リンク
関連項目
- 1
- 0pt


