※この記事内では、カードテキスト上での略記に合わせて、一部を除き以下の表記を使用する。
正式な表記 | テキスト上での略記 |
ペンデュラム召喚 | P召喚 |
ペンデュラムモンスター | Pモンスター |
ペンデュラムスケール | Pスケール |
ペンデュラムゾーン | Pゾーン |
ペンデュラム効果 | P効果 |
概要
モンスターをフィールドに出す方法である、特殊召喚の一種。ペンデュラムモンスターという特殊なモンスターを利用して行われる特殊召喚の方法であり、2014年3月21日からのマスタールール3で追加された。ほぼ同時期に開始するアニメ「遊☆戯☆王アーク・ファイブ」とタイアップしてもいる。
後から追加された新しい召喚方法という意味ではシンクロ召喚、エクシーズ召喚に続くが、それらとの大きな違いは、それら2つの召喚がそれぞれシンクロモンスター、エクシーズモンスターを出すための手段であったの対し、こちらはPモンスターがP召喚の手段であるという点にある。
ペンデュラムモンスターとは
※左図は初版作成者が説明用に描いたものだが、実際のカードはもっときれいに仕上がっている。
P召喚に必要不可欠なのが、Pモンスターである。
Pモンスターの大きな特徴として、まずカードの枠が、上部は効果モンスターないし通常モンスターの色、下部は魔法カードの色になっている。これは、通常は効果or通常モンスターとして扱うが、ペンデュラムゾーンという特殊なゾーンに置くと魔法カード扱いになるという性質を表している。
さらに、テキスト欄をみると、これまで通りモンスターとしての効果や攻守が書いてある欄の上に、新たな欄が新設されている。
このうち、左図でP効果と書いてある部分には、ペンデュラム効果と呼ばれ、Pゾーンに置いたときに適用される効果が記されている。
そして、最も重要なのがP効果の両隣りに書いてある数字で、これをペンデュラムスケールと呼ぶ。この数字は左右に一つずつ存在するが、2015年2月現在、左右の数字が違うカードは存在せず、公式サイトのデータベースでも両方を分けて書いていないため、この記事でもひとまずは区別しない(2015年2月時点では区別の必要はないという裁定が出ている)。
左右の数字が違うカードが登場した場合は、改めてルール確認が必要だろう。
もうひとつ、Pモンスターの特徴として、デュエル開始時点では(メイン)デッキに入っているが、フィールドから墓地へ送られる場合、墓地ではなくエクストラデッキに表側表示で送られる。そのPモンスターをどのように使えるかは後述。
ペンデュラムゾーンとは
※下図は初版作成者が説明のために書いたものである。M&Tは「魔法&罠ゾーン」を表している。
P召喚を行うためにマスタールール3で新しく設けられたのが、Pゾーンという場所である。これは、これまでのフィールドカードゾーン(フィールドゾーン)とエクストラデッキの間、墓地とデッキの間のそれぞれに一つずつ存在する。
上図では、青と赤で塗りつぶされている場所がそれに当たる。実際のフィールドでも青と赤の2色がある(当然、上図とは違って格好いいデザイン)が、現状その違いに意味はない。
新マスタールールではこのゾーンは廃止され、魔法&罠ゾーンの両端をPゾーンとしても扱うことになった。これにより、PゾーンにPモンスターを置くとその部分の魔法&罠ゾーンはPモンスターが外れなければ使用不可能になり、単純に使用できるスペースが狭まるため、大きな弱体化を受けた。
Pモンスターは、手札からここに置くことでP効果を発揮し、P召喚に利用できるようになる。
ペンデュラム召喚の手順
準備:ペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンに置く
P召喚を行うためには、準備としてPモンスターをPゾーンに置いておく必要がある。
これを行えるのは自分のメインフェイズであり、フィールド魔法や永続魔法を発動するのと同じように、手札からPゾーンに置いてそれを発動する。このとき、Pモンスターは魔法カードとして発動する扱いである(ただし、「通常」、「永続」などの既存の分類に当てはまらない特別なカードとして扱う)。
Pゾーンに置く際の宣言の仕方は、ルールブックでは特に指定がないが、後述するゲームでは「『(Pモンスター名)』を魔法として発動!」と表示されるので、同じように宣言するのが無難だろう。
PモンスターをPゾーンに置くのは魔法カードの発動であるため、これにチェーンして「サイクロン」を発動してそのPモンスターを破壊したり、「マジック・ジャマー」でその発動を妨害することが可能。
ただ、Pゾーンは「魔法&罠ゾーン」としては扱わない。気分としてはフィールド魔法の親戚のようだが、フィールド魔法と大きく異なるのは、すでにPゾーンにカードがある場合に、それを勝手に墓地へ送って新しいPモンスターを置くことができない点と、Pゾーンへのセットはできない点。
通常の魔法カード同様、Pゾーンに空きさえあれば1ターンに何度でもPモンスターをPゾーンに置くことが可能。手札にPモンスターが2枚あるならば、両方のPゾーンを埋めてしまえる。
フィールドの2か所のPゾーンにPモンスターを発動できれば準備は完了。このとき、そのPモンスターのPスケールについて注意が必要なのだが、この点は後述する。
ペンデュラム召喚!
実際にP召喚を行ってみる。
2つのPゾーンに「時読みの魔術師」(Pスケール:8)と「星読みの魔術師」(Pスケール:1)があるとする。このとき、2枚のPモンスターのPスケールの数字を確認する。この2つの数字の間にあるのは、「2~7」である。
手札のモンスター(特殊召喚できるならば何でもよい)か、エクストラデッキにあるPモンスターのレベルを確認して、その値が「2~7」の間にあるかを確認しよう。この条件を満たすのが、P召喚できるモンスターである。
また、手札に以下のカードがあるとする。
- EMディスカバー・ヒッポ(レベル3、効果モンスター)
- ブラック・マジシャン(レベル7、通常モンスター)
- 青眼の白龍(レベル8、通常モンスター)
- クリボー(レベル1、効果モンスター)
- ダーク・アームド・ドラゴン(レベル7、特殊召喚・効果モンスター)
- 白竜の聖騎士(レベル4、儀式モンスター)
- E・HERO フレイム・ウィングマン(レベル6、融合モンスター)
- ジャンク・ウォリアー(レベル5、シンクロモンスター)
- オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(レベル7、Pモンスター)
- オッドアイズ・ファントム・ドラゴン(レベル7、Pモンスター)
- No.39 希望皇ホープ(ランク4、エクシーズモンスター、レベルはなし)
- デコード・トーカー(LINK3、リンクモンスター、レベルはなし)
このとき、P召喚できるのは「EMディスカバー・ヒッポ」、「ブラック・マジシャン」、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン」の4枚。
「青眼の白龍」と「クリボー」はレベルが条件を満たさないため不可能。「ダーク・アームド・ドラゴン」、「白竜の聖騎士」は、レベルこそ条件通りだが、ある特別な方法(テキストに書いてある)でなければ特殊召喚できない、特殊召喚モンスターという分類であるため、P召喚はできない。
また、エクストラデッキからP召喚できるのはPモンスターのみなので、Pモンスターではない「E・HERO フレイム・ウィングマン」、「ジャンク・ウォリアー」、「No.39 希望皇ホープ」、「デコード・トーカー」も出せない。Pモンスターはエクストラデッキに加わる際表側表示になる(融合・シンクロ・エクシーズモンスターは裏側表示)ので、見た目で区別可能。
新マスタールールからの注意点として、新たに「EXモンスターゾーン」が二箇所制定されている。エクストラデッキから特殊召喚するカードは、リンクモンスターが場に出ていなければEXモンスターゾーンの片方にしか特殊召喚できない。これはPモンスターだろうとエクストラデッキから出す場合一緒のため、P召喚単体ではエクストラデッキからのP召喚は1体だけとなる。そのため、今回のケースだと新マスタールールでは「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」と「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン」はいずれかしかP召喚できない。
何を出せるか確認できたら、いよいよP召喚。
- 「ペンデュラム召喚します」と宣言したうえで、P召喚したいモンスターをモンスターゾーンに置く。このときの数は、モンスターゾーンに空きがある限り何枚でもよい。
ここでは、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」か「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン」のいずれかと、「EMディスカバー・ヒッポ」、「ブラック・マジシャン」の3枚をモンスターゾーンに置く。当然、どれか1枚、2枚のみを置いてもよい。 - このP召喚を無効にするようなカードを発動しないか、確認する。「神の宣告」などの発動タイミング。
- 2.で何もなければ、P召喚成功。「奈落の落とし穴」などの発動タイミング。
これでめでたく、3体のモンスターはP召喚された。
ペンデュラム召喚の際の注意
まず、P召喚という行為は1ターンに1度しか行えない。そのため、上記の手順の例では、一度「EMディスカバー・ヒッポ」だけをP召喚させてから、同じターン中に「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」をP召喚するというやり方はできない。そのため、両方とも出したいならば、一度のP召喚でまとめて出してしまう必要がある。
P召喚に対して「神の宣告」などを発動した場合、P召喚しようとした全てのモンスターに対してその効果が適用される。上記の例では、3体のP召喚に対して「神の宣告」を発動すると、3体ともP召喚が無効化され、墓地へ送られる。この場合、P召喚に失敗した「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」はフィールドではない場所で破壊された扱いとなるため、エクストラデッキに戻ることはできない。
P召喚は、遊戯王カードwikiにいう「宣言して行う特殊召喚」に分類される(かつては「チェーンブロックを作らない特殊召喚」などとも)。ルールブックでは「特殊召喚モンスターの特殊召喚」に分類されると書かれているが、P召喚で出すモンスターは「特殊召喚モンスター」に当てはまらないため、この記述は不正確。
このあたりのルールの詳細はP召喚から少し外れるため、ここでは解説しない。各自で遊戯王カードwikiを確認するか、大百科内ならば「王宮の弾圧」の記事である程度説明されている。
スケールに関して
Pスケールについて、P召喚できるモンスターのレベルは、2枚のPゾーンのPモンスターのPスケールの間の数値である。しかし、このときPゾーンの2枚のカードのPスケールが同じであったり、1つ違いだとどうなるか。
たとえば、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」(Pスケール:4)と「EMカレイドスコーピオン」(Pスケール:4)の場合、両方ともPスケールが4なので、間の数値が存在しない。「EMヒックリカエル」(Pスケール:3)と「EMカレイドスコーピオン」(Pスケール:4)の場合も同様に、両方のPスケールの間の数値が存在しない。
このような場合、条件を満たすレベルのモンスターがないため、P召喚自体が行えなくなってしまう。上述の通り、一度Pゾーンに発動してしまったPモンスターは、何らかのカードの効果で離れない限り残り続け、新たなPモンスターを発動できないため、うっかり両方のPゾーンのPスケールを同じか1つ違いにしてしまうと、「サイクロン」などで一度PゾーンのPモンスターを除去しない限り、P召喚自体ができなくなってしまう。
P効果狙いであえてP召喚ができなくなってもPスケールを気にせず発動するということもあり得るが、要注意。
ペンデュラムモンスターに関する注意
召喚法ではなく、モンスター自体の性質について。
エクストラデッキへ送られる処理について
エクストラデッキへ送られる条件は、「1.フィールド上に 2.カードとして存在している状態から 3.墓地へ送られる場合」である。これを満たしていればとにかくエクストラデッキへ送られる。このいずれか一つでも満たさない場合は通常通り送られるべき場所へ送られる。
-
フィールド上に
- 「手札抹殺」で手札から、「おろかな埋葬」でデッキから、「ゲール・ドグラ」でエクストラデッキから送ると通常通り墓地へ送られる。
- Pモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚(P召喚も含む)・魔法としての発動(Pゾーンに置く)が「神の宣告」などで無効にされた場合、このPモンスターはフィールドではない場所(手札でもなく、名称の無い場所)から墓地へ送られるため、通常通り墓地へ送られる。
ちなみに、これはPモンスターに限らず、(反転・特殊)召喚・カードの発動無効系カード全般に共通するルールであり、「スターダスト・ドラゴン」でそれらを無効化できない根拠でもある。召喚・発動無効を受けると、フィールドに出たこと自体がさかのぼって無かったことになると考えると良い。
- カードとして存在している状態から
- 墓地へ送られる
条件を満たせば問答無用にエクストラデッキに送られるということは、裏を返せばその状況で墓地へ送ることはできないということでもある。
- コストとして「墓地へ送る」ことを行う場合、フィールドのPモンスターをコストとすることができない。
たとえば、フィールドの魔法・罠カードを墓地へ送って発動する「非常食」は、Pゾーンや装備カード状態のPモンスターを墓地へ送って発動することはできない。 - 効果として「墓地へ送る」場合、その対象に取ることは可能だが、実際に墓地へ送る際はエクストラデッキ行きとなる。この場合、「墓地へ送られた場合」などの条件は満たせない。
- 「(コストとして)リリースする」、「シンクロ素材にする」、「リンク素材にする」行為は問題なく可能。当然エクストラデッキ行き。
ルールブックにおけるリリースは「モンスターカードを墓地に送ること」と定義しているが、前に「基本的に」と書いてあるように、厳密には「墓地へ送る」と同義ではなく、リリースはリリースという別の行為である。シンクロ素材・リンク素材にすることについても同様。 - 基本的に、「融合素材にする」ことも可能(墓地へ送るならば当然エクストラデッキ行き)。ほとんどの場合、融合素材にするのはカードの効果処理によるので、効果として「墓地へ送る」場合と同じという解釈だろう。ただし、「融合素材にする」行為でも、「キメラテック・フォートレス・ドラゴン」の特殊召喚など、コストとして墓地へ送る場合は利用できない(融合召喚ではないにも関わらず、この墓地送りは融合素材にすることと規定されている)。
魔法カードとしての発動について
PモンスターをPゾーンに置く場合、そのPモンスターは完全に魔法として扱い、モンスターとしては扱わない。それ以外の場面ではモンスターとしてのみ扱い、魔法カードとしては扱わない。魔法の発動を封じられた場合、Pゾーンに置くことはできなくなるが、そのPモンスターをモンスターとして召喚したりモンスター効果を発動することは可能。
その他
Pゾーンの新設により、過去に発売されたPゾーンの存在しないプレイマットは、描かれた配置どおりに使用することができなくなった。
過去に商品として発売されたデュエルディスクは、そもそもペンデュラムゾーンに当たる部分が存在しないため配置不能(床にでも置くしかない)。ただし、最後にデュエルディスクを発売したのはマスタールール時代(シンクロ召喚まで)であり、当時はペンデュラム召喚はおろかエクシーズ召喚すら存在しなかった。
ペンデュラム召喚とシンクロ・エクシーズ召喚
アニメの新シリーズに合わせて登場したという点で、P召喚はシンクロ召喚、エクシーズ召喚と近い立場にある。しかし、今までのシンクロ召喚やエクシーズ召喚、あるいは融合召喚や儀式召喚は、どれも専用のモンスターが存在し、それを出すための手段という扱いであったのに対し、P召喚は、出したいモンスターのためにPモンスターという手段が存在するという形で、反対になっている。
そのため、P召喚を行うだけでは、専用の強力モンスターを出すことはできず(もちろん、召喚制限を持っていない任意のモンスターが出せるので、強力モンスターを持ってくることはできる)、どちらかというと、P召喚でシンクロ・エクシーズ召喚のための素材を用意するなど、補助的な役割が強い。
Pモンスターは基本的にはただのモンスターであり、融合・儀式・シンクロ・エクシーズモンスターとは異なり、「特殊召喚モンスター」にも分類されない。そのため、特にテキストに書いていない限り通常召喚が可能。この点も、今までの特殊召喚とは異質な点。
また、これまでのOCGのカードは、エクストラデッキのカードとメインデッキのカードは明確に区別されていた(融合・シンクロ・エクシーズモンスターがメインデッキに入ることはあり得ず、その逆もあり得ない)が、Pモンスターはメインデッキのカードでありながら、場合によってはエクストラデッキにも入り得る。
基本的にP召喚以前から存在する既存のカテゴリはP召喚を用いずとも形になるように構成されており、これまでに考案されてきたデッキも当然ながらP召喚の存在は想定していない。
登場直後の段階だと、Pモンスター自体が少ないため、既存のデッキにP召喚を組み込むという形にしかならないが、そのデッキは元々P召喚がなくとも形になっており、P召喚専用のカードの投入による手札事故(狙いのカードが来ないこと)のリスクを考えると、結局Pモンスターの投入は見送るということになりがち。
また、P召喚は手札のモンスターを吐き出すためどうしてもカード消費が激しくなり、その損失を補うだけのものがないと手が伸びにくいということもある。
最初期は上記の弱点を克服できるものがなかったため、第8期までのテーマや融合テーマのシャドールなどが環境にいたが、サーチやドロー効果を持ちカード消費を補えるクリフォートが登場すると、環境上位にペンデュラム召喚が現れた。あくまでテーマ内のサポートのため、多様なペンデュラム召喚とはいかないが、シンクロ・エクシーズ召喚とはそもそもの性質が違うため、これも致し方ないことかもしれない。
シンクロ召喚の場合、既存のデッキにチューナーを組み込むだけで利用可能になり、エクシーズ召喚の場合はレベルを揃えさえすればよいという、既存カードと組み合わせられるデザインだった(それでも新規カードの台頭は避けられなかったが、既存のデッキにも恩恵をもたらした)。
しかし、ペンデュラム召喚の場合、その大きな利点に、エクストラデッキからペンデュラムモンスターをペンデュラム召喚することで再利用可能というものがあるため、この恩恵を受けられない既存カードとは組み合わせにくい。そのため、最初からペンデュラム召喚のためにデザインされていない旧テーマと結びつきにくく、ペンデュラムのために生み出されたクリフォートなどでしか利用されないということになるのかもしれない。
スケールの幅が大きくなるようなペンデュラムモンスターには、特定のモンスターしか特殊召喚できなくなるデメリットの付いたものが多く(上記クリフォートもその一つ)、そもそもテーマ外への輸出が行えないデザインのものが多い。
ペンデュラム召喚と新マスタールール、リンク召喚
しかし新マスタールールとそれに関わるリンク召喚の登場で、ペンデュラムに逆風が吹くこととなる。
以下の通り、新マスタールールのルール変更がペンデュラム召喚のそれまでの利点を潰すこととなる。
- Pゾーンが魔法・罠ゾーンと共用となる
ペンデュラムを使用するデッキは魔法・罠ゾーンの使用が制限される。これにより、ペンデュラムサポートのあるクリフォートや宝玉獣はその煽りを食らうこととなる。 - エクストラデッキからの特殊召喚時、EXモンスターゾーンかリンク先にしか置けない
繰り返しの大量展開を得意としていたP召喚だが、エクストラデッキのカードを直接呼び出すことができなくなり、エクストラデッキから手札に回収する、大量展開前にリンクモンスターを先出しするなどの手間が必要になり、アドバンテージ回収が困難になった。特にアドバンテージ回収の起点をP召喚に頼るイグナイトは致命傷を負うこととなった。
以上のことから、ペンデュラム召喚を主体とする戦術はそのままでは通用しなくなり、見直しを余儀なくされることとなっている。
アニメにおける扱い
揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!
ペンデュラム召喚!
アニメ「アーク・ファイブ」で登場する新たな召喚方法。放送開始前から、「決闘革命」などと謳い、このP召喚を強く打ち出していた(ただし、「決闘革命」には、アニメオリジナルの「アクションデュエル」も含まれる)。
作中では遊矢がストロング石島とのデュエル中に、謎の力で手札のカードがPモンスター(遊矢は「ペンデュラムカード」と呼んでいる)に書き替わり、P召喚が行えるようになった。この時点では誰一人として存在を知らなかった謎の召喚方法とされている。このあたりは過去作品におけるシンクロ・エクシーズ召喚と扱いが異なる(5D's、ZEXALでは、召喚方法自体はストーリー開始時点で広く普及していた)。
そのルールについては、初めは遊矢ですら手探りといった状況であったが、レオ・コーポレーションではペンデュラムカードの研究が進められて、オリジナルのペンデュラムカードを作成できるようになった。舞網チャンピオンシップでは大会用のアンティカードとして大量にばらまけるほど量産している。
アーク・ファイブの世界では召喚方法ごとに別の次元(世界)が存在するようで、「融合次元」、「エクシーズ次元」と言ったものが確認できるが、当時「ペンデュラム次元」なるものは語られておらず、遊矢たちの世界は「スタンダード」と呼ばれている。
召喚方法によって世界が分かれている理由、なぜペンデュラム召喚が突如出現したのかがストーリー上の大きな謎かと思われていた。
PモンスターをPゾーンに置くことを、アニメでは「ペンデュラムスケールをセッティング」と表現する。Pゾーンはデュエルディスク上のモンスターゾーンのさらに外側にあり(OCGと違い、魔法&罠カードはディスク表面に置かずにカードスロットに入れるので、Pゾーンとモンスターゾーンは横一列に並んでいる)、両側にセットするとその間のモンスターゾーンに「PENDULUM」の文字が現れる。
ペンデュラム召喚を行う際には、個々のモンスターとは別に召喚自体に口上が付く。たとえば、この項の最初に書いてあるのは遊矢のペンデュラム召喚の口上であり、どのモンスターをペンデュラム召喚するかにかかわらずこれが共通である。
かんたんマスター!ペンデュラム召喚!
「スターターデッキ2014」に付属するダウンロードコードを入力することでダウンロードできるニンテンドー3DS用ソフト。単体販売はされていない。タイトルの通りペンデュラム召喚の方法を簡単に学べる。
詳細は「遊戯王ARC-V オフィシャルカードゲーム かんたんマスター!ペンデュラム召喚!」を参照。
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