レノファ山口FCとは、山口県全19市町を本拠地とするJリーグ所属のプロサッカークラブである。
概要
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1949年に山口県教員団として発足。2006年にJリーグ参入を目指して現在の名前に変わり、クラブが創設。2015年にJ3リーグに昇格し、Jリーグに加盟。
チーム名の由来は「維新」を意味する「renovation」の「レノ」と「fight」「fine」の「ファ」を合成したもの。オレンジをベースとしたエンブレムは、山口のランドマークといえる瑠璃光寺五重塔がモチーフ。また、「維新」の原動力となった長州藩の紋章をアレンジし、サッカーボールの模様にしている。クラブマスコットは、戦う“獅子”と維新の“志士”をモチーフとした「レノ丸」。
ホームタウンはJリーグ準加盟時には山口市のみだったが、その後下関市や宇部市といった山口県内の主要都市が追加となり、2017年3月21日に山口県内の全19市町村がホームタウンとして追加された。
歴史
2006年に山口教員団を母体とし、山口県からJリーグを目指すクラブとして創設。
元々長らく中国サッカーリーグの中堅どころとして活動してきたチームは本腰を入れて強化をし始めると、3年目の2008年には中国リーグ初優勝。前途洋々かと思われたが、ここで全国地域サッカーリーグ決勝大会で4位に終わりJFL昇格を果たせなかったのがケチのつき始めだった。2009年・2010年も全国地域サッカーリーグ決勝大会に進むも1次ラウンドで敗退。2011・2012年は中国リーグの勝ち抜けもかなわず、あと一歩のところでJFL昇格を逃し続けていた。
2013年も中国リーグで4位に終わっていたが、全国社会人サッカー選手権で優勝して全国地域サッカーリーグ決勝大会への出場権を勝ち取ると、1次ラウンドで敗退したもののJ3ライセンスをこの年に取得していたこともあって推薦枠のような形で2014年のJFL昇格が認められた。
そして2014年、成績面・その他諸々のJ3昇格条件をクリアし、見事J3昇格を果たす。なお、JFLでは年間成績4位(1stステージ6位・2ndステージ2位)且つ「Jリーグ百年構想チームの中での年間成績1位」となり、J3創設以降のJリーグ昇格第1号となった。
衝撃が走ったJ3"初"参戦
さて、お待ちかねのJ3初参戦なのだが、振り返ればこのチームはギリギリでJFLから昇格してきたのだ。な~に、そんなに簡単に通用せんて・・・
・・・などと思ってたら、気づけば他のチームは山口に独走されていた。富山も鳥取も町田も長野も置いてきぼりに。こんな状態になってしまうとは、J3に注目していたファンには正に衝撃が走ったのだ。
"ちょっとまて!?あいつらJFLでは4位だったんだろ!?なんであんなに強いんだよ!?チームプロフィールを詐称したのか!?"とか思いたい人も当時は居ただろう現実なんだ。よく考えたらJFLで4位に上がってきただろうとか関係無しに最初は皆スタートラインは同じなのである。というか今までJFLで4位の成績でJリーグに昇格してきたチームって、すべからずJ2以上に留まっているんだよなぁ・・・。松本山雅FCなんてJFLからJ2へ昇格してから3年でJ1に行った経験があるし・・・。
そんな最中、簡単に許さないチームが居た。FC町田ゼルビアである。彼らはシーズン終了間際に、その執念で勝ち点差を縮めてゼロにしてきたのである。
その後の最終節、町田は長野との対戦で勝ち点1をゲットし、暫定ながら遂に勝ち点差をひっくり返し首位に躍り出る。しかし、この時、町田と同時に試合開始していた山口vs鳥取はまだ終わっていなかった。後半アディショナルタイムの最中、負傷した選手が出たため、アディショナルタイムが延長されていた。なお、そんなこととはつゆ知らず、誤報もあって自分たちが自動昇格を掴みとったと舞い上がる町田の人々・・・。
そして、山口はアディショナルタイムが過ぎようとした瞬間、点を取ってこいと上野監督に投入された主将・平林輝良寛の執念のゴールにより同点に追いつき、試合終了。山口も勝ち点1を積み上げ、そして膨大な得失点差によってJ3初参戦初優勝を成し遂げて、2016年からのJ2初参戦が決まったのだった。
このゴールについて平林は「ボールが来たら絶対にシュートを打とうと思っていた。本当に気持ちを込めたシュートでした。」と振り返っている。
J2昇格後
- J2昇格後もJ3時代と同じく「攻撃的なパスサッカー」を継続。J2初年度の2016年はシーズン序盤こそ台風の目となっていたが、攻撃パターンを研究された後半戦以降は勝ち星を伸ばせず、12位で終える。
- 前年になまじいいサッカーを披露したことが災いしてか、2017年は主力のほとんどが引き抜かれてしまい、ほぼ別チームのようになってしまう。そのため6月の時点で最下位にまで転落するなど低迷。最終的に20位とギリギリでJ2残留を果たす順位となった。
- 前年からコーチ陣を全て一新した2018年、前JFA技術委員の霜田正浩が監督に就任。オナイウ阿道、坪井慶介、小野瀬浩介といった実力者が加入し、前半戦を2位で折り返す快進撃を見せる。しかし、小野瀬がシーズン途中にガンバ大阪に引き抜かれると、14試合未勝利と大きく失速。一度は期待を膨らませたJ1昇格争いからも脱落する。それでもチーム最高順位となる8位でシーズンを終える。
- 2019年も引き続き攻撃的なサッカーを継続するも、若手主体となった守備陣が未熟さを露呈し15位と低迷。2020年も同じく守備の脆さがチームの足枷となってしまい、リーグワーストの74失点で最下位に低迷。新型コロナウィルス感染拡大による特別措置によって降格だけは免れた。
- 2021年より課題である守備の建て直しを期待され、前ベガルタ仙台監督の渡邊晋が監督に就任。関憲太郎、渡部博文の加入によって守備は改善されたが、今度は得点力不足が問題となりチームは低迷。残留争いに巻き込まれた9月に渡邊監督は退任し、後任に名塚善寛ヘッドコーチが昇格。最終的に第41節でJ2残留を決め、15位でシーズンを終える。
- 2022年もなかなか浮上のきっかけを掴めないまま16位で終了。
- 2023年も序盤で躓き、5月8日に名塚監督を解任。コーチの中山元気が暫定的に指揮を執った後、フアン・エスナイデルが監督に就任。エスナイデルの就任よって守備は改善されたものの、リーグワーストタイを記録するなど得点力不足は解消できず、J2残留圏ギリギリの20位でシーズンが終了。
- 2024年は前FC大阪監督の志垣良が監督に就任。開幕前はJ3降格を予想する声もあったが、志垣新監督はチームにハードワークを駆使した組織的な守備を植え付け、従来の繋ぐサッカーからロングボールを活用した縦に速いスタイルに変更。これにより、前半戦はPO圏内の5位で折り返す快進撃を見せる。しかし、夏にロングボールのターゲットとして躍進を支えていた梅木翼が仙台に引き抜かれたことでチームの再構築を余儀なくされてしまい、後半戦は失速。第29節から6連敗を喫したことで昇格争いからは脱落。それでも11位と2019年以降最高の順位で終える。
タイトル
現在の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | 志垣良 | 1980.5.9 | 2024 | FC大阪 監督 | 【新】 | |
1 | GK | チェ・ヒョンチャン | 2001.3.12 | 2023 | 鮮文大学校 | ||
2 | DF | 高橋秀典 | 1998.4.18 | 2021 | 大阪体育大学 | ||
3 | DF | ヘナン | 1996.7.28 | 2018 | フォス・ド・イグアスFC | ||
4 | MF | サーラット・ユーイェン | 1992.5.30 | 2024 | BGパトゥム・ユナイテッドFC | 【レ】 | |
6 | DF | キム・ボンヨン | 1990.7.29 | 2023 | 慶南FC | ||
8 | MF | 佐藤謙介(C) | 1989.1.19 | 2019 | 横浜FC | ||
9 | FW | 若月大和 | 2002.1.8 | 2024 | 湘南ベルマーレ | 【完】 | |
10 | MF | 池上丈二 | 1994.11.6 | 2017 | 大阪体育大学 | ||
11 | MF | 田中稔也 | 1997.12.2 | 2023 | ザスパクサツ群馬 | ||
13 | DF | 板倉洸 | 1998.4.6 | 2024 | FC大阪 | 【完】 | |
14 | DF | 沼田圭悟 | 1990.7.24 | 2023 | FC琉球 | ||
15 | DF | 前貴之 | 1993.9.16 | 2022 | 松本山雅FC | ||
16 | MF | 吉岡雅和 | 1995.3.5 | 2022 | アビスパ福岡 | ||
17 | MF | 石川啓人 | 1998.7.16 | 2021 | ロアッソ熊本 | ||
18 | MF | 相田勇気 | 1998.8.3 | 2024 | ヴァンラーレ八戸 | 【完】 | |
19 | FW | 山本駿亮 | 1999.3.24 | 2024 | 鹿児島ユナイテッドFC | 【完】 | |
20 | FW | 河野孝汰 | 2003.8.12 | 2020 | レノファ山口FC U-18 | 【H】 | |
21 | GK | 関憲太郎 | 1986.3.9 | 2021 | ベガルタ仙台 | ||
22 | GK | 糸原紘史郎 | 1998.2.25 | 2024 | ガイナーレ鳥取 | 【完】 | |
26 | GK | 田口潤人 | 1996.9.28 | 2024 | FC琉球 | 【完】 | |
28 | MF | 小林成豪 | 1994.1.8 | 2020 | 大分トリニータ | ||
30 | MF | 奥山洋平 | 1999.10.28 | 2024 | FC町田ゼルビア | 【レ】 | |
33 | MF | 山瀬功治 | 1981.9.21 | 2022 | 愛媛FC | ||
37 | MF | 田澤交平 | 2001.10.9 | 2024 | 中央大学 | 【卒】 | |
38 | FW | 末永透瑛 | 2005.10.13 | 2024 | レノファ山口FC U-18 | 【昇】【H】 | |
40 | DF | 平瀬大 | 2001.3.28 | 2023 | サガン鳥栖 | ||
41 | DF | 下堂竜聖 | 1996.4.17 | 2024 | カターレ富山 | 【完】 | |
42 | MF | 小澤亮太 | 2002.12.20 | 2024 | 日本体育大学(在学中) | 【特】 | |
43 | DF | 磯谷駿 | 2002.7.30 | 2024 | 福岡大学(在学中) | 【特】 | |
48 | DF | 新保海鈴 | 2002.8.16 | 2021 | いわてグルージャ盛岡 | 【復】 | |
49 | DF | 峰田祐哉 | 2002.12.11 | 2024 | 大阪体育大学(在学中) | 【特】 | |
51 | FW | 酒井宣福 | 1992.9.11 | 2024 | 名古屋グランパス | 【レ】 | |
55 | MF | 五十嵐太陽 | 2003.4.14 | 2023 | 川崎フロンターレ | ||
68 | FW | 野寄和哉 | 2000.6.26 | 2023 | 大阪体育大学 | ||
94 | FW | シルビオ・ジュニオール | 1994.5.4 | 2023 | ペルシカボ1973 |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
過去に所属したおもな選手
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歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
宮成隆 | 2006年~2009年 | 中国リーグ優勝(2008年) | |
月岡利明 | 2010年~2011年 | 中国リーグ優勝(2010年) | |
河村孝 | 2012年 | ||
中山元気 | 2013年 | JFL昇格(2013年) | |
上野展裕 | 2014年~2017年5月 | ・J3昇格(2014年) ・J3優勝&J2昇格(2015年) |
|
猿澤真治 | 2017年5月 | 監督代行 | |
カルロス・マジョール | 2017年6月~12月 | ||
霜田正浩 | 2018年~2020年 | ||
渡邊晋 | 2021年~2021年9月 | ||
名塚善寛 | 2021年9月~2023年5月 | ||
中山元気 | 2023年5月~6月 | 暫定監督 | |
フアン・エスナイデル | 2023年6月~12月 | ||
志垣良 | 2024年~ |
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