TVアニメはモノクロ版とカラー版の2作が存在している。モノクロ版が1968年4月から1969年3月にかけてTBS系で放送。15分2話構成で全48回96話。東京ムービーとスタジオ・ゼロ制作。
カラー版は1980年9月から1982年9月にかけて、15分2話構成で全94回188話をテレビ朝日系で放送。制作はシンエイ動画。劇場版として『怪物くん 怪物ランドへの招待』(1981年)と『怪物くん デーモンの剣』(1982年)の2本が公開された。
2010年4月から6月にはドラマ版が日本テレビ系列で放送。2011年10月には映画版に先駆けて新作のスペシャル版が放送され、翌月に劇場版が公開された。なお、スペシャル版にはⒶ先生が出演されていたりする。
概要
怪物たちの王国「怪物ランド」から人間界へ修行にやって来た不思議な少年、怪物くんとそのお供であるドラキュラ、オオカミ男、フランケンの3人、そして怪物くんと友達になった人間のヒロシが巻き起こす騒動を描くギャグ漫画。
怪物くんらの人間界での珍騒動を描く傍ら、人間界で悪事を働く悪魔組織「デモーニッシュ」及び妖怪や宇宙怪物との戦いを描く。
登場人物
- 怪物くん(演:白石冬美/野沢雅子/大野智)
- 本名:怪物 太郎。怪物たちの国「怪物ランド」を総べる怪物王家の王子。
- お供の3匹からは「坊ちゃん」と呼ばれている。見た目は小柄な人間の少年だが、手足を自由に伸ばし、様々な顔や姿に変身するなど、多くの念力を中心とした超能力を持つ。常に帽子を被っており、どんな時も外さない。短気でわがままな性格であり、それを諌める者を「うるさーい!」と一喝する。あんみつとラーメンが大好物。弱点は雷で、雷鳴を聞いただけですくんでしまって何も出来なくなる。
- 白石冬美はパタリロと並んでこの役がお気に入りで、カラーアニメ版でも同役を演じたいと熱望したが実現できずに嘆き悲しみ、カラー版で演じることになった野沢雅子奪ったようで申し訳ないと詫びを入れに行ったが、白石は「野沢さんがやるならいい!」と思ったという。二人はドラマ版での大野智の演じ方にも高評価を出している。
- ドラキュラ(演:大竹宏/肝付兼太/八嶋智人)
- 元ネタは『吸血鬼ドラキュラ』。
- 怪物くんのお供の一人で教育係だが、あまり言う事を聞いてもらえていない。黒いシルクハットとマント、モーニングコートを普段着としている。潔癖でプライドが高く、キザで欲深な面もある。
- 吸血鬼だが吸血行為を禁じられており、代りにトマトジュースを飲んでいる。下僕として吸血コウモリを使役し、主に偵察を任せる。ニンニクと十字架と日光に弱いが、怪物ランドでは日中でも活動可能。人間界では昼は地下室の棺桶で眠り、夜に活動する。ほぼ不死身のため普通の銃火器などでは怪我はしても死に至らず、他の原因で何度死んだと思われても、仮死状態で生き返ることができる。
- 一人称は「アタシ」で、語尾に「~ザマス」または「~ザンス」をつけて話す。
- オオカミ男(演:兼本新吾/神山卓三/上島竜兵)
- 元ネタは『狼男』。
- 怪物くんのお供の一人で、怪物屋敷の食卓や家事を担っている。気さくで人がよく、世話好き。普段の姿は坊主頭の人間だが、満月や丸い物を見ると全身が獣毛に覆われて狼に変身する。ただし単なる丸い物(切り株など)の場合、中途半端な変身となる。変身すると爪による攻撃と素早さものを言わせるが、変身しないとほぼ人間並みの能力しか持たない。
- 怪物ランドでは著名な料理人で、変身さえしなければ人間界の飲食店でもプロ級の料理人として認められる腕前だが、月見うどん等の卵黄を見ても変身してしまうため、人間達と共に仕事として厨房で料理の腕を振るうのは困難な面もある。
- 一人称は「わし」または「あっし」で、語尾に広島弁のように「~ガンス」とつけて話す。
- フランケン(演:今西正男/相模太郎→ 兼本新吾/チェ・ホンマン)
- 元ネタは『フランケンシュタインの怪物』。
- 怪物くんのお供の一人。大柄で強面だが、のんびり屋で心優しく繊細で泣き虫。頭は弱いが、怪力と手先の器用さを生かし、主に屋敷の手入れや買い物の荷物持ちを担当する。青いコートに赤と黄色の縞模様(ドラマでは白と黒の縞模様)のシャツを着た姿。
- ドラキュラとは違う意味で不死身に近いが、死亡または破壊された場合は自力の復活はできず、電力エネルギーを与えられて修復されれば何度でも生き返ることが可能。基本ドイツ語で「空腹」を意味する「フンガー」としかしゃべらないが怪物同士では話が通じており、怪物ランドの息子に宛てて書いた手紙も「フンガー」をいくつも書き並べただけの文章だったが本人曰くこれで相手に伝わるとのこと。ちなみに家族は普通にしゃべれる。ドラマ版では「でくの坊」と言われると激怒する。
- 市川ヒロシ(演:松島みのり/三輪勝恵/濱田龍臣)
- アパート「アラマ荘」の一室に姉の歌子と2人で住んでいる小学生。弱虫で冴えない上、よく番野やキザオにいじめられているが、常識人の感性を持っており、温厚で気のいい少年。ふとした切っ掛けで怪物くん達と仲良くなったことにより、様々な事件に巻き込まれていく。初めて見る怪物には気絶するほど驚くが、一度知り合うと仲良くやっている。事件の発端となる情報を持ち込むことが多い。
- 市川歌子(向井真理子/川島千代子/川島海荷)
- ヒロシの姉。会社勤めをしつつ弟の面倒を見ている、
- 明るく思いやりがある上に面倒見が良く、とてもしっかりしている。旧アニメでは「すず子」という名前。ドラマ版では怪物くんに好意を抱いている節があり、怪子に焼きもちを焼いていた。
- 怪子(演:増山江威子/同左/ベッキー)
- 怪物ランドの名門貴族ゴーリキ公爵家の一人娘。怪物くんのガールフレンドで婚約者。
- 外見は人間と変わらない金髪ショートヘアの美少女だが、怒ると髪の毛を自由自在に伸ばして振り乱し、どんな重いものでも絡め取る。その力も非常に強く、怪物くんですら手に負えなくなる。
- アコちゃん(演:恵比寿まさ子/潘恵子)
- ヒロシのガールフレンド。
- 優しくてしっかり者だが、時折気が強い所を見せる。原作では怪物くんの正体を知らないが、アニメカラー版では終盤で知らされている(怪物くん自身も最終回で怪物ランドに帰る際に、アコちゃん、番野、キザオに人間界での友達としてよろしく伝えてほしい旨をヒロシに頼んでいた)。
- アコちゃん、番野、キザオの三名はドラマには登場せず。
- 番野(演:肝付兼太/山下啓介→鈴木清信)
- 学校のガキ大将。キザオの他に手下的な存在の男子が3人いる。ヒロシをいつもいじめているが、基本的に小心者である。怪物絡みでしばしば騒動を引き起こす。
- キザオ(演:堀絢子/はせさん治)
- 番野の腰巾着でいつも彼とつるんでヒロシをいじめるが、後で怪物がらみでしっぺ返しを喰うことがほとんど。裕福な家庭らしく、いつも自慢している。
- 怪物大王(演:高塔正康/金井大/鹿賀丈史)
- 怪物くんの父親で怪物ランドの最高権力者。
- 怪物たちの戦争を平定させたことから怪物たちからは最も恐れられつつも篤く敬われている。基本的には公明正大な心の持ち主で、怪物ランドの内部で争いやもめ事が起こった場合には真面目な態度で問題解決に取り組み、公正な裁きを下している。一方で息子同様に頑固で短気な上に思い付きで変なイベントを企画する気まぐれな一面もあり、寂しがり屋で子煩悩な所もある。
- プリンス・デモキン(演:喜多道枝/山田栄子/松岡昌宏)
- 怪物ランドと敵対する悪魔ランドの王子。
- 父は悪魔ランドの支配者にして悪魔組織デモーニッシュの首領・大魔王デーモン。自分をかまってくれないデーモンに反発しており、悪魔ランドへ乗り込んで来た怪物くんを気に入って案内し怪物大王にかけた呪いを解かせ、父を改心させる。これを切っ掛けとして時々人間界へ遊びに来るようになるが、怪物くん以上の世間知らずのためによく騒動を起こす。
- 後に彼が主人公の漫画『プリンスデモキン』というスピンオフ作品が連載された。性格は短気で前述のように世間知らず。その一方で義理に厚いなど怪物くんとの共通点が多い。
- ドラマ版では大魔王デーモンは登場せず、ギャグ的要素皆無の冷酷非情な悪役として描かれており、彼がラスボスとなっている。
関連静画
関連項目
- ドラえもん・・・藤子・F・不二雄の作品。ひみつ道具に「怪物くんぼうし」があり、怪物くん本人もカメオ出演したことがある。
- 怪物王女・・・主人公と仲間3人は本作のパロディ。単行本の帯に藤子不二雄Ⓐの紹介分が乗った事もある。
- らき☆すた・・・1クール目OPは本作カラーアニメ版OPのパロ。
- 漫画作品一覧
- アニメ作品一覧
- 2
- 0pt