髙寺成紀(たかてら しげのり)とはテレビドラマプロデューサーである。
元東映及び元角川書店プロデューサー。
主に特撮の分野で活動している。
苗字の呼び方について、よく「たかでら」と呼ばれるが、正しくは「たかてら」との事である。
概要
1962年生まれ。
一浪の末、早稲田大学社会科学部に入学。早稲田大学の特撮サークル『怪獣同盟』の創設者としても知られ、後輩には多くの平成ライダー作品の監督を務める田崎竜太、東映のプロデューサー塚田英明がいる。
1986年に大学卒業後、東映に入社し、翌年には『仮面ライダーBLACK』のプロデューサー補を勤める。
90年代に入り、『美少女仮面ポワトリン』よりプロデューサーに就任、1996年スーパー戦隊シリーズのチーフプロデューサーに昇格し、問題作と言われた『激走戦隊カーレンジャー』を作り上げた。
2000年に平成仮面ライダーシリーズ第1弾『仮面ライダークウガ』を製作。
2005年に『仮面ライダー響鬼』の29話を最後に降板、翌年東映を退社し、角川書店に転職。
2015年にKADOKAWAを退職。その後、2023年に移った先である角川大映スタジオを定年退職した模様。
作風
面白いと思ったことなら、例え周囲の反発を食らおうが、制作費が破綻しようが、自分の考えを貫こうとする頑固なところがある。
高寺が手がけたスーパー戦隊シリーズでは敵組織の女性幹部にAV女優(現役含む)を採用したり、「カーレンジャー」では徹底的にギャグ路線にして従来のファンから反感を買ったりしたが、設定に関して規則性など細かく決めたり、丁寧に纏め上げ、特撮番組にありがちな矛盾を排除し時間をかけてまで製作。これにより新たなファン層を獲得に成功する。
上記のように一度やると決めたら、例え周囲の関係者を敵に回そうが一切の妥協を許さずにやってしまう傾向がある。
(但し『ギンガマン』では巨大ロボ戦を廃止して星獣戦のみでストーリーを勧めようとしたが、メインスポンサーであるバンダイの怒りを買って断念した事がある。)
特に平成ライダーシリーズでは、『仮面ライダークウガ』で脚本作りに時間をかけ過ぎた為に、撮影スケジュールに遅れが生じてしまって東映内部で大問題となった。
11話以降チーフプロデューサーに鈴木武幸とサブプロデューサーに白倉伸一郎を迎え、高寺を外す話になっていたが、白倉が連れてきた井上敏樹がクウガの台本を読んだ上で、クウガの方向性を変えようとする鈴木の考えに反対、高寺とシリーズ構成の荒川稔久の作風を支持し、結果的に高寺が最終話まで残る事になったが、2005年の『仮面ライダー響鬼』まで製作に関る事はなかった。
2005年、『仮面ライダー響鬼』のチーフプロデューサーを任される事となったが、ここでも予算を過剰に使い、脚本作りに時間をかけ過ぎてスケジュールが遅れる等の問題を起こし、遂に29話を最後に降板、30話以降は白倉伸一郎がチーフプロデューサーとなったが、作風に変化が現れた為、ネット上で物議を醸す結果となり、劇場版公式HPが大荒れする事態となった。
2006年東映を退職し、角川書店に転職。
東映を退社した理由は明かされていないが、高寺によれば関係者との不仲ではないとTwitter上でツイートしている。
角川では「特撮ニュータイプ」の編集部に勤務しつつ、2010年には『大魔神カノン』のチーフプロデューサーを務めた。
2009年に名刺上の名義を高寺重徳に変更後、2012年に再び本名に変更。以後、各種メディア等でこの名義で通している。
人物
- 自他共に特撮オタクである事を認めており、曰く「円谷育ちなので東映作品を下に見てしまう」との事らしい。
- オダギリジョーとはクウガが終了した現在でも付き合いがあるとの事で、インターネット上で流れている「オダギリがクウガに出演していた事を黒歴史にしている」と言う噂に関してアンチが作った悪意ではないかと批判している。
- アニメは普段殆ど見ないそうだが、『マジンガーZ』の大ファンでカーレンジャーで「バリンガーZ」と言うマジンガーZにそっくりな敵ロボットを出し、撮影までし、一部の児童誌で写真まで掲載したものの東映の上層部から自粛命令を出された事でお蔵入りになった。
また、角川書店に転職してからは「涼宮ハルヒの憂鬱」だけは全話見たとの事。 - カメラマンのいのくままさおの証言によれば、高寺がチーフPになってから戦隊シリーズの巨大戦のミニチュアの作りが細かくなり、巨大戦のオープン撮影も増えたとのこと。その時の高寺の印象について「細かい事に拘る人だなあ」と思ったとか。
- そのいのくまから「超力戦隊オーレンジャー」製作当時、中盤からロボットや武器が多数登場した為に「俺達は玩具のCMを撮ってるわけじゃない」と苦言を呈された事がある。
高寺によれば「オーレンジャー」当時はキャスティングを担当していたそうで、ストーリーなどの製作には関れなかったとの事である。 - 西川伸司が『マガジンGREAT』誌で執筆し、高寺を主人公にした読みきり作品『日本特撮映画師列伝・10 SFXのサムライ5・仮面ライダークウガ』がクウガ終了後に2回に分けて連載されたが、西川によれば「絶対に単行本に収録されないだろうし、東映が絶対に許可しない」との事で、Jコミに掲載することすら不可能であるとコメントしている。
- Wikipediaの高寺の項目に以前記載されていた「『新機動戦記ガンダムW』のプロデューサーであった植田益朗との対立」に関しては「会った事もないのに何であんな事が書かれているのだろう?」と不満を述べている。
参加作品
チーフプロデューサー作品
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
- 大魔神カノン公式ホームページ
- 「大魔神カノン」公式アカウント (daimajinkanon) on Twitter
表向きはカノンの公式アカウントという事になってるが、高寺が頻繁に使用していることが多く、高寺個人のアカウント状態になっている。これは番組終了後に高寺がこのアカウントを削除しようか考えていたところ、ファンから「続けて欲しい」と言う要望が殺到した為、現在も継続して使われており、東映時代の製作エピソードを語っている事もある。 - 高寺成紀 (taka_69s) on Twitter
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