"But you should know,
Celeste Mountain is a strange place.
Things you ain't ready to see."
ま、一応忠告しとくけども、
セレステ山てのは、摩訶不思議な場所でね…
…なんか、”視る”かもしれないよ。
アンタが見たくないもんをね。
「Celeste」はカナダのインディーズゲームスタジオMatt Makes Gamesが開発したアクションゲームである。Steam、itch.io、Xbox One、Nintendo Switch、PS4にてダウンロード限定で配信中。PS4/Switchではパッケージ版も発売されている。
概要
主人公Madelineを操作し、険しい「セレステ山」を登っていく2Dアクション。基本の操作はジャンプ・ダッシュ・壁張り付きの3種のみとシンプル、グラフィックもSFC時代のようなドット絵だが、可愛い見た目に寄らずステージギミックはかなり歯ごたえのある内容となっている。
一言でいえば「死に覚えゲー」。
残機の設定は存在せず、リトライ時もすぐ近くの地点にカンマ数秒で復活するため死にまくってもやり直しは簡単だが、それだけにセレステ山の地形は容赦ない。そうして「あとちょっとだったのに!」の悔しさ&「できた!」の達成感が頻発するため、プレイヤーは徐々にゲームにのめり込んでいく。収集要素も絶妙に危険な位置にあるため、クリアに必須ではないものの慣れてくると挑戦者の収集意欲を掻き立てる。
※ただし、どうにもならない場合の救済もありアシストモード(いわゆるチートモード)にてアクションを補うこともできる。
ストーリーもCelesteでは重要要素の一つであり、Madelineの「なぜ山に登りに来たのか」「自分とどう向き合うか」といった想いに対しての試行錯誤が登山を通して描かれる。
余談だが、死亡時にどっかで見たようなエフェクトで散る様や隠しアイテムの出し方など、他のゲームに対するオマージュが多数見られる。
最初の配信から1年以上経過した2019年9月に大型無料アップデートが配信され、ストーリー及びステージの追加&翻訳の修正(翻訳チームがハチノヨンに変更)がなされた。
登場人物
- Madeline(マデレン、マデリンなど。プレイ開始時に変更可能)
主人公。登山家ではないがセレステ山に登頂するため山麓までやってきた。道中で出会った人との会話や登山中の独白などで自分自身に対しての考えを見ることが出来るが、ある人物の評によると「己に対してこんなに腹を立てている人間は見たことがない」。
顔アイコンは童顔だが「車で来た」「お酒は少しは飲む」といった発言からプレイヤー間では19歳以上の成人であるという認識がなされている。(カナダではほとんどの州が19から飲酒可能)
※本編ややネタバレ→ パニック障害があり、発作が起きると呼吸困難に陥ってしまう。
- Theo(セオ、テオ)
セレステ山で出会った男性。インスタ映えするセルフィーを撮るため歩き回っている。登頂は「自分にはムリそう」と言い道中は同行したりしなかったりするが、Madelineの状態を知って適切に対応するなど懐が深い。なお旧訳版では「アレックスという名の姉がいる」と話しているが新訳で「妹」に修正された。
現実でもインスタのアカウントを持っている。(サントラを購入するとライナーノーツと共にインスタにあげられた画像+和訳されたテオのコメントが見られる)どうやら現在は投稿をしていない様子。
ツイッターアカウント持ちの例の彼女とは違い、ゲーム中にアドレスを喋ることはない。
Theoのインスタ→https://www.instagram.com/theounderstars/
- Old Woman(お婆さん)
セレステ山の麓に居を構える老女。先を行こうとするMadelineに謎の忠告をする。別ルートで登っているらしく行く先々に現れる。胡散臭い感じだが、ちゃんと見守ってくれているいい人。
アップデートで追加されたストーリーは彼女のことが主軸となっている。
- Mr. Oshiro (大城、オオシロ)
山の中腹にある廃ホテルに現れた幽霊。廃墟幽霊の自覚がないらしく、Madelineを宿泊させようと必死に勧誘を行う。制作者によると「誰か一人をモデルにしたのではなく、何人かの知り合いを基にした」とのこと。日本人なのかどうかは不明。アップデートに際し名前表記がカタカナになった。
- Badeline(もう一人の自分)
チャプター2で突如登場する不気味な容貌の女性。見た目はMadelineと瓜二つである。Madelineに登頂を諦めさせようと様々な手段を実行する。本人曰く「山の力で実体化したあなたの一部」。妨害に関しても「あなたを守っているだけ」と開き直る。ストーリーではこの”もう一人の自分”をどうするのか、という点が重要視される。旧訳→新訳にあたって最もキャラが変わった人。オレっ娘へのクラスチェンジに戸惑った人もいた模様である。
このBadelineという呼称は作中では出ないが、プレイヤー間や公式では普通に使われているようだ。
用語集
- セレステマウンテン、セレステ山
本作の舞台となる雪山。かつては開発しようとしたのか人の手が入っていた形跡があるが、今では寄り付く人も少ない静かな土地となっている。標高は約3,000mちょっと。途中に大きな谷がありそこはロープウェイで渡る。登頂するには自力で上がるしかないと思われるが、所々に昇降機らしいものが見られる。山頂付近にある謎の遺跡や、登っている最中に起きる不可解な現象からして、普通の山ではない様子。 - イチゴ
収集要素。各ステージに散らばっており取得すると何故か1000と表示される(このゲームにスコアは無い)。大半が取りにくい場所にあり、見えない部屋に隠れていたり、難しいアクションを要求するような高いところに配されている。また危険な場所にあるものは主人公が安全地帯に着地するまで入手扱いにならない。せっかく取ってもそのまま落下したらまたやり直し、ということである。
羽が生えているものは同画面内でダッシュした瞬間に飛び去る。いかにダッシュなしでたどり着くか考えなければならない。イチゴは一切取らなくてもクリアはできるが、エピローグでの一枚絵に影響するので集めたほうが吉。
※一度クリアした人向け↓
高難易度モード(C面)解放時には「ゴールデンストロベリー」がアンロック。一ミスもせずにチャプタークリアした場合に取得、という鬼のような要素が追加される。しかもA面・B面・C面全てに出現する。
更にアプデで追加されたチャプター9には赤でも金でもないイチゴがある。取得は大変難しい。
- クリスタルハート
各チャプターに1つ存在する、青いハート型の物体。道なりに進行しているとまず行かないようなところに置かれているが、イチゴと違い場所さえわかればアクション的にはなんとかなるものが多い。むしろ謎解きの方が難しい。
表クリアにもエピローグにも影響しないが、チャプター8と9後半のアンロックに必要なのでもっと高難易度のステージを求める人は収集しなくてはならない。セレステ山深部に慈悲は無い。 - カセットテープ
各チャプターに1つ存在する。取得すると高難易度ステージ「B面」がアンロックされ、そのチャプターのB面を遊ぶことが出来るようになる。取得すること自体もハードルが高く、カセットのある部屋では出たり消えたりするブロックの上を渡る必要がある。さしずめB面への登竜門のようなアイテムである。
余談
このゲームの初期開発版が本編内にオブジェクトとして置いてあり、発見時に遊ぶことが出来る。一度発見したのちは起動時のメニューからも遊べるようになる。これは制作者が4日間で作ったものとのこと。
開発当初、ゲームの名称は「Evelest」だったが、のちに制作者出身国のカナダに実在する山「Celeste」に変更となった。制作者サイドは名前だけ借りたので行ったことも見たこともないと話しているが、googlemapにおける山についてのコメントはほぼゲーム内容を絡めたおふざけレビューで埋まってしまっている。実際に登った人はいないのだろうか…。
→1934年に二人の登山家が登頂に成功しているとのこと。
開発者のインタビュー記事はこちら↓
・「Hello! インディー」第4回 開発者が語る『Celeste』の秘密。ゲーム設計のこだわりと、「コヨーテタイム」!?
ゲームのメカニズムについて解説した記事↓
・高評価アクションゲーム『Celeste』開発者が、“手触り“に関する極意を明かす。プレイヤーにストレスを与えないように取り組んだこと
客演
同じスタジオで開発されたゲーム「TowerFall Ascension」にて、プレイヤーキャラとしてMadeline、Badelineが選べる。原作では持てなかった弓で敵をバンバン射る。
続編(?)
2021年1月26日、Celeste発売3周年を記念し開発者Maddy ThorsonとNoel Berryによって「Celeste Classic 2」が発表された。これは上で記述したミニゲーム(=初期開発版)の後継であり、グラフィックもレトロなファミコン調のドットで描かれている。遊び方は本編と同じくジャンプ等のテクニックを駆使してステージを登っていくアクション。新たな動作として壁に引っかかるフックの使用が追加されている。
以前のインタビューにて「続編を制作する予定はない」との言葉が聞かれていたがツイッターの言葉曰く「クラシック版で作らないとは言ってない(意訳)」だとか。インディーズゲーム販売サイトitch.ioにて配信中。無料で遊ぶことが出来るうえ、ブラウザ上でもプレイできる。キーボードでもプレイできるが難易度が爆上がりするので覚悟して遊んでみてほしい。
関連動画
関連項目
- 死にゲー
- Matt Makes Games(現在開発者は自ら立ち上げた新スタジオExtremely OK Gamesに移行している)
- 登山
- イチゴ
- ゲームのタイトル一覧
- Steamで販売中のゲームの一覧
関連リンク
- http://www.celestegame.com/(公式サイト)
- Steam:Celeste(Steam配信ページ)
- https://mattmakesgames.itch.io/celeste-classic-2(Celeste Classic2がプレイ・DLできるページ)
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