ルセッティアとは (ルセッティアとは) [単語記事]

ルセッティア(RECETTEAR)とは、Easy GameS tationが制作した同人ゲームである。ジャンルは『アイテム屋さんRPG』。

アイテムや経営パートと、ダンジョン探索のアクションRPGの二つのパートが存在する。

概要

片田舎にあるけど割と大きな街「ハーツイーズ」を舞台に、失踪した父親が残した莫大な借金を返済するため、少女ルセットが借金の取り立てに来たフェアリー族のティアと一緒にアイテム屋を経営するゲーム。

1週間に1日借金返済日が設定されており、期日の行動終了時点で返済額が用意できないとゲームオーバーになる。ゲームオーバーになった場合は強くてニューゲームが自動で適用され、ほとんどの要素を引き継いだまま2日目に戻ることになる。借金が完済できるとエンディングとなり、以降は目標のないエンドレスモードとなる。ダンジョン完全攻略やアイテムコンプリートなど目標はあるが、途方もないいばらの道であることは覚悟する必要がある。

1日は朝・昼・夕方・夜の4コマで構成されており、お店を開くと1コマ、街で何らかのイベントや買い物をしてからお店に戻ると1コマ、ダンジョンに行くと2コマ経過する(市場や街のイベント経由で行った場合3コマ)。時間帯によってイベントや来店する客層も変化する。

ゲームモード

NEW GAME
初期状態からゲームを開始する。
強くてNEW GAME
一度ゲームオーバーかエンディングを迎えると解放。既存セーブデータから所持金と冒険者の名刺以外全ての状態を引き継いで最初からゲームを開始する。既存のNEW GAMEは「弱くてNEW GAME」表記に変更となる。
SURVIVAL MODE
エンディングに到達すると解放。本来の借金を返済した後も定期的に借金返済が行われる耐久モード。返済額もどんどん天井知らずに膨れ上がっていく。初期状態かデータ引継ぎで開始するかどうかを選択できる。
LOAD GAME
保存したセーブデータからゲームを再開する。
アイテム図鑑
これまで発見したアイテムを閲覧することができる。
REPORT
各種最高記録を確認できる。確認できるのは1周クリア成功時の最高スコア・最高所持金、サバイバルモードの耐久記録。
OPTION
音量とメッセージスキップの設定変更、セーブデータの削除ができる。キーコンフィグなどの細かい設定は別に行う。

アイテム屋パート

仕入れてきたアイテムを店先に並べ、お店を開いて借金返済のためのお金を稼ぐメインパート。

アイテムは市場で仕入れることも、冒険者を雇ってダンジョンで拾うこともできる。もちろん拾ったほうが仕入れ値タダなので断然お得。慣れてくるとダンジョンに一切行くことなくクリアすることも可能になる。

アイテムを店内の商品棚に陳列し、お店を開いてお客さんが商品を持ってきて売るのが基本。ゲームが進むとアイテムの買取や、リクエストに応じて商品をお勧めしたり、数日後に受け取る予約注文を受けるなど、できることが増えていく。またお店の模様替えや増築が可能になり、一度に多くのアイテムを陳列できるようになる。

販売するアイテムは定価こそあるもののすべて時価であり、毎回客と値段交渉を行うことになる。客によっては高値で売り付けることができる。主婦や幼女、特定キャラなどは結構シビアに値切ってくる。

最初の値段交渉での取引に連続で成功するとコンボが成立し、経験値ボーナスが加算される。うまくいけば普通の接客10回分以上の経験値を1度の接客で稼げる。経験値が一定以上になると商人レベルが上がり、仕入れられる商品のグレードアップや商売の幅が広がっていくため、特に序盤はコンボを意識して接客すると良い。

ある程度取引を重ねると商人レベルとは別にお得意様レベルが上がっていき、アイテム購入の予算が増えたり、価格交渉を複数回行えるようになる。最初は貧乏だったり予算の厳しいキャラクターであっても、お得意様レベルを上げれば多少高めの値段でも交渉に応じてくれるようになる。お得意様レベルは数字で確認することはできないが、交渉成立時にキャラクターからハートの吹き出しが出てきたときがレベルアップのサインになっている。

9日目以降は相場変動とジャンルブームが発生するようになり、時間コマが経過したときにニュース速報として告知される。高騰した商品は定価の200％、暴落した商品は定価の50％が基本価格となる。相場変動の影響を受けたアイテムは色が変わるのでわかりやすい。またブームになっているジャンルの商品を多く陳列していると、ブームに乗ったお客さんが大挙して店に押し寄せてくる。この場合専用BGMと大きなテロップで告知される。このときはほとんどのお客さんが特定ジャンルしか買いに来ないため在庫切れに注意。ただ事前に傾向が読みやすいため、コンボと売り上げを稼ぐチャンスでもある。

ダンジョンパート

ダンジョンパートはアクションRPGになっている。

ハーツイーズ周辺には多くのダンジョンがあり、冒険者ギルドで出入りが管理されている。このためダンジョン探索ができるのはギルドに登録された冒険者のみ。ルセットたちは冒険者に依頼してダンジョン探索に同行させてもらい、アイテムを仕入れることになる。なお冒険者ギルドには定休日が設定されている。

冒険者に依頼するためには本人から名刺をもらう必要がある。ダンジョン探索やイベントで知り合ってから来店してもらい、何度か売買して信用を得ることで名刺を貰うことができるようになる。後述の装備変更は名刺を貰ってから有効になる。

ダンジョン探索中、冒険者は探索に集中してもらうため、アイテムの管理はルセットたちに委ねられている。大体の場合、持ち切れない量のアイテムを拾うことになるため取捨選択は必須。素材の鑑定もルセットの役目だが、商人レベルが低いと鑑定できずに「謎の素材」と表示されてしまう。持ち帰った場合はギルドの鑑定士に全て鑑定してもらえる。

冒険者のサポートもルセットの仕事。HPとSP(他作品で言うMPのようなもの、特殊技を使うと消費される)を回復させるアイテムがあり、予め持ち込んだもの、ダンジョン内で拾ったものいずれも使用できる。冒険者にもレベルの概念があり、敵を倒すことで得られた経験値が一定以上になるとレベルが上がり、パラメーター強化とレベルによっては新たな特殊技を習得する。またレベルアップボーナスとして、HPとSPが全回復する。

ダンジョンは5フロアで1階層のセットになっており、1ダンジョンは複数の階層で構成されている。5フロアごとにボスが待ち受けており、ボス撃破後、このまま探索を進めるか探索を打ち切って街に戻るかを選択できる。再挑戦時は途中の階層からスタートすることも可能。

途中でHPが尽きてしまった場合リタイアとなり、冒険者に貸し出した装備を含めた持ち込みアイテム、拾ったアイテム全てが没収されてしまう。その中から1つだけ選んで持ち帰ることは可能だが、冒険者が稼いだ経験値以外は大きな損失となる。商人レベルが上がるとアイテム所持数と失敗時に持ち帰れるアイテムの数も増えていく。とはいえ拾い集めたアイテムが上限近くになったくらいで無理せず帰還した方が安全。

ダンジョンも複数あり、ゲーム内で条件を満たすと次のダンジョンが解放されていく。最終ダンジョン攻略はもはややりこみの領域で、ゲームクリアまでならその手前まででも十分。

冒険者たちは一定の初期装備を持っているが、基本的には初期の商人レベルで仕入れられるような最低ランクの装備なため、強力な装備を持っていくには次のいずれかをしなくてはならない。

ダンジョンに直接装備を持っていき、冒険者に貸し出す。
冒険者に前もって装備品を売り、初期装備を変更させておく。

ダンジョンに装備を持っていくやり方は元々の初期装備が捨てられないため、アイテム欄を圧迫させてしまうというデメリットがある。また途中で力尽きてしまった場合、前述の通り貸し出した装備も没収されてしまうため、可能な限り装備は予め売って変更させた方が良い。その商品を売って装備が強化される場合、交渉時右上に変化するパラメーターが表示される。この表示がない装備を売っても装備が弱体化することはない。冒険者の初期装備はステータス画面で確認できる。

冒険者によって変更できる装備は決まっており、また一部冒険者は非常に貧乏なため、採算度外視の安値で売らなくてはならないこともある。売りたい装備があってもなかなか相手がその商品を手に取ってくれないこともしばしば。

シナリオモードクリア時、最も親しい冒険者のプラチナ名刺を貰うことができる。本来引継ぎプレイをした場合、それぞれの冒険者から名刺を貰い直す必要があるのだが、プラチナ名刺を持つ冒険者には最初から依頼できる状態になっている。

登場人物

主人公と冒険者

ルセット　（CV：水月　蛍）: 蒸発した父の借金を返済するため、突然アイテム屋を経営することになった少女。いつも前向きでのんびり屋な性格。「ルセッティア」の店名は彼女のアイデア。看板をすぐに制作する等、手先は器用。また食べられる雑草・きのこの知識もある。実は足がとても速く、全キャラ中トップの俊足を誇る。
ティア　（CV:蛍灯　翔）: テルム金融からルセットの家に借金を取り立てに来た妖精。ルセットにアイテム屋になることを提案する。しっかり者のサポート役。ルセットに甘い言動がちらほら見られるが、返済日にお金を用意できないと容赦なく店と家を差し押さえる。
リュイ　（CV:栄人）: 最初に雇える貧乏な見習い剣士。リーチの広めのバランス型の剣士である。足は遅め。盾で正面からの遠距離攻撃を防ぐことができる。特に魔法遠距離攻撃を防げるのは彼のみ。本来冒険者にダンジョン探索を依頼するためには依頼料が必要だが、彼の場合のみ所持金が足りなくても依頼を受けてくれる。お得意様レベルが低いと予算が非常に少なく、売りつけたい装備をなかなか手に取ってくれない上、持ってきたとしても捨て値で譲渡する必要がある。
シャルム　（CV:蒼乃ヰ）: 女盗賊。全キャラ中最高性能のダッシュが非常に便利。宝箱のトラップも見抜ける。スキル「分身」が非常に強い。冒険者の中では金払いも良く、普通のお客と同等かそれ以上に高値の交渉が可能。夜は大抵酒場におり、主にナギと飲んでいる。盗賊になったのには何か理由があるようだ。
カイユ　（CV:小鳥遊える）: 魔道師の少年。魔法自体は強いが打撃は非常に弱い。打撃やSPを消費しない魔法を当てるとSPを吸収できる。大型の魔物がボスの場合、大抵はワンサイドゲームにできてしまう。ただし人型のボスの場合攻撃を当てにくく、自身の打たれ弱さもあり厳しい戦いになる。
ティエール　（CV:鈴木ななこ）: エルフの幼女。弓使いで、遠距離から一方的に攻撃できる。攻撃ボタンを長押しすることでチャージができ、チャージ量によって攻撃が変化する。チャージしながら移動もできる。近づかれてもスキル「戦闘モード！」があるので大丈夫。登場後は修行のため、ハーツイーズに滞在することになる。甘党で、ハーツイーズ全てのスイーツを制覇することが夢。
ナギ　（CV:いしだまお）: 東国風の槍使いの女性。極度の方向音痴で、ダンジョンで何度かで会った後ルセッティアに来店するようになる。ダッシュは45度の方向に曲がることが可能。槍や薙刀を使用するため、キャラ一人分離れた位置に攻撃する。使用するのに多少コツが必要。かつては最強キャラの呼び声も高かったが、アップデートで弱体化されてしまった。シャルムが酔いつぶれるほどの酒を飲んでも素面を保てるほどの酒豪。
エラン　（CV:土方総司）: 牧師を目指している拳闘士。金をほとんど持っておらず、初来店時の予算はリュイ以下。ただ冒険者としては頼りになるインファイターであり、ダッシュ中の方向転換こそできないものの、接近戦での戦闘力は随一。
グリフ　（CV:雪田道延）: 魔族。登場当初こそシリアス全開なキャラクターだったが、段々残念な一面を見せるようになっていく。夕方以降で店内の雰囲気を魔属性寄りにしていないと来店しないため接客機会が少なく、長い目でお付き合いする必要がある。爪を使った攻撃をする。なおグリフとアルマは冒険者としては隠しキャラ扱いとなるためか、武器は名刺を貰ってから仕入れられるようになる。
アルマ　（CV:mi-a）: 16日目からルセッティアに来店するようになるロボっ娘。彼女から名刺を貰うのは長い道のりとなる。ルセッティア初来店後は買い物したいがために多額の予算を持ち歩くようになるが、さすがに初期の頃はそこまで高額の交渉には乗ってこない。また無口なため、購入か買取かわかりにくい。交渉時は注意が必要。

ハーツイーズの人々

アルエット　（CV:いしだまお）: 9日目から登場。超巨大アイテム屋チェーン「ビックバシ」のお嬢様でルセットの自称ライバル。と言っても妨害工作をしてくるわけではなく、普通に客として来店するし当人同士の仲も良い。お嬢様育ち故か金銭感覚がずれており、150 %の値段提示でも成功してしまう優良顧客(高騰品の場合300 %オーバーも狙える)。冒険者を雇ってダンジョン探索するのが趣味。
プリム　（CV:蒼乃ヰ）: アルエットのお目付け役のフェアリー族。パートナーと違って金銭感覚は非常にシビア。ほぼ定価での提示でないと値切ってくる上、買取では市場仕入れレベルの値段を要求してくる。対策を知らないとコンボカッターとなってしまう。逆に言えば交渉のコツさえつかんでしまえば利幅が少ないだけの客になる。
商人ギルド長: 武器防具の仕入れ先である商人ギルドの責任者。指導も兼ねて客として来店する。モブキャラクターが大半のゲーム序盤の中では予算額も多く頼れる顧客の一人になるが、冒険者などキャラクターが増えてくると段々印象が薄れていく。
エウリア　（CV:mi-a）: イベントを発生させると来店するようになる本ゲーム屈指のお邪魔キャラ。イベント発生条件は「多額の所持金を持っている状態で昼間の広場に行くこと」。来店するものの商品を買いに来ることはなく買取交渉のみで、美術品やお宝を売りつけに来る。彼女との交渉は500 ％の価格から始まり、最低でも200％を提示しないとコンボを切って帰ってしまう。大抵はダンジョンで拾ったり他のお客が買取で売りに来るものだが、彼女から購入するしか入手手段がないアイテムもあるため、アイテムコンプリートのためにはぼったくり価格を覚悟することになる。彼女なりに苦労しているエピソードもいくつか用意されている。名前や扱う商材、イベント内容から元ネタはお察しください。
おじいさん、お兄さん、おばさん、女の子: ルセッティアに来店するお客さんたち。モブではあるがそれぞれにお得意様レベルなどが設定されている。おじいさんとお兄さんはそれなり多めの予算を持ち歩いているが、おばさんや女の子は定価割れでないと交渉が成立しないことがある。ちなみに女の子だけボイスが付いている(CV:蒼乃ヰ)。