機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島とは (キドウセンシガンダムククルスドアンノシマとは) [単語記事]

本項では2022年公開の劇場版アニメについて解説しています。
TVアニメ版のエピソードについては「ククルス・ドアン」を参照。

ガンダムよ、このザクを倒せるか。

機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島とは、サンライズ制作の劇場版アニメである。原作は矢立肇、富野由悠季。監督は安彦良和。

2022年 6月3日公開。

概要

TVアニメ『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」を再構成したリメイク作品。ジオン脱走兵ククルス・ドアンとアムロ・レイの交流やドアンが搭乗するザクの戦いを改めて描く。
初代ガンダムのスピンオフは数あれど、アムロとホワイトベース隊の活躍がアニメ作品で描かれるのは実に40年ぶりとなる。

同作でキャラクターデザインとアニメーションディレクターを務めた安彦氏は当エピソードを「いい話」、「（作画的には）見るに堪えない」、「（外注作画になったことや劇場版三部作でハブられてしまった）不遇の作品」と評しており、サンライズ社長と同席した際に自身でリメイクしたいと志願したところ、とんとん拍子に映画化の話が進んだという経緯を持つ。

世界観の設定は安彦氏が手掛けた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』をベースとしているものの（ジャブロー戦とオデッサ戦が逆なのはそのため）、ORIGINの外伝である漫画『ククルス・ドアンの島』とは大きく設定が異なっており、結果的にTVアニメ版ともORIGINとも異なる世界観となっている。

ストーリー

ジャブローでの防衛戦を耐えきった地球連邦軍は勢いのままにジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反攻作戦に打って出た。

アムロ達の乗るホワイトベースは作戦前の最後の補給を受ける為にベルファストへ向け航行。そんな中ホワイトベースにある任務が言い渡される。無人島、通称「帰らずの島」の残敵掃討任務。残置諜者の捜索に乗り出すアムロ達であったが、そこで見たのは、いるはずのない子供たちと一機のザクであった。

戦闘の中でガンダムを失ったアムロは、ククルス・ドアンと名乗る男と出会う。島の秘密を暴き、アムロは再びガンダムを見つけて無事脱出できるのか…？

スタッフ

企画・制作：サンライズ
 原作：矢立肇、富野由悠季
 監督：安彦良和
副監督：イム・ガヒ
脚本：根元歳三
キャラクターデザイン：安彦良和、田村篤、ことぶきつかさ
 メカニカルデザイン：大河原邦男、カトキハジメ、山根公利
総作画監督：田村篤
美術監督：金子雄司
 色彩設計：安部なぎさ
撮影監督：葛山剛士、飯島亮
 3D演出：森田修平
 3D ディレクター：安部保仁
編集：新居和弘
 音響監督：藤野貞義
音楽：服部隆之
 製作：バンダイナムコフィルムワークス

登場人物

アムロ・レイ　声：古谷徹: 主人公。少年ながらガンダムの専属パイロットを務めるホワイトベース隊のエース。通称「帰らずの島」の残敵掃討任務の中でボロボロのザクと会敵、戦闘するが行方不明となってしまう。
ククルス・ドアン　声：武内駿輔: 元ジオン公国軍のMS パイロット。現在は脱走中で、無人島にて子供たちと共に生活している。MSの操縦は凄腕そのもので、軍内では「赤い彗星かドアンか」とまで称される猛者。まさかのイケおじ化

ホワイトベース隊

ブライト・ノア　声：成田剣: ホワイトベース艦長。アムロ行方不明後に下ったとある命令に不服な様子を見せる。
ミライ・ヤシマ　声：新井里美: ホワイトベース総舵手。
セイラ・マス　声：潘めぐみ: ホワイトベース通信担当兼コア・ブースターのパイロット。
カイ・シデン　声：古川登志夫: ガンキャノンのパイロット。本作の「○秒で分かる」シリーズ担当。
ハヤト・コバヤシ　声：中西英樹: 本作ではガンキャノン（スプレーミサイル・ランチャー装備）に搭乗する。
フラウ・ボゥ　声：福圓美里: アムロのお隣さん。ホワイトベースの衛生、雑務担当。
スレッガー・ロウ　声：池添朋文: 本作ではすでにジャブロー戦が終わっているので登場。専用ジムに搭乗する。
カツ・ハウィン/レツ・コファン/キッカ・キタモト　声：朝井彩加/潘めぐみ/新井里美: ホワイトベースのちびっこ三人組。キッカが原作でも見せていない悪鬼の如き形相を披露するが…？

島の子供たち

総勢20名もの子供たちが登場し原作の4名から大幅増員しているが、これは安彦氏の要望によるもの。

カーラ　声：廣原ふう: 原作のロランに相当する少女で、デザインもロランとほぼ同じ。子供たちのお母さん的存在。
マルコス　声：内田雄馬: カーラやアムロと同世代で子供たちの中では年長者。島にやってきたアムロに対して対抗心を燃やす。

サザンクロス隊

かつてドアンが隊長を務めていたジオン公国軍の精鋭部隊。上層部から特殊任務を命じられ、ドアンが住む島に赴くが…

エグバ・アトラー　声：宮内敦士: 現サザンクロス隊隊長。脱走したドアンに対し激しい憎悪を抱いている。搭乗するザクは銃剣付きザク・マシンガンとヒート・剣を装備する白兵戦重視仕様。
ウォルド・レン　声：上田燿司: サザンクロス隊副隊長で狙撃担当。搭乗するザクは対艦ライフル・ショーティーとヒート・ホークを装備。
セルマ・リーベンス　声：伊藤静: サザンクロス隊の女性隊員。ドアンに対して特別な思いを持っているらしい。搭乗するザクはバズーカとヒート・ダガーを装備する中距離支援型。
ユン・サンホ　声：遊佐浩二: サザンクロス隊隊員。搭乗するザクはザク・マシンガンとヒート・ダガーを装備するオーソドックスな仕様。
ダナン・ラシカ　声：林勇: 自ら志願し入隊したサザンクロス隊の新入り。好戦的で、元隊長のドアンに興味を抱く。搭乗するザクはサンホ機とほぼ同仕様だが、ダナンの操縦によるトリッキーな戦法を披露する。

地球連邦軍

ヨハン・イブラヒム・レビル　声：中博史: 地球連邦軍将軍。
エルラン　声：白熊寛嗣: 地球連邦軍中将。
ゴップ　声：楠見尚己: 地球連邦軍元帥。

ジオン公国軍

マ・クベ　声：山崎たくみ: ジオン公国軍将軍。本作でも何か企んでいるらしいが…？
ウラガン　声：保村真: マ・クベの副官。

メカニック

ガンダム: 地球連邦軍の試作型モビルスーツ。本作ではORIGINでいうところの中期型として登場。
ドアン専用ザク: F型と呼ばれるタイプ。長い島生活でまともな補給や修理をしていないため頭部は損傷し口吻部が下に傾き面長に、パイプや装甲の外装が剥がれ貧相になるなど異様な雰囲気を醸し出している。いわゆる作画崩壊を設定で再現。原作とは異なりヒート・ホークが健在。
ガンキャノン: カイ搭乗のキャノン砲タイプ、ハヤト搭乗のスプレーミサイル・ランチャータイプが登場。
コア・ブースター: サブフライトシステムとしての運用が可能で、スレッガー専用ジムを載せて飛行する。
ジム: スレッガー専用機、ミサイルポッド装備、ショルダーキャノン装備など様々なタイプが登場する。
ホワイトベース: アムロやガンダムの母艦。MS 輸送機のガンペリーも登場
ラ・グランパ: 連邦軍元帥ゴップが座乗する巨大航空母艦。元帥艦にふさわしく多数の砲門を備える。
高機動型ザク（地上用）: 形式番号 MS-06 GD。ドムの前身として開発されたと思わしき陸戦用のザクで、大型化した脚部によるホバー走行が可能。褐色に塗装された機体がサザンクロス隊に配備され、個人に合わせたチューンが施されている。
ルッグン: ジオン公国軍の哨戒偵察機。原作エピソードで見せていたMSの運搬機能が正式なものとなり、機体底部にMS用の吊手を装備している。また、機体自体も原作より大型化している。
ファット・アンクル: 巨大輸送機。サザンクロス隊のMS輸送に活用される。

余談

原作の舞台は日本西部の無人島（一説には五島列島とも）だったが、本作では時系列の変更によりアフリカ大陸のスペイン領カナリア諸島、アレグランサ島が舞台となっている。
荒涼とした景色や灯台といったロケーションも再現されている。

機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島単語

概要

ストーリー

スタッフ

登場人物

ホワイトベース隊

島の子供たち

サザンクロス隊

地球連邦軍

ジオン公国軍

メカニック

余談

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