「東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.」(とうほうかえいづか ふぁんたずまごりあ おぶ ふらわー びゅー)とは、同人サークル「上海アリス幻樂団」制作の弾幕STG「東方Project」の第⑨作目。
Phantasmagoria of Flower View とは直訳すれば「変幻自在の花景色」。
Phantasmagoriaで「走馬灯」も意味するので、それこそ一所を落ち着いて見ていられないほどめまぐるしく移り変わるといったイメージを含んでいる。
概要
ZUN氏が東方の制作を開始してから10周年を記念して制作・リリースしたファンサービス的な作品。
この作品のみ「黄昏フロンティア」のメンバーが『東方萃夢想』の縁で製作スタッフとして参加している。
チルノ = ⑨の由縁となった作品でもある。
また、この作品より対応OSがNT系列のWindows2000以降になっている。そのためWindows98やWindowsMeなどの9x系列では動作しない。
ストーリー
──幻想郷が蘇生した。
冬の白色は春の日差しに彩られ、幻想郷は完全に生の色を取り戻していた。
冬の間眠っていた色の力が目覚め、幻想郷を覆う。
花と同時に妖精達も騒がしくなる。
その異常な美しさの自然は、幻想郷に住む者全てを驚かせた。
彼女たちはいち早く その異変に気が付いた。
桜、向日葵、野菊、桔梗……
まだ春だというのに、一年中全ての花が同時に咲き出していたのだ。
多くの人間と全ての妖精は、自然からのプレゼントと受け取って暫く その光景に浮かれていた。
だが、幻想郷でもっとも暢気な人間は珍しくあわてていた。
「こんなに判りやすい異変じゃあ、早く解決しないといけないわ。
じゃないと、私が怠けているってみんなに言っているようなもんじゃない!」
いつもどおり、当てもなく勘で神社を飛び出したのだった。
幻想郷自体が蘇生した。
彼女たちも自然の一部。妖精の力は自然の力。自然には抗えないことを、皆知っていた。
上海アリス幻樂団 弾幕開花宣言 東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.より
対戦型シューティング
今作は、前作までの紅魔郷や妖々夢や永夜抄とは異なり、東方Project第三作「東方夢時空」を引き継いだ対戦型シューティングゲームである。ゲームシステムに同じく、対戦型シューティング「ティンクルスタースプライツ」の影響がみられる「ティンクルスタースプライツ」との関連性については下記外部リンクを参照。
勝利条件
弾に当たると画面上部に表示されている五つの陰陽玉=ライフが減っていき、ゼロになると負け。
相手を倒すと勝ち、ではなく、相手より永く生き残れたら勝ちなのである。
敵を倒す前に倒されるな! 攻撃するなら避けろ!!
幻想を見る人には、鋭い攻撃よりジェントルメンな回避がよく似合う。それはもう消極的な ZUN
基本戦略
二分割された画面の自分の陣地に現れる妖精や幽霊といったザコ敵を倒すと相手陣地に弾幕を送り込める。
また、ザコ敵を倒した時に起こる爆発にも敵へのダメージ判定があり、列になって出てくる妖精の先頭だけをショットで倒すと、その爆発で次の妖精も倒れ、さらにその妖精を倒した爆発でまた次の妖精も倒れ…といったように連鎖的に敵を倒すことができる。
しかもこの爆発には、このゲームで最小の弾(公式には白弾、一般的に粒弾と呼ばれているもの)を消して、相手の陣地に送り付ける効果もある。これによって自分の陣地の弾幕を薄くし、より永く生き残れるようにしていくことが重要だ!爆発で消せない弾は後述のカードアタックで消そう。
妖精は自機を低速移動状態にしたままだと出現する数が減る。それは弾消しの材料が減るということなので、なるべく高速移動状態でいるといい。でも危ないときはきちんと低速も使おう。
また、幽霊は通常の状態では耐久力が高く倒しづらいうえ、倒した時に爆発が起こらない。しかし、吸霊(低速)状態で自機周辺に現れる薄紫のフィールドに幽霊を入れてその場に留めることで耐久力が落ち、倒すと爆発が起こるようになる。これを使って好きな場所に幽霊をとどめ、自在に弾消しを行おう!(ただし一定時間とどめておくと3wayの消せないペナルティ弾を撃ってくる。)
Exアタック
主に大きな幽霊を倒すと、キャラ固有の弾幕を送り込める。例として、霊夢は巨大な陰陽玉、魔理沙は画面を縦に貫くレーザーといったもの。キャラによって送る量に差があるものの、送り返される恐れのある白弾は含まれておらず、強力な攻撃だ。
チャージショットとカードアタック
ショットボタンを押し続けるとチャージができ、チャージした状態でボタンをはなすと通常より強力なショットを打つことができる。この時、2段階以上溜めてチャージショットを使った場合、同時にカードアタックを発動する。相手に強力な弾幕攻撃を仕掛けるとともに、自分の周りの少しの範囲内にある弾を全て消すことができるぞ。攻撃目的より専ら防御目的で用いる。
チャージは4段階。
通常より強力なショットを打つだけで、相手への攻撃も自分の周りの玉消しもないチャージ1(C1と呼ばれる)。
自機周囲の弾を消し、送り返されて反撃を受けることがある白弾を含む攻撃をするチャージ2(C2)。
より広い範囲の弾を消し、C2より強力で白弾を含まない攻撃をするチャージ3(C3)。
自陣地全ての弾を消し、自動的に強力な弾幕を打ち続ける自分のキャラの幻影(ボス)を送り付るチャージ4(C4)。
ただしチャージは画面下に表示されているゲージが必要分溜まっているときでしかつかえない。これはザコ敵を倒したり、白弾を爆発で消したりしていくとたまっていく。さらにC2はゲージを1目盛、C3は2目盛り、C4は3目盛り消費するので、基本的にはC2を使って弾を消していこう。
また、ゲージが2目盛り以上たまっているときに、いわゆるボムボタンを押すと、溜めなしでカードアタックを発動できる。(クイックカードアタック、クイックボム)ただしゲージが0まで減るので、ここぞというときに使おう。
スペルポイントとボスアタック
自陣地左上に表示されているポイント(スペルポイント)が10万、30万、50万点をこえたときと、C4を使ったとき、相手の画面にボスを送り込める。ボスは自動的に強力な弾幕を撃ってくるので被弾を誘いやすいぞ。ボスは自分か相手かのどちらかの陣地にしか出現できないため、ボスを送り込まれたらスペルポイントをためて、相手へ送り返そう!ショットでボスを倒しに行ったりC4を使うことは一般的に下策だ。
スペルポイントは敵を倒し続けているとコンボがつながり、一定時間敵を倒さないと0にもどるぞ。50万点をこえたらそれ以上点を伸ばしてもボスを送り返せないのでコンボを切って0に戻したほうがいいかも。
また、スペルポイントが50万点に達したとき、ボスを送り込むと同時に相手へC3の攻撃もおくるぞ。(自分の周囲の弾消しは発生しない)
弾幕開花宣言
スペルポイントが99万9990点になりカンストすると弾幕開花状態になりボーナス点が得られる。…それだけ。
送り、送り返される白弾も増えたり、チャージゲージが溜まりやすいのでC2を連続で打ち続けて安定するキャラもいる。
リリーホワイト乱入!
試合が長引いたり、変化がなくなってくるとリリーホワイトが両者の画面に現れる。弾幕をばらまくだけばらまいて去っていく、いわば永久パターン防止キャラだ。ショットで倒すと弾幕をそれ以上撃たせずに済み、相手へExアタックを送れる。何度倒しても出てくる厄介なやつだ。
アイテム
ボスやリリーホワイトをショットで倒すとアイテムを落とす。それぞれの効果は以下の通り。
点・・・スペルポイントが増加する。ボスを送られているときにとるとすぐ返せるかも。
弾・・・ザコ敵の爆発で消せない弾を送り込む。地味に厄介。
Ex・・・大量のExアタックを相手に送り込む。
G・・・チャージゲージがマックスまでたまる。今あるゲージを全て使ってでも取りに行く価値がある。
登場キャラクターと性能
(キャラ性能の見解には個人差があります)
初心者向きだとか扱いづらいとかは気にせず、自分の好きなキャラを使うことが重要なのではなかろうか。
メルランとルナサは隠しキャラで、マッチモードのみ使用可能。ストーリーはない。全キャラでストーリーモードをクリア後、小町と映姫でエキストラモードをクリアすることで使用可能になる。ネット対戦では最初から使える。
博麗霊夢
東方の顔、主人公。攻撃面はExアタックの巨大な下加速度付き陰陽玉、全方位+自機狙いの強力なC2で最高クラス。しかし、C2の白弾を送り返された時の撃ち返しがつらく自滅することも。他の原作では霊夢は初心者向けだが花映塚では一概にそうではないようだ。白弾の対処ができるようになれば非常に強い。
霧雨魔理沙
主人公その2。初心者から上級者まで幅広く使用されるキャラ。特殊能力としてゲージが溜まりやすく、積極的にポイントを伸ばして白弾を多くし、どんどんC2を撃って行こう。試合後半になるほど強くなるぞ。Exアタックのレーザーで移動を制限し、その間に弾をばらまいて被弾を誘ってくるのが魔理沙流。
十六夜咲夜
妖々夢、永夜抄に次いで続投。カードアタック時に時を止めて移動できる(時止め中は無敵。相手咲夜が止めたときも動ける)ため、意外な避け方をすることができるかも。Exアタックのナイフは見た目以上の大きな判定を持っているので注意が必要だ。バグでC2、C3時の弾消し範囲が、時が止まった時点で終了するため、咲夜対咲夜は気を付けよう。
魂魄妖夢
斬れないものなどあんまりない!その言葉通りC1のショットで弾を消すことができるため序盤の防御力はトップクラス。反面チャージ速度がすごーくおそい。試合が長引くほどつらくなってくる。相手にしたときは、ボスアタックはすべて自機依存弾幕だが誘導しないといけないという制限がかかり、設置系Exアタックが文字通り足を引っ張ってくる。
鈴仙・優曇華院・イナバ
チャージショットの座薬銃弾の爆発の仕様でスペルポイントが稼ぎやすく、C2も白弾が多いため積極的に開花を狙っていけるキャラ。途中からC2を撃つ作業になるといわれることも。Exアタックは近づくと爆発する幻覚の弾。爆発の当たり判定は起爆判定より小さいが画面外に出たと思ったり、横や上から油断して近づいたりすると爆発するぞ。
チルノ
9.バカ はマニュアルの画面説明より。カードアタック時に自分と相手の画面の弾幕を一瞬止め、さらに自陣地の弾を 一定の割合の量だけ、 消せる白弾に変えることができるため防御力に優れている。しかし相手への攻撃力が低いため長期戦になりがち。チルノ対チルノで対戦すると試合時間が数十分に及ぶこともあるとか、ないとか。
リリカ・プリズムリバー
ただしショットは尻からもでる。(と、言っておきながらチャージショット発動中は後方ショットはなくなる。)花映塚に適した移動速度で避けやすい、かと思えば吸霊範囲がほぼ前方と後方のみで横にせまく、チャージ速度もやや遅いと、少し癖がある。カードアタックのへにょるワインダーは慣れて軌道が見えてくれば楽になるかも。
メルラン・プリズムリバー
通常ショットが斜めに撃たれる、チャージ速度が遅い、吸霊範囲とチャージショットが真横のみと、クセが強いキャラ。攻撃面では、軌道が読みにくいExアタック、永く相手陣地にとどまり移動を制限するワインダーと強い。吸霊とチャージショットの相性はいいのでうまく幽霊を倒してExアタックを送り込もう。
ルナサ・プリズムリバー
吸霊範囲はリリカとメルランを合わせたような形で十字型。チャージ速度は純粋に二人より速い。白弾の撃ち返しが弱く、ショットと吸霊範囲も相性がいいなど、防御力が高くて耐えやすい。相手にした場合は下からのカードアタックと試合後半弾幕が激しくなってきたときに、Exアタックの送られてくるエフェクトが目隠しになるのに注意。
ミスティア・ローレライ
カードアタックの白弾の撃ち返しが弱い、特殊能力で幽霊が集まってきやすいのでそれを使っての弾消しができる、など花映塚のシステムをおぼえるためにいいと、よく初心者におすすめされるキャラ。やや移動速度が速いことには気を付けよう。相手への攻撃力はあまりない。
因幡てゐ
横に広い吸霊範囲と自機周辺へのチャージショットで耐久型のキャラ。あと一被弾で負けという状態の時被弾すると必要分ゲージがある場合のみ自動的にクイックボムが発動する(回数制限なし)。チャージゲージ0からの復帰ができるかどうかは使い手次第。画面端で跳ねる独特の軌道をもつExアタックと、交差弾は慣れていないとつらいかも。
射命丸文
移動速度が花映塚全キャラ中最速。チャージ速度も最速(霊夢、てゐとタイ)。しかし吸霊フィールド展開速度が遅いのがネック。相手にしたときの攻撃も弾速は早いものばかりだがほとんどが自機狙いなので落ち着いて誘導すればそこまででもない。逆に速い白弾を消して、相手へ撃ち返してやろう。
メディスン・メランコリー
特殊能力で幽霊へのあたり判定がなく、気にすることなく立ち回れる。チャージ速度がやや遅いので注意しよう。なんといってもExアタックの毒霧が強烈。移動速度を遅くされるうえ、重なると効果が重複しさらに自機が見えなくもなる(低速時に表示される当たり判定は見える)。なるべく毒霧に入らないようにしたい。
風見幽香
移動速度が遅く、高速移動でも精密な避けがしやすいものの、C2の白弾の撃ち返しが速く、白弾の対処がまだあまりできていないうちだとつらいかも。足の遅さも白弾対処に向いていない。Exアタックの花は見た目通り大きく、考えて動かないと詰むこともある。ボスアタックも画面端で反射する交差弾や高速ワインダーが強い。
小野塚小町
画面全体の幽霊を一瞬で吸霊でき、誘導性能を持ったチャージショットとも相性が良い。試合が長引いてくると処理できない幽霊のペナルティで自滅しやすいことには注意が必要。小町を相手にするときのExアタックの物量には時間をかけて慣れていくしかない。Exアタックの濃いときにはC2を撃ったほうが無難。緩急を見分けよう。
四季映姫・ヤマザナドゥ
ストーリーラスボスらしく高性能。ただC2の白弾の撃ち返しが尋常ではなく慣れていないと押しつぶされて自滅する。防御を考えC3を撃ってみてもいいかも。Exアタックは弾幕が通ると通った弾より速い弾を追加するというもの。白弾と違って消せず、密度が濃くなるうえ、もとが速い弾だとさらに速くなるため危険。
ネット対戦
CPU相手にやるのもいいけど、やっぱり対人戦をやってこその花映塚。ネット上で相手を見つけてどんどん対戦しましょう!
誰でも最初は初心者ですよ。
※花映塚のネット対戦で主に用いられているadonisというツールは非公式です。問題が発生しても自己責任でお願いします。また、そのことについて上海アリス幻樂団様に問い合わせすることはお控えください。
導入方法
- 花映塚のフォルダをProgram Filesに置かないようにする。デスクトップ上などへ移動させてください。ネット対戦用にコピーを作ってもいいです。
- 花映塚のバージョンを1.50aにアップデートさせる。ここからダウンロードできます。
- adonis rev.4を手に入れる。こちらから。
- 3で手に入れて解凍したファイルに入っている4つのファイルを花映塚本体(th09.exe)が入っているフォルダに入れる。
- th09.exeとadonisのプロパティから互換性の設定。OSがVistaならWindows NT4.0(Servis Pack 5)、OSが7以降ならWindows XP(Servis Pack 3)の互換モードで実行してください。
- 花映塚の入っているフォルダ内のcustom.exeのウィンドウスタイルをウィンドウモードにする。(Windows8のみ。7以前だとフルスクリーンでも問題はない。ウィンドウのサイズはadonisの設定から変えられます。)
- おなじくcustom.exeの1P側の操作方法を設定。パッドを使うなら「ゲームパッド1」、キーボードを使うなら「キーボード全部」にチェック。
- ファイアーウォールの設定でadonis.exeとth09.exeの通信を許可する。
- わからなかったら人に聞く!
- もしくは東方wikiの花映塚ネット対戦導入ページなどで調べてください。
主な対戦募集場所
- ニコニコ生放送・・・コメントで相手とのコミュニケーションがとりやすいため導入の手助けなどもしてくれるはず。
- twitter・・・花映塚botなるものがあるようです。
- 東方幻想板、東方弾幕実況、CaveTube、などもあるらしいですよ。
対戦申し込み方法
- 花映塚本体(th09.exe)は起動しない。あとで自動的に起動されます。
- adonis.exeを起動。
- 半角でcと入力してEnterを一回押す。
- 対戦を募集している相手のIPアドレスを半角で入力してEnterを一回押す。
- ポート番号を入力(デフォルトでは17723)してEnterを一回押す。
何も起こらずウィンドウが消えたら別の人に先を越されたか、相手が対戦待ち中ではなかったかです。次の機会を狙いましょう。
対戦が受理されたら相手に操作を任せ、難易度選択の場面までいくはず。うまくいかない場合は相手に聞いてみると教えてくれるでしょう。そういう時にニコ生は都合がいい。
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