基礎データ | |
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正式名称 | アイルランド共和国 Éire / Ireland |
国旗 | ![]() |
国章 | ![]() ※クリックで原寸大表示 |
国歌 | 戦士の歌 (Amhrán na bhFiann) ![]() |
国花 | シャムロック |
守護聖人 | 聖パトリック |
公用語 | アイルランド語、英語 |
首都 | ダブリン(Dublin) |
面積 | 70,282km²(世界第117位) |
人口 | 約420万人(世界第121位) |
通貨 | ユーロ(EUR, €) |
アイルランド(Ireland)とは、アイルランド島にある国である。
概要
日本語における正式名称は外務省のHPによると「アイルランド」。「アイルランド共和国」と表記する場合もある。また「エール」とも呼ばれる。漢字では愛蘭(愛蘭土)と当て字がされ、愛と略す。
ヨーロッパ北西アイルランド島の6分の5を占める国家。アイルランド島の北部はイギリス領(北アイルランド)。西は大西洋、東はアイルランド海、南はケルト海に囲まれている。アイルランド海、聖ジョージ海峡を挟んでグレートブリテン島がある。首都はダブリン。
イギリスとは非常に仲が悪い。実際、元英国領であるのに、イギリス連邦に加盟していない(1949年に脱退)。ただしお隣だけあってイギリスとの経済的・人的交流は盛ん。
2005年の英エコノミスト誌による調査で、世界で最も住みやすい国に選ばれた。
妖精がいるという噂。
イギリスとの関係
イギリスの隣国であるが、過去の歴史問題によってイギリスを蛇蝎の如く嫌っている。イギリスがアイルランドに干渉し始めたのは12世紀頃。当時アイルランド人はカトリック教を信仰しており、プロテスタントを信仰するイギリス(イングランド)とは相容れなかった。このため改宗させる目的で、本格的な介入を実施。カトリック教の聖職者を処刑し、またイングランドに抵抗するアイルランド人も迫害。更にはカトリック信仰の土台を破壊するため穀物を焼却し、多くのアイルランド人を餓死に追いやった。やがてアイルランド北部にプロテスタント系住民の入植が始まり、カトリック系住民との対立が激化。耐えかねたアイルランド人は1641年に反乱を起こすが、すぐに鎮圧。かえってイギリスの怒りを招く結果となり、アイルランド全土を占領されてしまう。この時、20万人が犠牲となった。
1801年、アイルランドはイギリスに併合される。そして1845年にジャガイモ飢饉が発生。100万人が病死または餓死し、200万人が土地代を払えない等の理由でアメリカに追いやられた。この飢饉がきっかけで独立の機運が高まり、第一次世界大戦中の1916年に蜂起。イギリスに独立戦争を仕掛けたが失敗し、指導者十数名が銃殺された。これを機にイギリスは反英運動を抑えるために秘密警察を投入し、一般市民に暴力を振るった。それでも1922年に形だけの独立を果たすがイギリスの干渉は止まらず、影響力排除の運動が繰り返し行われた。
1939年9月3日、第二次世界大戦が勃発。イギリスとドイツが激しく戦う中、アイルランドは中立国の立場を取った。バトル・オブ・ブリテンでは不時着した機体からドイツ軍パイロットを救助し、捕虜にしている。1941年12月8日には大日本帝國がイギリスに宣戦布告。イギリスや英連邦所属国が次々に日本へ宣戦布告を行う中、アイルランドだけは沈黙を保った。イギリスは再三参戦要請をするが、アイルランドは嫌がらせのためだけに拒否。このため英語圏で唯一アイルランドだけ宣戦布告を行っていない。マレー沖海戦でイギリス東洋艦隊が完敗した時には、アイルランド人は手を叩いて踊りまわった。1942年2月15日、イギリスが誇るシンガポール要塞が陥落。この時、アイルランドの独立運動を激しく弾圧していたアーサー・パーシヴァル中将が投降したため、アイルランド人は狂喜乱舞。日本大使館の周囲を囲んで、どんちゃん騒ぎをしたという。
終戦後の1949年、戦争でイギリスが弱体化した隙を突いて、遂に英連邦から離脱。悲願の独立を勝ち取った。
国民
人口の多くをケルト系のアイルランド人が占める。第一公用語はアイルランド語(ゲール語)、第二公用語は英語だが、英語話者が多い。また、カトリック教徒が多い。
また、ジャガイモ飢饉をきっかけにアメリカ大陸へ移住するものが多く、ケネディ家もアイルランド系移民である。
政治
政体は共和制。EUに加盟している。政府は北アイルランドとの統合を求めている。
安全保障面では中立をとり、第二次世界大戦に参戦しなかった。北大西洋条約機構(NATO)にも参加していない。
経済
通貨はユーロ。1990年以降、経済成長が目覚しかったが、近年は鈍化している。
文化
伝統文化としてはケルト系の音楽や衣装が有名。参考リンク→ケルト、アイリッシュ楽器
決して、人口が多い国ではないが、様々なジャンルで世界的な文化人、アーティストを輩出している。
スポーツはゲーリックフットボールと、ハーリングが盛ん。ゲーリックフットボールは国技。
料理
飲み物ではアイリッシュコーヒー、アイリッシュウィスキー、スタウト(ギネスが有名)などが知られる。
地図
見てのとおり北アイルランドはイギリス領である。かつてイギリスが入植を始めた際この北アイルランドから入植を開始したため、早くからイギリス系あるいは国教会系の人間が多くなった。アイルランドはケルト系あるいはカソリック系の人間が大多数であるため、自分たちがマイノリティとなること恐れた住民たちによって、北アイルランドは独立地域に含まれず英国領として残存した。
著名なアイルランド人・グループ
文学・演劇
- ピーター・オトゥール(俳優)
- ジェームズ・ジョイス(作家、代表作『ユリシーズ』)
- バーナード・ショー(劇作家)
- オスカー・ワイルド(劇作家、代表作『サロメ』)
- C.S.ルイス (作家、代表作『ナルニア国物語』)
学問
- ウィリアム・ローワン・ハミルトン (数学・物理学・天文学)
- ジョージ・ガブリエル・ストークス (数学・物理学)
- ジョージ・バークリー (哲学。カリフォルニアのバークリーという地名は彼の名前から)
- ロバート・ボイル (物理学。半分ぐらいは錬金術師)
音楽
- U2(ロックバンド、ボーカルはボノ)
- Enya(歌手・音楽家)
- CLANNAD(Enyaが参加していたことで有名)
- The Pogues(ロックバンド。カースティ・マッコールやジョー・ストラマーとのコラボでも有名)
- The Chieftains(アイルランド音楽をポピュラー音楽の舞台に上げた先駆け的バンド)
スポーツ
- デニス・アーウィン(サッカー)
- ブライアン・オドリスコル(ラグビー)
- ロイ・キーン(サッカー)
- ロビー・キーン(サッカー)
- ナイアル・クイン(サッカー)
- ジョン・L・サリバン(ボクシング)
- ペガサスキッド(プロレス)
- パドレイグ・ハリントン(ゴルフ)
- スティーブン・ロシュ(自転車)
- シェイ・ギヴン(サッカー)
- エディ・アーバイン(F1)※諸事情によりイギリス国籍を名乗っているが、アイルランド人である。
- ジョナサン・セクストン(ラグビー)
関連動画
関連項目
- 北アイルランド
- ケルト
- グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国
- 国の一覧
- ジャガイモ飢饉
- エイモン・デ・ヴァレラ
- マイケル・コリンズ
- IRA(アイルランド全土統一を目標とする軍事(テロ)組織。アイルランド共和軍、もしくはアイルランド共和国軍とも称される)ちなみにアイルランドの「国軍」はアイルランド国防軍と称している。
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