サッカーガーナ代表とは、ガーナサッカー協会（GFA）により構成されるサッカーのガーナ代表チームである。愛称はブラックスターズ（The Black Stars）。ユニフォームはホームがシャツ・パンツとも白。アウェイがシャツ・パンツともに赤。1957年にガーナがイギリスから独立する前はイギリス領ゴールドコースト代表として活動していた。
概要
| サッカーのナショナルチーム | |||
| ガーナ代表 | |||
|---|---|---|---|
| 基本情報 | |||
| 国旗 | 
|
||
| 協会 | GFA | ||
| 大陸 | CAF（アフリカ） | ||
| FIFAコード | GHA | ||
| FIFA加盟 | 1958年 | ||
| 監督 | クリス・ヒュートン | ||
| FIFAワールドカップ | |||
| 出場 | 4回 | ||
| 最高成績 | ベスト8（1回） | ||
| アフリカネイションズカップ | |||
| 出場 | 22回 | ||
| 最高成績 | 優勝（4回） | ||
早くから頭角を現したアフリカの強豪国であり、アフリカネイションズカップでは4度の優勝経験がある。1990年代に入ってアンダー世代の大会で次々と上位に進出し、同時期にアベディ・ペレやアンソニー・イエボアが欧州のクラブで活躍していたこともあってアフリカ有数のタレントの宝庫として注目もされていた。
FIFAワールドカップには長らく縁が無かったが、2006 FIFAワールドカップで初出場を果たすとベスト16進出を果たす。続く2010 FIFAワールドカップではベスト8に進出と2大会連続で結果を残し、フル代表もようやく世界の舞台で活躍するようになった。
近年はヨーロッパのトップリーグで活躍する優れた選手を多く擁しており、彼らの持つ高いテクニックを駆使した個人技に加え、ブラックアフリカン特有の身体能力の高さによる武器となっている。型に嵌らない予測不可能なスタイルによって南米や欧州の強豪相手でも堂々と真っ向勝負を仕掛けることができる。そのため、派手に砕け散ることもあるが、ワールドカップでも記憶に残る名勝負を演じることが多い。
歴史
初試合は1950年。イギリス領ゴールドコースト代表として初試合が行われた。アフリカネイションズカップには、自国開催の1963年大会が初出場だったが、この大会で初優勝を飾り頭角を現す。続くアフリカネイションズカップ1965でも大会連覇を達成。その後の1968年、1970年では準優勝に終わったものの4大会連続でファイナルまで進出しており、アフリカの中では強豪国となっていった。
1970年代に入ると、アフリカネイションズカップで3大会連続予選敗退と低迷期を迎える。しかし、二度目の自国開催となったアフリカネイションズカップ1978では、カリム・アブドゥル・ラザク、オポク・アフリーイェの活躍によって3度目の優勝を飾る。4年後にリビアで開催されたアフリカネイションズカップ1982では4度目の優勝。
1990年代になるとユース年代が世界の舞台で大活躍を見せる。1991 FIFA U-17世界選手権・イタリア大会ではニイ・ランプティやサミュエル・クフォーを擁したU-17代表が優勝を飾る。これはFIFA主催の大会で初めてアフリカのチームがタイトルを獲得した快挙となった。続く1993 FIFA U-17世界選手権・日本大会ではナイジェリアとのアフリカ勢同士の決勝に敗れたものの準優勝、1995 FIFA U-17世界選手権・エクアドル大会では決勝でブラジルを下し、二度目の優勝。さらには1997 FIFA U-17世界選手権で4大会連続でのファイナル進出を果たす。
U-20代表も1993 FIFAワールドユース選手権・オーストラリア大会で準優勝。U-23代表はバルセロナオリンピック銀メダルを獲得。育成年代での躍進により世界中のスカウトから注目されるようになる。
しかし、アンダー代表での輝かしい実績もフル代表の強化にはなかなか結び付いていなかった。FIFAワールドカップには1962年大会から出場しているもののなかなかアフリカ予選を突破することができず、欧州のトップリーグで活躍したアベディ・ペレ、アンソニー・イエボア、クフォーの力をもってしても20世紀の間に本大会へ出場することは叶わなかった。
この負の歴史に終止符を打ったのは21世紀に入ってからだった。U-20代表がFIFAワールドユース選手権2001で準優勝。その世代が核となり2006 FIFAワールドカップ・ドイツでついにアフリカ予選の壁を突破し、本大会初出場を果たす。本大会ではイタリア、アメリカ、チェコ相手という厳しいグループに入りながらもアサモア・ギャン、マイケル・エッシェン、サリー・ムンタリ、スティーヴン・アッピアーらタレントを擁しベスト16進出を果たす。ラウンド16では前回王者ブラジル相手に一歩も引かない真っ向勝負を挑んで玉砕したが、その攻撃的な姿勢は各国から高く称賛された。
U-20代表は、2009 FIFA U-20ワールドカップにおいて決勝でブラジルをPK戦の末に破り初優勝を果たす。この大会で活躍したアンドレ・アユーらが加わったアフリカネイションズカップ2010では、優勝こそ逃したが18年ぶりにファイナルまで進出。
2010 FIFAワールドカップ・南アフリカ大会では、躍進が期待されたアフリカのチームが次々と早期敗退となる中、ドイツに次ぐ2位で唯一グループリーグを突破。ラウンド16ではアサモア・ギャンの決勝ゴールでアメリカを延長戦の末に下し、初めてベスト8に進出。準々決勝のウルグアイ戦でも勝利まであと少しのところまで追いつめたが、延長後半アディショナルでの決定的なシュートをウルグアイのルイス・スアレスによる故意のハンドによって防がれ、そのハンドで得たPKもアサモア・ギャンが外してしまい、最後はPK戦によって敗れている。
2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会ではこれまでの集大成となる活躍が期待されたが、ドイツ、ポルトガル、アメリカと同居する厳しいグループに入り、1分2敗の4位で大会を去ることとなった。その後もアフリカネイションズカップで6大会連続のベスト4進出を果たすなど結果を残すが、2018 FIFAワールドカップのアフリカ最終予選ではまさかの低迷。グループ3位に終わり、本大会出場を逃す。
その後もアフリカネイションズカップ2021でグループリーグ敗退に終わり低迷が続いたが、2022 FIFAワールドカップ・カタール大会のアフリカ最終予選でナイジェリアとの一騎打ちをアウェイゴールの差で辛うじて制し、2大会ぶりに本大会出場。グループリーグでは初戦のポルトガル戦を落としたが、続く韓国戦では打ち合いを制す。しかし、第3戦でウルグアイに敗れ、グループ最下位で敗退となる。
主な戦績
- FIFAワールドカップ
- ベスト8（2010）、ベスト16（2006）、グループリーグ敗退（2014, 2022）
- アフリカネイションズカップ
- 優勝（1963, 1965, 1978, 1982）
- 準優勝（1968, 1970, 1992, 2010, 2015）
- 3位（2008）
- ベスト4（1996, 2012, 2013, 2017）
- ベスト8（1994, 2000, 2002）
- ベスト16（2019）
- グループリーグ敗退（1980, 1984, 1998, 2006, 2021）
世代別の主な戦績
- オリンピック
- 3位（1992）
- FIFAワールドユース選手権 / FIFA U-20ワールドカップ
- 優勝（2009）、準優勝（1993, 2001）、3位（2013）、ベスト4（1997）
- FIFA U-17世界選手権 / FIFA U-17ワールドカップ
- 優勝（1991, 1995）、準優勝（1993, 1997）、3位（1999）、ベスト4（2007）
主な選手
- エドワード・アクアー（1956-1964）- 歴代得点2位（45得点）
- ウィルバーフォース・ムフム（1960-1968）- 歴代得点7位（20得点）
- オセイ・コフィ（1964-1973）- 歴代得点9位（19得点）
- カリム・アブドゥル・ラザク（1975-1988）- 歴代得点5位（25得点）
- アベディ・ペレ（1981-1998）- 歴代得点9位（19得点）
- アンソニー・イエボア（1985-1997）- 歴代得点4位（29得点）
- ニイ・ランプティ（1991-1996）
- ヤウ・プレコ（1992-2007）
- サミュエル・クフォー（1993-2006）
- スティーヴン・アッピアー（1996-2010）
- リチャード・キングソン（1996-2011）- 歴代出場3位（93試合）
- エリック・アッド（1998-2010）
- オットー・アッド（1999-2006）
- ハンス・サーペイ（2000-2010）
- ジョン・メンサー（2001-2012）- 歴代出場8位（81試合）
- デレク・ボアテング（2001-2013）
- ジョン・ペイントシル（2001-2013）- 歴代出場4位（2001-2013）
- マシュー・アモア（2002-2012）
- マイケル・エッシェン（2002-2014）
- サリー・ムンタリ（2002-2014）- 歴代出場7位（84試合）、歴代得点7位（20得点）
- アサモア・ギャン（2003-2019）- 歴代出場2位（109試合）、歴代最多得点（51得点）
- プリンス・タゴエ（2006-2012）
- クワドォー・アサモア（2006-2019）- 歴代出場10位（74試合）
- アイザック・ヴォーサー（2007-2013）
- アンソニー・アナン（2007-2013）
- アンドレ・アユー（2007-）- 歴代最多出場（113試合）、歴代得点6位（24得点）
- ファタウ・ダワダ（2008-2015）
- サミュエル・インコーム（2008-2015）
- エマニュエル・アギュマン＝バドゥ（2008-2017）- 歴代出場9位（78試合）
- ハリソン・アッフル（2008-2018）- 歴代出場6位（86試合）
- ジョン・ボイエ（2008-）
- ジョナサン・メンサー（2009-）
- ケヴィン・プリンス・ボアテング（2010-2014）
- ジョルダン・アユー（2012-）- 歴代出場5位（87試合）、歴代得点9位（19得点）
- ムバラク・ワカソ（2012-）
- クリスティアン・アツ（2012-）
2022 FIFAワールドカップ・カタール大会メンバー
- GK 1 ローレンス・アティ・ジギ（ザンクト・ガレン / スイス）
- GK 12 イブラヒム・ダンラッド（アサンテ・コトコ ）
- GK 16 マナフ・ヌルディーン（KASオイペン / ベルギー）
- DF 2 タリック・ランプティ（ブライトン / イングランド）
- DF 3 デニス・オドイ（クルブ・ブルッヘ / ベルギー）
- DF 4 モハメド・サリス（サウサンプトンFC / イングランド）
- DF 14 ギデオン・メンサー（AJオセール / フランス）
- DF 15 ジョセフ・エイドゥー（セルタ・デ・ビーゴ / スペイン）
- DF 17 アブドゥル・ラーマン・ババ（レディング / イングランド）
- DF 18 ダニエル・アマーティ（レスター・シティ / イングランド）
- DF 23 アレクサンデル・ジク（RCストラスブール / フランス）
- DF 26 セイドゥ・アリドゥ（クレルモン / フランス）
- MF 5 トーマス・パーテイ（アーセナル / イングランド）
- MF 6 エリシャ・オウス（KAAヘント / ベルギー）
- MF 7 ファタウ・イサハク（スポルティングCP / ポルトガル）
- MF 8 ダニエル=コフィ・チェレ（フライブルク / ドイツ）
- MF 11 オスマン・ブカリ（レッドスター・ベオグラード / セルビア）
- MF 13 ダニエル・アフリイェ（アクラ・ハーツ・オブ・オーク）
- MF 20 モハメド・クドゥス（アヤックス / オランダ）
- MF 21 サリス・アブドゥル・サメド（RCランス / フランス）
- MF 22 カマルディーン・スレマナ（スタッド・レンヌ/ フランス）
- MF 24 カマル・ソワー（クルブ・ブルッヘ / ベルギー）
- FW 9 ジョルダン・アイェウ（クリスタルパレス / イングランド）
- FW 10 アンドレ・アイェウ（アル・サッド / カタール）
- FW 19 イニャキ・ウィリアムス（アトレティック・ビルバオ / スペイン）
- FW 25 アントワーヌ・セメンヨ（ブリストル・シティ/ イングランド）
歴代監督
太字はワールドカップで指揮を執った監督。国旗が付いているのは外国人監督。
- フレッド・オサム＝ドゥオドゥ（1978-1981）
- ルディ・グーテンドルフ（1985-1986）
- フレッド・オサム＝ドゥオドゥ（1988-1989）
![]( "オランダ")
リヌス・イスラエル（1997-1998）![]( "イタリア")
ジュゼッペ・ドッセーナ（1998-2000）- セシル・ジョーンズ・アトゥクアイエフィオ（2000-2001）
- フレッド・オサム＝ドゥオドゥ（2001-2002）
![]( "セルビア・モンテネグロ")
ミラン・ジヴァディノヴィッチ（2002）- エマニュエル・クワシ・アフラニー（2002-2003）
![]( "ドイツ")
ブルクハルト・ツィーゼ（2003）![]( "ドイツ")
ラルフ・ツムディック（2003-2004）![]( "ポルトガル")
マリアーノ・バレット（2004）![]( "セルビア・モンテネグロ")
ラトミル・ドゥイコビッチ（2004-2006）![]( "フランス")
クロード・ル・ロワ（2006-2008）![]( "セルビア・モンテネグロ")
ミロヴァン・ライェヴァツ（2008-2010）![]( "セルビア")
ゴラン・ステヴァノヴィッチ（2011-2012）- アクワシ・アッピアー（2012-2014）
![]( "イスラエル")
アヴラム・グラント（2014-2017）- アクワシ・アッピアー（2017-2020）
- チャールズ・アコナー（2020-2021）
![]( "セルビア")
ミロヴァン・ライェヴァツ（2021-2022）- オットー・アッド（2022）
![]( "アイルランド")
クリス・ヒュートン（2023-）
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