ディアドラ(ファイアーエムブレム)とは、二人の愛する男を破滅させた悲劇のヒロインである
概要
キャラクターとして
シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の前半第1部のメインヒロインである。銀髪、あるいは薄紫色のウェーブがかった髪を伸ばした少女。
ヴェルダンの森でシャーマンとして暮らしていたが、シグルドと出会ったことによって大陸を揺るがす陰謀の中心人物として数奇な運命をたどることになる。
第1章にて登場。この時点では彼女は精霊の森の奥で暮らすシャーマンでしかなく、また、彼女は掟によって森から外の世界に出ることを禁じられていた。しかし、前半主人公のシグルドと出会うと互いに一目で恋に落ち、一度は離れるものの、敵の遠距離魔法に苦しむシグルド軍を助けるために再度シグルドの前に姿を現す。ディアドラの持つ「サイレスの杖」によってシグルド軍は無事に敵を撃破することができた。その後、ディアドラは禁を破ってシグルドと結婚し、彼とともに外の世界に出ていくことになった。
第3章ではすでにシグルドとの間に長男であるセリスが誕生しており、シグルドは多難な公の面とは裏腹に、私の面では実に幸せな家庭を築いていた。この章ではディアドラは赤子のセリスの世話を優先して、出撃せず本城で待機することになる。しかし、第3章の途中でディアドラは戦場のシグルドを見舞おうとセリスをシグルドの保護下にあったイザークのシャナン王子に託して城を抜け出した際、暗黒教団のマンフロイによって誘拐されてしまう。
妻の失踪を知ったシグルドは当然すぐに捜索を命じようとするも、そのときすでにシグルドは陰謀によって反逆者の汚名を着せられており、本国から派遣されたシグルド討伐軍がすぐそこにまで来ていた。シグルドは妻の身を案じつつも、捜索をあきらめて討伐軍から逃れていくしかなかった。
次にディアドラがストーリーに登場するのは前半のクライマックス「バーハラの悲劇」の場面である。シグルドたちを罠にはめたヴェルトマー公爵アルヴィスは、実はグランベル王家の皇太子クルトの隠し子で今は自らの妻となったディアドラをシグルドに見せつける。ディアドラはマンフロイによって記憶を失っており、連れ去られた先でアルヴィスの妻となっていたのであった。
行方不明だった妻との突然の再開と、その妻が別の男と結婚していたという事実に混乱するシグルド。だが、その直後にシグルド軍は卑劣なだまし討ちを受け、壊滅。シグルド自身もアルヴィスとの一騎打ちの末に死亡し、ディアドラとの縁が再び交わることはかなわなかった。そして、ディアドラはアルヴィスとの間に子供をもうけ、その子たちがグランベル王国から改編されたグランベル帝国を継承する、はずだった。
ディアドラの母、シギュン
ディアドラの母、シギュンはかつて外界とかかわってはならぬという掟を破り、ヴェルトマー公爵ヴィクトルの妻となっていた。シギュンとヴィクトルの間に生まれたのが、『聖戦』本編で登場するアルヴィスである。
しかし、ヴィクトルは女遊びがやめられず、シギュンは他の女のところに通う夫に泣き続ける日を送っていた。そんな彼女を慰めたのがグランベル王国皇太子のクルトであった。慰めと感謝の感情がやがて愛情に変わるのに時間はいらず、道ならぬ恋の果てにシギュンはクルトの子を妊娠してしまう。
自分の妻が仕えるべき王家の人間に寝取られていたことを知ったヴィクトルは絶望し、自ら命を絶ってしまう。このことはシギュンにも息子のアルヴィスにも大きな影を落とした。シギュンはクルトの子を身ごもったまま出奔。誰にも知られることなく故郷の精霊の森に帰っていった。そして、そこで生まれたのがディアドラである。
つまり、アルヴィスとディアドラは異父兄妹であり、二人はそれを知らなかったとはいえ、近親相姦を行ってしまったことになる。そしてそれは、シギュンの血に隠されていた暗黒神の復活につながっていく。
ディアドラの血の秘密
『聖戦の系譜』の舞台となるユグドラル大陸は、かつて暗黒神の血を引く皇帝が治める「ロプト帝国」が支配していた。ロプト帝国はやがて「神器」を携えた聖戦士たちによって打倒され、聖戦士たちの末裔が治める現在の体制に移り変わっていくが、ロプト帝国の皇帝の血は途絶えていなかったのである。
聖戦士に敗れ、地下に潜ったロプト帝国の残党は暗黒教団を結成し、かつて皇帝に反逆した皇族マイラの子孫を探し始める。マイラの子孫には薄いながらも暗黒神の血が流れており、子孫同士が交わって子供を作ればかつての皇帝並みの濃さで暗黒神の血を引くものが生まれ、暗黒教団に保管されていた闇の魔道書「ロプトウス」を持たせることで暗黒神の復活がなるのである。
マイラの子孫は当然その危険性を認識しており、精霊の森の奥深くにひっそり暮らして外界との接触を控え、なおかつ複数の子供を設けてはならないという掟を作っていた。しかし、シギュンがその掟を破り外界に出て男女の子供を産み、さらにディアドラも自らが暗黒神の血を引くと知っていながら掟を破って外界に出てしまったため、暗黒教団によって誘拐され、異父兄という真実を知らぬままにアルヴィスと番わされ、暗黒神の復活に手を貸してしまうことになった。
ディアドラの最期
アルヴィスとディアドラの間に生まれた双子、ユリウスとユリアのうち、ユリウスはまさに暗黒教団が求めていた人物であった。ここに暗黒教団の宿願は叶い、ユリウスの肉体をもってロプト神は復活を果たす。そして、ユリウスはかつて敗れた光の魔道書「ナーガ」を使えるグランベル王家の者、すなわち母ディアドラと妹ユリアを抹殺しようとする。
ディアドラは最後の力をもってユリアを逃がすことに成功するが、自らは逃れることはできなかった。自らが犯した過ちと、母シギュンが犯した過ち、その結果として生まれてしまった息子ユリウスの手にかかり、ディアドラはその運命を閉じるのであった。
ユニットとして
クラスはシャーマン。使用武器は光魔法および杖。クラスチェンジはできない。
聖者ヘイム直系の血のおかげで光魔法の武器レベルは☆。杖は武器レベルB。加入時点で光魔法「オーラ」と敵の魔法を封じる「サイレスの杖」およびスキル「祈り」「ライブ」を付与する「サークレット」を所持している。
ステータスと成長率も聖者ヘイム直系の血のおかげで魔力と魔法防御力は高いが、その他はそれほどでもない。
スキルは「見切り」。敵の「必殺」などを防ぐことができる有用な防御スキル。
一応、オーラを使った攻撃もできるが、基本は回復の杖を買って回復に専念させたほうが良いだろう。オーラは攻撃力は高いものの、重く、また、ディアドラ自身も防御に不安がある上に、攻撃スキルを持たないためどうしても敵ユニットを減らすのには使いにくい。
母親として
固定カップルのため、ほかのユニットのように誰を相手にするかという議論の対象にはならないが、ディアドラの成長がセリスとユリアのステータスに関わってくるため、できる限りレベルは上げておきたい。
出撃制限もある上に第3章途中で離脱という時間制限もあるので、本城の闘技場で負けたキャラを回復させるなどして経験値を急いで稼ごう。
雑記
- 『聖戦』第1章タイトル「精霊の森の少女」は言うまでもなくディアドラのことを指す。
- 元ネタであるケルト神話のディアドラも恋愛の果てに悲劇を引き起こすという共通点を持つ。
- ちなみにケルト神話における相手の男性は「ノイッシュ」。『聖戦』でも危うくニアミスであった。
- 上記では敵魔道士の魔法に苦しめられるシグルド軍を助ける、と書いたが、実はディアドラを仲間にする前に敵魔道士を倒すことも一応可能。その際にはシグルドはディアドラに聞いているほうが顔が赤くなるような告白を行う
- シグルドとディアドラの恋愛成立はディアドラの加入会話のみで達成される。ほかのカップルが時間をかけて恋愛成立させるのに対して早すぎるということで当時のアンソロジーなどはよくネタにされた。
- 登場する章の村での会話によれば登場時の年齢は17,18歳。
- 『ファイアーエムブレム 覚醒』でも配信キャラとして登場。クラスはダークマージとなっている。
関連動画
関連静画
関連項目
- ファイアーエムブレム
- シグルド(夫)
- アルヴィス(異父兄、かつ、二人目の夫)
- セリス(ファイアーエムブレム) - シグルドとの間にできた長男
- ユリウス - アルヴィスとの間にできた次男。ユリアと双子。
- ユリア(ファイアーエムブレム) - アルヴィスとの間にできた長女。ユリウスと双子。
- 僧侶(ファイアーエムブレム) / ダークマージ
- 近親相姦
- ファイアーエムブレムの関連項目一覧
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