キングズソード(King's Sword)とは、2019年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2023年:JBCクラシック(JpnⅠ)
2024年:帝王賞(JpnⅠ)
生産者は浦河町の日進牧場、所有者はヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン、管理調教師は栗東・寺島良。
父*シニスターミニスター、母キングスベリー、母父キングヘイローという血統。父は米国馬でGⅠ1勝。引退後種牡馬として来日し、ダート戦線に多数の活躍馬を送り込む人気種牡馬となった。
母は芝短距離を主戦場に25戦3勝。牝系は小岩井農場の基礎輸入牝馬の1頭アストニシメントから連綿と続いてきた由緒正しい血脈。8歳上の全兄に重賞1勝ながら9歳まで長く堅実に走り抜いたキングズガードがいる。ちなみに4代母はハローキティーという版権ギリギリな名前だったりする。
母父は*ダンシングブレーヴと*グッバイヘイローという欧米の名馬を両親に持つ超良血で現役時代はGⅠ高松宮記念を勝利。種牡馬としても複数のGⅠ馬を残したが母父としての活躍がめざましい。ちなみにキングヘイロー自身は砂を苦手としたが、産駒にはメーデイアやキタサンミカヅキなどダートの活躍馬も一定数いる。
馬名の由来は「王の剣」。前述の兄キングズガードの馬名である「王の楯」にあやかり、兄のような活躍をするようにという願いを込めて名付けられた。
3歳1月の中山ダート1800mで藤岡佑介を鞍上にデビュー。単勝1.7倍の断然人気に支持され、これに応えて逃げ切り勝ち。2着とは3/4馬身の僅差だったが3着には大差をつけていた。
2戦目は関西に戻り、弟の藤岡康太に乗り替わって3月の阪神ダート1800mの自己条件戦に進んだが、のちに同年のジャパンダートダービーを勝つノットゥルノとJBCレディスクラシックを勝つヴァレーデラルナに当たってしまい、全く逃げ粘れず8着と大敗を喫する。
夏競馬まで休養し、6月の中京で戦列に復帰。距離短縮して1400m戦に出走したが二の脚がつかず後方からの競馬になり、直線馬群の間を縫うように伸びはしたが6着が精一杯だった。なおこのレースで今村聖奈に騎手がスイッチし、以後夏競馬は今村が主戦騎手となる。
続いて小倉に転戦しダート1700mの1勝クラス戦に出走。このレースも中団後方からの競馬になったが、4コーナー手前で早めに仕掛け、直線で先行馬に進路を塞がれかけたが鞍上の今村が迷わず内に振った判断が功を奏し、空いた最内を突いて一気に抜け出し4馬身差の圧勝を決める。
2勝クラス初戦は3週間後、前走と同条件の岩国特別。このレースは先行馬を見るような競馬をしたが前が全く止まらず、バテず伸びずで5着に敗れる。
2ヶ月ほど間を空け、次走は中京に戻ってダート1800mの大府特別。前走を上回る2番人気に支持されたがゲート後に立ち遅れほぼ最後方から大外を回らされる競馬では苦しく、直線伸びはしたが5着がやっとという結果に終わる。
その後再び2ヶ月休養し、阪神ダート1800mの条件戦に出走。今度はゲートを決めて好位置から競馬をしたが直線でやや前に置いて行かれたことが響き前を捕まえきれず完敗の2着に終わる。
翌月の同条件である赤穂特別では川田将雅へ乗り替わり。前走と同じような位置取りの競馬になったが今度は直線まで先行馬の直後で待ち、直線外目を追い出されて一気に加速。残り1ハロンで先頭に躍り出ると上がり最速37秒1の末脚で後続をちぎり捨て、たった200mで2着に10馬身差をつける出色の競馬を見せ3勝クラスに昇格。このレースで3歳を終える。
4歳初戦は2月、前走と同じ阪神ダート1800mの伊丹ステークス。このレースは岩田望来が騎乗する。
このレースも過去2戦と同様先行して直線で抜け出す競馬。直線で1番人気サンライズアリオンにかなりのリードを取られたが残り100mで急加速し、2戦連続上がり最速となる36秒3の鬼脚を繰り出しゴール板寸前できっちり差し切って連勝でオープンに昇格する。
OP初戦は初の重賞挑戦となるGⅢアンタレスS。4戦連続の阪神ダート1800m戦である。騎手は岩田康誠に乗り替わる。このレースは4戦ぶりに後方からの競馬となり、直線上がり最速36秒9の末脚は見せたが逃げたプロミストウォリアの影も踏めず3着に敗れる。
次走はOP特別の三宮ステークス。5戦連続阪神ダート1800m戦である。このレースから川田に手が戻った。
このレースは中団からの競馬となり、直線外に持ち出されて4戦連続の上がり最速である35秒9という強烈な差し脚で猛然と前に迫り、先行集団から抜け出た同父のメイクアリープをハナ差でかわしてOP初勝利を決める。
次走は1年ぶりの小倉へ向かい、ダート1700mの阿蘇S。このレースでは久々に前目のポジションを取り、4番手で4コーナーを通過。前々の競馬ながら上がり3位の末脚で内から力強く伸びて1馬身1/4差の快勝。OP連勝を果たす。
次走には初のGⅠ級競走、初の地方競馬場出走となるJBCクラシックを選択。無敗の南関東三冠馬ミックファイアこそ回避してしまったが、帝王賞連覇のメイショウハリオ、前年覇者テーオーケインズの強豪2頭が顔を揃えた。単勝オッズは上記2頭と交流重賞3連勝中のウィルソンテソーロに次ぐ4番人気となった。主戦の川田がアメリカ遠征中のため、鞍上には短期免許で来日中の「マジックマン」ジョアン・モレイラを迎える。
外の8枠9番から発進すると自然に前に出て、テーオーケインズをマークする3番手の位置につける積極策。そのまま外を回り、3コーナーで早めに仕掛けられ捲り気味に進出。逃げたノットゥルノ、2番手のテーオーケインズと3頭並んで最終直線に向かう。追い比べになるかと思われたが、残り300mで早々に2頭を抜き去り、後続も寄せ付けず4馬身差の完勝。3連勝で初重賞タイトルにして初交流GⅠタイトルを手にした。
管理調教師の寺島良は開業8年目の初GⅠ勝利。厩舎に初重賞勝利(2017年プロキオンステークス)をもたらしたのが兄キングズガードであり、6年の時を経てその弟が再び師に初タイトルを届けた。また鞍上のジョアン・モレイラは2018年エリザベス女王杯のリスグラシュー以来5年ぶり2度目の国内GⅠ級勝利、そしてJBCクラシック初の外国人騎手による勝利。生産者の日進牧場は1999年高松宮記念のマサラッキ以来実に24年ぶりのGⅠ勝利となった。
そして次走は同じ大井2000、暮れのダート大一番東京大賞典へ向かう。鞍上は4歳初戦以来の岩田望来。前走BCクラシック5着と、同レース日本馬最高着順をデルマソトガケと共に更新したウシュバテソーロが出走する大舞台。世代交代へ向けての更なる戦いに挑んだ。
当日は2番人気に支持されたが、最内枠で包まれてしまった事もあり9頭立ての6番手と後方からレースを進める。上り2位の脚をつかうも直線ではウシュバテソーロに交わされ、前走で下していたウィルソンテソーロ、ノットゥルノにも届かず5着。不完全燃焼ともいえる形でシーズンを終えた。
5歳始動戦にはGI、フェブラリーステークスを選択。鞍上に引き続き岩田望来を迎えJRAGI初制覇を目指した。前走と同様に後方に控える形をとり、道中は外目を回したが直線に入ると馬群に包まれてしまった。残り200m付近で内に進路をとり、前に迫るも5着。11番人気のペプチドナイルが勝利し3着に13番人気セキフウが入る大荒れのレースの中、なんとか掲示板を確保したものの、歯がゆい結果となった。
次走は引き続きマイル戦、船橋競馬場のJpn1かしわ記念に挑む。今年も短期免許を取得し来日した「マジックマン」ジョアン・モレイラに手綱が戻ることに加え、前走でも力は見せた事もあり、直前オッズ3.3倍の1番人気でレースを迎えた。
キングズソードは道中果敢に3番手でレースを進めるも、逃げた勝ち馬シャマルと2番手を追走したペプチドナイルには届かず、さらに後方から追い込んだタガノビューティーにも差し切られてしまい4着という結果に終わった。モレイラ騎手も「馬場がベストではなかった」とコメントを残した。
次走はダートグレード上半期の総決算、帝王賞。中央からはメイショウハリオやウィルソンテソーロ、ノットゥルノ、グランブリッジ、セラフィックコール、ディクテオンといったメンバーが集い、地元勢からも大井で重賞3連勝中のサヨノネイチヤ、川崎記念を制したライトウォーリアと、大舞台にふさわしいメンバーが集まった。
今回手綱をとるのは今年ペプチドナイルとフェブラリーSを制し好調を見せる藤岡佑介ジョッキー。デビュー戦以来のコンビ再結成で、王座奪還に挑む。
1番人気に推されたのはドバイワールドカップで4着に入ったウィルソンテソーロ。ダイオライト記念を制した同厩のセラフィックコールは2番人気。キングズソードは近走の不調からか、それに次いでの3番人気となった。
レースではここ数戦と打って変わり、昨年のJBCクラシックと同様3番手につける積極策。川崎記念を逃げ切ったライトウォーリアがスローペースに持ち込む中、楽逃げはさせないと睨みを利かせてレースを進めていく。3,4コーナー中間でウィルソンテソーロとノットゥルノがポジションを押し上げてくる中、前目でレースを進めてきたキングズソードもギアを上げていき、4角先頭で直線を迎えると末脚がさく裂。昨年のJBCの焼き直しとばかりに上がり最速の末脚を発揮し、迫ってきたウィルソンテソーロを直線で引き離しての快勝。大井2000mでの強さを存分に発揮し、2度目のGI級競走制覇を達成した。
鞍上の藤岡佑介ジョッキーは全兄キングズガードもGIIIプロキオンステークスで勝利に導いており、兄弟そろって同ジョッキーでの重賞制覇となった。
レース後のコメントでは、「ダートのチャンピオンホースらしい馬。強い競馬だった」と、勝利を共にしたパートナーを讃えたほか、「もの凄く首が太くなって、ダート馬らしくなったと思いました」と、デビュー時を知る彼ならではの言葉もこぼれた。
その後はJBCクラシック、東京大賞典を目指す予定であったが、JBCクラシック直前に左前浅屈腱炎を発症してしまう。9カ月以上の休養が必要と診断されており、2025年のJpn2日本テレビ盃での復帰を目指す。
| *シニスターミニスター 2003 鹿毛 |
Old Trieste 1995 栗毛 |
A.P. Indy | Seattle Slew |
| Weekend Surprise | |||
| Lovlier Linda | Vigors | ||
| Lida Summers | |||
| Sweet Minister 1997 鹿毛 |
The Prime Minister | Deputy Minister | |
| Stick to Beauty | |||
| Sweet Blue | Hurry up Blue | ||
| Sugar Gold | |||
| キングスベリー 2004 鹿毛 FNo.7-c |
キングヘイロー 1995 鹿毛 |
*ダンシングブレーヴ | Lyphard |
| Navajo Princess | |||
| *グッバイヘイロー | Halo | ||
| Pound Foolish | |||
| リボンストロベリー 1997 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
| Razyana | |||
| ハローキティー | *ラシアンルーブル | ||
| ハードエントリー |
Northern Dancer 6.25% 5 x 5
Squander 6.25% 5 x 5
掲示板
47 ななしのよっしん
2025/04/14(月) 13:14:22 ID: 56xFerbKL1
48 ななしのよっしん
2025/10/02(木) 07:06:14 ID: adAzUwhEuM
怪我からの復帰戦で4着は上々なのだろうか
49 ななしのよっしん
2025/10/02(木) 08:05:17 ID: Nh5lZVFoxC
・中1年以上屈腱炎明け
・戦前の陣営コメントが「次に弾みがつくような競馬ができれば」なので仕上げきってないの明白
・↑故に鞍上も全力追いはしてないように見える(最終直線ムチの回数が明らかに少ない
・怪我前から左回り苦手っぽい戦績
無理してないのが見て取れる苦手環境なのに上がり3位で2着争いに食い込んできたのは俺の馬券以外上々の成果と言える
あと1着エバヤンは怪我前でも無理だよあんなんっていう別格のUMAだし次走に絶対いないから見なくていい
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/16(火) 13:00
最終更新:2025/12/16(火) 13:00
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