リベリオン合衆国(United States of Liberion)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズに登場する国家である。
アメリカ合衆国をモデルとする共和制連邦国家。国旗は合計13本の赤白ストライプを基調とし、正方形のカントンに青い星を入れている。国籍マークは白地に青い星。国民のことは「リベリアン」と呼ばれる。
広い領土から産出される莫大な資源に支えられた高度な工業国家で、ほぼ1億5000万の人口を有する大国。いまだ周辺領域にネウロイの出現を見ていないことから、アジアの扶桑皇国とならんで欧州の戦線を後背から支える役割を果たしている。
星型をした北リベリオン大陸の中部一帯に存在し、その広大な領土の規模は欧州全土にも匹敵する。北にファラウェイランド(ブリタニア連邦)、南をアステカに挟まれており、北方ではファラウェイランドを南北に貫通して北リベリオン大陸中部に侵入する巨大な湾にも接している。
主な都市は、東海岸のワシントン、ニューヨーク、ボストン、東部内陸のデトロイト、シカゴ、マイラ、西海岸に位置するシアトル、シンダティ、トゥミカ、ロングビーチなど。
このほか、アステカの南にあたる地域をリベリオン領マヤとして有している。アメリカ大陸とは大陸の形状が異なるため、パナマ運河にあたる東西連絡の海路は存在していない。
リベリオン大陸にはもともと原住民も居住していたが、リベリオン合衆国の源流となるのは別大陸から移住してきた植民者であり、国家としての歴史自体は短い新興国である。
早い時期に入植したのは北方のスカンディナヴィア人だったが、彼らは本格的な植民地建設には至らなかった。しかし1492年、コロンブスによってリベリオン大陸が発見されると、大西洋に面する東海岸はブリタニア、ガリアなど欧州各国の植民地となってゆく。一方、太平洋に面する西海岸は扶桑武士団の入植するところとなり、1620年、西海岸に扶桑領瑞穂国が成立する。
やがて1776年、東海岸のブリタニア領植民地が前年からの独立戦争の末に独立を宣言、さらに西海岸の瑞穂国も独立を宣言するに至る。以後、北リベリオン大陸内は東部の旧ブリタニア領国家、西部の瑞穂国、そして多数の欧州諸国の植民地が割拠しつつ勢力を広げ、東西各地で衝突が繰り返されるようになった。
事態が動くのは1861年、旧ブリタニア領国家内の南北対立から、南部農業地帯が北部工業地帯に対し分離を宣言したことで発生した南北戦争によってである。この内戦は瑞穂国のみならず欧州各国の積極介入を招くこととなり、1865年に終結したこの戦争の結果、瑞穂国を含めた北リベリオン大陸中部諸地域は合同し、高度な自治権を持つ州からなる巨大な連邦制国家、リベリオン合衆国が成立する。
統一以後のリベリオン合衆国は、日々国力を増大させながらも、広大な国内の開発に工業力のほとんどを投じており、また独立戦争と南北戦争で各国の介入を受けた過去から孤立主義的傾向にあった。しかし国内の開発が一段落し新たな消費地を必要としていた矢先、欧州でネウロイ戦役が勃発し、無数の資源と強大な工業力を持つリベリオンは、最前線の欧州各国を支援する有力な後背地として世界情勢への影響力を強めてゆくこととなるのである。
豊富な国力をもとに、陸海双方に高いレベルで均衡のとれた軍事力を誇る。高い技術力を持つが、個々の兵器の能力としては凡庸で、むしろ高い生産性と信頼性によって評価されている。
海軍においては各種の艦艇をバランスよく揃えている。ただし、艦艇の配置が東西両岸に分かれることがネックとなっている模様。航空母艦としては<ラングレー>や<レキシントン>、<レンジャー>、<エンタープライズ>といった大型艦やボーグ級をはじめとする多くの護衛空母を保有する。この他、ノーザンプトン級重巡洋艦、多数のフレッチャー級駆逐艦などを建造・保有しており、工作艦、浮きドックなど後方支援体制の整備も手厚い。
各国との軍事交流も盛んなようで、上陸支援部隊新設についての扶桑との共同研究に海兵隊からウィッチを送ったり、扶桑、ブリタニアとレーダー照準装置や商船改造型の護衛空母の共同開発も行っている。後者はボーグ級護衛空母(扶桑海軍では犬吠型)に結実した。この他、扶桑海軍艦艇にリベリオン海軍由来のアイスクリーム製造機が搭載されて好評を博す、といったような例もあるようだ。
航空ウィッチを含む航空部隊は、陸軍航空軍(USAAF)、海軍、海兵隊などに分散されている。1903年にライト姉妹が世界初の動力飛行に成功して以来、カーチン・ライト、ノースリベリオン、グラマー、ノースランド、ビヤスターといった多数の航空機製造会社が設立されてきており、さまざまな機体が開発・戦線投入されている。
ネウロイ大戦への本格的な参加は大戦中期以降だが、それ以前から各国に多くの兵器・資源を供与しており、他国のウィッチがリベリオン製の武器やストライカーユニットを使用している例も多く見られる。100隻以上の多数が建造されたフレッチャー級駆逐艦も各国に供与され、大戦初期からの積極的な戦闘参加で多くの護衛艦艇を失った扶桑とブリタニアをはじめ、帝政カールスラント、ガリア共和国、ロマーニャ公国といった諸国で運用されている。
1942年のマルタ島救援作戦には、重巡洋艦などからなる第62任務部隊を派遣した。1945年春の地中海における“オペレーション・マルス”に参加した戦闘艦艇はフレッチャー級駆逐艦多数にとどまったものの、工作艦や浮きドックなどを多数送り込んで後方支援や作戦後の扶桑戦艦<大和>回収に貢献している。
陸軍部隊は北アフリカやガリア解放後の欧州戦線にも送り込まれており、特に統合軍西方総軍には4個軍130万名を誇る第12軍集団を中心に巨大な兵力を展開。リベリオン製のM4中戦車シャーマンがカールスラント陸軍のティーガー戦車と並んで最前線を支える姿も見られている。
世界屈指の大国ではあるものの、新興国である欠点として土地との結びつきが小さく、人口に比してウィッチは少ない。また軍としても戦地の遠さにより危機意識が低く、ウィッチの育成はさほど進んでいなかった。このため、リベリオン人でありながらリベリオン軍の審査に通らず隣国ファラウェイランド空軍に志願し、後々になって招請されてリベリオン軍に移った例もみられる。
大戦中期まで、軍のウィッチは多くが義務教育と並行して民間の養成学校で飛行資格を得たり、大戦勃発以降に急遽募集され促成教育を受けた面々であり、優れた教育システムにより平均的な能力を持つウィッチを多数戦線投入して大戦中盤を乗り切ることとなった。大戦末期に至っては、学制の変更によるウィッチの大量動員が実を結びつつある。
航空ウィッチの統合戦闘航空団への参加は欧州西部・大西洋方面が中心。オラーシャ方面の502JFW、503JFW、505JFWには人員を派遣していないいっぽう、506JFW、508JFWでは要員の約半分をリベリオンウィッチが占める規模となっている。
各作品、特にアニメにおいては、主な舞台となる欧州とも扶桑とも遠く離れている都合上、リベリオン本土が描写されることは長くほとんどなく、アニメ『ストライクウィッチーズ』5話において、シャーリーが最速記録を樹立したボンネビル・ソルトフラッツがわずかに登場する程度であった。
アニメ『ルミナスウィッチーズ』9話ではじめて、航空魔法音楽隊のワールドツアーの最終公演地としてリベリオンのニューヨークが舞台となった。メンバーであるジョアンナ・エリザベス・スタッフォードの出身地として彼女の家族が住む下町の風景が描写されたほか、摩天楼や華やかなブロードウェイの劇場街、公演会場となったガバナーズ島のフォートジェイなどが描かれ、戦時下とは思えぬ空前の繁栄を謳歌している大都会ニューヨークの様子が描かれた。
またアニメ作中では描写されないが、『ストライクウィッチーズ2』1話で扶桑を飛び立った宮藤芳佳の乗る二式大艇は、2話で欧州ロマーニャに至るまで、太平洋周りでリベリオンを経由して飛行している。
この他、“秘め歌”(キャラクターソング)として、『SW劇場版』秘め歌コレクション2において「リベリオンウィッチの歌」が収録されている。原曲は「アメリカ空軍の歌(The U.S. Air Force)」。
主要な国家説明は『ストライクウィッチーズ』DVD特典「全記録」第三集、リベリオンの航空機製造会社の詳細については『ストライクウィッチーズ2』特典「全記録 弐」第五集に収録。
アニメ『ストライクウィッチーズ』などで描かれる第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>(配置はブリタニア→ロマーニャ)には、1名のウィッチを送り込んでいる。
コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』で描かれる第504統合戦闘航空団<アルダーウィッチーズ>(ロマーニャ)には、2名のウィッチを参加させている。
小説『ノーブルウィッチーズ』シリーズで描かれる第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>(ガリア)には、4名のウィッチを送り込んだ。部隊設立に関わる政治的問題から、他国ウィッチとの共同運用ではなく「B部隊」として独立運用されている。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズと『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズ、『ブレイブウィッチーズPrequel』シリーズで描かれるスオムス義勇独立飛行中隊(のちに再編され第507統合戦闘航空団<サイレントウィッチーズ>)(スオムス)には、総計2名のウィッチを送り込んだ。
なお、アーチャー少尉の着任はオヘア少尉の帰任後であり、同時に所属した時期はない。
『ルミナスウィッチーズ』の舞台である連盟空軍航空魔法音楽隊<ルミナスウィッチーズ>には、2人のウィッチを所属させている。
『ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち』で描かれるワイト島分遣隊には、1名のウィッチを参加させている。
第508統合戦闘航空団<マイティウィッチーズ>(大西洋)には、4名のウィッチと航空母艦<エンタープライズ>を派遣している。統合戦闘航空団では唯一、リベリオンウィッチが司令を務める。
この他、小説『ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート』では、護衛空母<スワニー>所属のウィッチとしてサミー・L・シルバ(中尉・海軍。上記のハリス中尉の僚機)が登場している。
これまで作中に登場した非ウィッチの軍人は以下の通り(主な人物のみ)。
その他、文民として、小説『ノーブルウィッチーズ』シリーズにてニューヨーク市警のサマンサ・スペード刑事が『ルミナスウィッチーズ』ではジョアンナ・エリザベス・スタッフォードの家族が登場している。
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最終更新:2024/06/03(月) 04:00
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