1918年(大正7年)
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年 | 1906年 | 1917年 | 1918年 | 1919年 | 1930年 |
干支 | 午 |
巳 |
午 |
未 |
午 |
11月、陸海軍の反乱によるドイツ革命が起こり皇帝ヴィルヘルム2世がオランダに亡命。同月11日にドイツが休戦協定を結び4年に及んだ第一次世界大戦が終結した。
それまでの歴史で類を見ない「総力戦」を人類は初めて経験し、戦死者、戦傷者は約3700万人、使用された弾薬の数は約13億発と、過去の戦争とは比較にならない数となった。
若年層の男性に多数の死傷者が出たことで、結果的に女性の社会進出や選挙権獲得が進んだ。
→ 第一次世界大戦
アメリカ・カンザス州の米兵訓練所で流行したインフルエンザが、第一次世界大戦でヨーロッパへ兵士がぎゅうぎゅう詰めの船で派遣されたことにより夏頃から翌年にかけて各国に蔓延。戦場・戦時下の劣悪な衛生環境も影響し深刻な被害が出た。
報道管制が敷かれていない中立国のスペインが病気に関する死亡者や患者数の情報を報道したこと、「悪いものは何でもスペインから」と決めつける風潮も重なって「スペイン風邪」と呼ばれるようになったという。
全世界で3~5億人の感染者を出して、1920年ごろに感染拡大は収束した。結果として第一次大戦における犠牲者数を遥かに上回る3000~5000万人の死者が出たとされる(ちなみに当時の世界人口は20億人ほど)。
アメリカ国内では戦費を調達する軍事パレードや演説会で感染が拡大し、1920年4月までに55万人が死亡。アメリカ兵の欧州での戦死者のうち半分から80%はスペイン風邪による死亡とされる。
日本でも8月に陸軍の宿舎で蔓延し全国に流行。夏場所で力士の休場が相次ぎ相撲風邪とも呼ばれた。日本での感染者2400万人、死者は45万人ほどと推計され、これは関東大震災の死亡者10万5000人、日露戦争の戦没者8万4000人を遥かに上回る。
→ スペイン風邪
空気中の窒素からアンモニアを作り出す「ハーバー・ボッシュ法」を開発したフリッツ・ハーバーがこの年、ノーベル化学賞を受賞。化学肥料の生産が可能になった人類は世界の食料生産を飛躍的に向上させ、20世紀前半から21世紀にかけて人口爆発に寄与した。現在人類の体内にある窒素の半分以上はハーバー・ボッシュ法で生産されたものだとされる。
また、ハーバー・ボッシュ法は火薬や弾薬の生産を向上させたため戦争を激化させる要因にもなった。
ハーバーは第一次世界大戦が始まるとドイツの化学部門の最高責任者として毒ガスの開発に関わるようになり、塩素ガスやマスタードガスの開発を進めていたことから受賞には批判も集まった。
富山県砺波市で当時21歳の小作農・水野豊造(みずのぶんぞう)が農閑期の副業として試しに植えた10球ほどのチューリップが高値で売れたことから、本格的なチューリップ栽培が富山県で拡がり始める。富山の気候や土地はチューリップのような球根の栽培に適しており、富山県を代表する産業の一つとなった。
現在も富山県はチューリップ球根の出荷量日本一である。昭和29年には富山の県花にチューリップが制定された。
1月 | 警視庁が取り締まりにバイクの使用を開始(当時は赤バイ、1936年に白バイに) |
1月8日 | ウィルソン大統領が14か条の平和原則を発表 |
1月19日 | ロシア民主連邦共和国 |
1月27日 | フィンランド内戦が発生 ~5月15日 |
1月30日 | 豊田自動紡績工場が豊田紡績(現・トヨタ紡織)に改組 |
2月6日 | イギリスの選挙法が改正され一部の女性に初めて選挙権が与えられる |
2月16日 | リトアニアが独立を宣言 |
2月21日 | カロライナインコが絶滅 |
2月24日 | エストニアが独立を宣言 |
3月7日 | 松下幸之助が松下電気器具製作所(現・パナソニック)を創立 |
4月1日 | 名古屋市立鶴舞公園附属動物園(のちの東山動植物園)が開園 |
4月21日 | デンマークで普通選挙法が成立 |
4月24日 | 西部戦線で史上初の戦車戦(ドイツの「A7V」とイギリス軍の「マークIV」) |
5月26日 | 帝国劇場で宝塚少女歌劇の東京初公演が行われる |
7月 | ソヴィエト憲法の制定によりロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国が成立 |
児童雑誌「赤い鳥」創刊、「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)を掲載 | |
1916年に禁止されていた闘犬が東京で再びブームに | |
7月17日 | 元ロシア皇帝ニコライ2世の家族が全員処刑される |
7月22日 | 富山県で米騒動が起こり全国に広がる → 米騒動 |
8月2日 | 日本政府がシベリア出兵を宣言 |
8月29日 | 奈良県で生駒鋼索線(生駒ケーブル)が開業(日本最初の営業用ケーブルカー) |
8月30日 | 社会革命党の左派党員にレーニンが狙撃される |
9月20日 | 東京都麹町に東京海上ビルディングが完成 |
9月29日 | ブルガリアが降伏 |
原敬が第19代内閣総理大臣になる | |
10月 | 森永ミルクチョコレートが発売される |
スペイン風邪が流行し始める | |
10月28日 | チェコスロバキアがオーストリア=ハンガリー帝国から独立 |
10月31日 | オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊 |
11月11日 | ドイツが敗北し第一次大戦が終結 |
11月12日 | オーストリア共和国が成立、ドイツとの合併(合邦)を目指す |
11月16日 | ハンガリーがオーストリア=ハンガリー帝国から独立しハンガリー共和国に |
11月28日 | ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が正式に退位 |
12月1日 | アイスランド王国が独立 |
12月14日 | イギリスで初の普通選挙が実施される |
1月11日 | 加太こうじ | 評論家、紙芝居作家、「黄金バット」2代目作者 |
1月26日 | ニコラエ・チャウシェスク | 政治家、ルーマニア社会主義共和国初代大統領 |
1月31日 | 木暮実千代 | 女優、女優としてCMに出演した最初の人物 |
2月11日 | 池部良 | 俳優 |
2月26日 | シオドア・スタージョン | SF作家、格言「スタージョンの法則」 |
3月19日 | 福永武彦 | 小説家 |
3月21日 | 升田幸三 | 将棋棋士 |
4月17日 | ウィリアム・ホールデン | 俳優 |
4月18日 | 橋本忍 | 脚本家、映画監督、「私は貝になりたい」「砂の器」 |
5月4日 | 田中角栄 | 政治家、第64・65代内閣総理大臣 |
5月11日 | リチャード・ファインマン | 物理学者、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」 |
5月27日 | 中曽根康弘 | 政治家、第71・72・73代内閣総理大臣 |
7月18日 | ネルソン・マンデラ | 政治家、南アフリカ共和国第8代大統領 |
8月25日 | レナード・バーンスタイン | 指揮者、作曲家、「ウエスト・サイド物語」 |
9月9日 | 高橋圭三 | アナウンサー |
10月4日 | 福井謙一 | 化学者、フロンティア軌道理論でノーベル化学賞受賞 |
11月11日 | 鳩山一郎 | 政治家、鳩山由紀夫、鳩山邦夫の父 |
12月2日 | 高峰三枝子 | 女優、歌手 |
12月25日 | アンワル・アッ=サーダート | 政治家、エジプト大統領としてイスラエルと平和条約を締結 |
1月6日 | ゲオルク・カントール | 数学者、対角線論法で有理数と自然数の個数が同じことを発見 |
2月4日 | 秋山真之 | 海軍軍人、「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」の電文を起草 |
2月6日 | グスタフ・クリムト | 画家、「接吻」 |
2月21日 | インカス | 鳥、カロライナインコ最後の個体 |
3月25日 | クロード・ドビュッシー | 作曲家 |
4月20日 | フェルディナント・ブラウン | 物理学者、ブラウン管の発明者 |
4月21日 | マンフレート・フォン・リヒトホーフェン | 軍人、「レッドバロン」の異名で知られる撃墜王 |
4月28日 | ガヴリロ・プリンツィプ | テロリスト、第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件の犯人 |
6月28日 | アルバート・ヘンリー・マンセル | 美術教師、マンセル表色系の発案者 |
7月17日 | ニコライ2世 | 最後のロシア皇帝 |
アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ | ロマノフ2世の第4皇女、遺骨が見つからず生存説が囁かれた | |
10月31日 | エゴン・シーレ | 画家 |
11月6日 | 出口なお | 新興宗教「大本」開祖 |
11月11日 | ジョージ・エリソン | 第一次世界大戦におけるイギリス軍最後の戦死者 (休戦の90分前に戦死) |
オーギュスタン・トレブション | 第一次世界大戦におけるフランス軍最後の戦死者 (休戦の15分前に戦死) |
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ジョージ・プライス | 第一次世界大戦におけるカナダ軍最後の戦死者 (休戦の2分前に戦死) |
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ヘンリー・ガンサー | 第一次世界大戦におけるアメリカ軍最後の戦死者 (休戦の1分後に戦死) |
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トマス中尉 | 第一次世界大戦におけるドイツ軍最後の戦死者 (停戦後に停戦を祝うため近づいたアメリカ兵が停戦を知らず射殺) |
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最終更新:2025/03/23(日) 00:00
最終更新:2025/03/23(日) 00:00
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