アレッジド(Alleged)とは、アメリカ生まれ、アイルランド調教の元競走馬・種牡馬である。
凱旋門賞連覇を達成した5頭目の馬。
名前のAllegedとは「疑わしい」というような意味合いを持つ。
父はアメリカから凱旋門賞に挑んだTom Rolfeの息子Hoist the Flag、母は遡ると名牝系に突き当たり、自身も重賞4勝を含む13勝を挙げたPrincess Pout、母の父は母の父のエキスパートPrince Johnという血統。
当初は競りで主取りになるほどのアレっぷりだったが、育成業者曰く「痩せぎすで骨の形までわかっちゃう有り様だったけど凄いいい骨格してた」と言われたこともありちゃんと育成を施すと立派な体になった。この頃育成業者の夫人が「そんな相馬眼で大丈夫か?」と夫の考えを疑ったエピソードが元で、本馬には「疑わしい」という意味のアレッジドという馬名が付けられた。
2歳になって17万5000ドルでロバート・サングスター率いる馬主グループに買われ、ヴィンセント・オブライエン厩舎に預託されることとなった。
2歳戦は1戦のみだが見事な圧勝劇を見せた。しかしオブライエン厩舎のエースは3戦3勝、Nijinskyの甥っ子The Minstrelであり、彼は血統的に晩成傾向ということもあって、2番手のBe My Guestらを含めNorthern Dancer産駒がメインであった当時のオブライエン厩舎では顧みられることもない存在であった。
3歳初戦も快勝した彼だったが、この時期になるとThe Minstrelが2000ギニーでコケて不安を見せ始め、Be My Guestも長い距離ではよろしくない事が発覚するなど暗雲が立ち込め始めていた。
そんな中、厩舎3番手のNorthern Dancer産駒Valinskyが重賞に出るので、そのつけ馬として同じレースに出走したところ、なんとアレッジドは最低人気をひっくり返してValinskyらを破り勝利したのである。その次走である重賞も快勝して評価は変わっていくかに見えたが、The Minstrelが4日後の英ダービーを制覇し再びエースとして君臨したため、スピードが足りないという評価をされた彼は夏までゆっくり調整されることとなった。
当面の目標としてセントレジャーを選択し、グレートヴォルティジュールステークスで復帰すると英ダービー2着馬や愛ダービー2着馬を歯牙にも掛けず圧勝。セントレジャーへ向かう。
エリザベス女王即位25周年ということもあったか、当年の英オークスを制した女王陛下の持ち馬Dunfermlineが人気サイドとして出走していた。
そのDunfermlineとの戦いになったが、3000mは気性難などがあった彼には長すぎたようで、最後の最後で彼女の根性に屈し2着に敗れる。生涯唯一の敗戦であった。
続いて向かったのは凱旋門賞であった。この頃には疫病が流行ったこともあり、アメリカで種牡馬入りする予定だったThe Minstrelが渡航禁止措置を回避するため既に引退していたので、厩舎のエースは彼になっていた。
その期待に応え、巧みに逃げて後続を寄せ付けず勝利。これで完全に厩舎のエースとなった。
ちなみにこの年の2着馬はニュージーランドからやってきたBalmerinoで、これはエルコンドルパサーとナカヤマフェスタら日本勢を除けば欧州以外調教馬の最上位記録となっている。
しかし、種牡馬としての箔は足りないし、引退してもまだ渡航禁止措置が続いているアメリカには行けないということで、曽祖父Ribot以来の凱旋門賞連覇を目指し現役続行。
凱旋門賞のみに絞ってローテを作り、初戦勝利以外はスクラッチだの感染症で完全休養だのろくに走れなかったが、前哨戦の季節には間に合わせプランス・ド・ランジェ賞をレコードで快勝。そして本番でもハナは切らなかったが早め先頭から押し切った。
史上5頭目の凱旋門賞連覇達成。曽祖父Ribot以来の快挙である。この勝利を手土産に、140ポンド(現在は見直しが行われて134ポンド)という高レーティングを得て引退。GⅠ勝利は凱旋門賞連覇のみという、なんとも極端な成績であった。
引退後は彼のために作られたケンタッキー州のウォルマックファームで種牡馬入り。もちろん種牡馬としても大活躍。愛ダービー馬Law Societyら数多の名馬を輩出した。
ちなみにシンジケートの総額はThe Minstrelの1000万ドルを越える1600万ドルという凄まじいものであったが、その期待には応えたといえる。
2000年に老衰で死去。27歳であった。
差しや追い込みでも勝ってみせたが、一番強かったのは逃げを打った時であり、早くに捕まえに行けばバテておしまい、ほっとくと逃げ切られる厄介な馬であった。
4歳のパフォーマンスは卓越したもので、ヴィンセント・オブライエン師も「Nijinskyに次ぐレベル、あるいはそれすら超越していたかも知れない名馬」と評価しており、両方の主戦を務めていたレスター・ピゴット騎手も同様の評価をしている。
Ribotのひ孫が連覇を達成という、血統のロマンを感じさせるところもロマン派的にポイントが高いかも知れない。
凱旋門賞連覇は早めの引退傾向になったこともあり長いこと現れず(1985年にSagaceが達成しかけたが降着した)、2013・14年連覇のTreveまで出なかった。
ともかく、次元が違う馬だったのは確かである。凱旋門賞は古馬に辛い斤量設定なのは昔からだったし。
Hoist the Flag 1968 鹿毛 |
Tom Rolfe 1962 鹿毛 |
Ribot | Tenerani |
Romanella | |||
Pocahontas | Roman | ||
How | |||
Wavy Navy | War Admiral | Man o'War | |
Brushup | |||
Triomphe | Tourbillion | ||
Melibee | |||
Princess Pout 1966 鹿毛 FNo.2-s |
Prince John 1953 栗毛 |
Princequillo | Prince Rose |
Cosquilla | |||
Not Afraid | Count Fleet | ||
Banish Fear | |||
Determined Lady 1959 黒鹿毛 |
Determine | Alibhai | |
Koubis | |||
Tumbling | War Admiral | ||
Up the Hill | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:War Admiral 3×4(18.75%)、Princequillo 5×3(15.63%)
掲示板
4 ななしのよっしん
2022/12/05(月) 17:26:55 ID: sxcnCmH3sl
70歳くらいの人もニコニコ大百科にいるんだなぁ
5 ななしのよっしん
2024/01/24(水) 15:16:18 ID: dL0rvewizh
どうもレーティングの修正は非公式のものが広まったもの(?)だったらしく現在もアレッシドのレーティングは140のままのようですね
6 ななしのよっしん
2024/01/24(水) 22:54:32 ID: 0Y1cBybmfe
引き下げがなかったことになったのは目出度いんだけど……
かつては堂々とIFHA公式サイトに載せられてたものが今さら非公式って言われてもなぁって気はする
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最終更新:2024/11/27(水) 01:00
最終更新:2024/11/27(水) 01:00
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