あさき、ゆめみしとは、澪(MIO)から発売されている全年齢乙女ゲームである。ジャンルは「和風伝奇アドベンチャー」。
概要
Cyc系初の乙女系ブランド第一作目として2008年7月25日に発売された。当時のプラットフォームはPC。とある田舎町を舞台に人と妖の物語が展開される。2011年4月28日に新規ルート等が追加されたPSP版が発売された(発売元はQuinRose)。
その世界観上、流血描写などの残酷表現が他の乙女ゲームに比べて多く、PC版では全年齢に設定されているがPSP版ではCERO:C(15歳以上推奨)に設定されているので苦手な人は注意。
基本的には和風伝奇らしく物悲しいシリアスな内容だが、日常パートは独特のギャグ要素もありテンポよく進んでいく。
かなりの裏設定があるものの用語辞典はゲーム本編には付属されていないため、PC版は初回限定版、PSP版は豪華版に付属している設定資料集があるとストーリーをより理解しやすくなる。 また、発売から約6年の歳月を経て発売になった公式設定資料集では、本編では明かされていない裏話や登場人物の小ネタなどが満載で、こちらもあるとより深く楽しめるのでオススメ(FDのネタバレもあるので注意)。
余談だが、よく間違われる同名の平安王朝物語漫画とは全く関係がない。
2012年7月27日→10月26日に続編に当たる(らしい)「倭人異聞録~あさき、ゆめみし~」(PC)が発売された。主人公と一部攻略キャラは引き継ぎで、舞台を九州にあるという耶多村に移した新しい物語が紡がれている。シナリオはエッジワークス。どうしてこうなったと別の意味で評判になった。
さらに2013年8月30日にFD「あさき、ゆめみし~ひととせ~」が発売された。今回はオリジナルスタッフが再集結し、ファンからの人気が特に高い「伊織愁一郎」と「利光高虎」の二人がメインのあの夏の後日談になっている。名前だけの存在だったあの兄妹などの登場や伊那砂郷の前日談など、伊那砂郷からのファンは特に楽しめる内容になっている。え、倭人異聞録?はて何のことやら?
登場人物
- 伊織沙耶/苗字以外変更可能(CV:なし)
主人公。伍宮高校という退魔組織が母体となっている高校に通う退魔師兼女子高生。17歳。とある依頼を受け、相棒の妖と共に人と妖が暮らす田舎町「伊那砂郷(いなさごう)」を訪れる。やや貧乏性。札遣い。
生まれつき特殊な力を持つせいか、本編でも女子高生らしからぬ凄惨な最期を迎えることが多い。また、とあるルートではとんでもない漢前っぷりを見せ、攻略対象を驚愕させる一面も。基本的には常識人。
攻略対象
- 八重垣薙羽哉(CV:小野大輔)
メインヒーロー(笑)。伊那砂郷の郷長で主人公の依頼主でもある。18歳。強気で口が悪いが面倒見がいい等身大の青年。好きなものはアイスとゲーム(特にFPS系)。本人は退魔師ではないが、妖を斬る力を持っている。武器は無銘の刀。主人公に不思議な懐かしさを感じているが――?
本編中貴重な常識人でほとんどのツッコミを担っている。周りのキャラが濃すぎるせいで、公式からも発売前からまさかの「影が薄い」認定されていた不憫な人。冗談と思ってプレイすると本当に涙を禁じ得なくなるから困る。あまりの不憫っぷりのせいでPSP版追加要素では「薙羽哉さんがとうとうメインになった」とPC版からのファンを感涙させた。これがまさか続編で新キャラにポジション取られるフラグだったなんて信じたくない。
- 祇王(CV:代永翼)
主人公の相棒を務める妖。見た目は少年だが老獪な喋り方で、大変な博識。心優しく真面目な性格で、過去に主人公に助けられて以来彼女を慕い、健気に守っている。よく読書をしているが本を読むのは本人曰くライフワークで、好きなジャンルは超常現象系。 若い妖とはいえ主人公たちより実年齢は遥か年上(約60歳)でしっかりしているが、割と世間知らずで騙されやすい。見た目はああだが大変な酒豪でもある。チャームポイントは太眉と膝小僧、とのこと。愛称は「ぎおたん」。 - 伊織愁一郎(CV:竹本英史)
主人公の義理の従兄。「紫紋(ゆかりもん)」という退魔組織に属する凄腕退魔師。29歳。2年前に黙って家を出て以来主人公とは会っていなかったが、任務で訪れた伊那砂郷で偶然再会する。焔術と護法童子を使役する。武器は利剣。
「何でもありなら紫紋一」と称されるチートレベルの実力者で一見寡黙で無愛想に見えるが、私生活ではとんでもないダメ人間でド天然のマダオ。そのギャップとどんな道に進んでも主人公の味方であり続けるという揺るぎない愛情で、公式人気投票では二位と倍以上の得票というぶっちぎりの一位を獲得した。愛称は「愁ちゃん」。 - 利光高虎(CV:谷山紀章)
主人公と同じ高校に通う少年。後輩に当たるが主人公とは郷に来るまで面識がなかった。15歳。兄の仇を追い、所属する紫紋の命令に背いて伊那砂郷にやってきた。僅かだが鬼の血を引いている。武器は先祖伝来の刀である大通連と小通連。
一種のツンデレだが、非常にオープンで堂々とした腹黒でもある。動揺すると年相応の姿を見せる可愛い一面も。ギャグパートとバッドED後のヒントコーナーは彼の独断場であり、「また来世」などの数々の名言も残している。余談だが、PSP移植時にPC版から約3年経っていたにも関わらず最も違和感がなかったと評判だった。なんだただのきーやんか。
- 東雲霖(CV:小西克幸)
年齢不詳で胡散臭い情報屋。主人公や愁一郎の昔馴染みでもあり、主人公が伊那砂郷を訪れるきっかけを作った。伊那砂郷へは知人の遺品整理に来ている、らしい。どこか掴みどころがない性格で、人・妖問わず知人が非常に多い謎多き人物。戦う術は持たないようだが――?
普段は飄々としておちゃらけていて構ってちゃんな若干うざい人だが、本質は普段との相当なギャップがある。物語上の重要なキーパーソンでもあり、彼のルートでその正体が明かされる。眼鏡がアイデンティティー。愛称(自称)は「霖たん」。
サブキャラクター
- カガチ(CV:斎賀みつき)
郷に現れた紅い妖。妖でありながら人に味方をする祇王を嫌い、何かと突っかかってくる。どこからともなく蛇を呼び自由に操る力を持つ。
愛らしい容姿と世界を救うと称された魅惑の足を持ち、典型的ツンデレ属性でしかも中の人がアレとかこんな可愛い子が女の子のはずがない。条件付きで攻略可能ゆえか、PSP版の追加要素はない。 - 壱人(CV:細谷佳正)
郷に現れた白い人鬼。ある目的のために行動している。高虎の兄の仇でもある。古風な外見とは裏腹にかなりフランクな言動をするが術者としては一流。
過去の事件で魂だけの存在になっており、現在の姿は高虎の兄の身体を奪ったもの。趣味は解剖で、バッドEDで得意の華麗な解剖を見せてくれる。条件付きで攻略可能。カガチ同様PSP版の追加要素がない挙句、何故か攻略対象に昇格した安綱にPC版の画廊であったはずの個別シーン項目を奪われるという扱いを受けている。 - 安綱(CV:浜田賢二)
八重垣家に仕える従者。郷長である薙羽哉の補佐から八重垣邸の家事の一切をこなす。常に穏やかな笑みを浮かべ、非常に丁寧で人当たりのいい人物。主人公を「お嬢様」と呼んでいる。
物語の重要なキーパーソンであり、郷の秘密に関わる人物。日常パートでは完璧で瀟洒な執事ぶりをいかんなく発揮している。PC版では非攻略キャラだったが、人気投票ベスト5に食い込むという人気によりPSP版では攻略対象に昇格した。が、ルートに入るまでの難易度が異様に高く、発売当初は彼に挑んだ乙女たちを数えきれないほどまた来世させた。 - 虚空(CV:藤村歩)
伊織家の血脈に宿る妖怪食っちゃ寝護法童子。現在の主は愁一郎。祇王の術の師匠でもある。結界など護りの力を得意としており、主のサポートをしている。愁一郎を敬愛しているものの、遣いっパシリにしたりぐーで殴るなど普段はどちらが主従かよく分からない。見た目に反した大食漢で、高給取りであるはずの愁一郎の給料のほとんどが食費に消えているらしい。愛称は「くぅたん」。 - まだら(CV:小幡記子)、ぶち(CV:杉浦奈保子)
郷で唯一の喫茶店「きゃふぇ・まだら」を経営する猫又の姉妹。まだらが姉でぶちが妹。お金と美少年が好き。 - ミク(CV:藤村歩)
壱人に従う少女の人鬼。精神年齢は非常に幼く、遊びで呪詛を遣うほど凶暴でわがまま娘。壱人が大好き。 - 風鬼(CV:白石稔)、水鬼(CV:甲斐田裕子)、金鬼(CV:永田依子)
郷に現れた三色の鬼の兄妹。主人公から見て敵側に与しているが、裏で主人公や高虎を助けたりと別の目的がある様子を見せる。ちなみに兄の空気風鬼は妹たちから全く1ミクロンも尊敬されてない。 なお、余談だがFDの「ひととせ」では風鬼と金鬼のCVが変更になっている。 - アヤ(CV:結本ミチル)
郷に現れた謎の少女。闇を纏い、無数の黒い蝶を操る。主人公の前に度々現れ、主人公の知らない過去に導くような意味深な振舞いをする。物語の鍵を握る重要な存在。
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