『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』とは、2015年3月21日に公開された東映制作の特撮映画作品である。
概要
「仮面ライダーシリーズ」と「スーパー戦隊シリーズ」が共演するクロスオーバー作品「スーパーヒーロー大戦シリーズ」の第4作であり、毎年の恒例となっている春のオールライダー映画の流れをくむ作品となっている。
前作の『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』では無くなっていた「スーパーヒーロー大戦」の名を再び冠した作品となっているが、あくまで本作品のメインは『仮面ライダー3号』をはじめとする「仮面ライダーシリーズ」となっており、「スーパー戦隊シリーズ」からは現行作品である『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のみが登場する。また前年に引き続き、ドライブとニンニンジャーによる春休み1時間合体スペシャルが公開日の翌週に放送され、本作の前日談となる物語が描かれた。(従来のように映画に関連する話が映画公開翌日に放送されていないのは、ニンニンジャーの放送開始が例の事件の影響で一週間延期したため。その影響は後に放送されたスーパー戦隊40周年記念であったニンニンジャーの忍者戦隊コラボにおいても発生している)
(もはや何度目になるのか分からないが)ショッカーの手によって仮面ライダーの歴史が狂ってしまった世界が描かれており、史上初のライダーマシンによるレーシングバトルである「ライダーグランプリ」が行われることで色々と話題となった。なお、本作品は『仮面ライダー』から直接続く物語として、冒頭部に『仮面ライダー』第98話、つまり最終回の映像がそのまま利用されており、そこからシームレスに本編へ繋がるという演出がなされている。
本作で登場する『仮面ライダー3号』は本作品オリジナルの存在ではなく、かつて仮面ライダー本放送時に石ノ森章太郎により考案され、別冊たのしい幼稚園にて連載されていた漫画版仮面ライダーに登場する仮面ライダー3号がモデルとなっている(ただし、名前以外の設定は映画オリジナル)。
その仮面ライダー3号 / 黒井響一郎を演じる及川光博は仮面ライダーV3を演じた宮内洋を自身の俳優としてのルーツと語っており、今回念願叶って仮面ライダーとなった際には子供の時にライダーごっこをしていた頃の夢が叶い、特撮ヒーローのオーディションを受けていた頃の夢もダブルで叶ったと語っている。(なお、及川によれば唐沢寿明もスケジュールの都合が合えば出ていたと語っており、もし出演していれば彼が仮面ライダー4号になっていたかもしれない。ライダーマン的な意味で)
本作品でも前作に引き続きかつてTVシリーズ等で同キャラを演じた役者が多数出演しており、劇場版仮面ライダーディケイド以来、再び南光太郎 / 仮面ライダーBLACK&BLACK RXを演じる倉田てつを、前作のライダー大戦に引き続き乾巧 / 仮面ライダーファイズを演じる半田健人、しばらく芸能界から引退していたが昨年復帰し、本作がその復帰第一作となる桜井侑斗 / 仮面ライダーゼロノスを演じる中村優一、『ネット版 仮面ライダーフォーゼ みんなで授業キターッ!』での声のみ出演から満を持しての変身前からの登場となる橘朔也 / 仮面ライダーギャレンを演じる天野浩成が本人キャストとして登場する。また、変身前の役者は登場しないものの、仮面ライダーブレイド、仮面ライダーカリス、仮面ライダーレンゲルは当時演じていた椿隆之、森本亮治、北条隆博がその声を担当しており、映像作品としては10年ぶりに仮面ライダー剣の主演ライダー4人が(変身後ではあるが)再び本人役として集結する。
なお、前作までは現行作品の前に放送されていた仮面ライダーやスーパー戦隊から登場する主要キャラにおいては本人が変身前の姿で登場、あるいは本人が変身後の姿に声を当てていたが、本作において鎧武は本人(佐野岳)が演じておらず、またトッキュウジャーは登場すらしない。
映画から続くスピンオフ作品である『dビデオスペシャル 仮面ライダー4号』が制作されており、dTVにて独占配信されている。かつて劇場版ウィザードまで続いていたネットムービーと同じくネット配信限定の作品ではあるが、コメディタッチのショートストーリーだったネットムービーとは異なり、本格的なストーリーによる映画の後日談となっている。
あらすじ
1973年2月10日。仮面ライダー1号&2号によりショッカーは全滅し、世界に平和が訪れた…はずだった。突如現れた謎の戦士、「仮面ライダー3号」。ショッカーが開発していた最強の仮面ライダーにより1号&2号は抹殺され、その瞬間、歴史の歯車が狂い出す。
時は流れ、2015年。全世界はショッカーの統治下にあり、泊進ノ介は仮面ライダーを倒すためにショッカーの一員になっていた。だが、激しい戦いの中で進之介は、子供まで縦にするショッカーの卑劣さを目の当たりにする。「子供たちの夢を守り、希望の光を照らす。それが仮面ライダーだ!」身を挺して子供たちを救った仮面ライダーBLACK・南光太郎の言葉が、進之介の心に突き刺さる。「何かがおかしい…」迷い始める進之介の前に、仮面ライダー3号・黒井響一郎が現れる。正義に目覚めたと言う黒井と共に、進之介はショッカーを倒すため動き出す。だが進之介は知らなかった。3号こそが1号&2号を倒した闇の戦士だということを・・・。進ノ介のいく手に、凶悪な罠が待ち受ける。仮面ライダーたちの運命は?正義の心は失われてしまうのか?狂った歴史は取り戻せるのか?その結末は、史上初の「ライダーグランプリ」に委ねられる!
主な登場人物
仮面ライダー
- 泊進ノ介 / 仮面ライダードライブ (演:竹内涼真)
- ショッカーの一員として仮面ライダーを倒すために戦う仮面ライダー。
多くの出会いと別れを経て正義の心に目覚めた後、黒井と共にショッカーを裏切ることになる。 - 黒井響一郎 / 仮面ライダー3号 (演:及川光博)
- かつて1号と2号を倒したショッカー最強最速の仮面ライダー。勝利に対する異常ともいえる執着心を持ち、相手を完膚なきまでに叩き潰す戦い方を取る。
正義を貫く仮面ライダーたちが集結しているという「ライダータウン」へ向かうことを目的としている。 - 南光太郎 / 仮面ライダーBLACK、仮面ライダーBLACK RX (演:倉田てつを)
- 正義を貫く仮面ライダーの一人。子供たちを救うために身を挺して戦うその姿は、進ノ介に再び正義の心を取り戻させるきっかけとなった。進之介を逃がすためにショッカーの攻撃を一手に受ける。
- 桜井侑斗 / 仮面ライダーゼロノス (演:中村優一)
- 黒井と共に逃亡する進ノ介の前に現れる仮面ライダー。ショッカーに改変される前の正しい歴史を知っており、黒井が本来存在しないライダーとして危険視する。その上で監視を目的として黒井らに同行する。
- 乾巧 / 仮面ライダーファイズ (演:半田健人)
- ライダータウンに向かう黒井たちの前に立ちはだかる仮面ライダー。守るべき対象がいない戦いに疑問を感じており、ライダーの中でも独自のスタンスを持っている。
- 詩島剛 / 仮面ライダーマッハ (演:稲葉友)
- ショッカーを裏切った進ノ介や黒井たちに同行し、ショッカーに立ち向かう。
- 橘朔也 / 仮面ライダーギャレン (演:天野浩成)
- レンゲルの配下だった仮面ライダー。ショッカーに追われており、黒井たちにブレイドの救出を頼む。
- 仮面ライダーブレイド(声:椿隆之)
- レンゲルの配下だった仮面ライダー。レンゲル、カリスに捕らえられている。
- 仮面ライダーカリス(声:森本亮治)
- レンゲルの配下として登場。ギャレンに再改造を施すために立ちはだかる。
- 仮面ライダーレンゲル(声:北条隆博)
- ショッカーの大幹部。ブレイド、カリス、ギャレンを従えており、アンデットの開発を進めていた。
ライダーグランプリに登場する仮面ライダー
- 仮面ライダードライブ
- 使用マシン:トライドロン
- 仮面ライダー3号
- 使用マシン:トライサイクロン
- 仮面ライダーアギト
- 使用マシン:マシントルネイダー
- 仮面ライダーカブト
- 使用マシン:カブトエクステンダー
- 仮面ライダーディケイド
- 使用マシン:マシンディケイダー
- 仮面ライダーW
- 使用マシン:リボルギャリー
- 仮面ライダーオーズ
- 使用マシン:ライドベンダー
- 仮面ライダーフォーゼ
- 使用マシン:マシンマッシグラー
- 仮面ライダーウィザード
- 使用マシン:マシンウィンガー
- 仮面ライダー鎧武
- 使用マシン:サクラハリケーン
ショッカー
- ショッカー首領(声:関智一)
- ショッカーを率いる大首領。その正体は不明。かつて仮面ライダー1号と2号によって倒されたはずだが……。
- ブラック将軍 / ヒルカメレオン(演:高田延彦)
- ショッカーの大幹部。ショッカーや特状課を従え、市民を弾圧している。
- 追田現八郎 / チーターカタツムリ(演:井俣太良)
- 特状課に入り浸る一課の警部補であったが、ショッカーによって歴史が改変された世界ではショッカーの一員となっている。
- 魔進チェイサー(声:上遠野太洸)
- ショッカーによって書き換えられた歴史において、「ショッカー」を守る存在となっている。
特状課
- 詩島霧子(演:内田理央)
- 特状課のメンバー。ショッカーによる歴史改変の影響を受けておらず、歴史が改変される瞬間を目の当たりにし、独自の行動をするが……。
- 沢神りんな(演:吉井怜)
- 特状課のメンバー。
- 西城究(演:浜野謙太)
- 特状課のメンバー。
- 本願寺純(演:片岡鶴太郎)
- 特状課の課長。ショッカーの支配下においても、いつか仮面ライダーが正しい世界にしてくれると信じていた。
その他
- 仮面ライダー1号(声:稲田徹)
仮面ライダー2号(声:河本邦弘) - 伝説の仮面ライダー。ショッカー首領を倒した後に突然現れた仮面ライダー3号によって倒され、命を落とす。
だがその魂は不滅であり、ライダータウンにある洋館の地下に存在する電子頭脳に眠り、正義の仮面ライダーたちが集結するその時を待っていた。 - 立花藤兵衛(演:井手らっきょ)
- 仮面ライダー1号こと本郷猛が暮らしていた洋館の執事。この設定は原作漫画における設定を元としており、前述の電子頭脳もその漫画が元である。
手裏剣戦隊ニンニンジャー
- 伊賀崎天晴 / アカニンジャー(演:西川俊介)
加藤・クラウド・八雲 / アオニンジャー(演:松本岳)
松尾凪 / キニンジャー(演:中村嘉惟人)
伊賀崎風花 / シロニンジャー(演:矢野優花)
百地霞 / モモニンジャー - ドライブや仮面ライダーたちのピンチに「スーパー戦隊代表」として駆けつける。
- 伊賀崎好天(演:笹野高史)
- 牙鬼幻月を封印したラストニンジャ。本作ではドライブにある忍手裏剣を託す。
楽曲
作詞 - 藤林聖子
作曲・編曲 - SAKOSHIN
歌 - 及川光博
他にも挿入歌として「レッツゴー!! ライダーキック」(歌 - 藤浩一)が使用されている。
関連動画
関連チャンネル
関連項目
- 仮面ライダー
- 平成ライダー
- 昭和ライダー
- 仮面ライダー3号
- 仮面ライダー4号
- スーパー戦隊シリーズ
- スーパーヒーロー大戦
- 竹内涼真
- 及川光博
- 半田健人
- 中村優一
- 椿隆之
- 天野浩成
- 森本亮治
- 北条隆博
- 倉田てつを
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