大首領とは、昭和仮面ライダーシリーズ共通の赤唐辛子の首領である。
概要
ショッカー、ゲルショッカー、デストロンを直接支配し、GOD機関、ゲドン、ガランダー帝国、ブラックサタン、デルザー軍団、さらにはネオショッカー、ドグマ王国、ジンドグマを裏で支配していたとされる。最後に確認されたのはバダン帝国の総統としてである。声優はほぼ全て納谷悟朗氏。
さまざまな姿で現れたためその正体は不明である。平山亨の『私の愛したキャラクターたち』によればチペットの科学者チェン・マオだとされるが、デルザー軍団大首領は暗黒星雲から飛来した宇宙生命体とされる。バダン総統は劇中で「悪霊のエネルギー」の塊と表現されていることから、実体は持たないとも考えられる。
長谷川裕一の『もっとすごい科学で守ります!』ではデルザー軍団大首領(=大首領)、ネオショッカー大首領、ゴルゴム創世王はそれぞれ同一の存在であったが、地球飛来時のショックか何かで分離したものと推測している。
明確に同一の世界観を持つ仮面ライダーシリーズ作品の敵ボスのうち、暗黒大将軍、銀河王、ゴルゴム創世王、クライシス皇帝とは、現在のところ設定上関わりがないようだが、クライシス皇帝の声優は納谷悟朗が務めている。
ショッカー首領
悪の秘密結社「ショッカー」の支配者で、直接支配し指示を与えていた。最終的にショッカーを見限り、別に支配していたアフリカの暗黒結社「ゲルダム団」と「ショッカー」を合併し、「ゲルショッカー」を立ち上げた。つまり、ゲルダム団の首領とも同一人物ということになる。姿は見せていない。声優は納谷悟朗。
ゲルショッカー首領
「ショッカー」に変わって新たに立ち上げられた組織「ゲルショッカー」の支配者。その正体は毒蛇を顔に多数絡ませた一つ目の怪人であった。仮面ライダー1号・2号に追い詰められてそれなりに抵抗するもかなわず、アジトごと自爆。声優は当然納谷悟朗。ゲルショッカー結成後も、OPテロップでは「ショッカー首領の声」となっていた。
ぱちんこ仮面ライダーMAX(メーカーは京楽)では確変70回転のあと4回転でショッカー(黒、赤、ゲルショッカー)を倒すと戦うことが出来る。その際黒とベレー帽の戦闘員を倒した後ゲルショッカーを倒すことが出来なったら首領が「うわ~はっはっは!!惜しかったな!!」という台詞を吐き、異常に腹が立つ。かなり連チャンするとバトルで戦うことができるが、ライダーは攻撃できず首領が攻撃を続ける。攻撃はテレキネシスみたいなものだった。
デストロン首領
ゲルショッカー首領が「ゲルショッカー」に変わって新たに立ち上げた組織「デストロン」の支配者。その正体は心臓と電子頭脳を備えた原始人の骸骨であった。仮面ライダーV3に倒された。声優はもちろん納谷悟朗。
GOD総司令と呪博士
GOD総司令は、東西各国が日本を滅ぼすために結成した組織「GOD機関」の支配者であるが、ショッカーからデストロンまでの首領との関係は劇中では一切不明である。ショッカーからデストロンまでの首領と同様、姿を現さず声のみで指示を出していたが、「キングダーク」編からは登場しなくなった。声優は阪脩。
呪博士は物語後半に登場した大幹部「キングダーク」に搭乗していた正体であり、自らをGODと名乗るが、GOD総司令との関係もまた不明である。近年の資料では同一人物とされている。仮面ライダーXに倒された。声優は和田文夫。
後にデルザー軍団大首領(=大首領、声:例によって納谷悟朗)がGODも支配していたことが判明しさらにややこしくなるが、仮面ライダーXがデルザー軍団大首領の声を聞いてGODと認識していることから、三者は同一人物と見ていいと思われる。呪博士は単なる影武者か、大首領が「悪霊のエネルギー」であるとすれば、大首領が呪博士に憑依していたとも考えられる。
そもそも日本を滅ぼすための組織が「キングダーク」編からはほかの組織と同様に世界征服をたくらむだけの組織になったのも大首領が絡んでいたため、本来の路線に戻したのであろう…多分。
ゲドンの支配者
秘密結社「ゲドン」は規模が小さく、劇中では「十面鬼ゴルゴス」(声:沢りつお)による私的組織としか見えないため、その上に支配者がいたことは考えにくいが、後にガランダー帝国の全能の支配者(声:阪脩、中田博久)やデルザー軍団大首領(=大首領、声:いつも通り納谷悟朗)が後ろで糸を引いていたことがわかっている。
後に仮面ライダーアマゾンはデルザー軍団大首領の声を聞いてゲドンと認識している。十面鬼ゴルゴスはさすがに大首領とは別人であろうが、憑り付いていた可能性はある。
全能の支配者(真のゼロ大帝)
古代パルチア王朝の流れを汲む「ガランダー帝国」の表向きの支配者はゼロ大帝(演:中田博久)であるが、これは影武者であり、その上に真のゼロ大帝が存在した。これが全能の支配者である。正体を現す前の声優は阪脩であるが、真のゼロ大帝としての姿を現してからは演者の中田博久の声に変わった。
全能の支配者はゲドンなどのありとあらゆる組織を支配していたことを述べているが、その割には組織の規模が小さく、デルザー軍団大首領(=大首領、声:相変わらず納谷悟朗)との関係も不明である。 しかしながら、全能の支配者とデルザー軍団大首領がいずれもゲドンを支配していたことを表明していることから、同一人物と考えていいだろう。真のゼロ大帝に大首領が憑依していたとも考えられる。
ブラックサタン大首領
動物の耳から入ってそれを支配する「サタン虫」を使った世界征服をたくらむ組織が「ブラックサタン」であり、その大首領はサタン虫の長である巨大なサタン虫であった。
魔人の国の一生物と考えられ大首領と同一人物とは考えにくいが、声優はまたしても納谷悟朗である。おそらく単なる影武者か、大首領が憑依していたものと考えられる。
デルザー軍団大首領(岩石大首領)
「デルザー軍団」は魔人の国から来た改造魔人たちが互いに競い合っていた組織で明確なリーダーは存在しないが、実はこのデルザー軍団大首領が後ろで糸を引いていたことが後に判明した。しかもショッカー、ゲルショッカー、デストロン、GOD機関、ゲドン、ブラックサタンを支配していたことも表明している。声優は予定調和のごとく納谷悟朗である。
その姿は岩石の体をした全長10mほどの巨人であるが、中に入ると巨大な脳髄に一つ目のある怪生物であった。実は宇宙から飛来した生命体であり、宇宙に帰ると一言残し自爆した。長谷川裕一の『もっとすごい科学で守ります!』ではこの脳髄が大首領の正体であるとしている。
また、成井紀郎による漫画『7人ライダー最後の大決戦』ではタルタロス星の王「キング=ショッカー」とされていた。
ネオショッカー大首領
ネオショッカーは組織自体はショッカーに似ているものの、その大首領はB26暗黒星雲から飛来した翼竜型の宇宙怪獣である。8人ライダーに倒された。声優はおなじみ納谷悟朗。
大首領との関係は不明だが、バダン総統(=大首領)はネオショッカーも支配していたことを表明していることと、漫画『仮面ライダーSPIRITS』では大首領とは別の存在として登場していることから、単なる影武者か、大首領がその辺の宇宙翼竜に憑依していたと考えるのがまだ自然である。
帝王テラーマクロ
帝王テラーマクロはB26暗黒星雲から飛来した宇宙人で、「ドグマ王国」の支配者である。仮面ライダースーパー1に倒された。俳優は汐路章。大首領との関係は不明だが、バダン総統(=大首領)はドグマ王国も支配していたことを表明していることから、単なる影武者か、大首領が一時的に憑依するなどして関係を持っていたとも考えられる。また、テラーマクロの怪人態であるカイザーグロウはB26暗黒星雲の同名の守護神の姿を与えられたものという設定があるが、明確な関係性は不明。
悪魔元帥
悪魔元帥はB26暗黒星雲から飛来した宇宙人で、「ジンドグマ」の支配者である。仮面ライダースーパー1に倒された。俳優は加地健太郎。大首領との関係は不明だが、バダン総統(=大首領)はドグマ王国も支配していたことを表明していることから、単なる影武者か、大首領が一時的に憑依するなどして関係を持っていたとも考えられる。
バダン総統
バダン総統はこれまでのすべての悪の組織の頂点に立つ組織「バダン帝国」の支配者である。TVSP版では暗闇大使が倒れバダンが崩壊した後、巨大なドクロの姿を現し、海堂博士により「悪霊のエネルギーの塊」と表現された。設定上、大首領と同一人物とされる。声優はやっぱり納谷悟朗。
JUDO
バダン総統は漫画『仮面ライダーSPIRITS』では「JUDO」と呼ばれ、仮面ライダーZXを表裏反転した姿を持つ。
かつて古代の地球に飛来したJUDOは、日本神話三貴士の一人スサノオノミコトとして畏れられたが、同族のツクヨミの手で「虚空の牢獄」と呼ばれる空間に幽閉された。その為、ショッカーなど歴代の組織を間接的に操り、自分と全く同じ体構造を持つコピー=仮面ライダーZXを造り出し、憑依しようと計画した。つまり、ライダーマンを除く1号~スーパー1迄の仮面ライダーはJUDOの分身を作り出す為のプロトタイプであるといえる。
ただし、変身したライダーのうち、1号・X・スーパー1は初期変身(スーパー1は第1話の外部コンピュータを使った変身)、1号・2号・スカイライダーはパワーアップ前の姿である(ストロンガーもチャージアップをしていないため多分これ)。本物と違って性能に頼った戦い方をしており、スーパー1に関しては梅花の技すら知らなかった。
大ショッカー大首領
時は平成となり、仮面ライダーディケイドである門矢士の記憶を失う前の本来の姿。
当たり前だが声優は納谷悟朗ではない。全ての世界を繋ぎ、全てのライダーを破壊し、全ての世界を大ショ ッカーの物にするのが目的だったらしい。ライダーを破壊する理由は世界崩壊の原因だと考えていたからだとか。
なお、後に2017年に公開された「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」で登場した大蜘蛛大首領/ショッカー大首領III世(後述)の存在により、現在は門矢士自身が2代目大首領として位置づけられているようだ。
そして…
『仮面ライダー555劇場版』にて見えないながらもスマートブレインの幹部として納谷悟朗が出演し、人間に成りすましオルフェノクを使い世界征服を企んでいた説、
『仮面ライダーW』の終盤で財団Xなる黒幕のスポンサーが出てきたが、彼らの他の投資先として次回『仮面ライダーオーズ/OOO』のキーアイテムであるメダルが端末画面に一瞬映っていた。もしかしたら彼らは何かたくらんでる連中のスポンサーという「現代の大首領」なのかもしれない…。と色々想像が湧くが、世界観共有は否定されている。
その後、『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』で本家の大首領が平成で初登場。
声優も変わらず納谷悟朗であったが、高齢化による衰えからあまりセリフがなかった(当時80歳を超えていた)。全ての秘密組織を結集させた上にアンクが落としたセルメダルを基に最強の怪人ショッカーグリードを生み出し、仮面ライダーが存在しない歴史を作り上げた。更にこれまで仮面ライダーに登場した悪の組織が徒党を組み、大きな組織となった。
本作は蛇の素顔だけ現し、白面の一つ目の顔は出さなかった。攻撃はヘビの光線。
恐らく歴代最強とされる秘密結社となったが、正義の心がある限り歴代の仮面ライダーがあらゆる次元から集い、仮面ライダーオーズタマシーコンボの威力1000tの必殺技「タマシーボンバー」を食らった後、本当の正体である岩石大首領に変貌した。
余談だが、「仮面ライダー剣」に登場する怪人「トライアルB」はゲルショッカー首領を、「トライアルG」はブラックサタン大首領をデザインモチーフとしている。それぞれ一つ目の白い顔や紫の身体にドクロの顔などが共通している。
大首領の魂は滅びぬ…
2013年3月5日午前3時、大首領を演じていた納谷悟朗氏が慢性呼吸不全により自宅で死去した。享年83。
納谷悟朗氏が鬼籍に入ったという事から、ファンの間でも「今後の仮面ライダーシリーズにおける大首領はどうなるのか?」と不安視されていたのだが、平成2期も折り返しを過ぎた頃の2015年に公開された映画「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」でまさかの展開が起こる。
同作における大首領は巨大頭脳に自身の魂を憑依させた上で世界を支配していて、仮面ライダーへの対抗馬として仮面ライダー3号を制作した他、物語終盤では仮面ライダー3号を依り代に自らが仮面ライダーを彷彿とさせる容姿の巨大ロボ「仮面ライダーロボ」に変化し最終決戦を行った。
当然ながら納谷悟朗の声優出演は叶わず関智一による代役になったのだが、今作は「納谷悟朗がいなくても大首領の魂は健在」という事をアピールした作品と言えよう。
ショッカー大首領III世
2017年に公開された映画「仮面ライダーxスーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」では、ショッカー大首領III世を名乗る人物が登場。
当然ながら関智一ではない。ゲームの中の存在で一度現実世界で倒された身ではあるものの、強大な力を用いて先代大首領の復讐を兼ねつつ、現実世界を侵略しようとしていた。
彼の怪人態である「大蜘蛛大首領」は後にネット配信作品『ドライブサーガ 仮面ライダーブレン』における敵組織「秘密結社『無』」の首領としても登場。こちら側における大蜘蛛大首領の声優は「仮面ライダー3号」同様に関智一が務めている事から、3代目ではなく大首領本人の姿の一つと考えられる。
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