セシリア・アイリーンとは、『機動戦士ガンダム』の登場人物である。
概要
『機動戦士ガンダム』シリーズのうち、いわゆる「一年戦争」の時代を描いた作品において、ジオン公国の総帥「ギレン・ザビ」の秘書官として登場する。
以下で記述した諸作品はあくまで例であり、他にも漫画作品など様々な派生作品に登場している。
小説版
初出は富野喜幸(富野由悠季)による小説版『機動戦士ガンダム』三部作の最終編、『機動戦士ガンダムIII』。
ギレン・ザビの秘書。生まれも育ちもよくないらしいが、そこに起因する鬱屈が逆に彼女の自立心や向上心を養ったのか、傑出した知性を持つ才媛である。
外見は「黒に近い茶のロング・ヘアと同じブラウンの瞳を持った大柄な女性」とのこと。また「豊かな肢体」「豊かな胸」「厚めの唇」の持ち主らしい。ちなみに「ギレン好み」の外見らしく、単なる秘書官ではなく愛人関係にもなっている。なお本作でのギレンには妻がいるので不倫。
ギレンは自分を補佐する彼女の高い能力に目をかけ、またセシリアも自らの鬱屈した心情を晴らしてくれるようなギレンの思想、生き方に共鳴するようになったらしい。
とまで考えているほどであった。本作中にはセシリアが超自然的な感覚で本来知りえないはずのことを知覚してしまうシーンがあるため、このギレンの推測は正しかったと言えそうだ。
そんなセシリアはギレンの冷酷さをも理解しており、自分のような「知りすぎた女」が捨てられる際には殺されるか廃人にされるだろうと予測。それを避けるために自らの能力を磨き続けており、しかもそのことをギレンとの「競い合い」のように感じてスリルも感じているという、割と不穏当な性癖を持つ人でもある。
ちなみにこの小説で、セシリアの名前が最後に出てくるときの描写も
である。やたら触ってくるじゃんこの総帥。
劇場版
劇場版『機動戦士ガンダム』三部作の最終編、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編』でもギレンの秘書官として登場する。
出番としてはわずかなものだったが、この時の「金髪(あるいは明るいブラウンヘア)を高くまとめたヘアスタイルの美女」というビジュアルは以後の作品で踏襲されていく。
ちなみに「この映画でのセシリアの年齢設定は19歳らしい」という情報が載った雑誌記事の画像がネットに出回っている。これは『月刊OUT』1982年5月号の記事のスキャン画像らしい[1]。
機動戦士ガンダム ギレンの野望
『機動戦士ガンダム』シリーズを題材としたゲームソフトシリーズ。
ジオン公国側のシナリオではプレイヤーがギレン・ザビの立場となって指揮するため、セシリアがプレイヤーの秘書官となって頻繁に登場して報告などを行う。おそらくセシリアが最も目立っている作品シリーズ。
M.S.ERA 機動戦士ガンダム戦場写真集
宇宙世紀0080年1月6日の「写真」として、「投降したジオン軍女性士官たち」のイラストが掲載されており、そこに「手を頭の後ろで組んだ投降ポーズをとって、連邦軍の女性兵士からボディチェックを受けているセシリア・アイリーン」が描かれている。
機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画
タイトル通りギレンを暗殺する計画がストーリーの中核となっており、ギレンの秘書官であるセシリアも重要な役柄で登場する。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX
初代『機動戦士ガンダム』のテレビアニメや小説を元に歴史改変した展開を描いたテレビアニメ作品。
同作でも10話「イオマグヌッソ封鎖」にて、ギレン・ザビの秘書官として登場。「アップにした金髪の美女」という点は前述の劇場版以来のキャラクターデザインを踏襲しているが、大きくアレンジされている。
この10話では、ギレンの妹「キシリア・ザビ」が「総帥は最近、ズム・シティにも姿を見せず、贔屓の秘書官と別荘に入り浸っているとか」と語るシーンがある。ズム・シティはジオン公国の首都であるので、要するに「ギレンが仕事をほっぽり出して愛人と過ごしてばかりいる」という批判である。この「贔屓の秘書官」がセシリア・アイリーンのことであると作中で明言されているわけではないが、上記の小説版での設定を加味して考えるならやはりセシリアを指していると考えるのが自然か。
ギレンとの会談の前に待ちぼうけを食らわせられているキシリアが「いつまで待たせるつもりか?」と苛立つとセシリアは涼しい顔で「お忙しい方なのです」としれっと言い返す。その後の会談の席でも、キシリアが口にした「ギレンが父親であるデギン・ソド・ザビを暗殺した」という話題について、セシリアは「それは、総帥に対する侮辱ですか!?」として怒りの声を挙げ、さらにキシリアのマスクを嘲笑するなどして批判する。このように、階級としてかなり上と思われるキシリア相手にも全く敬意を払っていない節がある。
こう言った点を「ギレンの寵愛を受けて増長している」描写だととる視聴者も少なくなかった。ただし「ギレンとキシリアが深刻に対立している」ことは事実であるため、増長とは関係なく「たとえ階級が上でも、忠誠を捧げる総帥に敵対している者に払う敬意などない」と考えていた、ととることもできよう。
声優は「豊崎愛生」氏が担当している。氏はこの10話のテレビ放映後に、自らのブログにて「長くたくさんの方々に愛されてきたガンダムの世界で、セシリアさんというとっても魅力的な女性を演じさせてもらえたこと、光栄に思います。」「表情や言い回し、キシリアさんへ向ける態度などから、彼女のギレン総帥への忠誠心が伝わると嬉しいです。」と記した[2]。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アスラン・ザラ
- アドウ・サガ
- アムロ・レイ
- セイラ・マス
- イオク・クジャン
- カイ・シデン
- カツ・ハウィン
- ガルマ・ザビ
- アーノルド・ノイマン
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