概要
ソーマブリンガー(SOMA BRINGER)とは、モノリスソフトが開発し任天堂が発売したニンテンドーDS用のゲームソフトである。
2008年2月28日に発売。ジャンルはアクションRPGで、いわゆるハックアンドスラッシュ(ハクスラ)に分類される。
プロデューサーはゼノギアス、ゼノシリーズの生みの親である高橋哲哉。音楽はゼノギアスでもタッグを組み、またクロノトリガーの音楽担当としても有名な光田康典が務めている。
あらすじ
トルヴェールという名のこの世界では、地脈や大気に「ソーマ」と呼ばれるエネルギーが満ちていた。人々はソーマを変換する技術によって様々な用途に使用し、文明を築いていた。しかし、ソーマエネルギーのバランスが乱れ、動物や植物に寄生し凶暴化させてしまう「ビジター」という謎の生命体が発生し、被害が多発するようになる。
ソーマエネルギーの利用と管理を司る組織であるセクンダディは、ビジターを討伐するためにファルズフという傭兵部隊を設立。その第七中隊に新米兵士・ヴェルトが配属され、彼の初めての任務において、巨大な繭の中に眠る記憶喪失の少女・イデアと出会ったところから、物語は始まる。
特徴
6つのクラスが存在し、クラスによって得意武器や特技(アビリティ)が異なるのが最大の特徴である。また、同じクラスであっても使用する武器によってアビリティが異なったり、違う系統の魔法を覚えたりすることで戦闘スタイルを変えることも可能である。
なお、レベルアップ時にアビリティポイントが獲得できるが、いつでも振り直すことが可能。そのため、同じクラス内で使える強力な武器が手に入った時や、少し違ったスタイルで戦いたい時などはポイントを振り直して使用アビリティを変更することができる。ただし、腕力や魔力といったキャラクターポイントは振り直せないため、魔法特化キャラから近接特化キャラへといったような変更は難しい。
ソーマス以外のクラスはアビリティに得意武器による攻撃スキルか魔法系スキルのカテゴリが3つ、パッシブやサポート用のカテゴリが1つ存在する。ソーマスのみ4つとも属性魔法のカテゴリとなる(各属性内にパッシブ、補助魔法はあり)。
戦闘は3人パーティで行われ、自キャラ以外の2人はオートで行動する。ワイヤレス通信を使えば3人までの同時プレイも可能(ローカル通信のみ)。
セーブデータは8つまで保存可能。そのため、各種クラスのデータを1つずつ用意して一通り試すなんてこともできる。
トレハンも特徴のひとつ。武器防具にはレアリティが定められており、ノーマル(白)、マジック(青)、レジェンダリ(黄)、レリック(緑)、エンシェント(赤)の順にレア度が高く、強力になっていく。特にエンシェントは固有名詞がついているため、やり込み派はコンプリートしたくなるところではないだろうか。
戦闘システムは攻撃やアビリティを登録したボタンを押して敵を攻撃するという簡単なもの。ダメージが蓄積するとブレイクという特殊アクションが発生し、無防備となる。また、攻撃アクション中にブレイクするとさらに隙が増えるSブレイクが発生する。ブレイク時に打ち上げや叩きつけといった効果を持つアビリティも存在するため、うまくブレイクを使うことが攻略のカギとなる。
クラス
バトラス
近接攻撃がメインの、いわゆる戦士タイプ。万能クラスであり、高いHPと耐久力で正面からの殴り合いで敵をなぎ倒すことができる。パッシブスキルで自分の属性耐性や耐久を強化できる他、自分を含めた味方のHPとSP最大値の一時的な増加なども可能であるため、難しいことを考えずとも十分戦える。アクションは苦手という初心者にもオススメ。
コーアス
片手武器と盾、槍を得意武器とし、他に聖魔法による攻撃・支援も使える魔法戦士。攻撃、防御共にバランスがよい。近接戦での火力は他の近接職より劣るものの、聖魔法による支援によって回復や攻撃速度上昇、耐性上昇などが可能であり、自分や味方をサポートできる。魔力を重視すれば聖魔法をメインとして十分に戦える。あれもこれもやろうとすると器用貧乏になりがちだが、同クラスでも様々な型が選択できるのが強み。
ダークス
両手武器を得意とし、他に暗黒魔法も使える魔法戦士。戦闘サポート手段はコーアスがバフだったのに対し、こちらはデバフがメインとなる。クセはあるが強力な火力関連スキル(自分の体力を削って大ダメージ、HPが少ないほど攻撃力上昇等)が揃っている代わりに、盾が持てないため耐久面ではバトラス・コーアスに劣る。搦め手を使って戦う中級者向けのクラスである。
ガンナス
弓・銃などの遠距離武器を得意とする、いわゆるアーチャータイプ。他に魔法カテゴリとしてトラップも使用可能。トラップで敵の動きを封じたり、味方の移動速度を上昇させたりと言ったサポートから、属性攻撃による弱点狙いなど、攻撃・サポートを幅広くこなせる。ただし、遠距離戦前提で非常に打たれ弱いため、うまく味方を盾にしたり細かく距離を調整したりする技術も求められる。
カンプス
近接攻撃によるコンボが強力なクラス。コンボを繋げることで属性や状態異常を付加させての攻撃が可能となる強力なアタッカータイプ。その一方で近接職であるにもかかわらず打たれ弱く、他近接職のような真正面からの殴り合いは難しい。また、コンボシステムにもややクセがあるため、上級者向けのクラスと言えるかもしれない。
ソーマス
火、水、風、土の4属性を操る魔法のエキスパート。強力な魔法で敵を一網打尽にできる他、各属性魔法内にある補助魔法でのサポートも可能である。魔法使いということでカンプス以上に打たれ弱く、また詠唱にも時間がかかるため、立ち回りには注意が必要。その気になれば各属性強化のパッシブを利用して、付加された属性を強化して武器で殴る魔法剣士プレイも可能である。
キャラクター
プレイアブルキャラクターとなる第七中隊の個性的な8人の他、多数のNPCが登場する。
パーティメンバーとして選ぶ場合は8人それぞれクラスが決まっているが、自キャラにする際にはどのクラスでも選択可能でシナリオに特に変化もないため、見た目の好みやステータス初期値等で考えて選んでしまってもよい。ただし、自キャラにすると自然とパーティメンバーには選べないため、気にするならNPC時のサポート内容なども考慮の上で選ぶといいかもしれない。基本的にヴェルトが中心に話が進むため、困ったら初回はヴェルトを選択すると無難。
ヴェルト
第七中隊に配属された新米兵士の少年。正義感が強く、ソーマに対する天性の感覚を持つ。実質的な主人公といえる。
クラスはバトラス。パーティでは前衛を任せたり、HPとSP最大値を増加するアビリティを使ってくれたりする。
イデア
本作のヒロインである記憶喪失の少女。記憶を失っていることと自ら持つ不思議な力に困惑しながらも、それに捕われ過ぎないような前向きな性格を持っている。彼女の記憶が取り戻されていくとともに、物語は核心へと迫っていくこととなる。
クラスはソーマス。土・水属性の状態異常付き魔法を多用する他、回復魔法も扱う。パーティメンバーとしては序盤のイベント後に加入するが、自キャラとしては1度クリアしないと選択不可。
アインザッツ
第七中隊の隊長。常に冷静沈着な切れ者であるが懐は広く、中隊メンバーからの信頼も厚い。
クラスはカンプス。二刀武器による攻撃と状態異常付加がメイン。耐久力もそれなりにあるため、前衛を任せることもできる。
ジャディス
第七中隊の副隊長。アインザッツとは幼馴染の親友である。非常に大柄であるがフランクな性格の持ち主。
クラスはダークス。その体格にふさわしく、耐久力が非常に高いため前衛として最適。また、サポートも優秀で敵を弱体化させることが可能。前衛の味方が欲しい時にオススメ。
ミラーズ
勝ち気で短気な姉御肌の隊員。同じく第七中隊所属のフォルテとはケンカばかりしている。
クラスはカンプス。同クラスのアインザッツと比べると状態異常上書きの心配がないため、自キャラが状態異常を頻繁に使用するスタイルと相性が良い。
カデンツァ
温和な性格で知性を漂わせる男性隊員。趣味は読書のために知識が豊富で、考古学にも明るい。面倒見もよく、同期のミラーズとフォルテのケンカを仲裁することも多い。
クラスはガンナス。後方からの攻撃の他、状態異常や回復、移動速度上昇などのサポートも行ってくれる。
フォルテ
明るく陽気な性格の女性隊員。ミラーズとはいつもケンカばかりしている。ソーマの流れを敏感に感じ取る高い資質を持っている。
クラスはソーマス。風・火属性の魔法がメインで、イデアと異なり火力に特化している。状態異常上書きの心配が無いため、自キャラが状態異常を頻繁に使用するスタイルと相性が良い。
グラナーダ
寡黙で理性的な女性隊員。カデンツァとは旧知の間柄であり、入隊も同時期。
クラスはコーアス。回復を行なってくれることに加えサポートにも優れ、特にSP回復量上昇の支援が中盤まで非常に便利。さらに終盤は攻撃速度上昇の支援をするフォームも選択できる。接近戦主体であるにもかかわらず、耐久力が心許無いのが欠点。
音楽
本作を語る上で欠かせないのが、ゲームを盛り上げる光田康典による音楽だろう。
タイトル画面からキャラメイクを経て本編冒頭に至るまでに流れる楽曲の数々の完成度・構成は素晴らしいものがある。ほか、、曲名の時点で既にかっこいい哀愁を漂わせつつも力強さを秘めた「炎を駆けるラルゴブリッジ」、美しいメロディーであるにもかかわらずどこか終盤の緊張感や不安感を煽る「リングタワー」等、強く印象に残る名曲が数多く存在する。
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