デンマーク語(dansk)とは、デンマーク王国およびその自治領(フェロー諸島、グリーンランド)の公用語である。この記事を開いた理由は様々あると思うがとりあえず、発音と数詞の面倒くささに定評のある言語ということを頭においてほしい。
概要
デンマーク語は、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)のゲルマン語派の北ゲルマン語群に属する言語である。デンマーク王国および自治領の公用語であるほか、デンマークと国境を接するシュレースヴィヒ地方の一部や旧植民地であったアイスランドでもさかんに使用されており、欧州連合(EU)の公用語の一つともされている。スウェーデン語とともに「東スカンジナビア諸語」を形成している。デンマーク語は、ノルウェー語に大きな影響を与えた一方、逆にドイツ語の影響を受けたとされる。標準デンマーク語(rigsmål)は首都コペンハーゲン一帯の方言がベースになっている。
デンマーク語アルファベット
デンマーク語には下記の29のアルファベットが存在する。
a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z æ ø å
デンマーク語で母音を表すのに用いられるのは a e i o u y æ ø å の全9文字で、残りは子音を表すのに用いられる。子音字のうち c q w x z は外来語に用いられる。
とにかく母音の種類が多い(母音字が多いのはもちろん、位置や前後の音により、ひと文字あたり1~3種類以上の微妙に異なる発音(長短の差を除く)がある)ので、微妙な違いの音を区別するのが得意という人にお勧めしたい。ただし、綴りと音の対応関係がかなり曖昧で、異音(語の区別上意味の無い異なる発音、日本語では鼻濁音や l と r が有名)の幅が異様に広い。例えるなら、アメリカ英語で t がラ行のように発音される現象が多数あるような状態であり、日本人にとって明らかに違う二つの音が、デンマーク人たちにとっては特に区別されない音ということが頻繁にある。主な注意点としては、
- a : 基本的にはやや口を開き気味の「エ」。 だが r の前後等で、より「ア」に近い音になる。
- g, v : 語頭以外ではよく「ウ」の半母音(ワ行の子音)になったり、g は「イ」の半母音(g のみ)、あるいは無音になる。
- d : 語頭以外では多くの場合、英語の the の th 音(ただし舌は挟まずに歯の裏に軽く当てるだけで、しかも英語ほど息を飛ばさないので、l のような「ウ」のような微妙な音)になったり、(とくに n の後では)発音しなかったり。th音(ð)は通常ザ行で表記されるものの英語以上に全くそう聞こえず、むしろ非常に曖昧な滑舌の悪いダ行といった感じ。この d は“Soft d”と呼ばれ、対して普通の d は“Hard d”という。これら二つは音韻上同音なので、すべて普通のd音を使っても意思疎通上問題ないと思われる。
- e : 表される音が最も多い。基本的には「イ」や「エ」のような感じだが、a などと同様 r の前後で「ア」みたいになる。最終音節のアクセントの乗らない e は曖昧母音で、日本語のウをことさら弱くしたような感じ。
- j : 外来語以外では「イ」の半母音(ヤ行の子音)。 しかるべき外来語では日本語のシャ行子音と同様になる。
- r : フランス語やドイツ語と同じく口蓋垂を振動させる音[ʁ]で、直前の子音がある場合は同時に発音される。語頭以外では「ア」の半母音になり易く、また前後の母音を口の開きの大きい発音に変える。
- t : 中性後置定冠詞 -et の場合は t が d と同様に発音される。
- y : はドイツ語の y/ü (ウー・ウムラウト)と同音の母音字。
- z は s と同じ「ス」(母音間でも「ズ」と濁らない)。
- 字で表される事のない Stød(ストゥズ) という発音があり、一部の単語はこれによって区別が可能になる。簡単に言えば一瞬喉を絞めるような発音で、強調した発音では息を完全にせき止め声門閉鎖音(すごく弱い咳みたいなもの)となることもある。その有無と場所は単語ごとに決まっていて、個々に覚える必要がある(規則性が無いわけではないが、非常に複雑)。かなり頻繁にあるので息苦しそうである。
b, d, g は無気音(口先から息を飛ばさない)を表し、しかも基本的には無声音(つまり息を飛ばさない「プ」「トゥ」「ク」)である。p, t, k のほうは帯気音を表し、特に t はかなり強めに息を飛ばすようにするため、帯気音を通り越し「ツ」のように聴こえることがある。ちなみに同様の区別はアイスランド語にも存在する。
ここまで見てもらえばわかるが、デンマーク語は非常に発音がめんどくさい言語である。たとえば童話作家として有名なデンマーク人のアンデルセン(Andersen)は、なんとか日本のカタカナで表記してみるとアナスンというのが実際の発音に近い。
発音をしっかり理解するには発音記号を見ることが必須だが、デンマーク語では注意すべき点がある。国際音声記号(IPA)の音声表記([]で囲んだ表記)において、母音の記号が表す発音が本来と大きく異なる場合が多い。デンマーク語の母音表と、IPAの母音表を見比べてみよう。どちらもIPAだが、デンマーク語での[æ]という記号は、実際は[ɛ]の発音を表している。実は他言語においても母音記号にこのような開きがあったりするが、デンマーク語では無視できないぐらい開きが大きい。発音と綴りの関係がおかしいからといって、発音記号をそのまま読んでもあまり正確ではないので難儀である。
追加字
上述のアルファベットを見てもらえば一目瞭然であるが、最後の3文字は英語のアルファベット(基本ラテン文字)には存在しない文字である。ノルウェー語にも存在するが、表しうる発音は異なる。これらの文字が入力できない場合には、æ を ae で、 ø を oe で、 å を aa で、それぞれ置き換えるのが望ましい。
Æ・æ
歴史的には a と e とをくっつけて作られた文字。「イ」を発音するように狭めに言う「エ」が基本の発音である。ドイツ語やスウェーデン語などの ä (アー・ウムラウト)に相当する文字である。例:æble(リンゴ) 「エーブレ」
Ø・ø
これは o と e との組合せを意味し、発音も(おおむね)「オ」を発音するように口を窄めて言う「エ」が基本の発音である。ドイツ語の ö (オー・ウムラウト)に相当する。例: 『ハムレット』の舞台として知られるデンマークの都市 ヘルシンゲル(Helsingør) は「ヘルスィンェア」。
Å・å
まるで a と o とをくっつけたような形をしているが、上の ○ は o ではなく小書きの a が略されたもので、発音は o の方よりもやや口を開いて出す「オ」が基本の発音である。例: デンマーク第二の都市 Århus は「オーフス」。
母音
デンマーク語の母音音素の数は、長短の区別も入れて20個ほどあると思われるが、デンマーク語が有する母音音素の正確な数を特定するのは困難であると思われる。なぜなら現代ではいくつかの母音が混同・変化し始めており、どこまでを同じ音と認識しているかが話者などによって異なるためである。またそのせいで音声学者の分析にもバラつきがあり、前出の母音表も、あくまで数ある分析のうちの一つであることに注意。混同されているというのは、見方を変えれば区別する数が減ってきているということでもあり、数十年後には母音体系がもっと単純になっているかもしれない。
以下は、標準デンマーク語の母音のテキトーな説明。前述のように発音記号が表す音にズレがある。聞こえに関しては説明が難しく、完全に編集者の主観。綴りはここに出ている限りではないが、頻出するものを挙げた。この表の母音すべてが別物として区別されているわけではないので注意。
発音記号(IPA) | 聞こえ | 発音 | 備考 | 音素 | 綴り |
---|---|---|---|---|---|
前舌母音 | |||||
[i] [iː] | 純粋な「イ」 | かなり狭く、口を横に開く | /i/ /iː/ | i, e | |
[e] [eː] | ほんの少し「エ」っぽい「イ」 | 狭くなりすぎないように「イ」と言う | ɛ, ɛːとの混同あり | /e/ /eː/ | i, e |
[ɛ] [ɛː] | 若干「イ」っぽい「エ」 | 日本語の「エ」を少し狭めに | ɛːはæːとの混同あり | /ɛ/ /ɛː/ /e/ /eː/ | e, æ, ri |
[æ] [æː] | 力の抜けた「エ」 | 日本語の「エ」を少し広めに | /a/ /aː/ /e/ /eː/ /ɛ/ /ɛː/ | a, æ, re, er, ri | |
[a] | 口の前方で言う「エ」混じりの「ア」 | 「エ」を「ア」に聞こえる所まで広くする | 英語のappleと同様 | /a/ /ɛ/ | a, re, ræ |
[y] [yː] | 「ユ」あるいはくぐもった「イ」 | 「イ」で口を窄める | /y/ /yː/ | y | |
[ø] [øː] | 「ユ」混じりの「ウ」 | 狭めの「エ」で口を窄める | œ, œːとの混同あり | /ø/ /øː/ | y, ø |
[œ] [œː] | 「ウ」あるいはくぐもった「エ」 | 日本語の「エ」で口を窄める | /œ/ /œː/ /ø/ /øː/ | ø, ry | |
[ɶ] [ɶː] | 奥から言わない曖昧な「オ」 | 上記の a で口を窄める | /ø/ /œ/ /œː/ | yr, rø, ør | |
中舌母音 | |||||
[ɑ] [ɑː] | 「ア」 | 日本語の「ア」と同様 | b, p, k, r, v の前と、r の後の a で多い。 | /a/ /aː/ /ɛ/ /ɛː/ | a, ig, eg, ej |
後舌母音 | |||||
[u] [uː] | 「ウ」あるいは「オ」 | 口を窄め、若干奥で言う「ウ」 | /u/ /uː/ | u | |
[o] [oː] | こもった「オ」 | 日本語の「オ」より少し狭めで、口を窄め奥から言う | ɔ, ɔːとの混同あり | /o/ /oː/ /u/ /uː/ | o |
[ɔ] [ɔː] | 「オ」 | 日本語の「オ」と同様だが、少し前方 | /o/ /ɔː/ | u, o, å | |
[ɒ] [ɒː] | こもってなくて広い「オ」 | 日本語の「オ」より少し広めで、口を窄め奥から言う | /ɔ/ /ɔː/ | og, ov, år | |
[ʌ] | 「オ」と「ア」の中間、広い感じ | 「ア」を若干後方で言い、少し口を窄める | /ɔ/ /ø/ /œ/ | o, å, øg, øj | |
無アクセント母音 | |||||
[ə] | 「エ」あるいは「ウ」 | 口の力を抜いて声を出す | 曖昧母音 | /ə/ | e |
[ɐ] [ɐ̯] | 「ア」 | 「ア」を軽めに | 母音の後の r | /r/ /ə/ | er, r |
[ɪ] [ɪ̯] | 「イ」 | 「イ」を軽めに | 母音の後の g, j | /g/ /j/ | (前舌母音字)g, j |
[ʊ] [ʊ̯] | 「ウ」あるいは「オ」 | 「ウ」を軽めに | 母音の後の g, v | /g/ /v/ | b, (後舌母音字)g, v |
[ɐ̯], [ɪ̯], [ʊ̯] は主に他の母音と結びついた二重母音として現れる。
音素の列には、最左列の母音が現れる音素を示した。文字が灰色の音素は、その音素で(最左列の)母音が現れる場面が、前後の音の影響を受け変化した状態(たとえば/r/の前後での広音化)であるなど本来的ではない音素である。
※“日本語の「○」”というのは、あくまで単独で言ったときの発音。日本語は母音音素が5個(長短は入らない)のため、デンマーク語に比べると語中の発音の振れ幅が大きい。ちなみに、日本語ではその振れ幅を「言い方」として利用・認識することがよくある。
文法
他の北欧の言語と同様極めて語尾が単純化しているのが特徴である。
名詞関係
それぞれ不定冠詞は一般的な冠詞のイメージ通り名詞の前にen/etを置くが、定冠詞的なものは名詞の語尾に-en/-etという形で一語になって表されるのである(というかスウェーデン語などにも言えるがぶっちゃけ冠詞じゃないので不定形/定形あるいは未知系/既知形などと表される)。またそれとは別に何もつかない基本形(ゼロ形とも)がある。
複数形は1.-er、2.-r、3.-e、4.単複同形、5.不規則という実に様々な作られ方をするので一語一語覚える必要がある(複数の際定形は-ne、または4の場合は-eneを名詞の後ろに引っ付ける)。
基本形(ゼロ系) | 単数 | 複数 | |||
---|---|---|---|---|---|
不定 | 定 | 不定 | 定 | ||
共性名詞 | blyant | en blyant | blyanten | blyanter | blyanterne |
中性名詞 | bord | et bord | bordet | borde | bordene |
形容詞は不定形の名詞には共性-(なにも語尾につけない)、中性-t、複数-eを語尾につけて修飾し、定形の名詞は性数関係なく全部-eを語尾につけて修飾する(定形に形容詞が付く場合は文字通りの定冠詞が付く)。
英語と同じように比較級最上級もあり、前者は-(e)re、後者は-(e)stを語尾につけて作る(不規則なものもいくつかある)。
単数 | 複数 | |||
---|---|---|---|---|
不定 | 定 | 不定 | 定 | |
共性名詞 | en stor dreng | den store dreng | store drenge | de store drenge |
中性名詞 | et stort barn | det store barn | store børn | de store børn |
代名詞は人称代名詞、再帰代名詞、所有代名詞、指示代名詞、不定代名詞、疑問代名詞(ものを尋ねるhvadと人を尋ねるhvem)、関係代名詞(demとsomの2種類)があり大体英語などで見かけるような読んだままの使われ方をしている。
人称代名詞 | 単数 | 複数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
主格 | 目的格 | 所有格 | 主格 | 目的格 | 所有格 | |
1人称 | jeg (ヤ(ィ)) | mig (マィ) | -(後述) | vi (ヴィ) | os (オス) | vores (ヴォース) |
2人称 | du (ドゥ) | dig (ダィ) | -(後述) | I (イ) | jer (イェァ) | jeres (イェァス) |
3人称男性 | han (ハン) | ham (ハム) | hans (ハンス) | de (ディ) | dem (デム) | deres (デァス) |
3人称女性 | hun (フン) | hende (ヒネ) | hendes (ヒネス) | |||
3人称共性 | den (デン) | dens (デンス) | ||||
3人称中性 | det (ディ) | dets (ディツ) |
その他の代名詞 | 単数共性 | 単数中性 | 複数 |
---|---|---|---|
所有代名詞1人称単数「私の」 | min | mit | mine |
所有代名詞2人称単数「あなたの」 | din | dit | dine |
遠称指示代名詞「あれ(それ)」 | den | det | de |
近称指示代名詞「これ」 | denne | dette | disse |
不定代名詞(英語のany) | nogen | noget | nogen |
不定代名詞(英語のsome) | noget | nogel | |
不定代名詞「別の~、ほかの~」 | anden | andet | andre |
不定代名詞「それぞれの~、どの~も」 | hver | hvert | - |
不定代名詞「すべての~」 | al | alt | alle |
不定代名詞「そのような」 | sådan | sådant | sådanne |
不定代名詞「~ない」 | ingen | intet | ingen |
不定代名詞「自分自身の」 | egen | eget | egne |
動詞関係
動詞も極めて単純な活用であり、たとえば現在形はほぼすべてが人称や複数が何であろうと-erのままである(例外は英語のbe動詞にあたるvære→erなどいくつかある)。
基本的には不定詞/現在形/過去形/過去分詞/現在分詞/命令形の語尾がそれぞれ-e/-er/-ede/-et/-ende/-と変化する第1類と-e/-er/-te/-t/-ende/-と変化する第2類の2種類の弱変化をするが、多くのゲルマン語族の言語にみられるようにかつての母音交替(アプラウト)の名残などで過去形と過去分詞が不規則な変化をする強変化動詞もいくつかある(そのほかにも6つ全ての形を覚える必要がある不規則な動詞もある)。
不定詞 | 現在 | 過去 | 過去分詞 | 現在分詞 | 命令 | |
---|---|---|---|---|---|---|
第1類 | elske | elsker | elskede | elsket | elskende | elsk |
第2類 | spise | spiser | spiste | spist | spisende | spis |
不規則(強変化) | flyve | flyver | fløj | fløjet | flyvende | flyv |
また法助動詞としては以下のものがある。
不定詞 | 現在 | 過去 | 過去分詞 | 意味 |
---|---|---|---|---|
burde | bør | burde | burdet | 妥当・適切「~すべき」 |
kunnne | kan | kunne | kunnet | 能力・可能性・許可「~できる」 |
måtte | må | måtte | måttet | 許可・必要・強い推量「~してよい/~しなければならない」 |
skulle | skal | skulle | skullet | 要求・予定・請負・伝聞「~しなくてはならない/~することになっている」 |
turde | tør | turde | turdet | 勇気・許可「あえて~する」 |
ville | vil | ville | villet | 意志・願望・予測「~したい/~するでしょう」 |
完了形はほとんどがhave+過去分詞、変化に関わるいくつかの動詞がvære+過去分詞というフランス語やドイツ語などでおなじみのあれである。
受動態は動詞に語尾-sをつけるs-受動態と、blive+過去分詞で作るblive-受動態の2種類があり、一応前者は反復的・習慣的なもの、後者は一回的・特定的なものという使い分けはあるらしいが、これらの意味の違いは実際の用法にほとんど見られず、多くの場合において後者が使われるのが好まれているらしい(s-受動態が不定詞と過去分詞にできないということも大きい)。
また能動態と受動態に加えてドイツ語と同様に再帰動詞(自分が主体で自分に対する動作を表す動詞)が存在する。
仮定の表現は、仮定法など特に動詞が特別な形になることはなく、過去形で表されている。
その他
接続詞もおおよそ英語と似たような等位接続詞、同位接続詞、従位接続詞が存在する。
等位接続詞 | ||
---|---|---|
意味 | デンマーク語での表記 | (カタカナ表記) |
and | og | オゥ、オ |
but | men | メン |
or | eller | エラ |
同位接続詞 | ||
so | så | ソ |
for | for | フォ |
for(古風) | thi | ティー |
従位接続詞 | ||
「~であること(英語のthat)」 | at | アット、ア |
「~かどうか(関節疑問文の前につく)」 | om | オム |
「~した時(1回的)」 | da | ダ |
「~した頃」 | dengang | デンガン |
「~した時(複数回)、~する時」 | når | ノー |
「~して以来」 | siden | スィーゼン |
「~する間」 | mens | メンス |
「~する前に」 | før | フェァ |
「~するまでに」 | inden | イネン、インー |
「~した後」 | efter (at) | エフタ |
「~するまで」 | indtil/til | インティル/ティル |
「~なので」 | fordi | フォディー |
「~なので」 | da | ダ |
「~なので」 | siden | スィーゼン |
「もしも~ならば」 | hvis | ヴィス |
「たとえ~でも」 | selv om | セルオム |
「~よりも」 | end | エン |
「~のように」 | som | ソム |
「あたかも~ように」 | som om | ソモム |
「~するために」 | så | ソ |
「の一方で」 | mens | メンス |
まとめ
とここまで見てきたようにデンマーク語の文法は英語に毛が生えたような(それもドイツ語よりもさらに小さい)程度のものなので、デンマーク語特有の表現は確かにあるもののそこまで学ぶのに難しいものではない。
むしろ語彙を除けば、やはり上に挙げた発音が一番学ぶ時のネックになる言語ではないだろうか。
数詞
さてもう一つデンマーク語にはとてつもなくめんどくさい要素がある。
4chの画像などで見た覚えのある人も多いかもしれないが、それは数の数え方なのだ。
19までは英語と同じような数え方なのでまあいいだろう。
数 | デンマーク語での表記 | (カタカナ表記) |
---|---|---|
1 | en/et | イーン/イット |
2 | to | トー |
3 | tre | トレー、トラィ |
4 | fire | フィーァ |
5 | fem | フェム |
6 | seks | セクス |
7 | syv | スュゥ |
8 | otte | オーテ |
9 | ni | ニー |
10 | ti | ティー |
11 | elleve | エルヴェ |
12 | tolv | トル |
13 | tretten | トラテン |
14 | fjorten | フィヨァテン |
15 | femten | フェムテン |
16 | seksten | サィステン |
17 | sytten | ステン |
18 | atten | アテン |
19 | nitten | ニテン |
問題はそこから先だ。
20=tyve (テューゥ)
30=tredive (トラズヴェ)
40=fyrretyve (フェーァテューゥ)
とここまではいいのだ。
しかし時代を経るうちに本来10を指していたtyveが20を指すようになったことからややこしいことになり・・・
50=halvtreds(indstyve):halvtredje と sinde と tyve の合成、つまり(3-1/2)×20 (ハルトラス)
60=tres(indstyve):tre と sinde と tyve の合成、つまり3×20 (トラス)
70=halvfjerds(indstyve):halvfjerde と sinde と tyve の合成、つまり(4-1/2)×20 (ハルフィヤス)
80=firs(indstyve):fire と sinde と tyve の合成、つまり4×20 (フィアス)
90=halvfems(indstyve):halvfemte と sinde と tyve の合成、つまり(5-1/2)×20 (ハルフェムス)
というように○×20という形で表されるのである。しかし普通は indstyve の部分が省略されるため、ここまで大変なことになっているようには見えない。
さて10の位が奇数の場合さらにややこしい計算式になっていることも突っ込むべきところだろう。原義に近づけるために引き算で表したが実際は分母が2の帯分数である。たとえば2+1/2は単語にすると3番目(tredje)が半分(halv)という形で表され、完全に満たされた状態の方を基準としているのでこのようなことになるのだ。
また1の位は10の位より前にくるということも忘れないでほしい。
99=nioghalvfems(indstyve) (ニーアハルフェムス(ンステューゥ))
簡単な挨拶など
- Godmorgen! (ゴモーン) おはようございます
- Goddag! (ゴデー) こんにちは
- Godaften! (ゴアフトン) こんばんは
- Hej! (ハイ) やあ、ハロー
- Hej hej (ハイハイ) じゃあね
- Farvel! (ファヴェル) さようなら
- Godnat! (ゴネット) おやすみなさい
- Tak! (タァク) ありがとう
- Rødgrød med fløde (ロズ グロズ メ フルーゼ) デンマーク料理の一つ。苺など赤い果物の煮物にクリームを加えたデザート…なのだが、デンマーク語独特の発音が集約されており、語感が非常に奇妙な言葉として話題に上がる。その聞こえを日本語で表現すると「ホゥッ コホゥッ メフルーゥ」といった感じである。
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関連項目
- 3
- 0pt