概要
人口は約94万人と一部の過疎県や政令指定都市の人口も上回っている過密エリアである。それだけに面積もかなり広く、将来的には100万人を突破する可能性すらある。
私鉄の鉄道網や路線バスが充実していて、都心から近く、学校(大学だけで10校)も多いため、住宅地として発達し、イメージ戦略も相まって人口の増加が続いている。但し、JR東日本と東京メトロと都営地下鉄のどの路線も、世田谷区には全く通っていない。また鉄道路線のほとんどは都心と郊外を東西方向で結ぶ路線で、区内を南北に結ぶような路線が少ない。そのため環状八号線の地下/地上を走って区内を縦断するエイトライナーなる計画が存在するが、工費や採算性の観点から一向に話が進んでいない状態である。
道が狭苦しく区画整理がされていないところが多いため、カーナビゲーションのテスト走行地区に世田谷区が必ず入る(都内の迷宮)。地元住民でさえ迷うことがあると言われている。ちなみにタクシー運転手は「世田谷が走れれば一流」と言われている。この他、「開かずの踏切」も大問題になっていて、小田急線で立体交差化工事が進められているほか、京王線の立体化が計画されている。
また、人口が爆発的に増加している割に警察署が3つしか無いままのため、警邏が行き届かず治安はあまり良くない。そのため、窃盗、空き巣発生率が高くセ◯ムやア◯ソックなど大手警備会社のお世話になっている率が全国で最も高いとか。
また、ふるさと納税者が多いせいで区の行政もあまり潤沢ではないことが、警察署を増やせない要因となっている(これは兵庫県芦屋市も同じ悩みを抱えている)。
このような事が起きている原因としてJRが通っていないという反面、同区には北から京王井の頭線、小田急線、東急田園都市線、東急大井町線、更に東急目黒線まで通っているのだが、お互いがめいめい沿線を民間主導でイメージ戦略も含めて開発しているため、そこに住む住民が自分がいるエリアをステータスと思っているだけで、区民が一致団結する気などまるでないのはおろか、沿線が違えば別人面である。当然、区の政策にもさらさら興味を持っていないので、それが色々と香ばしい問題を起こしているわけである。なお、各沿線には以下のエリアがある。
四方山話
そもそも「世田谷区」のWikipediaの記事があまりにも充実しているので、主要な事柄について、それほど書くことはない。ということで、いくつか落穂ひろいをしてみようと思う。
下北沢
区の北東部に位置する町で、京王井の頭線と小田急線が交差するクロスポイント。それ故、世田谷区内有数の繁華街・商業地の一つに発展した。商店街がいくつも立ち並び、ファッションとグルメに富んでいてたびたびテレビで紹介される。近隣には代沢、代田、北沢とセレブ街が多い。
赤堤通り
経堂の北で都道から別れ、東進して環七に至る道がある。大迷宮である区の道でも数少ない東西方向の通りであるため、渋滞しやすい。この沿線には昭和の頃、何と、「牧場」があった。住宅地の中に牛や馬がいる光景はそこはかとなくシュールだった。
現在、跡地は住宅になって、当時の面影はほとんど残っていない。
二子玉川
世田谷区内有数の商業地の一つ。
かつて、駅の東南に「二子玉川園」という遊園地があった。設備が老朽化した後閉園し、二子玉川タイムスパークとして再開発までの間土地が貸し出され「ナムコワンダーエッグ」として大輪の花を咲かせた。そう、そこはナムコスキーにとっては聖地だった。
今、その跡地は東急電鉄により予定通り再開発がなされ、2015年現在では商業施設・高層マンション群の複合施設である「二子玉川ライズ」が完成し、世田谷区内の映画館では唯一のIMAXシアターを完備した109シネマズ二子玉川も入居している。
馬事公苑
区内で牛はほぼ絶滅し農大の敷地に残るだけで、馬は馬事公苑で見ることができたのだが、1964年に続き2020年東京五輪の馬術競技会場に選定され、その会場整備の必要上、現在は休苑している。東京五輪終了後にリニューアルして再度開苑する予定である。
桜新町
「サザエさん」のまちとして有名で長谷川町子美術館がある。長谷川町子美術館は長谷川先生の自宅がもともとあった場所だという。また桜新町商店街の通りは「サザエさん通り」と名づけられた。地名に「桜」があるとおり国道246号線を越えると桜並木の道がある。また駅前には花木が並んでおり、4月上旬は桜とは違った花見が楽しめる。
用賀
地名の由来はまさに「ヨガ」から。
ここには、なぜか「世田谷ビジネススクエア」という再開発された区画があり、区内でここと三軒茶屋にしかない超高層ビルが建っている。サンマイクロシステムズ日本法人の本社等が入居している。
また用賀は、「首都高速3号渋谷線」・「東名高速道路」の起点・終点となる東京ICが存在し、そのICと接続しているのが「環状八号線」であり、環状八号を南の方へ行くと「国道246号線」「第三京浜道路」が、北の方へ登るとと「中央自動車道」「関越自動車道」があるなど、東京西部~東海・近畿地方などの自動車交通の要となる地点でもある。
ちなみに、サザエさんの町として知られるのは上記の桜新町だが、美術館を建設して引っ越した後の現在の長谷川家は用賀に存在する。長谷川先生は既に亡くなっているが、現在は親族が住んでいる模様。
砧(きぬた)
東宝スタジオ、東京メディアシティ、NHK放送技術研究所などが立ち並ぶ映画・テレビのメッカ。あの円谷プロもこの地で産まれた(東宝傘下として設立されたため)。東京メディアシティは7つのテレビスタジオが設置されている複合施設で、運営母体の国際放映が3つ、TBSと関西テレビがそれぞれ2つずつ所有している。
大阪のテレビ局が制作するゴールデン・プライムタイムの全国ネット番組の多くがここのスタジオで収録されており、また東海テレビのドラマ(昼ドラ→土ドラ)にも使用されるなど、地方局における東京の収録拠点として使用されることも多い。
成城
世田谷区で一番有名であろう高級住宅街で、大田区田園調布とともに都外にもよく知られた超高級住宅街であるため、フィクションにもよく登場する。所ジョージの世田谷ベースや浜田雅功夫妻等、様々な有名人が居を構え、碁盤の目上に整備された道路に生け垣があり高級車が止まる家が立ち並ぶ。これらは成城憲章という地域住民が作ったローカルルールの元整備されている。ただし成城とつく町が全てその通りという訳ではなく、成城学園前駅から離れたり、坂の下の方へ行ったりすると普通の住宅街っぽくなっていく。
また小田急線の線路上にかかる不動橋からは丹沢の山々と富士山を眺めることができる。
他にセレブ街として有名なのは深沢、奥沢、等々力、代沢、赤堤などがあり、芸能界や政界の大物が多く暮らしているが、港区と比較すると高級マンションは少なく、あくまで住宅地として開発されているケースが非常に多い。なお、等々力は等々力渓谷という武蔵野時代の自然渓谷がそのまま残っている場所がある。
喜多見
そんな成城から坂を下った先にあるのが世田谷区で一番南西の隅にある喜多見。ここまでくると最早狛江市である。北見ではない。
また同じ名字のアイドルがいるからか、ファンからは聖地扱い(特に喜多見駅前)されていたりする。
宇奈根・鎌田
世田谷区内で一番マイナー?な町。理由は近隣の鉄道駅がどれも遠い、陸の孤島だからである(特に宇奈根)。その分農地が残り、また川も近くにあるといった世田谷区内でも随一の長閑さを誇っており、都心に近い方がいいけど自然豊かな環境に住みたいと思う人にはちょうど良いかもしれない。
安政の大獄
世田谷線宮の坂駅の近くに井伊家の菩提寺である豪徳寺がある(小田急線豪徳寺駅からは少し歩く)。幕末の大老井伊直弼の墓がある。
一方、井伊大老による「安政の大獄」の巻き添えで死罪になった、吉田松陰の墓のある松陰神社は、世田谷線の松陰神社前駅の近くである。なお、少々遠くなるが小田急線梅ヶ丘駅から国士舘大学脇を抜けて徒歩10分~15分で行く事が出来る。
2つの墓は駅で3駅、直線距離で1km弱しか離れていない。相当な奇縁である。
関連項目
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