志位和夫は、日本の政治家。衆議院議員。元日本共産党委員長(2000-2024)。千葉県出身、東京大学工学部卒。
概要
1993年、当時の中選挙区千葉1区から日本共産党書記局長として立候補し、衆議院議員初当選。2000年より、日本共産党委員長を務める。
2006年、日本共産党の委員長として初めて韓国を訪問。
2015年に自公連立政権の第3次安倍内閣が可決させた安全保障関連法を強く批判し、これを機に同法廃止に向けて野党が結集すべきことを提唱し、民主党(民進党)をはじめとする他野党との選挙協力を推進する(民共共闘)。
2024年1月18日に日本共産党委員長を退任し、政策委員長であった田村智子が後任となる。在任期間は歴代最長の23年あまりであった。
メディアへの露出も多く、「たしかな野党」「建設的野党」として日本共産党の存在をアピールしている。
主張
・TPP参加問題に関しては断固反対の立場。国家の経済主権に関わる問題として、民主党政権の菅内閣及び野田内閣のTPP参加方針を批判している
・軍事同盟の日米安保を破棄し、「対等・平等の日米友好条約」を結びたいとしている。ただし米国の誤った政策には厳しく反対するが、「反米主義」ではない
・韓国に対しては、「長らく『反共』を国是とし、軍事独裁政権が続いてきた国だったが、民主主義がダイナミックに発展し、『反共』の壁は、少なくとも日本共産党との交流ではほとんど感じないほどまでに崩れつつある」と述べている
・中国については「社会主義をめざす新しい探究が開始された国」と評価もしていたが、近年の同国の国際会議の民主的運営をふみにじるやり方などから「新しい大国主義・覇権主義」が見えるとし、これが今後も拡大していくなら「社会主義への道から決定的に踏み外す危険がある」と警鐘をならしている。また「~言論による体制批判に対しては、これを禁止することなく、言論で対応するという政治体制への発展を展望することが、重要だと考えるという立場を、1998年の中国共産党との関係正常化以降、中国にたいしてたびたび率直に伝えてきた」と述べている
・北朝鮮については「社会主義とは無縁の独裁専制体制」と批判している
・外国人地方参政権については選挙権だけでなく被選挙権も付与する立場で立法を目指す
・自衛隊については即時廃止ではなく、国民の合意を得ながら段階的な解消を目指している。武力支援のための自衛隊の海外派遣にも反対しているが、人道的な海外の災害援助活動に対しては否定していない。2015年9月20日には最終的に安保法廃止で一致する政党・団体・個人による選挙協力を行う内容の国民連合政府構想の提案を行っている
・米軍基地については、2016年1月28日の衆議院本会議の代表質問で沖縄県民の度重なる新基地建設反対の民意が選挙結果によって示されたことを踏まえ、辺野古への新基地建設に強く抗議した
・選択的夫婦別姓制度導入には賛成の立場をとっている
労働者雇用問題
2008年2月8日に衆議院予算委員会で質問に立ち、労働者派遣事業について規制強化を要求している。
小泉政権の規制緩和により解禁された日雇い労働者について、日雇い労働者の劣悪な勤務実態の実例を列挙し、政府に規制強化を要求。また、派遣労働者に過酷な労働を強いる労働者派遣業者や宅配業者の実名を挙げ、政府に対策を要望した。それに答えて内閣総理大臣の福田康夫が厚生労働省の研究会に規制強化を検討させる考えを表明。質疑の様子はYouTubeなどにアップロードされ多数閲覧された。ニコニコ動画では投稿3日でコメント数が4000件を超えるなど、大きな反響を呼んだ。
2008年12月11日、記者会見で、大企業などによる中途解雇や雇い止めに対して非正規労働者らが労働組合などを結成し、撤回を求めていることについて「労働者の社会的反撃が始まった。労働者が団結して不当な首切りから雇用を守る闘いが発展することは大事。我が党は今、労働者が反撃に立ち上がる流れに強く連帯して闘いを展開していきたい」と語り、積極支援する姿勢を強調した。ただし、労働組合の関係者からリストラ阻止に向けた取り組みを求められた際、拒絶したことがある。
2015年2月23日、衆議院予算委員会で長時間労働の問題について審議を行った。審議の中で日本経団連・経済同友会役員企業35社の残業上限協定のデータを取り上げ、33社が月45時間の大臣告示を超えた協定、28社が政府が「過労死ライン」と定める月80時間以上の協定を結んでいる実態を明らかにした。この審議の中で志位は「月45時間の大臣告示の規制を法律化し法的拘束力を持ったものにすべき」と主張した。
「志位和夫チャンネル」オープン
2008年10月9日、ニコニコ動画に志位和夫チャンネルがオープンした。上記のような日本共産党の雇用問題に対する姿勢はネット上でも一定の評価があり、公式動画は順調に再生数を伸ばした。志位も思わぬ反響の高さに党躍進の手応えを感じていたが、2009年の東京都議会議員選挙では大敗、同年の第45回衆院議員総選挙では現状維持となり結果は芳しくなかった。
しかし、メディアへの進出が徐々に効を成したのか、2013年東京都議会議員選挙では日本共産党が躍進を果たす。議席数59で再び第一党に返り咲いた自民党、議席数23で相変わらず第二党の公明党に続く第三党として17議席を獲得。議席数15で第四党に転落した民主党を超えて都議会における野党第一党となった。当時の報道メディアでもこの時の様子は大きく報じられ、日本共産党の存在感が増す状況を生んだ。
余談 (2017年の日本共産党)
2017年の第48回衆院議員総選挙においても、日本共産党は第45回から比べれば議席数自体は増えている。しかし獲得議席数12という結果は、一応の成果を納めた第47回の議席数21からは9議席減であるため順位は第五党と変わらずとも選挙としては大敗。それでも維新の会、社会民主党よりは上位ではあるが、55議席数で第二党となった枝野幸男の立憲民主党とは選挙協力を行っていた関係であるのに、票を食われる形となってしまった。
対して、2017年東京都議会議員選挙では、都民ファーストの会(希望の党)が議席数49で第一党となり、自民党は議席数を約半数減らした23議席で第二党へと転落し歴史的大敗北、公明党は同数議席の第二党。それに続く第三党の日本共産党は、こちらでは2議席増の19議席を獲得している。
これについて記者会見で志位は「~都民ファーストの会という新しい大きなグループが誕生するという点では、なかなか難しい条件のもとでのたたかいでした。そういう条件のもとで、日本共産党が19議席を獲得したということは、重要な躍進といえると考えます。この躍進は、4年前の躍進に続くものですが、都議選で2回連続して議席を躍進させたのは、1985年の選挙以来、32年ぶりのことです」と述べている。
その他
・180㌢以上の高身長
・趣味は音楽で特技はピアノ
・大の猫好き動物好き
・平和を愛する
・理系メガネ男子
・祖父・叔父は陸軍士官学校卒の陸軍中将という名家
・家柄の割には庶民派で、自宅は千葉県船橋市の「公団の分譲マンション」
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関連項目
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