現状維持とは、現在の状態をそのまま保つことである。
概要
現状維持は、現在続いている内容を今後も継続させていく事を表した単語である。
現在の状態を維持すればいい。…それは簡単そうに見えて、意外と難しいものも多い。基本的には「良い状態を維持しようとする」意味に使われるが、悪い意味で、悪い状態を維持している現状を指す場合もある。
機械・乗り物・システムの確実な動作・運航・安全を維持するには整備や修理・車検といった手間やお金(維持費)が必要。掃除をしなければホコリだらけ(綺麗な状態を維持できない)。健康や快適・万全な状態の維持にはお金がかかる。
物理的な視点で見ても、高温・高湿・低温・衝撃・圧力・害虫・動物・直射日光(紫外線)・時間(経年劣化)、事故・災害・犯罪(人為的要素)といった環境的要因によっても容易に変化・変形・変質してしまう現状維持の難しさが見て取れる。
人手不足・後継者不足で現場・組織団体の現状維持が難しい場合もある。
健康・身体・日常
- 安いからと毎食ジャンクフード、面倒だからとカップ麺ばかりでも問題である。
- 体を隅々まで洗ったり歯を磨くのも時間がかかる。
- 人間関係や将来の不安といったストレスだらけの日常。
- 酒がうまい、タバコがうまい、暴飲暴食をストレス解消にする。
- インターネットやネトゲが楽しいのでついスマホの画面を凝視してしまう。
- インターネットやネトゲが楽しいので睡眠時間がゴッソリ奪われてしまう。
…など、欲求に逆らえず不健康、病気へ一直線といったパターンも珍しくない。
「どうしてお腹がへるのかな」と歌われるように、満腹度や水分に限っては何もせずとも勝手に消費してしまい維持できないなど言葉にできないものがある。実際は血糖の低下や代謝といった生命維持の問題ではあるが、原因が分かっても現状維持できる訳ではない。
怪我・病気・体調不良になりづらい環境を整えたり、なった際に適切な処置・診察を受けなければ倍々に悪化してしまう場合もある。医療機関を受診すれば何とかなりそうだが、運悪くヤブ医者や悪質な病院に当たってしまう例もある。(→病院)
金銭感覚の疎い人は無駄遣いで財布や銀行口座の金額も維持できないし、冷暖房や加湿器・除湿器など快適な状態を維持するだけでもお金はかかる。教育や親ガチャといった要素も絡んでくる。
日常=当たり前?
インフラ(水道・ガス・電気・通信、公共交通機関、ゴミ処理など)、治安維持・国家防衛といった必要な要素を現状維持してくれている大勢の方々もいるが、日本では「使えて当たり前」と影が薄く見られがちである。
そのくせ少しでもトラブルがあれば鬼の首を取ったようにクレーマーやマスゴミにフルボッコに叩かれる。しかも無知や理解のないまま「俺ならこうする」「こうすればいいじゃないか」「なぜできない」といった理想論、ぼくのかんがえたといったお説教を延々と業務を妨害してまで聞かされる羽目になる。「予算を出さない上の人」に言ってほしいものであるが、力のある人間には逆らわない。
災害や事故で物理的に破壊されない限りほとんど停電も断水もなく、24時間蛇口を捻ればいつでも綺麗な水(地域差はあれど、少なくとも腹を壊さない水)が飲めるというのは世界的に見ても珍しい。秒単位でほとんど遅延なく電車が到着する、警察官に賄賂が通じず比較的真面目に対応してくれるなど…そうでない国々のほうが多いのである。
日本じゃ厨、海外厨といった論争は抜きにしても、
平和で安定した生活が日常的でない国々からすれば、日本は非常に恵まれているといえる。
「一度も奪われたことがないから、自由を当然の権利だと思うのだ。」
その他
戦争においては、長期間の活動のため継続的な補給や輸送・後方支援が必要。最新鋭のカッコイイ兵器に目が行きがちだが、その性能や実力を十分に発揮できる状態を維持できない、軽視すれば全て鉄屑に早変わりの死亡フラグである。
(→兵站)
ゲームや商売などにおいては、戦闘や状況によって容易に現状が崩される場合のほうが多い。いくら万全な状態で挑んでも現状維持どころかフルボッコにされる場合もある。「こちらの優位を現状維持しつつ、相手に最良の現状を継続させない」というのも戦略のひとつである。
…もちろん、言うは易く行うは難しでそれが難しいのだが。
良い状態を維持するためには定期的・リアルタイムな情報収集も時には必要である。
維持してはいけないもの
ブラックバイト、ブラック企業、部活問題(ブラック部活)、既得権益、天下り、癒着や談合、忖度、不法投棄、生活保護の不正受給、カルト宗教などの搾取・跋扈、歩きスマホ、いじめ等問題の隠蔽といった「一部の悪人だけが好き勝手やりたい放題やっている環境」「正直者がバカを見る環境」が維持されてしまっているのも問題である。…むしろここに書ききれない。
もちろん法律を作る側(→国会議員)もその環境維持に加担しているため、維持されやすい。
もちろん逮捕される事もあるが、不正な手段で1000万円分を稼いでも法律で「10万円以下の罰金」で済むなら大黒字であり、費用対効果最高である。[1]そりゃやるわ。
文化的なもの
日本においては「根性があれば何でもできる」「効率性より、安価で倒れるまで死ぬまで働くのが美徳」「若者はいくら活躍しても給与が安くて当たり前」「労働基準法は多少破っても許される」「みんなと同じでなければ恥ずかしい」といった風潮や悪い意味で空気を読むといった悪習が現状維持されている。
一部は根性論、同調圧力、ブラック企業といった百科項目で紹介されている。
悪質なクレーマーやモンスターペアレント、いじめなど、明確に不当な要求・行為であっても昇進や査定に響く[2]ため、波風を立てないよう隠蔽を含め穏便に対処しようとするのも日本の悪癖である。「お客様は神様です」が良い例。
インフラの維持管理や政治・国防など「臭いものには蓋」をした上で「難しいことは分からない」「学ぶのが面倒」「面倒ごとに首を突っ込みたくない」「(できる人がやればいいので)自分には関係ない」(対岸の火事)といった部分もある。
いずれ終止符を打たれる日が来るのだろうか。
関連動画
関連項目
脚注
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