日本海単語

ニホンカイ

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日本海とは、日本列島の北西にある海盆である。

寝台特急については「日本海(列車)」を参照のこと。

概要

日本国内ではおそらく知らない人はいないであろう有名な海で、太平洋と対をなす海洋である。

命名について諸説あるうちの一つとして1600年頃当時日本からの輸出品であった漆・漆器の渡る海(※当時漆器はJapanと呼ばれていた)として『Sea of Japan』が西欧で根付き逆に輸入した地図のものが日本海の命名理由とされている。

一応日本海に関連することについて、以下の項で簡単に説明する。

日本海側とは、日本列島本土のうち日本海に面した地域のことを指す。（※一部例外あり）
しかし、一般的に日本海側という場合は、北海道･九州を除いた本州のみの日本海沿岸地域を指すことが多い。

北海道地方・・・北海道西部
東北地方・・・・・青森県西部、秋田県、山形県
俗に東北日本海側、旧出羽国にあたる部分を指し、出羽地方、羽越地方といわれることもある。なお、東北太平洋側は旧陸奥国にあたるので、東北のことを奥羽と呼ぶ。
北陸地方・・・・・新潟県、石川県、富山県、福井県
近畿地方・・・・・京都府北部、兵庫県北部、滋賀県北部　　
※ただし滋賀県は日本海には面していない
中国地方・・・・・鳥取県、島根県、山口県北部
※狭義の意味で、山陰地方のこと。
九州地方・・・・・福岡県、佐賀県、長崎県北部

上記地域のうち、主に九州地方3県を除いた地域がこの気候区に該当する。

地域によって差はあるが、日本の中で多雪地帯･豪雪地帯とされている地域とほぼ重なる。また、冬季は晴れの日が少ない。西高東低の気圧配置となり北西からの季節風(モンスーン)が吹く冬季には、降水量･降雪量や落雷が非常に多くなるのが特徴である。

日本海側の政令市としては現在、札幌市･新潟市･北九州市･福岡市の4都市が指定されている。

※ただし本州だけに限定して考えた場合は、政令市は新潟市のみである。その他、大きな都市といえば金沢市ぐらいで、人口２０万人以上となると秋田市、長岡市、富山市、福井市、松江市のみ。そのため、裏日本とかいわれたこともあったが、差別的なニュアンスが強いので使用しないのが望ましい。今日では本州日本海側、あるいは環日本海地域と呼んでいる。

また、北海道では日本海側に面した都市で大規模な都市は小樽と札幌（海には面していない）ぐらいであり、道南、天塩方面では人口が少ない。

一方の九州では日本海側と東シナ海側が国土軸になっているため、人口が密集している。

太平洋側と比較すると人口も少ないため、交通基盤が比較的脆弱である。東北と北陸を結ぶ国道７号線、北陸と山陰を結ぶ国道８号線、そして山陰を結ぶ国道９号線が主要幹線となっているが、自動車専用道路に至っては、北陸道以外は全通していない（山陰自動車道に至っては未成区間が半分以上である）。

鉄道交通網では、東北と北陸を結ぶ羽越本線、北陸と山陰を結ぶ北陸本線、山陰と九州を結ぶ山陰本線があるが、山陰本線は非電化である。新幹線も、太平洋側から秋田、山形、新潟、金沢とは接続されているが、日本海側同士の接続があまりない。そのため、太平洋側との中継点となっているのは新潟市、金沢市、京都市となっている。

かつては北前船の交易で栄え、敦賀や三国（坂井市）、酒田、土崎（秋田市）などはその拠点となった。廻船業で財を成した本間家などは有名。今日でも国際貿易港の新潟港を初め、敦賀市や舞鶴市は関西と北海道や新潟を結ぶ日本海側海上交通の拠点となっている。

工業の中心地は北陸地方であり、福井から石川県に至る地域では繊維工業が発展した。また、富山県～新潟県に至る地域では豊富な水力を利用した金属工業で繁栄した（YKKは富山発祥、三協立山は富山の企業である）。東北日本海側や山陰地方は工場誘致などにより、機械工業が点在しているが、太平洋側と比較するとその金額は遥かに少ない。

農業は稲作が中心であり、津軽平野、秋田県、庄内平野、北陸地方、出雲平野などで盛ん。特に東北日本海側は冷害の元凶にもなっていたやませの影響もなかったことから、古くから全国屈指の米どころとなっている。また、砂地では梨やスイカの栽培が盛んで、特産地が分布する。

漁業も盛んで、カニやブリ、アジ、カレイ、イカ、マグロなど豊富な水産資源で知られる。中でも、山陰地方には鳥取県の境港と島根県の浜田港という全国有数の漁港（特定第三種漁港）があり、漁獲量も多い。玄界灘沿岸も福岡港、唐津港、松浦港など漁港が多い。北海道では古くはニシン漁で繁栄し、至る地に鰊御殿といわれる番屋跡がある。今日ではスケトウダラ漁、タラ漁が盛ん。

商業は人口規模に依存するため太平洋側ほど振るわないが、日本海側より太平洋側と結びつきが強い都市が商業中心地として発展しているケースが多いのが特色。新潟市はその最たるもので、古くから東京との結びつきが強く、首都圏で大災害などが発生した場合、首都機能を移転させる計画も実行化している。一方の金沢市も、北陸新幹線、特急サンダーバードによってお互い２時間半で結ばれているため、日本海側の新たな拠点となりつつある。その他、関西と太平洋側の玄関口となっている敦賀市、山陽と山陰の玄関口となっている米子市なども商業が盛ん。