概要
遊戯王カードの人気は国内に留まらず、海外でも発売され、大会も開かれている。
様々な言語版が存在するが、ここでは特にプレイヤー間で話題になることが多い。
国ごとに、OCG・TCGと分類されており、それについても解説する。
遊戯王OCG(海外)
韓国・台湾・中国・その他アジア諸国は日本と同じ「遊戯王OCG」である。いわばアジア圏の遊戯王と言えば「遊戯王OCG」となる。
アジア日本語版
香港・台湾・シンガポール等のアジア諸国で販売されている。
第8期以降ではアジア圏向けの日本語カードが販売されており、印刷や紙質等の細かな仕様以外は日本と全く同じである。
第10期以降は日本版と同じ線数で印刷されるようになった。
アジア英語版
インドネシアでOCGを発売することになった際に合わせて発表されたもの。
カードナンバーの言語表記は「AE(Asian English)」。
裏面も含めて、後述する初期のアジア英語版と異なり、完全にOCG仕様となっており、TCGではなく、正真正銘OCGの「英語版」である。
2023年10月に販売開始されたばかりでカードプールの問題で独自制限となっており、《マジェスペクター・ユニコーン》が無制限であるなどの差がある。
レギュラーパックの発売頻度はかなり巻いており、「DUELIST NEXUS」から販売開始して5月に「LEGACY OF DESTRUCTION」発売予定である。
また、収録カードの内容に一部追加・変更があり、本来それより以前の商品に入っていたカードも収録されており、それでも収録しきれないものは「CREATION PACK」という形で登場している。
一部のアジア圏においては同じOCGのカードであるため、アジア日本語版とアジア英語版は混ぜて使用可能である一方、OCGではないTCG英語版と混ぜて使うことは出来ない。(日本ではアジア英語版の使用はできず、アジア日本語版の使用は許可されている。)
また、本OCGでは禁止カードになっているカードも一部収録されており、これがいつ本OCGに影響与えるのか与えないのかは不明。
旧アジア英語版(第2期~6期)
最初期に売られていたアジア英語版。
カードの内容・見た目は全てTCG仕様になっており、「遊戯王 TRADING CARD GAME」と書かれていたが、紙質はOCG仕様というカオスな製品。
そのため、厳密にはこれらのカードはTCGとは異なるもので、TCGの公式大会では使用することはできなかった。
2009年8月6日の「RAGING BATTLE」が最後の商品だった。
現アジア英語版のページでも旧版の商品も商品リストに入れられている。
韓国版
韓国版遊戯王はカードの特徴はとにかく安いことである。通称、韓版。
こちらはコナミ直売ではなく、製造元が韓国のアニメーション制作や漫画やゲームのローカライズを行っている「DAEWON MEDIA」という会社になっているが、基本的な販売時期はOCGに準拠している。また、現在はレギュレーションも日本と同じものが使われている。
パックの発売順が一部日本と異なり、パックの内容が英語版である遊戯王TCGを準拠としていたが、「STRIKE OF NEOS」からパックの内容が統一されている。
また、 「LEGACY OF THE VALIANT」以降、韓国先行発売カード「ワールドプレミア韓国版」が追加されたことにより、さらに海外新規カードが増えたが、第9期の「DIMENSION OF CHAOS」以降ではワールドプレミアが廃止されている。
中国簡体字版
正確には「中国繁体字版」。
2020年4月18日に「RISE OF THE DUELIST」から販売され、現在は本OCGに準じた販売スケジュールとなっている。
後発で登場したため、カードプールが少なくなっている。その補完のためか「经典包(CLASSIC PACK)」と呼ばれる分類の商品が販売されてたり、基本パックやストラクの内容に変更があったりした。
また、カードプールの問題で独自制限が適用されているが、現在本OCGとはカードプールの差以上のものがほぼない。
そう言った事情のため、環境の形成のされ方も異なっていると言えよう。大会結果も他のOCG圏と比べてもかなり独特なものになっている。
旧版
2014年1月29日に「遊戲王ZEXAL 公式卡片遊戲」として、販売されたもの。
当時からOCGとして扱われていたため、他言語版が使用可能であった時期には日本語版やアジア英語版と合わせて使用可能であったらしい。
2016年3月5日の「銀河帝王」を最後に発売が途切れ、一部Webサイトは香港版のものへ置き換えられた。
遊戯王TCG
対応言語は「英語/フランス語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語/ポルトガル語」。
これらはOCGではなく、「Yugioh! Trading Card Game」で販売されているため、TCGと言われる。主にラテン語ベースの言語を使う国が対象だろう。
また、遊戯王OCGとは販売スケジュールが大きく異なる上、先行販売カードがあるため、リミットレギュレーションは遊戯王OCGとは異なるものとなっている。
英語版
英語版カードと言えば海外新規収録カードとレアリティの吊り上げが有名。
海外新規収録カードとはその名のとおり、日本語版の存在しない海外パックに収録されているカードの事。
内容はそのパックに収録されているカテゴリーの強化・サポートが主であり、性能はピンキリで、どうしようもないようなカードから、あまりに強すぎて、環境が激変してしまうような物も存在する。
また豪華な特典付きのTin缶と呼ばれるものや、日本とは内容の全く異なるゴールドシリーズ、デュエルターミナルのパックであるヒドゥンアーセナルなどの独自のパックやセットが発売されている。
このため、一部カードは日本語版より安く手に入るものも存在し、カードをそろえるのに役立つことも多い。
だが、その反面、一般パックの有用カードのレアリティ操作が酷く、海外のプレイヤーはデッキ製作に悩まされている。
例としては、強欲で謙虚な壺、レスキューラビット、ダーク・アームド・ドラゴンなどシークレット化。
ちなみにシークレットは1箱(しかも日本語版より高い)に1枚以下しか入っていない上に10種類も存在する。
そこまでではないものの、有用なカードの大半はレアリティが上がっており、特にドローソースに厳しい傾向が見られる。
とはいっても、全て上がるわけではなく、潜航母艦エアロ・シャークのように逆にレアリティが降下している例もある。
フォーミュラ・シンクロン、BF-暁のシロッコなど強力でありながら、低レアリティのカードもまれに存在する。
日本国内でも一部店舗では英語版取り扱っている所もあり、英語版をこよなく愛するデュエリストも多い。
最近の英語版パックにノーマルレアは存在しないため、ノーマルレアを狙って買ってみるのも良いだろう。
ちなみにエクシーズ素材が「カードとして」フィールドに存在する扱いという日本語版と異なるルールが存在していた事もあった。
TCG先行カード
遊戯王TCGには先行収録されるカードが存在しており、OCGには「EXTRA PACK」と言う形で後から収録される。以下は、その例。
- 原始生命態ニビル:手札誘発の1種で相手の盤面を崩すことが可能。
- 増殖するG:手札誘発の1種で相手が特殊召喚する度にドローすることが可能。
TCGでは禁止カード(OCGでは無制限)。 - 闇の誘惑:2枚ドロー後、手札の闇属性モンスターを除外。元制限カード。
- 輪廻天狗:シンクロ・アドバンス召喚で大きな影響を与え、来日前から準制限カードに指定されていた。
- 魔界発現世行きデスガイド:こちらもエクシーズ召喚のせいで、来日前から準制限カードに(ry
- 【六武衆】:武士道カウンターを駆使して展開するテーマ。
中でも「六武の門」は強力で現在も制限カード。 - 【壊獣】:相手モンスターを1体リリースするカードが主体のテーマ。
- 【SPYRAL】:新マスタールール初期の環境テーマ。3枚のカードが制限カードに指定されていた。
- 【未開域】:手札から墓地に送られることで展開していくテーマ。
イラスト・名称変更
日本は比較的、創作物の規制が薄いため、比較的自由な表現が多いが、海外では宗教の都合などから、イラストや名称の規制が行われているものも多い。
特に多いのは性描写の規制によるもので、肌の露出の規制や貧乳化などが見られる。
悪魔・天使なども角や翼、天使の輪などが消されており、銃器なども玩具のような外見や色にされたり、レーザー銃など現実離れした武器に変更されている。
神、悪魔、天使、血、銃器名など名前も軒並み別のものに差し替えられており、悪魔は共有ワードのない別の名前に変更されていたので、デーモンのカテゴリー化の際に大混乱が起きた。
名称関連の混乱にはHEROやガーディアンなどでも似たような混乱が海外で起きた。
それとは別にクリッターのSANGAN、人造人間-サイコ・ショッカーのJinzo、リチュアのGishki、ファイヤー・ボールのHinotama、宝玉の祈りのCrystal Raigekiなど日本化されたり、日本語が混じったり、関係ないものが混じったりなどのカオスな名前も存在する。
逆に海外新規の日本語版が出た際に規制が緩くなったり、名称がおかしくなる例も存在する。
RAI-MEIの胸が巨乳化したり、Totem Dragonがミンゲイドラゴンになったり、本来はスクラップ・デーモンという名前が妥当なのに、スクラップ・デスデーモンと何故かデスが追加されたりした。
特に追加されたデスのインパクトは強く、海外新規の日本語名を考える際、デスを付けるネタが見られるようになった。
そして、ツアーガイドはそのデスの犠牲となったのだ…
英語での名称トラブル
TCG先行カードでない限り、基本的に遊戯王OCGに準拠している。そのため以下のようなトラブルが起きることがある。以下がその一例である。
HERO
現在では多数派生している「HERO」だが、かつて「Elemental Hero」、「Destiny Hero」と表記されており、単純に「Hero」で括ってしまうと、「ヒーロー・キッズ/Hero Kid」等も範囲内に入ってしまうため、「HERO」カードを参照するカードは英語では、「"Elemental Hero" or "Destiny Hero"」などと表記されており、その後「E-HERO」の追加によって「 "Evil Hero"」を書き記すエラッタが行われていた。しかし、「M・HERO」、「V・HERO」の登場に伴いこのままの表記で維持するのは難しくなった。
そこで遊戯王TCG公式の出した結論はそれらに該当する「Hero」と表記されているものを「HERO」に変更することで文字の違う「Hero」を範囲から外して、OCGと同じく「HERO」でカテゴリ化するというものだった。この時点で「HERO」の名称になっていた一部のカードも「Hero」に名称変更することになった。
名称変更前の《E・HERO ゴッドネオス》に至っては召喚条件だけでも物凄い長さであり、英語版で「Hero」と表記された唯一のカードである。
(変更前)
This card cannot be Special Summoned except by a Fusion Summon of any 5 "Neos", "Neo-Spacian", "Elemental Hero", "Destiny Hero" or "Evil Hero" monsters including at least 1 "Neos" monster, 1 "Neo-Spacian" monster and 1 "Hero" monster.
(変更後)
Must be Fusion Summoned using any 5 "Neos", "Neo Space", "Neo-Spacian", or "HERO" monsters, including at least 1 "Neos" or "Neo Space" monster, 1 "Neo-Spacian" monster, and 1 "HERO" monster,
堕天使/Darklord(The Fallen One)
実はこの「堕天使」は基本的には「Darklord」という名前で構成されているのだが、《堕天使マリー》と《堕天使ナース-レフィキュル》は「Darklord」ではなく、「The Fallen One」が「堕天使」の訳として使用されていた。そのため【堕天使】のカテゴリ化に伴いこの2体も「Darklord」に統一された。
公認大会での使用規制へ
2013年年9月21日から、新ルール「ノーリミットデュエル」以外での公認大会で、他言語版のカードが使用禁止になった。
具体的には「公認大会」「選考会予選」「選考会」「世界大会予選」で使うことが出来なくなる。
そもそも日本以外の国ではその国の言語版のカードしか使用できず、日本だけが例外的であった。とはいえ、これで海外版でカードを揃えていた人や高価な日本語版の代用として使っていた人、海外版を扱うカードショップは大打撃を受けることになるだろう。
なお、店側で使用の可否を決定出来るノーリミットデュエルの大会や非公認大会では使用できる。 また、世界大会本選では現在協議中とのこと。なので大会に参加する際はお店に確認することを忘れないようにしよう!
カードプール・ルールの違い
アジア圏での遊戯王OCGと英語圏・ヨーロッパ圏の遊戯王TCGではそれぞれリミットレギュレーション(制限改訂)が異なり、「TCG先行カード」が存在しているたカードプールも異なっている。これらの「TCG先行カード」は「EXTRA PACK」というシリーズでOCGでも遅れて登場する。
世界大会(World Championship)も開催されているが、その場合では両方のレギュレーションのうち規制度が高いものが採用される。(片方が制限カードであればもう片方が準制限カードであっても制限カードとして扱う。)また、どの時期まで登場したカードかも定められており、アジア圏と英語圏でカードプールの差異がないように調整される。
効果の処理が違うカードも存在しており、《ポールポジション》等の無限ループが発生するカードは破壊してループを強制終了させる処理を行っていたり、効果のルール裁定に差異があったりする。
また、効果テキストから既に意味の違うカードが存在し、例として《破滅竜ガンドラX》OCGでは「攻撃力」を参照してTCGでは「元々の攻撃力」を参照としている。
関連動画
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