INSIDE SYSTEMとは、東方二次創作活動を行う同人サークルの一つである。
代表はNAN-A(ナナ)氏。
概要
東方projectを題材としたレトロなドット調の2Dアクションゲームの制作を主体とするインディーズサークル。
2014年にはコンシューマデビューをはたした。
NAN-A氏はプログラミングからドット打ち、立ち絵などのイラスト、そしてBGMに至るまで幅広い分野の技術を持っている。最近は漫画作品も描きあげた(後述)。
また、新発売の際は別サークルや絵師との連携によるポスターなど特典の充実を図る点も大きな特長である。
氏が作り上げた作品は歴代のレトロゲームとの融合を図った独自の世界観を持つ。これについては下記項目「用語解説」にて説明する。
作品紹介
NAN-A氏が制作した作品の簡単な解説。より詳細な情報は「関連項目」の各記事を参照。
東方幻弾章シリーズ
ロックマンに近いプレイスタイルとグラディウスのパワーアップシステムをモチーフとした「自機強化システム」を併せた独特なゲーム性が大きな特徴である。
いずれも当時を意識した歯ごたえのある内容となっているが、作品を重ねるにつれてよりライトな層にも遊びやすくシステムが改良されていった。
東方幻弾章 -Unlimited Heroes-
幻弾章シリーズ第1弾にしてINSIDE SYSTEMの第1作。まさに80年代のゲームと言えるレトロな雰囲気を前面に押し出した作品。
現在はフリーゲームとなっており公式サイトで入手可能となっている。
パッケージ版を持っている人は既にご存じだと思うが、表紙のコーポ氏の絵に衝撃を受けた人は多かった。気になる方はPVをチェック。
東方幻弾章X -Unlimited Heroes-
幻弾章シリーズ第2弾。「X」は「クロス」と読む。キャラクターの大型化、自機にフランが追加されたりと充実の内容となった。フランを自機に採用した理由はNAN-A氏の愛着によるものである。
安定型の霊夢、やや不自由ながらも圧倒的な火力を誇るフランの二択でゲームプレイに広がりが生まれた。また、ゲームをより極めるための「やりこみ要素」もロングプレイのカギとなった。
東方幻弾章Y -Unlimited Heroes-
幻弾章シリーズ第3弾。「Y」は「トレース」と読む。キャラクター数が大幅に増えボリューム倍増、それに加え敵の能力奪取や新型装備の追加などシステム面も刷新、そして強化項目を任意に選べる点や難易度選択が導入されたことなどによる自由度の高さが本作の大きな特徴である。
本作の最大の魅力は「ストーリー」である。本作では音声付の会話シーンが2人分13キャラ、実に26通りもの会話シーンが盛り込まれておりここから様々なキャラクターの事情を伺うことができるようになった。
本作は幻弾章無印から魔弾斬シリーズの前後を繋ぐ作品であり、シリーズすべてを通じて語られる「運命」について一番多く触れているのもこの作品である。魔弾斬シリーズをやる前にこちらをプレイすれば、その世界観をより満喫できるに違いないだろう。
東方幻弾章本 -Unbooked Heroes-
オールジャンルイベント「COMIC1☆6」にて発売された、NAN-A氏生涯初の同人誌。発行のきっかけは、NAN-A氏の友人の「『COMIC』と銘打つイベントに出るのなら漫画を描くべきだ」という一声であった。
個性あふれる氏のイラストで幻弾章シリーズをより一層楽しめるファンブックである。
しかし発行されたのが当該イベントのみであったため、レアリティを持つ書籍となっている。
東方魔弾斬シリーズ
世界観を継承しつつシステムを一新した軽快斬撃アクションゲーム。
位置付けとしては幻弾章シリーズの続編である。
本シリーズよりNAN-A氏がBGMの作曲や編曲も担当、ゲームの世界観にマッチする原曲アレンジを生み出した。
また、立ち絵やドット絵が本シリーズのパッケージイラストを担当したモタ氏の影響を受けていることも特徴である。
本シリーズは初めから初心者がプレイすることを前提に制作されたため、アクションゲームが苦手な人でも簡単にその爽快感を味わうことができる。もちろん玄人向けの高難易度も用意されている。
本シリーズでは「やりこみ要素」を達成すると「おまけ画像」が解放され、NAN-A氏の創作を垣間見ることができる。
ラスボスの登場作品が幻弾章シリーズから大きくジャンルを変更している点にも注目である。
東方魔弾斬 -Unbelieved Heroes-
魔弾斬シリーズ第1弾。自機は東方原作でもおなじみの主人公2名である。その2人が剣を振るって戦う点がまさに「斬新」な作品となった。
初期の自機性能が幻弾章シリーズに比べ非常に高く設定されており、プレイを重ねることによる育成に時間をかけることがなくなったため、誰でもすぐ手軽に遊べる点が特長である。
東方魔弾斬 春風 -Unbelieved Heroes-
魔弾斬シリーズ第2弾。自機に「アドベントチルノ」の追加、そしてその生みの親である牛木義隆氏による書き下ろしポスターが注目を集めた。
幻弾章Yのような任意の自機強化システムを採用し自分に合ったプレイスタイルを構築できるようになったことはもちろん、前作を大きく上回る性能向上が可能となったためより爽快感あふれるパワープレイが可能となった。
「やりこみ要素」の難易度が歴代作品の中でも特に低くなっており、初心者でも半分以上達成が可能となっている。
東方魔弾斬 運命 -Unbelieved Heroes-
魔弾斬シリーズ第3弾。さらに多くのキャラクターが追加され、より発展性に富んだ自機強化システムとやりこみ要素、そして軽快なアクションの中にも垣間見る重厚なストーリーが大きな魅力である。
本作は「幻弾章Y」と同様に全員フルボイス化も行われたが、自機3人にボス14体の合計42通りもの会話シーンが存在する。さらに、自機には会話シーンだけでなく道中でのアクションや必殺技を発動した時のボイスも収録された。
幻想郷大戦争
それまでのアクションゲームとは打って変わって、戦略シミュレーションゲームとして登場した作品。
コピーワールドに現れたニセモノを撃破するために、幻想郷に住む人物たちが共闘する。
ルールを覚えるのが少々大変かもしれないが、異変解決モードがチュートリアルを兼ねているので初心者でも問題なくプレイできる。
コンシューマ(家庭用ゲーム)
魔神少女 -Chronicle 2D ACT-
ニンテンドー3DSダウンロードソフトとして2014年8月6日に配信。パブリッシャーは『フライハイワークス』。
おなじみの「自機強化システム」を採用、東方幻弾章シリーズを引き継いでいる。
サウンドトラックの配信販売、テーマショップでの配信販売やイラストコンテストなども行った。
2014年12月17日に更新データVer1.1を配信。相当数の変更が行われている。
後にグラフィックの新調やゲームバランスの調整、アレンジモードといった要素が追加されたリメイク版がSwich、Steamにて配信された。
魔神少女 エピソード2 -願いへの代価-
2014年12月25日頃に制作決定を発表。ニンテンドー3DSダウンロードソフトとして2015年11月4日に配信された。パブリッシャーは前作から引き続き『フライハイワークス』。
基本的な仕様こそは前作を踏襲しているが、容量とボリュームの増加によって、必殺奥義の「リベンジマジック」、マジックアイテムの導入など、様々な点でパワーアップを果たしている。
今作の開発に当たり、登場するザコキャラを募集するコンテストがピクシブを通じて行われた。
後にsteamへと移植された。steam版では原作から操作方法がアレンジされた他、追加のプレイヤーキャラも存在する。
ブレイブダンジョン
公式サイトに掲載された画像を元に制作された、魔神少女シリーズのスピンオフ作品となるダンジョンRPG。ニンテンドー3DSダウンロードソフトとして2016年11月30日配信。本編シリーズとは異なり、自社パブリッシャー作品としてリリースされた経緯がある。
主人公はトレジャーファイターの「アル」となっていて、「ゴッズヒル」に眠る伝説のマジックアイテムを手に入れるのが目的となる。
後に追加キャラとデジタルカードゲーム『魔神少女COMBAT』を同梱したカップリングタイトル『ブレイブダンジョン+魔神少女COMBAT』がSwichにて発売。なお、同作はパッケージソフトとしての発売となっている。
用語解説
「東方幻弾章シリーズ」ならびに「東方魔弾斬シリーズ」の各作品で登場した用語の解説を行う。
NAN-A氏によればこれらはあくまでも抽象的な設定であるらしいが、それ故にプレイヤーによって様々な解釈ができるということがこのサークルが作る作品のもう一つの面白さであるといえる。
よって以下は解釈の一例となるが、作品をより楽しんでいただけると思うのでぜひ参考にしていただきたい。
運命(クロニカ)
「運命」そのものの設定は幻弾章無印から存在するがこの語が頻繁に使用されるようになったのは「東方幻弾章Y」からである。魔弾斬シリーズ第3弾にもこの名称が使用されている。
この語が指し表すものは「生き物が生まれながらにして持つ生誕と終焉の定め」である。ただしこれは敵味方に関係なく登場人物にとって理不尽であるものとされている。そのため戦うことで「運命」に抗う、という形で物語が進む。
「運命」には他にも「誘(いざな)い」、「武器」、「束縛」、「定理」、さらに「戦うことそのもの」など様々な意味を持つ。
ビータス
「運命」によって霊夢たちをはじめとする幻想郷及び異世界の住人が集う世界のこと。「命と魔の蝶-トレース-によって構成された世界」と説明されている。
ここでも「運命」のもとに生まれた「しきたり」のようなものが存在するが、やはり少女たちにとってありがたいものではないようである。
無明剣ではMAP画面でビータスの地形を確認できるが、人の住む町や平原、山岳地帯、さらには海まであることから、我々の住む地球に近い環境である可能性が高いことが明らかとなった。
トレース
ビータスに存在する「命と魔の蝶」。この設定は「春風」で具体化されたが、これも設定自体は幻弾章無印まで遡る。
「トレース」はアイテムとしてだけでなく、設定上においても重要な意味を持つ。
トレース(tres)とはラテン語で「3」を意味する言葉で、英語の「Three」と同じである。幻弾章シリーズ第3弾の「Y」を「トレース」と呼ぶのは「Y」が「3つの方向(=それぞれの運命:霊夢・フラン・?)」を示すことに由来するためである。
また同じ発音の語で「trace」という英単語があり「微量」という意味を持つ。この単語が使われる熟語の一つとして、生物学で用いられる「trace element(トレースエレメント)」という学術用語がある。これは「微量元素」という意味で、少量ながら動植物の活動に欠かすことのできない元素を指す。いわゆる「ミネラル」のことである。
すなわち、トレースがない状態でダメージを受けると一発でミスとなるという設定は 「トレースが0になる=微量元素をすべて失う→生命活動への支障(弱体化)=一発ミス」 という解釈になる。
ストーリー上でも「トレース」は「生命源」という位置付けがなされており、「敵がやられるとトレースを出す」「ダメージを受けるとトレースを失う」といった現象が起こるのもこれに由来する。
魔弾斬シリーズより、「無印」ではライフと同じく蝶の形をとるようになり、「春風」では「命と魔の蝶」と呼ばれるようになってその具体性が強調された。
無明剣では後述する「シェガー」の力を高めるための要素として登場する。
シェガー
用語自体は「幻想郷大戦争」の運勢向上システムとして登場したが、無明剣では「ビータスで産出される特殊鉱石」という定義がなされた。
シェガーにはいくつか種類が存在し、通貨としてごく一般的に使用されるものから所有者の能力を高める特殊なものもある。シェガー博物館がある町「トラフォード」の住人によれば、ここ最近は採取量が減っているとのこと。
コピーワールド
幻想郷大戦争に登場した、ニセモノが蔓延る世界。幻想郷やビータスとはまた別の世界である。
オリジナルの世界とは独立しているものの、それを乗っ取ろうとせんと考えるのがコピーワールドの住人「ダーク&ドッペルズ」の考え方なのである。
関連動画
東方幻弾章シリーズ
東方魔弾斬シリーズ
幻想郷大戦争
魔神少女
コミュニティ
生放送について
NAN-A氏は「ニコニコ生放送」において放送を行うこともある。
主な放送内容は「ゲームに関係するもの」や「同人イベントでの活動レポート」である。
放送時は随時twitterで報告される。
関連商品
関連項目
INSIDE SYSTEM |
---|
東方幻弾章シリーズ |
東方幻弾章 - 東方幻弾章X - 東方幻弾章Y |
東方魔弾斬シリーズ |
東方魔弾斬 - 東方魔弾斬 春風 - 東方魔弾斬 運命 |
魔神少女シリーズ |
魔神少女 -Chronicle 2D ACT- - 魔神少女 エピソード2 -願いへの代価- |
単体作品 |
幻想郷大戦争 - 東方無明剣 |
- 1
- 0pt