DUCATI(ドゥカティ)とは、イタリア・ボローニャを拠点とするオートバイメーカーである。
スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオRPG』に登場する町の名前については、ドゥカティ(マリオ)を参照されたい。
概要
ドゥカティは第二次世界大戦以前はカメラやラジオなどの電気製品を扱う製造業であったが、第二次世界大戦で大きな損害を被り、産業復興公社の支援のもとオートバイ製造に乗り出すこととなる。
同社は比較的初期からレースへの参戦を行っており、レースで得たデータを積極的に公道用市販車にフィードバックしている。そのため、WSB参戦時代の市販車とレーサーは非常に密接な関係にあった。また、過去にはMotoGPレーサーに保安部品を取り付けただけの準レーサーともいえるオートバイを市販したこともある。その時の金額は866万2500円でオートバイとしては超高額の部類であるが、GPレーサーとほぼ同じ構造のオートバイが限定販売とはいえ一般ユーザーでも手に入れられるということを念頭に置くと、むしろ破格であるといえよう。
同社のオートバイはいくつか特徴があり、かつては旧車と一部の車種を除くほぼ全てがコグドベルト駆動のデスモドロミック90度V型2気筒エンジン(同社はこれを「Lツインエンジン」と称する)を鋼管トレリスフレームに搭載していた。しかし、最新のスーパーバイクにおいてはカムチェーン駆動のエンジンをフレームレスのアルミモノコック車体に搭載する等、現在でもMotoGPで培った技術を市販車にフィードバックする一面も見られる。かつてはドゥカティ=壊れやすいというのが常識であったが、電装を日本製に変更したり、工作機械の精度を上げることで、2007年モデル付近からは国産と比べても遜色のないメンテナンスサイクルとメンテナンスコストを実現している。
余談になるが、排気音シリーズで最も動画と実車の排気音が違うのはドゥカティではないだろうか。動画を見て「Ninja250Rじゃんwww」とか笑っている諸君、是非一度実車の音を聞いてみることをお勧めする。
2012年4月18日、ドイツの自動車メーカーであるアウディ(Audi、フォルクスワーゲングループ傘下)が、ドゥカティの親会社である投資会社から株式を取得し買収された。
代表的な車種
ドゥカティのオートバイには、WSBのホモロゲーションモデルである"R"グレードと、STDからエンジン出力やサスペンションなどを強化した"S"グレードが存在する。最近では、従来のRグレードの位置づけである"SP"グレードや、従来のSグレードの位置づけである"EVO"グレードも登場した。また、一部のモデルではつや消し黒一色で塗装された"Dark"や、黒一色で塗装された"Black"と呼ばれるカラーが存在し、廉価版という位置づけながら人気は高い。
一部のフラッグシップモデルには、"CORSE"(コルセ)の名を冠したモデルが存在する。多くの場合これは記念モデルであり、イタリアントリコローレ(イタリア国旗カラー)に塗装され、そのスペックも最上位モデルとして遜色ないものとなっている。
判明している2015年モデルのラインナップ
- SUPERBIKE(スーパーバイク)
前年より排気量を引き上げ、軽量かつ驚異的なパフォーマンスを実現したフラッグシップモデル。WSBのホモロゲーションモデルでは排気量こそ据え置きだが、その性能はSuperleggeraに匹敵する。
Panigale R
1299 Panigale S / 1299 Panigale - MULTISTRADA(ムルティストラーダ)
4種類のオートバイの性格を内包したツアラーモデル。新たに可変バルブタイミング機構を搭載したテスタストレッタDVTエンジンを搭載し、馬力・トルク・環境性能すべてが向上した。
MULTISTRADA 1200 S - DIAVEL(ディアベル)
独特のフォルムを持つ、分類不能のモンスターバイク。外装のほとんどをチタンパーツとカーボンパーツで構成された、ワイド&ラグジュアリーな限定モデルが発表されている。
DIAVEL Titanium - MONSTER(モンスター)
同社の主力車種であるネイキッドモデル。旧モンスターで人気のあったストライプカラーがラインナップに登場した。
MONSTER 1200 STRIPE / 821 STRIPE - SCRAMBLER(スクランブラー)
オールド・ドゥカティをデザインモチーフとしたスクランブラーモデル。走りのスペックよりも、普段使いの楽しさに重点を置いたカジュアル・ライフスタイルバイク。
ICON / URBAN ENDURO / FULL THROTTLE / CLASSIC
2014年モデルのラインナップ
- SUPERBIKE(スーパーバイク)
水冷・スーパークアドロエンジンを搭載。超軽量モデルと、待望のミドルクラスPanigaleが追加された。
1199 Superleggera
1199 Panigale R / 1199 Panigale S / 1199 Panigale
899 Panigale - STREETFIGHTER(ストリートファイター)
スーパーバイクからカウルを剥ぎ取ったストリートファイターモデル。
STREETFIGHTER 848 - MULTISTRADA(ムルティストラーダ)
スーパーバイクの心臓を持つツアラーモデル。
MULTISTRADA 1200 S Granturismo / 1200 S Pikes Peak / 1200 S Touring / 1200 - DIAVEL(ディアベル)
独特のフォルムを持つ、分類不能のモンスターバイク。
DIAVEL STRADA / CARBON / DARK / DIAVEL - MONSTER(モンスター)
同社の主力車種であるネイキッドモデル。フラッグシップに水冷エンジンが復活した。
MONSTER 1200 S / 1200 / 821 / 821 DARK / 796 / 696 - HYPERMOTARD(ハイパーモタード)
街乗りからサーキットまで、ステージを選ばないモタードルックバイク。
HYPERSTRADA / HYPERMOTARD SP / HYPERMOTARD
過去に存在した車種
- SUPERBIKE
WSB・WSS参戦のためのホモロゲーションモデルと、その公道仕様。排気量は概ねその年式におけるレースレギュレーションに準じる。車名と排気量が一致していないモデルが多いのはそのためである。
水冷・4ストロークL型2気筒 4バルブデスモドロミックエンジン
851 / 888
916 / 748 / 996 / 998
999 / 749
1098 / 1198 / 848 - MONSTER
851系のフレームに900SSのエンジンを組み合わせたネイキッドモデル。後にフレームをST系に変更し、スーパーバイクのエンジンを搭載した水冷モデルも登場した。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
900 / 600 / 750 / 400 / 620 / 800 / 1000DS / 695
S2R / S2R1000 / S2R800
1100
水冷・4ストロークL型2気筒 4バルブデスモドロミックエンジン
S4
S4R / S4Rs / S4RS Testastretta - SUPERSPORT
一般道を楽しく走ることを主眼に置いて開発された、SSの名を冠する3代目のモデル。丸みを帯びた特徴的な外観はピエール・テルブランチの手によるもの。兄弟機に装備を簡略化し低価格化したSportシリーズがある。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
SS900 / SS750 / SS620 / SS800 / SS1000DS
900Sport / 750Sport / 800Sport / 620Sport - SPORTTOURING
ハイパフォーマンスなスポーツツアラーとして開発されたモデル。同社としては楽なポジションと疲れにくいシートでヨーロッパでの人気は高かったが、日本での人気はあまりない模様。モデル毎に搭載するエンジンが異なる。
水冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
ST2
水冷・4ストロークL型2気筒 3バルブデスモドロミックエンジン
ST3
水冷・4ストロークL型2気筒 4バルブデスモドロミックエンジン
ST4 / ST4s - MULTISTRADA
あらゆるシーンで毎日楽しく使えることを目標に開発されたモデル。デュアルパーパス寄りで斬新な外観から、発表当時はかなりの異色モデルであった。デザインは勿論ピエール・テルブランチ。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
1000DS / 620 / 1100DS - HYPERMOTARD
ロードスポーツをベースに、外観をモタード風にデザインしたモデル。初期のモデルはじゃじゃ馬と呼ぶに相応しい過激なモデルだったが、年式・モデルが進むにつれ次第に日常でも使いやすいバイクへと進化している。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
1000DS / 1100 - SPORTCLASSIC
ネオ・クラシックモデルの先駆けとして登場。外観は旧車風にデザインされている。モデルによっては非常にスパルタンな乗り味であるが、反面GT1000のようにスタンダードバイクとしての役割を持たせられたモデルもある。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
スポルト1000 / ポールスマート1000LE / GT1000 - DESMOSEDICI
オートバイレースの最高峰、MotoGPクラスを戦ったDESMOSEDICI GP5(諸説あり)のフルレプリカ。車体の設計からパーツ構成までほとんどをMotoGPマシンから流用している正真正銘のレプリカモデル。
水冷・4ストロークL型4気筒 4バルブデスモドロミックエンジン
DESMOSEDICI RR - MH900e
1970年代のレーサーや、伝説のモデルであるMHRのコンセプトを現代の技術で形にしたモデル。当時、カジバ傘下から独立した新生DUCATIのイメージモデルとして、ピエール・テルブランチの主導のもと開発された記念モデル。
空冷・4ストロークL型2気筒 2バルブデスモドロミックエンジン
MH900e
この他にも、時代を遡ればツアラーのパゾシリーズ、コグドベルト駆動を採用したパンタシリーズとF1/F3シリーズ、ベベルギア駆動のベベルシリーズなどがあるが、ここでは割愛する。
映像作品への登場
- AIR
神尾晴子の愛車としてモンスターが登場する(登場年からM900Sと推測される)。劇場版ではMHRに乗っている。
納屋に突っ込んだりと散々な扱いをされるが、TVアニメ版ではエクストリームバイクも真っ青の運転を披露している。 - PHANTOM OF INFERNO
ファントム・ドライが日本に来た際、移動手段として916Stradaを愛用している。
Stradaなのにタンデムをしている描写があるが、後部に乗せられた人はさぞかし怖かった/熱かったであろう。 - マトリックス・リローデッド
トリニティーの乗機として特別カラーの996Bipostが登場する。他にも何台かトラックで運搬されていた。
後にこのカラーの998Bipostが「マトリックスカラー」として正式に販売されることになる。 - ナイト&デイ
トム・クルーズがキャメロン・ディアスとのタンデムで、ハイパーモタードを巧みに操りながら銃撃戦を繰り広げる。 - アイ・アム・ナンバー4
ナンバー6こと女戦士サラの愛車として、真紅の848が登場する。 - TRON:LEGACY
序盤、主人公がBMWの白バイから逃げるときに運転していたオートバイがSport1000Bipostである。 - Gackt
「忘れないから」のPV中に、Gacktが運転するMH900eが登場する。 - 仮面ライダーW
エリート刑事である照井竜(仮面ライダーアクセル)の愛車として、999がベースの「ディアブロッサ」が登場する。 - ウルトラマンマックス
対怪獣防衛チーム「DASH」のメカとして、ムルティストラーダがベースの「ダッシュドゥカ」が登場する。 - メルセデスAMG
2010年秋にAMGとDUCATIは業務提携を発表し、C63AMGと848 EVOのコラボCMが発表されている。
また、2011年9月にDiavel AMG Special Editionを発表。2012年モデルのラインナップに加えられている。 - 未来日記
テロリストである9th 雨流みねねが逃走の際にモンスターを使用している(外観からM620かM400と推測される)。
TVアニメ版では、同じく9th 雨流みねねの運転するM696が登場している。 - トランスフォーマー/リベンジ
オートボット兵士の一人であるアーシーが登場し、848に変形する。 - スーパーカブ
主人公の走り屋仲間(ヤクザに弱みを握られバイクの窃盗を強要されていた)によって851が盗難され、追いかける主人公のスーパーカブ90、さらにそれを追う交通機動隊のVFR750と激走を繰り広げる。 - スーパーカブ2
冒頭、埠頭でピザ屋、カレー屋、そば屋の賭け出前レースをしているシーンにムルティストラーダが登場する。 - ウルヴァリン: SAMURAI
トレーラームービーにディアベルが登場している。 - ワイルド・スピード EURO MISSION
トレーラームービーに、派手に吹っ飛ぶモンスター 1100 EVOが登場している。 - エージェント:ライアン
ジャック・ライアンがDiavelに乗り、壮絶なカーチェイスを繰り広げる。 - キック・アスジャスティス・フォーエバー
ヒットガールがパープルカラーの1199 Panigaleを駆り活躍する。 - 舞-HiME
玖我なつきが青色の900 マイク・ヘイルウッドレプリカを駆る。 - ばくおん!!
三ノ輪聖が執事の早川の駆る750SS イモラレプリカのサイドカー付きに同乗。後に、1199 Panigaleを特注で中型免許で乗れるように仕様変更した399 Panigaleに乗る。 - バイオハザード: ヴェンデッタ
レオンがXDiavel Sを使用。[1]
関連動画
外部リンク
関連項目
脚注
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