きみが死ぬまで恋をしたいとは (キミガシヌマデコイヲシタイとは) [単語記事]

きみが死ぬまで恋をしたいとは、あおのなちによる漫画作品である。

概要

戦争用兵器として育てられる少女たちの、過酷な運命の中での生と死、そして仄かな恋心を描いたダークファンタジー。百合作品としても知られている。公式の略称は「きみ死ぬ」。

一迅社発行の『コミック百合姫』にて2018年 10月号から2020年 2月号まで連載された後、同社のウェブ漫画サイト『ゆりひめ @ピクシブ』（後の『pixiv 百合姫』を経て、現在は『一迅プラス』）へ移籍し連載が継続されている。単行本は一迅社より百合姫コミックスとして刊行されており、単行本は第8巻まで発売されている。

物語の舞台は、身寄りのない子供たちを集め、戦争のための魔術兵器として育成する特殊な「学校」である。そこでは、人を殺すための授業が日常的に行われ、仲間の死すらも悲しむことが許されないような非情な環境が描かれる。このような絶望的な状況下で、少女たちが互いに寄り添い、生きる意味や特別な感情を見出していく様が、美麗かつ繊細な筆致で綴られている。
作者のあおのなちによるX（旧Twitter）の公式アカウントでは、作品に関する情報やイラストが発信されている。また、2025年にはテレビアニメ化が決定しており、さらなるメディア展開が期待されている。

あらすじ

物語は、身寄りのない子供たちを戦争用の兵器として育成する「学校」と呼ばれる施設を主な舞台としている。ここでは、生徒たちは魔法で人を殺すための訓練を日々受けており、死は常に隣り合わせの存在である。誰かが死んでも、それを悲しむことすらままならない、そんな非情な日常が少女たちの周囲には広がっている。

主人公の一人である14歳のトツキ・シーナは、この学校の14クラスに在籍する少女。彼女は自身の置かれた境遇や、人を傷つけることを強いられる日々に内心では強い抵抗を感じ、恐怖を抱いている。
そんなある夜、シーナは血まみれの姿で倒れている小さな女の子、カガリ・ミミと衝撃的な出会いを果たす。ミミは「不死の秘密兵器」と噂される謎多き存在であり、シーナとは対照的に、時に笑顔で戦争へと向かうような危うさも秘めている。

平穏な日常を心の底から願い、戦いを恐れるシーナと、過酷な運命を受け入れているかのように見える不死のミミ。正反対とも言える二人の少女が、死と隣り合わせの絶望的な世界で出会い、互いに影響を与え合いながら、ささやかで、しかし切実なあどけない願いを見つけていく物語である。友情とも愛情ともつかない、少女たちの間で芽生える特別な絆が、美しくも残酷な世界観の中で描かれていく。

登場人物

トツキ・シーナ: CV：高橋李依; 本作の主人公の一人。14歳の少女で、戦争用兵器を育成する「学校」の14クラスに在籍している。出席番号は8番。普段は前髪で目元が隠れていることが多い。人を傷つけることや戦争に行くことを極度に恐れており、自身の境遇に苦悩している。カガリ・ミミと出会い、寮のルームメイトとなったことで、彼女の運命は大きく動き出す。
カガリ・ミミ: CV：日高里菜; 本作のもう一人の主人公。シーナが出会う小柄な少女で、「不死の秘密兵器」と噂されている。; シーナとは対照的に、過酷な状況下でも笑顔を見せることがあり、戦いに対しても達観しているかのような振る舞いをする。その不死性と天真爛漫さの裏には、多くの謎が隠されている。
リジィ・セイラン: CV：瀬戸麻沙美; シーナやミミのクラスメイトの一人。冷静沈着な性格で、優れた能力を持つ少女。
モード・アリ: CV：石川由依; シーナやミミのクラスメイトの一人。明るく活発な性格で、ムードメーカー的な存在。

アニメ

2025年 3月2日に、本作のテレビアニメ化が発表された。

アニメ化発表と同時に、ティザービジュアルとパイロットフィルムが公開されている。
ティザービジュアルは、本作のヒロインの一人であるカガリ・ミミが、色とりどりの花々に囲まれているものの、その身にまとった服には血痕が付着しているという、作品の美しさと残酷さが同居する世界観を象徴するようなデザインとなっている。

パイロットフィルムは、アニメーション制作を担当する新進気鋭のスタジオ・ROLL2が手掛け、原作の持つ繊細で美しい絵柄と、ダークファンタジーとしての過酷な物語性を見事にアニメーションへと昇華させた映像となっている。このパイロットフィルムはYouTubeのinfinite アニメチャンネルにて公開されている。

2025年 3月22日(土)・23日(日)に東京ビッグサイトで開催される「AnimeJapan 2025」の株式会社インフィニットブースにて、『きみが死ぬまで恋をしたい』の展示が行われた。展示内容としては、パイロットフィルムの場面カットや原画、原作者あおのなちによる原作イラストの展示のほか、ノベルティの配布などが行われた。