一迅社発行の月刊漫画雑誌『コミック百合姫』にて、2020年7月号から2024年3月号まで連載された。単行本は全6巻が刊行されている。
物語は、人付き合いを避け、小説を書くことを心の支えとする女子高生・星川雫と、彼女の小説に心を動かされたクラスの人気者・朝香夏織という対照的な二人の少女を中心に展開される。作中では、夏織との出会いをきっかけに、雫の閉ざされた心と日常が少しずつ変化していく様子が丁寧に描かれている。しかし、物語は単なる学園ロマンスに留まらず、「いじめの加害者であった過去」というトラウマや、「重い病による余命」という過酷な運命といった、シリアスで重いテーマにも深く切り込んでいく。これらの要素が絡み合い、二人の関係性に切実さと深みを与えている。
繊細な心理描写と美しい絵柄、そして感動的なストーリーラインで多くの読者から支持を得た。読者からは「ただの百合漫画には留まらない、とても感動できる素晴らしい作品」「重いテーマを扱いながらも爽やかな読後感」といった声が寄せられている。作者のゆあま自身も、読者からの「読んでよかった」という感想に勇気づけられていると語っている。
国内だけでなく海外でも評価されており、英語版はSeven Seas Entertainmentより『The Summer You Were There』というタイトルで刊行されている。また、中国語版(繁体字)は東立出版社より『共譜泡沫戀曲』として出版されている。
その人気は各種漫画賞にも反映されており、「次にくるマンガ大賞」では2022年、2023年と2年連続で紙マンガ部門にノミネートされた。特に2023年の同賞では、英語圏の投票者から最も多くの支持を集めた。さらに、AnimeJapanが主催する「アニメ化してほしいマンガランキング」では2024年に8位にランクインしている。
ニコニコ漫画内の「ニコニコ百合姫」チャンネルでも配信されている。
物語は、高校1年生の星川雫が、人との関わりを極力避けながら、趣味である小説執筆に没頭する日々を送っているところから始まる。彼女は自身の作品を小説投稿サイト「noveL」に『少女心中』というタイトルでアップロードしていた。夏休みを間近に控えたある日、クラスの人気者である朝香夏織に、雫が隠れて書いていたその小説を見られてしまう。厳しい批評を覚悟する雫だったが、意外にも夏織は小説を絶賛し、次回作として「私たち二人の恋愛小説を書いてほしい」と依頼する。雫はその突飛な申し出を断るが、夏織は諦めず、「それなら私とデートしてほしい」とさらに大胆な提案をするのだった。
こうして始まった二人の関係は、雫にとって戸惑いの連続であった。明るく誰にでも分け隔てなく接する夏織は、内向的な雫とは正反対の存在。しかし、夏織の屈託のない優しさや、自分の作品を心から理解してくれる姿勢に、雫は次第に心を開いていく。デートを重ねるうちに、二人の間には友情とも愛情ともつかない特別な感情が芽生え始める。
しかし、雫は小学校時代に同級生をいじめていた過去があり、その罪悪感に今も苛まれていた。一方の夏織も、実は重い病を患っており、残された時間が少ないという過酷な運命を背負っていた。
物語が進むにつれて、二人はそれぞれが抱える重い秘密と向き合うことになる。
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最終更新:2025/12/18(木) 05:00
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