恨み来、恋、恨み恋。とは (ウラミコイコイウラミコイとは) [単語記事]

恨み来、恋、恨み恋。とは、秋タカによる日本の漫画作品。スクウェア・エニックス「月刊ガンガンJOKER」にて2014年 7月号から2019年 8月号まで連載された。単行本は全12巻。

概要

基本情報
恨み来、恋、恨み恋。
作者	秋タカ
出版社	スクウェア・エニックス
掲載誌	月刊ガンガンJOKER
連載期間	2014年 6月 - 2019年 7月
レーベル	ガンガンコミックス JOKER
巻数	全12巻
漫画テンプレート

「うみねこのなく頃に」のコミカライズを担当していた秋タカ氏の初オリジナル連載作品。十二支に関連する一族が治める町にやってきた妖怪と町の中心的な一族の主人公との交流を描く。

物語の舞台となる町「十二町」では主人公を始め主要キャラクターが十二支に対応した一族に所属する、所謂「十二支もの」と呼ばれるジャンルの作品となっている。今作はそれだけにとどまらず、ヒロインが十二支の伝説でネズミに騙されて十二支入りを逃したという猫の一族に所属していたり、主人公の子と牛の一族が協力関係だったりと、ストーリーの細かいところまで十二支の様々なエピソードが使われている。

物語の後半では一族の宿命に翻弄される主人公達や敵対する勢力との戦い、最終盤では出会った当初から決着を付ける事になるであろうと思われていたヒロインと自身の運命に向き合うストーリーが展開されていく。

連載当時は最新話がニコニコ漫画でも最終回まで期間限定で公開されていた。連載終了後の現在は第1話だけが常時公開されているだけになっている。

あらすじ

十二支の名を冠する長たちが治める土地、十二町。

人間と妖怪が共存するその町で、子家頭首・子国恭一の元に、子の家を恨む猫の妖怪が現れる。
恭一の命を狙う、恨みにまみれた恨み猫。だがその妖怪は、極度に人見知りな女の子・猫ヶ崎夏歩でもあって…。

「好奇心、猫をも殺す」のとおり、その気持ちは猫を殺すのか。干支中心に繰り広げる恋して闘う怪異譚です☆

登場人物

子国恭一(ねくにきょういち): 本作の主人公。十二町の管理をしている十二家筆頭、子国家の1人。; 幼い頃両親と共に襲われ、死の直前の父から子の力を受け継いだものの使うことが出来ず、そのまま両親を殺されてしまった過去を持つ。そのせいで受け継いだはずの力を取り上げられたうえ家から放逐され、以降ずっと一人暮らしを続けていた。; 夏歩には子国家の一族から自身1人へ復讐の対象を絞るように仕向けたが、本人はむしろ子国家や祖父の郷一を嫌っている。; 透也による子国家襲撃の際重傷を負い、その際夏歩に妖力を流し込まれた後遺症で妖怪化することが出来るようになった。
猫ヶ崎夏歩(ねこがざきなつほ): 本作のヒロイン。十二支の「子」に騙されて自身は十二支になれず、それを恨むあまり妖怪に堕ちてしまった「恨み猫」の少女。一族の積年の恨みを果たす為恭一を始めとする子国家を根絶やしにするために十二町にやってきた。しかし恭一を襲った際恭一から子国家全体から自分一人に向けるように仕向けられ、以降恭一に付きまとうようになっていった。; 本来の性格は根暗で人混みが苦手、更には押しにも弱く、他人に復讐をするようなことは苦手。十二町に来る前は別の町の高校に通っていたが、それ以前の事は何も覚えていなかった。; 「恨み猫」の力として巨大な猫に化けることが出来る他、変化させた爪から斬撃を飛ばすことができる。; 実は夏歩は雪歩が持っている9つの魂の内の1つから生み出された存在で、子供ではなく分身。彼女曰く最も臆病で弱っちい魂を使ったとのこと。学校に通わせたのは最低限の常識を学ばせるためで、十二町に送り込んだのは自分の行動を目立たなくさせるための囮としてだった。; 朱華とは恭一を巡ってのライバル。朱華が恭一を好きだと気付いたことが自分の中の恭一への想いを自覚するきっかけになった。; 土地神となってからは京子と共に土地神業務をこなしながら恭一と共に暮らし、後に結婚した。
丑蔵朱華(うしぐらあやか): 本作のヒロインの1人。丑蔵家当主。恭一の1つ年上の女子高生。幼い頃から恭一の護衛を務めるほか、丑蔵家代々の家業として町境に現れる外的である「鬼」の迎撃も担当する。; 背中に楽器ケースを背負っているが中身は楽器ではなく斧で、これを武器に丑蔵家の力である怪力を合わせた肉弾戦を得意とする。; 丑蔵家はおっとりした性格の人柄をした人が多い中、例外的に活発な性格であり、恭一と出会った当初は内向的な性格が気に入らず殴りつけたこともあった。; 雪歩の策略により虎虎によって妖怪化させられ、鬼として町中を徘徊することになったが、恭一や遥菜、勇全の手により救い出された。; 虎虎やその母の事情を知った上でも妖怪化した経験から逆に虎虎の心に寄り添い和解することができた。; 冬歩襲来時には取り込まれた夏歩を良く知る人物として恭一と共に妖怪の力も使って彼女に挑んだ。; 妖怪化したことで虎虎共々十二家の当主の資格を失った為、遠縁の親戚に当主の座を渡し、虎虎と共に傷心旅行と称して町の外に出かけている。
子国宮湖(ねくにみやこ): 恭一の妹にして郷一の死後子国家の当主となった少女。; 育ち盛りであり、いつもは22時には寝ている。; 本人に戦闘能力は無いが“山撫で灰鉄”と呼ばれる巨大な剣の付喪神を強制遂行で操る事で戦うことができる。; 当主を恭一に明け渡してからは年相応の性格を出せるようになり、それが洗脳の解けていた清葉と和解する切っ掛けになった。
戌原咲直(いぬはらさな): 妖怪退治を専門とする戌原家の少女。恭一と夏歩の関係を知っていながら黙っていたことで閃が幽閉されてしまったと考え、夏歩に襲い掛かるも、戦いの中で恨み猫の本能に抗う夏歩を見て考えを改めた。以降は恭一たちと共に夏歩の疑いを晴らし、郷一殺害の真犯人を探す為に協力する。; 対妖怪戦に関しての卓越した戦闘技術を持つ。武器は刀で、いつもは竹刀入れの中に隠している。
戌原閃(いぬはらせん): 物語開始時点での戌原家の当主で、咲直の姉。郷一の専属護衛。; 透也と冬歩により郷一が殺害されてしまった責任を取らされ、当主の座を咲直に明け渡した後幽閉されていたが、佐藤の手助けもあり無事に解放された。; 酒に酔うと少しだけ素直になる。; 健児からは会うたびに告白されそれを表情を変えずに振るのが恒例だったが、後に段階を踏むのであればまんざらでもないことが判明した。; 本編の1年後には健児と結婚し、宮湖から護衛の任を解かれて亥山だんごに就職した。
申々町千恵(ささまちちえ): 申々町家当主。咲直の同級生で、学年1位の成績を誇る才媛。; 毎週のように咲直にセクハラを繰り返す似非関西弁の少女。顔を合わせる度に最終的に取っ組み合いになる関係で、彼女からは専ら「エロザル」呼ばわりされている。; 申々町家の力として分身の猿を作り出すことができる。本人も棒術を修めていて、分身と共に2対1で戦う。
酉寺啓太郎(とりでらけいたろう): 酉寺家当主。咲直や千恵が通う学校の図書館司書を務める。郷一の死の直後に情報共有を受け、学校で会った咲直に閃が幽閉されたことを伝えた。; 興味のない事柄は殆ど無関心で、「3歩歩いたら忘れる」とまで言い切っている。; 十二家の酉寺家としては結界の管理を担当。妖怪の侵入や結界の綻びを察知した際は他の十二家に式神を放って注意喚起している。
亥山健児(いのやまけんじ): 亥山家当主。顔の左側に大きな傷跡がある青年。恭一の喧嘩の師匠で兄貴分。町内で団子やを営んでいる。; 亥山家は現在妖怪との戦闘が出来ないため、担当区域は子国家や戌原家がカバーに入っている。; 閃の事が好きで、本人にその気がない時でさえついつい告白してしまい、そのたびに彼女からは振られ、佐藤からストーカーとして半殺しにあっている。; 後に閃からはまんざらでもなかったと伝えられ、改めて恋人同士となり、1年後結婚した。
辰河勇全(たつがゆうぜん): 辰河家当主。顔に竜をかたどった仮面をつけ古風な口調で喋る少年。; 現当主の中では最年長だが、姿は少年のまま変わっていない。いつもは辰河家の力である「気」の操作で十二町の自然環境の監視をしている。郷一と冬歩が出会ってから分かれるまでの一部始終を知っていることもあり、夏歩が街にやってきたことに気付いてからはなにかと二人を気にかけていた。十二町の土地神とも知己であることから冬歩が土地神に仇名そうとしていることに気付いたが、時すでに遅く土地神を食らった冬歩と戦い重傷を負った。; 経験豊かで多くの状況に対応出来るものの力は全盛期からだいぶ衰えてきており、敵と戦う際にも苦戦を強いられることが多い。
午坂遥菜(まさかはるな): 午坂家当主。髪をポニーテールにした凛々しい雰囲気の女子生徒。; 高校では学級委員長をやっているが、本来学級委員がやるはずのない仕事まで引き受けたり、ゲームのアイテム集めの手伝いまでさせられていたりして君彦から突っ込まれることも多い。; 冬歩の策略により朱華が鬼化した際には負傷した宮湖たちに代わって朱華と戦った。戦闘では足技主体の肉弾戦を得意とする。; 騒動後は十二家内での子国家一強体制に異議を唱え、宮湖に勝負を挑んで代理として相手となった閃に勝利。十二家内の力関係を均等にすることに成功した。; 作中の時期は十二家の中で午の家が最も土地神からの力を得られる年で、他の十二家を凌駕する力を発揮できる。
桐谷君彦(きりたにきみひこ): 遥菜の同級生で副学級委員長を務める男子生徒。; 遥菜の「頼もしいものの前だとフヌける」という事情を知っている一人で、いつもは彼女に言われるがまま仕事を任せきりにしているが、本来は面倒見のいい性格で遥菜が無理をしているように見えた時には手を貸し、彼女にも自分を頼るように諭している。; 中学校時代は生徒会長だった。今無気力なように見えるのは本人曰く「受験戦争で燃え尽きたから」らしい。
寅岩虎虎(とらいわとらこ): 朱華の従姉妹で同級生の1人。寅岩家当主。長い髪をツインテールにした少女。; 冬歩に母親を救う手段があると騙され、母親を妖怪化させる儀式を行ってしまう。しかしその儀式は失敗し、母親の自我を取り戻す条件として十二町で辻斬りをするようになる。辻斬りの最後に朱華を妖怪化するよう冬歩に指示されたが、最終的に朱華との友情を取り、儀式を断念しようとしたところでそれを読んでいた冬歩に斬られて朱華を妖怪化されてしまう。自身は完全に鬼とはならなかったものの正気を失い、寅岩家の地下に籠っていたが、回復した朱華に殴り飛ばされ、和解することができた。; かつて自分の不用意な一言で母親と寅岩家が没落した原因を作ってしまった後悔を長年抱えて生きて来たこと、朱華が妖怪となり彼女を失ったと思ったことで他人との関係に恐怖するようになり、妖怪の力として自分の体を鎧のように変化させる力を得た。朱華と和解してからは彼女と行動を共にするようになり、彼女の「傷心旅行」にも同行している。
卯ノ崖清葉(とのがけきよは): 卯ノ崖家の双子当主の姉。; 郷一の死による子国家の代替わりに乗じて先祖が子国家に受けた仕打ちの復讐をしようと画策。; 正樹と共に辻斬り事件を起こして子国家の権威を失墜させようとしたが、宮湖に返り討ちにあい強制遂行で絶対服従することになってしまった。; 本人の戦闘能力は高くなく、町の外の人間に強制遂行対策の耳栓を作らせたり拳銃で武装したりしていた。; 宮湖から恭一に当主の座が移った際に絶対服従は解けたものの、その期間中復讐心を無くしていた経験から復讐が無意味だと悟り、以降宮湖と友人関係になった。; 最終話では宮湖と組んで十二町を開発し、大いに発展させたことが語られている。
卯ノ崖正樹(とのがけまさき): 卯ノ崖家の双子当主の弟。
姉の復讐に付き合わされ、通り魔事件の実行犯として様々な人間を襲っていた。; 宮湖と直接対峙することが無かった為、事件後急に子国家の為に動くようになった姉には困惑している。; 姉とは違い戦闘能力は高い。
未野美古(ひつのみこ): 未野家当主。十二町内で診療所を営んでいる女医。; 添い寝することで相手の治癒力を底上げする能力を持つが、男と添い寝する趣味は無い為作中では普通の診療をしている場面が多い。またその力のせいなのかなにかと眠そうにしており、新年の挨拶では挨拶もそこそこに眠ってしまった。; 本編数年後にはブログの書籍化が大ヒットし一躍時の人になった。
子国郷一(ねくにごういち): 物語開始時の子国家当主。恭一の両親の死後「強制遂行」を使えなかった恭一から力を取り上げ当主に復帰した。当主としては子国家と十二町の障害になるような存在を許さない冷徹さを持ち、同じ十二家でも許さず、十二町の絶対権力者として君臨していた。そのせいで町の内外に多くの敵を作ってしまい、それを冬歩に利用される形で彼女の復讐に大きな力を貸す形になった。; かつては子国家の家業を良く思わず、家の中にいるのを嫌って勇全と共にあちこちに出かけていた。町の裏山で釣りをしていた時に雪歩と出会い、雪歩が恨み猫と気づきつつも彼女に惹かれていった。しかしそれが足枷となり雪歩の凶行を止められず、彼女と十二町を天秤にかけた末に町を守ることを選び、子国家当主を受け継ぎ彼女と決別した。その際彼女を見逃したことが回りまわって自身の最期を決定付けることになる。; 死後は三途の川を渡る手前の賽の河原に居座り、死にかけた恭一を蹴り飛ばして生き返らせたりしていた。後に死んでしまった冬歩と再会し、今度こそ添い遂げることができた。
丑蔵裕生(うしぐらゆうせい): 朱華の父。当主の座を朱華に渡してからも大岩を持ち上げる程度の怪力を発揮できる。; かつては両親を亡くし家を追い出された恭一を気にかけ、同年代の朱華を引き合わせた。以降ずっと2人の関係を見守っている。; 当主の朱華が恭一の為に行動する時間を作るため一族の者たちと一緒に鬼門から町に入る妖怪と戦うことが多い。
柳柄二世(やながらふたよ): 郷一の妹で恭一の大叔母。郷一死後の子国兄弟の後見人で、宮湖の当主就任を後押ししたのも彼女で、恭一の事は「当主のなりそこない」として嫌っていた。; 若い頃は家の事にはかかわっておらず、許嫁とののろけ話をするような純粋な性格をしていた。
巳川忠光(みかわただみつ): 巳川家初代当主。巳川家は魂を呼び出し自分の肉体に宿らせる能力を持ち、それを生かして初代である忠光が当主のまま現代まで続いている。有事の際は巳川の子孫の力により呼び出されるが、肉体が魂に影響されて骨格が変わってしまうなど負担が多い為あまり多用しないよう気を付けている。; かつて恨み猫と戦った経験を当てにされ、冬歩襲来時に全一に呼び出された。
巳川京子(みかわきょうこ): 当代の巳川家。忠光の子孫で十二町の神社の娘。土地神の事についても詳しく、夏歩が土地神となってからは様々な神事の手伝いをしていた。; 後になにも用が無い時ですら子国家に入り浸るようになり、神社の仕事を疎かにするようになり実家での肩身が狭くなったらしい。
鼬塚透也(いたちづかとうや): 十二町の成立時に存在し、十二家成立時に十二家入りを逃した鼬塚家の少年。夏歩を十二町へ侵入させた張本人。; 手の延長上に鎌状の黒い刃を形成しする能力を持ち、切り付けたり射出したりして攻撃することが出来る。; 鼬塚家は十二家入りを逃した後子国家から力を分け与えられ、以降今まで十二町外の汚れ仕事を請け負って暮らしてきた。; 父が郷一によって殺されたことを冬歩に吹き込まれ、子国家と郷一に復讐するために冬歩に力を貸し、恭一とも戦った。恭一達に敗れ冬歩に捨てられた後偶然通りがかった遥菜に拾われしばらく匿われていたが、その期間遥菜に傷の手当てを受けて絆されたことや子国家への復讐心が薄れたことで遥菜を通して恭一達に力を貸すようになり、冬歩を倒すのにも一役買った。; 事件後しばらくして遥菜と恋人同士となり、遥菜の父からの反対をどうにか押し切り結婚した。
河童太郎丸(かわらしたろうまる): 河童の男の子。恭一によく悪戯を仕掛けて遊んでいる。; 悪戯の内容は一歩間違えれば怪我で済まないような物もあるが、恭一の周りにいる人の中では十二町の柵にとらわれていない数少ない一人で、恭一の方も太郎丸と花の二人に癒されていることが多い。; 普段は魚屋で目利きの仕事をしている。
座童花(ざわらしはな): 座敷童の女の子。太郎丸と共に恭一に悪戯を仕掛けて遊んでいる。; 座敷童であるためか太郎丸とは違い外で仕事はしていない。
猫ヶ崎冬歩(ねこがざきふゆほ): 現猫ヶ崎家当主にして夏歩を十二町家に送り込んだ真の黒幕。; かつて十二町家の近くに住んでいた際に郷一と勇全と知り合い郷一と惹かれあうようになっていったが、恨み猫の本能である子国家への殺人衝動が徐々に抑えられなくなり、郷一を隠れて追いかけて来た子国家の人間を手にかけてしまう。そこで殺人衝動が引いたことから郷一以外の子国家の人間を次々手に掛けるようになってしまい、町や子国家の人間を助けるために当主となった郷一に決別され、町から追い払われた。; その後は郷一だけでなく自分から郷一を奪った十二町そのものを深く恨むようになり、他の妖怪を取り込んで鬼と化した上自分の持つ9つの魂から最も弱い魂を分離して夏歩と名付けて囮にし、自分は巨大な角を持つ怪異に化けて透也や虎虎をはじめ子国家に因縁を持つ様々な人々を騙して十二町で事件を起こしてきた。事件を通して十二町の信仰が揺らぐ時を見計らい、土地神をも殺して町の結界を破壊したが、取り込んだ夏歩から逆に自分の神の力を内側から奪われ、彼女との戦いの中で自分の無念を夏歩に託せる事を自分が捨てたはずの魂の1つである良心から諭されて戦意を喪失し、夏歩の攻撃を受けて死亡した。; 郷一に手を下したのは間違いなく冬歩だが、その目的は郷一を妖怪化して郷一と再び共に居れるようにする為だったが、郷一から拒絶された。その時は郷一の胸の内は理解できなかったが、死の間際ようやく理解することができ、死後に三途の川で待っていた郷一と遂に何の柵の無い状態で再会する。

用語

十二町: 本作の舞台となる日本の地方都市。昔土地神が自分の代理となる十二の家を選び、神の力を貸し与えて治めさせて来た。元々は持ち回りで納めさせていたが、現在は町の区域を十二に分けてそれぞれの家が治めるようになっている。現実の十二支の話と同じく早く来た一族から順に任命した結果猫ヶ崎家や鼬塚家が十二家入りを逃すことになり、禍根を残すことになってしまっている。土地神が持ち回りであった頃の名残か、その年の年神となる家は他の家と比べて特に強力な力を振るうことができる。; 町を狙う妖怪に対抗するため、町の周囲には結界が張られている。; 現代では強制遂行の力を持つ子国家が十二家を含む対立勢力を倒し事実上の一強体制となっていた。また寅岩家、亥山家などは町に来る妖怪の迎撃に参加できなくなっている。