夏目アラタの結婚とは、乃木坂太郎による漫画である。
概要
『ビッグコミックスペリオール』にて、2019年14号から2024年4号にかけて連載された漫画。
消えた遺体を見つけるため、児童相談所の職員がここ数年で最も有名なシリアルキラーである死刑囚に結婚を申し入れ、やがてそれが周囲を巻き込んだ危険なゲームへと発展していく様を描く。
巻数は全12巻。
主人公とそのヒロインを軸にした張り詰めた心理戦やテンポがよくそれでいて先が読めないストーリー、妙に引き込まれる世界観が高評価を得ており、2020年に「次にくるマンガ大賞 2020」U-NEXT特別賞コミックス部門を、2025年に第70回小学館漫画賞を受賞した。
2024年9月には柳楽優弥と黒島結菜主演で実写映画化もされた。
あらすじ
父を殺された担当児童からの依頼で拘置所を訪れ、“品川ピエロ”こと品川真珠と面会した児童相談所職員・夏目アラタは、自分に興味を無くし即効で退室しようとする彼女に「俺と結婚しよーぜ!」と宣言。
ただのハッタリだったのだが、その気になった真珠は「ここを出る」と言い放ち、アラタを心理的に追い詰めてゆく。
主な登場人物
- 夏目アラタ
- 主人公。児童相談所に勤める30代独身男性。頭は切れるが、元ヤンで現在もチンピラっぽい言動が多い。小学生の時に父親を事故で喪い、その後母親が再婚と離婚を繰り返したことも影響したのかかつては「児相一の問題児」と呼ばれるなどかなり荒れていた。生い立ちもあり児童を虐待している者には容赦しない。ソシャゲ好き。タイプは年上の薄ポッチャリだが来るもの拒まずでいろいろなタイプのダメ女と付き合ってきた。秘密を引き出して消えた被害者の遺体の在り処を突き止めるため、そんな気は全くないのに真珠に対し獄中結婚を申し込む。
- 品川真珠
- ピエロの扮装をして遺体を解体する手口から“品川ピエロ”の異名を取る、かつて世間を騒がせた連続バラバラ殺人鬼。ボクっ娘。ガチャ歯。エキセントリックな個性の持ち主で周囲を翻弄する。歌が上手い。怪物級の演技力の持ち主。死刑囚となった現在は東京拘置所で刑を待つ身だが……
- 桃山香
- 30を超えてるが童顔のため若くみられる、ややポッチャリ体型のアラタの先輩で良き相談相手。アラタのタイプで彼から半ば冗談気味にアタックをかけられている。好物は担々麺。詩的な人に憧れている。真珠にほだされ彼女を「パール」と呼ぶ。
- 宮前光一
- 真珠の担当弁護士。シュッとしたルックス[1]で誠実そうな印象を与える。次男。過去に真珠と会ったことがあり、彼女にだいぶ入れ込んでいる。
- 藤田
- 真珠に強い興味を示す、新聞配達店に住む初老の死刑囚アイテムコレクター。利害関係が一致したアラタと連絡を取り合う。長年裁判所で膨張をしてきただけあって法律関連に明るいため解説を担うことも多い。
- 品川環
- 真珠の母親。八重歯がキュートな、いわゆる清楚系ビッチ。真珠を養護施設に預けた後も頻繁に会いに来ていた。どういうわけか、真珠に対し育児を放棄して歯の治療も受けさせなかったのに栄養状態だけはかなり気にしていた。
- 山下卓斗
- 真珠に父親を殺された被害者遺族でアラタが勤める児相の担当児童。まだ見つからない父親の首を探すため真珠と文通を行い、それがきっかけでアラタと真珠の面会が始まった。
- 神波
- 真珠の控訴審の裁判長。基本に忠実でフェア。真珠の演技を見抜くなど洞察力が鋭い。
- 周防英介
- 真珠が犯した事件の最初の犠牲者。笑顔が優しい。身体の弱い母がいる。真珠から特別な執着をされていたようだ。
- 周防沙菜
- 周防英介の義理の妹。背が高くヒョロっとした美人。アラタにグイグイ来るが……
- 桜井
- 真珠の事件の担当刑事。真実を追い求める切れ者。独身主義者で、パートナーはいるが28歳になったら別れるようにしている。
- 寺井綾子
- アラタの母親。再婚しているため息子とは苗字が違う。久しぶりに連絡を取ってきた息子が死刑囚と婚約したことに驚愕するも、その後は良き相談相手となる。
関連動画
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関連リンク
関連項目
脚注
- *アラタ曰くウルトラマンっぽい顔立ち。