20世紀少年とは、1999年から2007年までビッグコミックスピリッツで連載された浦沢直樹の漫画である。正式名称は『本格科学冒険漫画 20世紀少年』。(このタイトルは作品舞台となった昭和時代の雑誌をイメージしたもの)「20世紀少年」の部分はT-REXの「20th Century Boy」から付けられており、ストーリーもこの楽曲が流れるシーンから始まる。また、映画版のテーマ曲でもある。
漫画は1999年から2006年にビッグコミックスピリッツで掲載され、2007年一月から七月まで完結編の21世紀少年が連載、2008年には映画化もされた。コミックスは「20世紀少年」が22巻、「21世紀少年」が上下巻(2巻)の計24巻。
主人公遠藤健児は、作者浦沢直樹がそのまま元になっており、浦沢直樹の自伝的作品の要素を含んでいる。浦沢直樹は漫画家になっていなければ音楽家になっていたと言うほど歌が上手い。(実際にライブハウスで活動したり、歌手デビューもしている)そのため、作品の重要な鍵となる「Bob Lennon」は彼がそのまま作詞・作曲を手がけている。(単行本の初回おまけとして付いた)
ストーリーや漫画自体に仕掛けを仕込んでいることが多く。その中で特に有名なのは登場キャラが図書室で本の中に隠された一枚の紙切れ(内容は子供の文字で書かれている)を発見するという重要なシーンがあるが、読者が本屋さんで買ってきた単行本を読むときに、そのシーンのページを開くと『実際にその紙切れを再現してはさんでいた』ことは有名である(初版のみ)そのため当時の読者には度肝を抜ぬかれた者も多くいる。単行本にはどこにもその紙をはさんであることについての言及はない。(あれほど漫画で驚いたことはなかったよ。驚きすぎて心臓発作で死ぬかと思った。)
連載開始前はタイトルに正式な名前を付けずに、本来タイトルを入れるべき場所に『人差し指を立てた手に目のマーク』だけが書かれている作品にしようという案があった。(単行本の表紙や雑誌連載時にマークのみの表示で、作品の名前を呼ぶときは<浦沢直樹の新作>などの名前で呼ばれる予定だったらしい)そっちのほうが話題性があって、面白いという話で進んだが、いろいろと大人の問題が発生し没になってしまったとのこと。
コピーライターの糸井重里は、この作品は面白すぎて、単行本で一気見する分にはいいけど、週刊誌で毎週読むには続きが気になりすぎて苦しいだろうなと語った。実際に、毎週ビックコミックスピリッツで、読むには、次週が楽しみで楽しみで楽しみで苦しみまくった人間が多くいた。
また信じられないが作者が、『20世紀少年』と『MONSTER』を同時に連載していたこと。片方は映画化、片方はアニメ化と快挙を成し遂げた。
ロックバンド歌手を目指していた中年男、遠藤健児。彼は子供の頃にノートに遊びで『よげんのしょ』と呼ばれる内容を書いた。 その内容は『20 せいきのおわりに、悪のそしきがせかいせいふくにうごきだしました。かれらはさいしょに、おそろしいさいきんへいきでサンフランシスコとロンドンをおそいました。 』『次にかれらがさいきんをばらまいたのは、大阪です。日本中がきょうふにふるえあがりました。 』の様な内容で、大人になった彼は、そんなノートのことなどすっかり忘れていました。
しかし・・・彼の子供時代の知り合いにそれを実行する者がいて・・・
物語の核心についてのネタバレあり。
原作と映画版とで設定が大きく異なる人物が多く、映画版にはそもそも登場すらしてない人物もいる。
このため、原作と映画版の両方の設定について記述する。
あだ名はケンヂ。本作の主人公。コンビニの店主であり、ともだちの計画を阻止し世界を救う救世主。すべての始まりである“よげんの書”を作った張本人。
主要人物の中でも「ともだち」の存在に気づき、「ともだち」の予言を阻止しようとしていたが、それらがすべて裏目に出てしまい、実家のコンビニは「ともだち」の信者によって全焼し、ケンヂ自身もテロリストとして指名手配される羽目となってしまった。
2000年血のおおみそかでロボットごと爆発に巻き込まれ、死亡されたものとされていたが、実は記憶を失いながらも奇跡的に一命を取り留めていたことが判明。西暦の終わりと同時に記憶を取り戻し、テロで絶望の淵にいた人々を歌で救うこととなる。
主人公ということもあり、設定に大幅な違いがない。
通称、カンナ。本作のもう一人の主人公。ケンヂの姉の子供。強気で無鉄砲なところがあり、父親代わりであるケンヂを本当の父親のように思っている。
実の父親は「ともだち」で、超能力も彼から受け継いでいる。後に穏健派のヨシツネと対立する形でレジスタンスを立ち上げ、氷の女王の二つ名を得る。
あだ名はオッチョ。元はエリート会社員だったが、息子の死にあってからインドで世捨て人になる。その後はバンコクで裏稼業を行って生活していた。現地では「ショーグン」と呼ばれていた。ケンヂの呼びかけを受け帰国し、行動を共にする。
「血のおおみそか」の後、海ほたる刑務所に投獄され、「3番」と呼ばれ懲罰房に封印されるが、後にやってきた角田と共に脱獄。その後密漁船を利用し逃亡。世界滅亡後、ともだち暦になると東京内に忍び込み、カツオとサナエに匿われたあと、カンナと合流する。その後、ともだちにより発射されたUFOを撃墜する。
映画版では、暴走するロボットにジープで突撃し横転させることに成功している。
あだ名はユキジ。スポーツが得意で勝気。愛犬のブルースリー(青の3号)と共に税関職員をやっていた。ケンヂ達に加わるものの、カンナの世話係を任され直接的には作戦に参加しなかったためか他のメンバーとは違いテロリスト一派には加えられず、そのままカンナの面倒を見続けた。ケンヂの初恋の女の子。
あだ名はヨシツネ。気の弱い冴えないサラリーマンで、メガネ君。
血の大みそかの際にケンヂ、マルオと共に死亡したとされていたが、実際は逃亡の際よく似た他人の近くで財布を落としてしまっただけで、ほぼ無傷で生存していた。その後は「ゲンジ一派」のリーダーとしてレジスタンス活動を行っており、ともだちランドの清掃係として潜入捜査も行い、その過程で小泉響子と知り合うこととなる。
映画版ではロボットを止めようとしたが、結局止められず、乗り込んできたケンヂに操縦しているものと誤解される羽目になった。
あだ名はマルオ。臆病者だが、いざというときには立ち上がる文房具店ファンシーショップの店主。成人後もケンヂたちと同じ商店街で暮らしていた。
上記の通り、血の大みそかの後、ヨシツネと共に死亡したとされていたが、国民的演歌歌手・春波夫に匿われ、マネージャーとして春と行動を共にしていた。
あだ名はモンちゃん。母子家庭で育った。ラグビーが得意。
幼少期に彼が教室の水槽ポンプのスイッチを入れ忘れたことが原因で(実際はスイッチは入ってた)ドンキーは「あるもの」を目撃することとなる。
1997年当時はドイツで働いていたが、一時帰国後ドンキーの葬式(映画版は同窓会)でケンヂたちと再会し、彼の発言によりタイムカプセルの存在を思い出させた。実は医師から不治の病を宣告されていた。
血の大みそかの2年後、病床に伏していた彼を見舞いに来たユキジに「しんよげんのしょ」のコピーを渡したり、「ともだち」とつながりがあるとされるサダキヨに接触するなど、積極的に「ともだち」を調査していたが、接触していたサダキヨに殺害される。彼が遺したメモは後に「モンちゃんメモ」と呼ばれ、ケンヂの姉キリコの行方などの手掛かりとなる。
あだ名はケロヨン。というか劇中ではそれでしか呼称されない(上記の本名は映画版でつけられたもの)。
カエルに似た風貌で、自身も「ゲロゲーロ」が口癖である。
幼少期は「カエル帝国」として、ケンヂたち忍者部隊と銀玉鉄砲で撃ち合いをしていた(もちろん遊び)。
その後実家の蕎麦屋を継ぎ、1997年に結婚し子供も授かるが、度々店を放り出してクラブで遊んでいたため奥さんに愛想を尽かれて後に離婚。血の大みそかには蕎麦屋の経営に忙しいことを理由にケンヂからの誘いを断った。ケロヨンは後にこのことをひどく後悔していた。
2015年には、成長した息子と共にアメリカで蕎麦の修行をしている途中、謎のウイルスによって滅びた集落を訪れ、ケンヂの姉キリコがミシガン湖畔の製薬工場でワクチンを製造していることを知った。その後何者かによって放火された工場からキリコを救出した。
ともだち暦以降は東村山でキリコと共に最終ウイルスのワクチンの研究を手伝っていた。
あだ名はドンキー。いつも鼻水を垂らしており、小学校ではよくいじめられていた。後に工業高校の科学の教師になるほど科学が好きで、1969年のアポロ11号月面着陸の生中継をケンヂの家でずっと見続けていた。一方で幽霊などの非科学的な存在は一切信じない。あと、裸足なのに足がとても速い。
自身の教え子だった田村マサオが「ともだち」に入信したことをきっかけに「ともだち」の計画にいち早く気づくも、「ともだち」の信者に学校の屋上から突き落とされ死亡した。
実は1971年に後の「ともだち」による「奇跡」を目撃していた。その際、あまりの恐怖で窓から飛び降り、そのまま逃げてしまった。
あだ名はフクベエ。同窓会でケンヂたちと再会する。3人の子供がいるが、他の女性と遊んでばかりだったため妻に逃げられ、その妻は「ともだち」の教えにのめりこんでしまった。ケンヂにいつもお面をかぶって宇宙人と交信していたサダキヨという人物が怪しいと伝えた。
2000年、3人の子供を実家に預け、ケンヂからの招集に応じた。万丈目の事務所に盗聴器を仕掛けるなどして「ともだち」の行動を観測しようとした。血の大みそかの際、ビルの屋上でロボットを操縦するリモコンを「ともだち」と思われる男と取り合っていたが、操っていた男もろとも落下し、死亡した。
忍者ハットリくんのお面をかぶった謎の男。ケンヂの友達の誰かだということはわかっているが、それ以上は謎に包まれている。ケンヂの作った“よげんの書”を用いて、世界を破滅させようとしている。
プライドが高く嫉妬深いが、聡明な男。超能力まがいのことができる。
かつて万丈目によって番組に超能力少年として取り上げられる予定だったが、イカサマがばれて放送されず、いじめられたことを根に持って計画を実行する。このため、ケンヂに直接的なきっかけがあるわけではない。作中で何度もケンヂを名指ししたのは、よげんの書を作った張本人であったことと、秘密基地グループのリーダーであったこと、さらに幼少期に駄菓子屋の景品バッヂを盗んだ罪をケンヂになすりつけられたことが理由と思われる。
血の大みそかの際にビルから転落死したと見せかけ、姿を消した。その後ヤマネに射殺されるが、もうひとりの「ともだち」が後を継いだ。なお、映画版ではカツマタと立場が入れ替わっており、映画版では彼の行動は全てカツマタが起こしたことになっている(逆に、フクベエは幼少時に死亡している)。
本名は万丈目淳一朗。「ともだち」の側近であり、組織の幹部。
ともだちと知り合う以前は露天で物を売ったりプロダクションの経営をしていたが、1980年、「ともだち」からの誘いがきっかけで組織を作り上げる。
原作では「ともだち」の入れ替わりに気づき、カンナ達に暗殺を依頼するも、同じく幹部の高須に裏切られ、ヴァーチャルアトラクションに接続中に暗殺される。 ヴァーチャルアトラクション内に思念が残り、その後やってきたケンヂと出会い、成仏する。
映画版では関東軍総統の行動の一部が彼の行動となっており、罪の意識に苛まれケンヂに全てを打ち明けた後ケンヂ達の前に正体を現したともだちを射殺するが、直後に倒れてきたロボットに押し潰される。
ただの高校生。パンクバンドのエロイム・エッサイムズの追っかけで、全国ツアーを付いて回ったりしている。カンナの同級生。
適当に歴史の自由研究のテーマを「テロリスト・ケンヂ」にしてしまったためにともだちランドに送られる事となる。そこでヨシツネに助けられ、以後彼と行動を共にすることになった。また、この件をきっかけに遠藤カンナとも知り合うこととなる。最終的には神様に才能を見いだされ、プロボウラーとしてデビューすることとなる。
本名・神永球太郎。 予知夢を見るホームレス。そのため、周りのホームレスからは神扱いされている。
血の大みそか以降はその能力を使い株で大儲けし、最終的には史上初の民間人宇宙飛行士にまで上り詰める。 が、結局ともだち暦には破産し、ホームレスに戻ってしまった。
掲示板
149ななしのよっしん
2022/08/10(水) 15:32:38 ID: tBiJiS+gfM
150ななしのよっしん
2022/08/17(水) 02:36:31 ID: +AVrWWV+IP
151ななしのよっしん
2022/09/02(金) 12:29:54 ID: vAIoLuxelw
ほうら思わせぶりな謎だよー、お前らこういうの好きだろ?
と出してる間は読者も盛り上がるけど、真相を出していくほどがっかり完結に近づいていくパターン
『ひぐらしのなく頃に』などもそうだけど、どうして読者は引っかかっちゃうんだろうね
納得できるだけの回答が提示されるはずだと信じてしまうのだろうか
急上昇ワード改
最終更新:2023/03/31(金) 21:00
最終更新:2023/03/31(金) 21:00
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